保育園における食育とは?【目標・ねらい・アイデア・ゲーム】

保育園で子どもたちの食生活について、一度は悩んだことがある保育者もいるのではないでしょうか。子どもたちには、食べ物の好き嫌いを極力減らし、食事の楽しさをもっと知ってほしいですよね。今回の記事では、子どもたちが健やかに成長するために重要な保育園での食育について、その目標やねらい、保育園で実践できる食育に関するゲームや活動のアイデアを紹介します。食育について知識の幅を広げたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

保育園における食育とは?

食を営む力の基礎を培うこと

保育園における食育は、子どもたちが健やかに成長するために重要な役割を果たします。食を営む力の基礎を培うことは、食事を単なる栄養摂取の手段とするだけではありません。食材の大切さや食べる喜びを体験しながら、自分で食事を選び、作り、楽しむ力を育むことを意味します。具体的には、季節の食材に触れたり、調理活動を通じて食材の変化を知ることなどが含まれますよ。こうした体験は、将来の健康的な食生活の基盤を作ります。また、自立した食行動ができるように導くことが期待できるでしょう。

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保育園における食育の目標

お腹がすく体内リズムの形成

保育園における食育の目標の一つは、子どもたちに規則正しい食事のリズムを身につけてもらうことです。特に、お腹がすく体内リズムの形成は、健康的な成長を促すうえで重要です。例えば、毎日の決まった時間に食事をすることで、体内時計が整い、適切なタイミングで空腹を感じるようになります。このリズムは、消化器官の働きを促進し、栄養の吸収を助け、体と心の健康を保つ基盤を作りますよ。保育園では、食事の時間を通じてこのリズムを体感してもらうだけでなく、適度な運動や休息とのバランスも重視します。また、こういった取り組みにより、自然な食欲を引き出す習慣が身につくでしょう。

子どもにとって食べたいものや好きなものを増やす

保育園における食育の目標の一つに、子どもにとって食べたいものや好きなものを増やすことが挙げられます。これは、保育園でさまざまな食材や料理に触れる機会を子どもたちに提供し、食事に対する興味や関心を広げることを目的としています。特に幼少期は、食の好みが形成される大切な時期です。さまざまな食材や料理に触れる経験を通じて食べられるものが増えることで、栄養バランスの取れた食生活が身につきやすくなりますよ。苦手な食材でも、調理方法や食卓の雰囲気によって楽しく食べられるようになることがあります。また、保育園で食事の楽しさを子どもに伝えることで、子どもの食欲を引き出し、将来の健やかな成長を促進します。

子どもが一緒に食べたいと思う人をつくる

また、子どもが一緒に食べたいと思う人をつくることも食育における目標の一つです。食事は、ただ栄養を摂る行為だけではなく、他者との心の交流や絆を深める大切な場です。子どもたちが友達や家族、保育者と一緒に楽しく食事をすることで、食べる喜びや共に過ごす楽しさを感じるようになります。また、他者との食事を通じて、コミュニケーションの大切さや感謝の気持ちを育むことができますよ。これにより、子どもたちは食事を他者と共有する大切さを学び、将来にわたって心豊かな食生活を送る基盤が形成されるでしょう。

子どもが食事作りや準備に関わる

子どもが食事作りや準備に関わる経験を通じて、食への興味や理解を深めることも重要です。なぜなら、子どもたちが実際に食材に触る、切る、混ぜるといった調理活動を行うことで、食事メニューがどのように作られるのかを知り、食材の大切さを実感できるからです。また、食事の準備を手伝うことは、協調性や自立心を育む良い機会にもなりますよ。こうした活動を通じて、子どもたちは食べることの楽しさを実感します。そして、将来的に子ども自身で健康的な食生活を選ぶ力が養えます。

子どもと食べものを話題にして話す

子どもと食べものを話題にして話すことも、食育の目標に挙げられます。これは、単に食事をするだけでなく、子どもたちが食べものについて興味を持ち、自ら考える力を養うための重要なステップです。例えば、野菜や果物の名前や育ち方、どこから来たのか、味や食感などを話題にすることで、子どもたちは食材に親しみを持つようになります。さらに、食べものについて話すことは、食文化や地域の特産物に触れる機会にもなり、知識の向上やコミュニケーション能力の向上にもつながりますよ。こうした対話を通じて、子どもたちは食べることの大切さや楽しさを学び、食への関心を深めることができるでしょう。

【年齢別】食育のねらい

6カ月未満児

6ヶ月未満児における食育のねらいは、食に対する基本的な関心や安心感を育むことです。この時期の赤ちゃんは、母乳やミルクが主な栄養源であり、固形食にはまだ移行していません。しかし、食に関連する体験は既に始まっています。赤ちゃんは、母乳やミルクを通じて、食べるという行為そのものを学び、抱っこされながらの授乳で信頼関係を築きます。また、親との触れ合いや、温かな声かけで安心感を育むことで、将来の食事体験を豊かにする基礎を築きますよ。このような初期の食体験が、食べることへの好奇心やポジティブな感情につながるため、非常に重要なのです。

6カ月~1歳3カ月未満児

6ヶ月〜1歳3ヶ月未満の子どもに対する食育のねらいは、離乳食を通じて食べる楽しさや食材への興味を育むことです。この時期は、母乳やミルクから離乳食へと移行し、さまざまな味や食感を体験する大切な時期です。離乳食を口にすることの目的は、咀嚼や飲み込みの発達を促し、食事のリズムを整えることです。また、手づかみ食べを通じて自分で食べる意欲を育て、食べることに対するポジティブな感覚を形成します。さらに、食事を楽しむ姿を大人が子どもに見せることで、子どもは食事への興味を自然に深められますよ。こうした取り組みにより、子どもは健康的な食習慣の基礎を築くことができるでしょう。

1歳3カ月~2歳未満児

1歳3ヶ月から2歳未満の子どもに対する食育のねらいは、食事を通じて基本的な食べる力や興味を育むことです。この年齢の子どもたちは、手で食べ物をつかんだり、スプーンやフォークの使い方を覚え始める時期です。この時期の食育では、子どもたちが自分で食べる経験を通じて、食べ物に対する興味や好奇心を育て、食事の楽しさを感じることを促します。このとき保育者は、子どもの食事のリズムを整え、食べることが日常生活の一部として習慣化されるように支援します。また、この時期の食事を家族や保育者とのコミュニケーションの場とすることで、社会性や心の発達もサポートしますよ。

2歳児

2歳児の食育のねらいは、健康的な食習慣の基礎を築くことです。この時期の子どもは、食べ物への興味や好奇心が高まり、自分で食べる力も発達します。バランスの良い食事を提供しながら、さまざまな食材に触れる経験を通じて、好き嫌いを減らし、食べる楽しさを学びますよ。また、手洗いや食べるときのマナーなど、食事の際の基本的な生活習慣も身につけることが重要です。2歳児期の食育は、成長と健康の基盤を作り、将来の食習慣に大きな影響を与えるため、丁寧に取り組む必要があります。

3歳児以上

3歳児以上の食育のねらいは、食を通じて健康的な生活習慣を形成し、食べ物への関心や感謝の心を育むことです。この時期は、味覚や食べ物の好き嫌いが形成されやすいため、さまざまな食材や味を経験してもらい、バランスの取れた食事を楽しむ姿勢を養います。また、食材がどのように生産されて食卓に届くのかを理解することで、自然や人々の働きに感謝する心も育まれますよ。さらに、自ら食事の準備や片付けに参加することで、自立心や協調性も促進されます。こうした取り組みが、将来的な健康と社会性の基盤作りにつながるでしょう。

保育園で実践できる食育に関するゲームや活動のアイデア

食べ物クイズ

保育園で実践できる食育活動の一つとして、食べ物クイズがあります。これは、子どもたちが食べ物について楽しく学べるゲームです。例えば、野菜や果物をテーマにして「これは何でしょう?」と、食べ物の一部を見せたり、ヒントを出したりしながら当ててもらう形式が考えられますね。また、「どの季節に食べるもの?」や「どこで育つ?」といった質問を通じて、食材の特徴や栄養についても自然に学べます。さらに、クイズに正解すると、その食材を使った簡単な料理を試食することで、食べる楽しさを実感させることも可能です。このようなクイズ形式の活動は、子どもの興味を引きながら、食への理解を深めるための効果的な方法です。

絵合わせゲーム

保育園で実践できる食育の一環として、絵合わせゲームは楽しく学べる活動です。このゲームは、食材や料理の絵カードを使って、子どもたちがペアを作る遊びです。例えば、野菜や果物、魚やお肉の絵カードを用意し、それぞれのカードを2枚ずつ作成します。子どもたちは順番にカードをめくり、同じ食材のペアを見つけることを目指します。さらに、ペアがそろった時に、その食材について簡単な説明や栄養に関する話を加えることで、楽しみながら食材の名前や特徴、健康との関連性を学ぶことができるでしょう。このゲームは記憶力を養いながら、食べ物に興味を持たせる効果的な方法です。

紙芝居

保育園で実践できる食育活動の一つとして、紙芝居は効果的な方法です。紙芝居を通じて、食べ物の大切さや食事の楽しさを子どもたちにわかりやすく伝えることができます。例えば、野菜や果物がどのように育つのかを描いた紙芝居や、食材がどのように調理されるのかを紹介する物語を使うことで、子どもたちは食べ物に対する興味や理解を深めます。また、キャラクターを通じて食べ物の好き嫌いを克服する話などを展開することで、楽しみながら学べる機会を提供できますね。このように紙芝居は視覚的にも楽しく、子どもたちの想像力や興味を引き出す優れた食育の手段です。

野菜スタンプ

野菜スタンプは、保育園で楽しく食育を実践できる活動の一つです。子どもたちに野菜の形や構造に興味を持たせることが目的で、さまざまな野菜を使ってスタンプ遊びを行います。例えば、オクラやレンコン、ピーマンなどを半分に切り、絵の具をつけて紙にスタンプします。野菜の切り口がユニークな模様を作り、子どもたちの創造力を刺激しますよ。この活動を通じて、野菜に親しみを持たせるだけでなく、どんな野菜を使っているのかを学び、食べ物に対する関心も高めることができます。また、実際に野菜に触れることで、食材への興味を促進し、好き嫌いの克服にも役立つでしょう。

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園庭で食材を育てる

保育園で実践できる食育活動として、園庭で食材を育てることは子どもたちにとって楽しい学びの場となります。子どもたちは野菜や果物の成長過程を観察することで、土や水、日光の重要性を理解できます。例えば、野菜の種を植え、毎日水やりをする係を順番で担当させることで、責任感や植物への愛着を育みますよ。また、収穫した野菜を実際に調理して友達と一緒に食べることで、自分で育てたものを食べる喜びを体験させることができます。こうした活動は、食への関心を高め、自然とのつながりを感じさせる良い機会となるでしょう。

料理に挑戦する

保育園での食育活動として、みんなでクッキングをすることは楽しく食を学べる良い機会です。簡単な料理に挑戦することで、子どもたちは食材の大切さや栄養について自然に学べます。例えば、おにぎり作りやサンドイッチ作りなど、手軽にできるメニューを選びましょう。自分で食材を選んだり、手で形を整えることで、食べ物への関心が高まり、食べる喜びも感じやすくなります。また、クッキングを通じて友達と協力する姿勢や達成感も育まれ、食事に対する感謝の心も育てることができますよ。

まとめ

楽しい食育を通じて子どもたちの健康的な食習慣を育てよう!

いかがでしたか。今回の記事では、保育園での食育について、目標やねらい、保育園で実践できる食育に関するゲームや活動のアイデアを紹介しました。保育園に通う子どもたちは、食を営む力の基礎をつくる大切な時期です。それぞれの年齢に合った食育のねらいを基に、今回ご紹介した食育に関するゲームや活動のアイデアを、ぜひ実践してみてくださいね。楽しい食育を通じて子どもたちの健康的な食習慣を育てましょう。

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