赤ちゃんの反り返りとは?【強い・脳性麻痺・発達障害・特徴・いつまで・改善】

赤ちゃんの反り返りは、運動機能の発達の一環であり、成長のなかでよく見られるごく自然な動きです。しかし、極度な反り返りを見せるなど、場合によっては病気が隠れている可能性もあります。今回の記事では、反り返りが多い赤ちゃんの特徴や赤ちゃんが反り返る原因、対処法や発達障害との関係について詳しく解説していきます。また、赤ちゃんの反り返りで気を付けたいサインもいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

赤ちゃんの反り返りとは?

抱き上げた時に赤ちゃんが体を反らせること

赤ちゃんの反り返りとは、抱き上げたときや泣いているときなどに、赤ちゃんが背中を反らせて上体を後屈させる行動を指します。これは生後数か月の赤ちゃんによく見られる反応で、新生児の神経系が発達途上にあるため、反射的にこのような動きを示すことがあります。特に、授乳や抱っこをする際に反り返りが強く出る場合は、消化不良や便秘、ストレスや不快感が原因かもしれません。また、頻繁に強い反り返りが見られる場合は神経系の異常の可能性があります。ごく自然な行動としても認識されている赤ちゃんの反り返りですが、少しでも異常を感じたときは、必要に応じて小児科医に相談すると安心ですよ。

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反り返りが多い赤ちゃんの特徴

体の緊張が強い

反り返りが多い赤ちゃんの中には、体の緊張が強いという特徴が見られることがあります。これは筋肉が硬直しやすく、手足や首、背中に力が入りやすい状態を指します。このように体の緊張が強い赤ちゃんは、抱き上げられると背中を反り返すように体を硬くし、リラックスしにくい傾向です。また、生後間もない時期は神経系の発達が未熟なことから、反射的な動きが強くなる場合がありますよ。お腹の不快感や便秘があるときにも、赤ちゃんの体が緊張しやすくなることがあります。通常は成長と共に緊張が緩和されることが多いですが、強い緊張が長期間続くようであれば、小児科医や理学療法士に相談してみましょう。

刺激に敏感

反り返りが多い赤ちゃんには、外部からの刺激に敏感であるという特徴が見られることが多いです。これは、神経系が発達途中である赤ちゃんが、音や光、触覚などの外的な刺激に強く反応するからです。そのため、抱っこやおむつ替え、服の着替えといった日常的なケアの際にも、反り返りや体の緊張が現れることがあります。また、環境の変化や大きな音にも敏感で、驚きやすいという傾向もあります。敏感な赤ちゃんは安心感を常に求めているため、日常的にゆっくりと優しい声かけをしながらケアをすることが大切ですよ。こうした敏感さは、成長とともに落ち着くことも多いですが、心配な場合は専門家に相談すると良いでしょう。

赤ちゃんが反り返る原因

不快に感じている

赤ちゃんが反り返る原因のひとつに、不快感があります。お腹が空いている、眠たい、暑い寒い、またはおむつが濡れているなど、何らかの不快な状態に対する反応として反り返ることがあります。特に、胃の不調やガスが溜まっている場合、腹部の違和感から体を反らせることが多いとされています。また、衣服がきつかったり肌に刺激を感じたりする場合にも、赤ちゃんは反り返ることがあるため、服の素材やサイズにも注意が必要ですよ。こうした不快感が反り返りの原因である場合、赤ちゃんが何を求めているのか、こまめに観察しながら原因を取り除いてあげることで、安心感が増して反り返りの減少につながるでしょう。

身体を動かしたがっている

赤ちゃんが反り返る原因のひとつに、身体を動かしたがっているという欲求が挙げられます。月齢が進むにつれて、赤ちゃんは自分の体を動かす楽しさを学び、より多くの動きを試みるようになります。まだ自分で自由に移動できない時期には、反り返ることで筋肉を使い、手足を動かす感覚を体験しようとします。これは、赤ちゃんが自分の身体を探求する自然な行動であり、運動機能の発達の一環なのです。こうした行動をする時期は、赤ちゃんが安心して体を動かせるようにサポートし、安全で柔らかい場所で見守ることが大切ですよ。

情緒的な表現

赤ちゃんが反り返る原因には、情緒的な要因が影響していることもあります。特に感情が未発達な赤ちゃんは、不安や緊張を感じると身体で表現することがあり、反り返る行動もその一つと考えられています。例えば、突然の環境の変化や見知らぬ人との接触、体調の不調が引き金になることもあるでしょう。こうした状況において、赤ちゃんは不快や不安を表現しようとして反り返っていると考えられています。赤ちゃんの気持ちを理解し、リラックスできる環境を整えてあげることで、不安や緊張といった情緒的な反応が和らぐ場合もありますよ。

病気の可能性

赤ちゃんの反り返りにはいくつかの原因がありますが、その原因が病気の可能性もあります。一般的に体の緊張が強い赤ちゃんは、筋肉の発達過程で反り返ることがあります。しかし、頻繁に反り返る、泣く、眠りが浅い、過敏に反応するなどの症状が見られる場合、脳性麻痺や脳に異常がある可能性が考えられます。また、胃食道逆流症も反り返りの一因です。赤ちゃんは消化器官が未発達なため、胃酸が逆流し、不快感から反り返ることがあります。心配な場合は専門医に相談し、赤ちゃんの成長や行動について適切なアドバイスを受けることが大切ですよ。

赤ちゃんの反り返りと関係のある発達障害

自閉スペクトラム症

赤ちゃんが反り返る動きが見られる場合、自閉スペクトラム症(ASD)の初期兆候の一つとして考えられることもあります。ASDの赤ちゃんは、感覚過敏や体の緊張が強く、些細な刺激に対しても過敏に反応する傾向があり、結果として過剰に反り返ることがあるのです。強い反り返りが長期間続くこと以外に、視線が合いにくい、名前を呼んでも反応しにくい、表情が乏しいなどの特徴が見られることもASDのサインと言われています。ただし、反り返りだけでASDかどうかを判断することはできません。全体的な発達の傾向を見守りつつ、心配な場合は小児科医や専門の発達支援機関に相談することが大切です。

自閉スペクトラム症についての詳しい内容はこちらの記事を参考にしてみてください。

赤ちゃんの反り返りの対処法

抱っこの仕方を工夫する

赤ちゃんが反り返る場合、抱っこの仕方を工夫することで緊張を和らげ、安心感を与えることができます。赤ちゃんの体が反り返らないように、頭と背中を腕でしっかりと支え、できるだけ赤ちゃんと体を密着させるように抱っこします。さらに、横抱きではなく縦抱きにすると、赤ちゃんの視界が広がり、より安心感が増すこともあります。また、赤ちゃんの脇の下に手を入れて抱える方法も全身の緊張が和らぐため、反り返りを防ぎやすいです。そして、ゆったりとしたリズムで揺らしながら抱っこすると、赤ちゃんは落ち着きやすくなりますよ。

抱っこをしている人の洋服に注意する

反り返りしやすい赤ちゃんを抱っこする際には、抱っこする人の洋服の素材やデザインに注意が必要です。例えば、滑りやすい素材の洋服や装飾が多い服だと、赤ちゃんが安心感を得ることが難しくなり、反り返りやすくなることがあります。コットンなど滑りにくく柔らかい肌触りの素材で、余計な飾りがない服であれば、赤ちゃんが安定するので安心感を得られます。また、抱っこをする際には赤ちゃんがしっかり体を支えられていると感じられるように、全身を密着させることも効果的です。このような配慮によって、赤ちゃんは安心してリラックスできるので、反り返りの軽減につながるでしょう。

横向きで寝かせる

赤ちゃんの反り返りが気になる場合、横向きでベッドや布団に寝かせる方法も有効な対処法の一つです。特に、安全に配慮しながら背中を支えて横向きの姿勢をとることで、筋肉の緊張が和らぎ、赤ちゃんがリラックスしやすくなります。この姿勢は、反り返りを予防するだけでなく、消化を助け、胃食道逆流症による不快感も軽減することが期待できます。赤ちゃんが転がらないように注意し、柔らかいクッションやブランケットで支えを作ると安心ですよ。ただし、長時間の横向き寝は避け、時々向きを変えるなどバランスを取ることも大切です。寝かせ方の工夫で反り返りが軽減しない場合は、医師に相談してみましょう。

背中の不快感を取り除いてあげる

赤ちゃんが反り返る原因として、背中の不快感が考えられます。この不快感を和らげるためには、まず環境の整備が重要です。具体的には、柔らかすぎず硬すぎないマットレスや布団を使い、赤ちゃんの姿勢が自然に保たれるようにします。また、服のタグや縫い目が肌に当たらないように注意しましょう。そして、服装の素材やデザインを快適なものにすることも効果的です。さらに、軽く背中をマッサージして筋肉の緊張をほぐすのも良いでしょう。こうした配慮により、赤ちゃんの反り返りが和らぐことが期待できますよ。

ベビーマッサージをする

赤ちゃんの反り返りは、成長過程で見られることが多いです。しかし、不自然に強い反り返りや落ち着きがない行動が目立つ場合には、ベビーマッサージが効果的です。まず、赤ちゃんがリラックスできる環境を整え、静かな音楽や優しい照明を用意しましょう。そして、マッサージオイルを手に取り温めた後、赤ちゃんの背中や脚を優しく撫でるようにマッサージします。お腹のマッサージも効果的で、便秘やガス抜きにも役立ちますよ。また、こうした触れ合いは親子の信頼関係を深め、赤ちゃんに安心感を与えます。マッサージの際は無理に反り返りを抑えず、あくまで自然な動きに任せながら行うことがポイントです。

赤ちゃんの反り返りで気を付けたいサイン

他の発達の遅れも見られる

赤ちゃんに強い反り返りが見られ、他の発達の遅れも見られる場合は注意が必要です。通常の反り返りは成長の一環ですが、以下のようなサインがあるときは、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

・極端に体を反らす場合
・目線が合わない
・反応が鈍い
・寝返りやお座りの遅れがある

また、以下のようなサインは神経系や筋肉の発達に影響がある可能性があります。

・泣くときに頻繁に体を硬直させる
・日常的に筋肉の緊張が強い

早期に小児科医や発達支援の専門家に相談することで、適切な対応やサポートが受けられます。

コミュニケーションが困難

赤ちゃんの強い反り返りが頻繁に見られる場合は、コミュニケーションに困難があるサインかもしれません。特に赤ちゃんが周囲の人と目を合わせなかったり、名前を呼ばれても反応が薄かったりする場合、コミュニケーションや発達に関する課題が考えられます。こうした課題は、自閉スペクトラム症や感覚過敏などが関連する可能性が高い傾向です。こうした兆候が見られる場合は、早めに小児科や発達相談専門の窓口に相談し、適切なサポートを受けることが大切です。専門家の意見を聞くことで、赤ちゃんの成長に必要なケアや適切な対応方法が見つかるかもしれません。

極度な反り返り

極度な反り返りは、赤ちゃんの体に負担がかかるだけでなく、神経系や発達に関わるサインの可能性があります。通常の範囲を超えて頻繁に反り返る場合や、強く反り返って顔を赤くする、泣き叫ぶなどが見られるときは注意が必要です。なぜなら、消化器の不調や筋緊張の異常、脳や神経の発達に問題が生じている可能性があるからです。特に、極度な反り返りが持続する、または悪化するようであれば、小児科や専門医の診察を受けることが重要です。医師に相談することで原因の早期発見や適切な対応が可能になり、赤ちゃんの健康を守ることができます。

反り返りが長く続く

赤ちゃんの反り返りが長く続く場合、特に注意が必要です。反り返りが頻繁で数分以上続いたり、激しい動きが見られると、神経系の異常や発達障害の兆候である可能性があります。例えば、反り返りと共に泣き続ける、目を合わせない、体が硬直するなどの症状が見られる場合は、脳や神経系に問題が生じている可能性があります。そういった場合は、早期に専門医への相談が推奨されます。また、頻繁な反り返りは赤ちゃんの体への負担が大きく、消化不良や不眠の原因にもつながります。赤ちゃんの健康と成長のためにも、早期のケアが重要です。

まとめ

赤ちゃんが反り返る原因に合わせた対応を心掛けよう!

いかがでしたか。今回の記事では、反り返りが多い赤ちゃんの特徴や原因、対処法や発達障害との関係について詳しく解説しました。反り返りは、赤ちゃんの成長の過程で見られる自然な動きです。しかし、場合によっては脳性麻痺や発達障害などの症状として見られることもあります。赤ちゃんの反り返りについて気になることがある場合は、検診の際に相談したり、小児科を受診したりするなどして、早期に適切な対応ができるように心掛けましょう。

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