木育とは?【保育園・おもちゃ・意味・目的・効果・取り入れ方・資格】

木育は、幼少期に“木や森、人との関わりを経て豊かな心を育てる”という目的で2004年に発足された教育概念です。木育では、木製品に触れることにとどまらず、木の命や森林環境に関心を持ち、木と人とのつながりを意識することが重視されています。今回の記事では、木育の効果や保育活動への取り入れ方、資格について紹介します。保育園で木育を取り入れていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

木育とは?

木や森林とふれあい豊かな心を育てる

木育(もくいく)とは、木や森林とふれあうことで、豊かな心を育てる活動のことです。木のぬくもりや香りを感じることで、自然の大切さを学び環境への関心が高まったり、木のおもちゃや家具に触れることで愛着が生まれ、木を大切にする気持ちが育まれたりします。また、森を歩いたり木を植えたりする体験を通じて、自然と共生する意識が芽生えるでしょう。木育は子どもから大人まで楽しめる取り組みで、持続可能な社会づくりにもつながりますよ。

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木育の効果

五感の刺激により感覚が豊になる

木育は、木や森林にふれることで五感を刺激し、感覚を豊かにする効果があります。例えば、木の手ざわりや温もりを感じることで触覚が養われ、木の香りが嗅覚を刺激します。森林の音や鳥のさえずりは聴覚を研ぎ澄まし、木々の緑や木目の模様は視覚を育てます。さらに、木の実や樹液などを味わうことで味覚も刺激されます。こうした体験を通じて感性が磨かれ、創造力や表現力が豊かになるのです。このように木育は、心と体の発達に役立つ大切な取り組みと言えるでしょう。

リラックスや情緒安定効果

木育には、リラックスや情緒を安定させる効果があります。木の香りに含まれるフィトンチッドは、自律神経を整えてストレスを和らげる働きがあります。また、木のぬくもりに触れることで安心感が生まれ、心が落ち着きます。さらに、木がある空間で過ごすと脳の緊張がほぐれ、集中力も高まると言われていますよ。特に子どもは、木のおもちゃや家具に触れることで情緒が安定し、穏やかな気持ちになりやすいとされています。木育は心身の健康を支える大切な役割を果たしますね。

創造力や想像力が育まれる

木育には、創造力や想像力を育む効果があります。例えば、木のおもちゃや積み木は、形や組み合わせを自由に考えながら遊ぶことで、子どもたちの発想力を引き出します。自然の中にある不規則な形や質感に触れることで、五感が刺激され、豊かな感性が育ちます。また、森の中で遊んだり木工体験をしたりすることで、自分で考え工夫しながら物を作る力が身につきますよ。木育を通じて得た創造力や想像力は、柔軟な思考や問題解決力にもつながるでしょう。

バランス感覚や運動能力が向上

木育には、バランス感覚や運動能力を向上させる効果があります。木の遊具や丸太の上を歩くことで、自然にできた木の不安定さに対応するための体幹や、バランス感覚が鍛えられます。また、木のぼり遊びを通じて腕や脚の筋力が発達し、全身の運動能力が向上しますよ。さらに、森の中で自由に遊ぶことで、地面の起伏や障害物を避けながら動く応用力が養われます。こうした体験は、子どもの成長に欠かせない貴重な機会となりますね。

手先の器用さや集中力が身につく

木育には、手先の器用さや集中力を育む効果があります。木のおもちゃや積み木、木工体験を通じて手や指を細かく動かすことで、自然と巧緻性が高まります。また、木のぬくもりや香りはリラックス効果をもたらし、落ち着いた気持ちで作業に集中して取り組むことができます。さらに、木を削ったり組み立てたりする過程では、試行錯誤を重ねるため、粘り強さや創造力も養われていくでしょう。こうした経験は、子どもの発達だけでなく、大人のリフレッシュにも役立ちます。

食への興味を引き出す

木育は、食への興味を引き出す効果もあります。例えば、木の器や箸を使うことで、自然素材の温かみを感じながら食事を楽しむことができます。木の香りや手触りが五感を刺激して、食べ物への関心を高めるきっかけになりますよ。また、森の恵みが木だけではなく、果物やきのこ、野生動物の生態系とも関わっていることを学ぶことで、食の背景にある自然とのつながりを意識するようになります。木育を通じて、食と自然への理解が深まるのです。

環境への興味や関心が高まる

木育を通じて木や森林にふれることで、環境への興味や関心が自然と高まります。木のぬくもりや香りを感じることで、森林がもたらす恩恵に気づき、自然を大切にしたいという思いが芽生えます。さらに、木を使ったもの作りや森の散策を体験することで、森林が私たちの生活と密接に関わっていることを実感できるでしょう。このような体験を重ねることで、環境保全や資源の持続的利用について考えるきっかけとなり、自然と共生する意識が育まれます。

保育園における木育の取り入れ方

園舎を木造にする

保育園で木育を取り入れる方法の1つに、園舎を木造にすることが挙げられます。木造の園舎は、木のぬくもりや自然の香りを感じられるため、子どもたちに安心感を与え、心を落ち着かせる効果がありますよ。また、木の特性である優れた湿度調整や断熱性により、快適な環境を提供できます。さらに、木に囲まれた空間で過ごすことで自然への興味が育まれ、環境を大切にする気持ちも芽生えます。木造園舎は、子どもたちの健やかな成長を促す大切な木育の一環と言えますね。

机やいすなどを木製にする

保育園における木育として、机やいすなどを木製家具にすることは、子どもたちに自然素材とのふれあいを促すうえで効果的な取り入れ方法です。木材は子どもたちに自然の温かみを与え、触れることで安心感や落ち着きが生まれます。また、木製家具は強度があり長く使えるため経済的とも言えるでしょう。さらに、木の質感や香りは、感覚的な発達を促進して子どもたちの五感を刺激します。環境にも優しく、持続可能な選択としても非常に価値が高いのです。このように、木製の家具を使用することは、子どもたちの心身の成長や教育に大きく寄与します。

木製のおもちゃで遊ぶ

保育園での木育は、木製のおもちゃを使って自然素材の触感を楽しむことから始まります。木のおもちゃは子どもの手に優しく、創造力を刺激します。積み木やパズル、車など、形や大きさの異なる木製のおもちゃを通じて、子どもたちは手先の器用さを養い、想像力を豊かにします。また、木の温かみや香りは、リラックス効果を促し、安心感を与えますよ。自然と触れ合いながら木製おもちゃを使うことで、五感を育む良い機会となります。

木製の食器を使う

保育園における木育の取り入れ方として、木製の食器を使用することは、子どもたちに自然の素材に親しみを持たせ、環境への配慮を学ぶ良い機会となります。木製食器は軽くて丈夫で割れにくく、安全性が高いため、小さな子どもでも使いやすいですよ。また、木の温かみを感じながら食事を楽しむことで、食事に対する感覚が豊かになり、心地よい食事時間を提供できます。木の質感や香りを体験することで、自然とのつながりを感じることができますね。

木工ワークショップを行う

保育園で木育を取り入れる方法の1つとして、木工ワークショップの実施が効果的です。子どもたちは木の温もりや香りを感じながら、簡単な木工体験を通じて創造力や手先の器用さを養います。例えば、小さな木の板や枝を使って、名前プレートや動物のオブジェを作る活動が考えられます。安全を考慮し、角を丸くした木材や木工用ボンドを使用することで、小さな子どもでも安心して参加できますよ。木と触れ合うことで、自然への興味や愛着を育むことができるでしょう。

園庭で作物を育成する

保育園の園庭で作物を育成することは、木育の一環として自然とのふれあいを深める貴重な機会となります。園児たちは、土に触れ、種をまき、水やりをすることで植物の成長を身近に感じられます。さらに、木のプランターや支柱を使用することで、木材の温もりを体験しながら木の大切さを学べます。また、収穫の喜びを共有し、食への関心も高まるでしょう。こうした活動を通じて、自然の恵みや生命の循環を理解し、木と共に生きる意識を育むことができます。

木材を使ったスポーツを体験する

保育園で木育を取り入れる方法の1つとして、木材を使ったスポーツ体験が挙げられます。例えば、木製のボールやバットを使ったミニゲーム、丸太を使ったバランス遊び、木の輪投げなどが考えられます。木の感触や香りを楽しみながら体を動かすことで、自然への興味や愛着を育むことができます。また、木の温もりや質感を直接感じることで、五感の発達にもつながりますよ。安全に考慮しながら園庭や室内で工夫を施し、楽しみながら学べる木育スポーツを取り入れるとよいでしょう。

遠足やお散歩で公園や森林を探検する

保育園での木育の一環として、遠足やお散歩で公園や森林を探検することは、自然と触れ合う絶好の機会です。子どもたちは木の葉や枝に触れ、木の実を観察することで、五感を使いながら木の魅力を学びます。また、森林の中を歩くことで、木々の違いや季節の変化に気づく力が養われます。さらに、倒木や落ち葉の下にいる生き物を発見することで、自然の循環を学ぶこともできますよ。このような体験を通じて、木や自然への関心や愛着を育むことができます。

公園遊びについての詳しい内容はこちらの記事を参考にしてみてください!

木育を指導する資格

木育インストラクター

木育インストラクターは、木や森林に関する知識を持ち、木育の大切さを伝える専門資格です。主に子どもや地域の人々に対して、木の魅力や活用方法を教える役割を担います。資格取得には、木材の特徴や森林環境、木育の実践方法について学ぶ講座を受講し、修了する必要があります。保育や教育の現場、地域活動などで活用でき、木とふれあう機会を増やすことで持続可能な社会づくりにも貢献します。木育の普及を支える重要な資格と言えるでしょう。

まとめ

日々の保育活動に木育を取り入れてみよう!

いかがでしたか。今回の記事では、木育の効果や保育園での取り入れ方、資格について紹介しました。木育は、五感が刺激されて様々な能力が養われるなど、子どもの健全な成長を促す効果的な活動です。おもちゃだけでなく、家具や食器などからも木育の要素を手軽に取り入れることができますよ。木育による多くのメリットを知ったうえで、手軽にできることから、ぜひ保育に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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