近年の保育園選びは、園長先生選びと言われる傾向があります。なぜなら保育士にとって、就職先になる施設の園長先生のマネジメント能力や組織運営スキルは、働くうえで重要視しているからです。園長先生次第で、保育士に選ばれる保育園になるかどうかが決まると言っても過言ではありません。園長検定を取得しておけば、現在の運営能力を視覚的に示すことができますよ。今回の記事では、園長検定のメリットや試験の詳細、受験料や受験日程についてまとめています。園長検定の受験を考えている園長先生は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
園長検定とは
保育施設運営管理士検定のこと
園長検定の正式名称は、保育施設運営管理士検定です。この資格は一般社団法人未来創造連携機構という団体によって認定されるもので、国家資格ではありません。保育施設運営に関する全体のマネジメントスキルを裏付ける民間資格です。園長検定には1級、2級、スペシャリストの3つの級があるので、自分に合った級の資格を取ることができますよ。今後のキャリアアップを目指す保育士や施設運営に携わりたい保育士、現在園長として施設運営に携わっている先生にとって注目の資格ですね。
園長検定の目的は?
園長先生や管理職のスキル向上と証明

園長検定を受験することで、園長先生や管理職として必要なスキルを高め、その能力を客観的に証明することができます。保育施設を運営している方や現役の園長先生におすすめの資格ですよ。これまで、園長先生や管理職のマネジメント能力を証明する方法は少なく、働き手である保育士たちにとって良い保育園かどうかは、実際に働いてみるまでわからないことが多々ありました。しかし、園長先生が園長検定に合格している場合、マネジメント能力を求職者である保育士にアピールすることができます。これは、保育士が職場を選ぶうえでの信頼材料となるため、保育園にとっては優秀な人材の確保につながるでしょう。
園長検定を受けるメリット
園長先生や管理職のスキル不足を解消する
保育園の園長先生や管理職員が園長検定を受けるメリットは、マネジメント等のスキル不足を解消できることです。検定試験の対策をすることで、人材育成や保護者対応、組織マネジメントなど、幅広い知識とスキルの不足を補いながら、理論と実践の両面から保育施設運営に必要な力を養うことができます。自分の得意・不得意を見つめ直し、日々の業務を改善するヒントにもつながりますよ。検定に合格することは管理者としての自信になり、職場内外からの信頼を得る大きな後押しにもなるでしょう。
マネジメントスキルの向上や昇進が見込める

まだ管理職の立場ではない保育士が園長検定を受けるメリットは、マネジメントスキルの向上や昇進の手助けになることがあげられます。園長検定の試験対策の過程でマネジメントスキルを学び、資格取得した後は裏付けされたマネジメントスキルをアピールすることができます。また、公式サイト(https://hoiku-lab.com/certification/)によると、以下の方法でスキル向上をアピールすることが可能ですよ。
• プレスリリース(50以上のメディアに掲載)*登録期間中、複数回
• 保育士養成校、自治体 等への情報提供 *登録期間中、複数回
• ウェブサイト等での情報公開
• 保育士コミュニティ、転職者コミュニティへの情報提供
• インタビューの公開
• 保育施設運営管理士コミュニティへの参加、学習会開催 等
※公開を希望されない方は非公開も選択可能です。
※登録料は2年間で24,000円(税別)
園長検定の詳細
保育施設運営管理士検定1級(園長検定)
保育施設運営管理士検定1級(通称・園長検定)の受験対象者は、保育施設の施設長または施設長に今後なる可能性のある方です。該当しない方の受験をお断りすることがあるそうなので、該当するかどうか不安がある場合は問い合わせフォームから確認しましょう。試験はオンライン筆記試験で、受験料は10,000円です。オンラインでの受験は、zoomに同時接続し、オンラインフォームに答案を入力する形で行います。
保育施設運営管理士検定2級(主任検定)
保育施設運営管理士検定2級(通称・主任検定)は、まだ受験の申し込みが始まっていません。受験対象者は、保育施設の主任または主任に今後なる可能性のある方です。現時点で受験ができるのは園長検定のみですが、主任クラスに向けた問題が出題される予定です。また、受験方式は園長検定と同じようにオンライン筆記試験が予定されていますよ。主任検定を受験したいと考えている方は、園長検定の受験で慣れておくのも良いかもしれません。
保育施設運営管理士検定スペシャリスト(園長検定SP)

保育施設運営管理士検定スペシャリスト(通称・園長検定SP)は、まだ受験の申し込みが始まっていません。受験対象者は、保育施設運営管理士検定1級(通称・園長検定)の合格者です。他の2つの検定はオンライン受験が行われますが、この園長検定SPの受験は、集合研修2時間×4回+オンライン筆記試験+口述試験という形で行われる予定です。園長検定や主任検定とは異なり、実際に集合研修が行われ、筆記だけでなく口述の試験があることに注意して受験しましょう。
園長検定の受験について
次回の受験日は2025年6月8日(日)
現在、2025年6月8日に開催される第2回園長検定(保育施設運営管理士1級)の申し込みが受付中です。また、受験を迷っている方や詳しく話を聞きたい方に向けて、オンライン説明会の開催も予定されていますよ。オンライン説明会の日程は、5月9日(金)16:00~17:00です。オンライン説明会に参加しなくても受験することは可能です。気になっている方は説明会に参加してみましょう。詳しい説明を聞くことができますよ。
受験料は10,000円
園長検定(保育施設運営管理士1級)の受験料は10,000円です。テキストを購入したい場合は、そちらも10,000円で購入できますよ。また、現在「園長検定 受験応援キャンペーン」として、条件を満たした受験者には40,000円分のキャッシュバックを行っています。
以下の園長検定受験応援キャンペーンの申し込みフォームに申し込み、①~➃の手順を満たすことでキャッシュバックの対象になりますよ。
https://forms.gle/vUmt3aNQyB5J5roc9
②X(旧:Twitter)で園長検定受検アカウントを新規作成&勉強や保育についてポスト
③園長検定で90点以上得点する
➃保育施設運営管理士(1級)登録を行う
各都道府県2名以内(条件を満たす方が規定数以上いた場合はXのポスト数が多い方がキャッシュバックの権利獲得
対策講座も申し込める
園長検定の出題内容が心配な場合は、対策講座に申し込むことができますよ。対策講座の料金は、テキスト代と受験料込みで60,000円(税別)です。
対策講座では
・2時間の試験直前対策講座
・講師へのオンライン相談
が利用できます。動画での授業に加えて、試験直前対策講座を受けることも可能です。また、検定に対するお悩み相談もできますよ。
オンライン受験

保育施設管理士検定1級(園長検定)と保育施設運営管理士検定2級(主任検定)では、オンラインで筆記試験を行います。オンライン受験の場合はzoomに同時接続を行い、オンラインフォームに入力する形で回答していきます。次回の保育施設運営管理士検定1級(園長検定)のオンライン受験日程は、2025年6月8日(日)14:00-16:00です。受験にはインターネット環境とパソコン、またはタブレットが必要です。また、事前にZoomの動作確認を行っておくと安心ですよ。
試験の出題内容と対策方法
理論や考え方

マネジメントやリーダーシップ、思考方法や目標設定、業務改善に関する理論や考え方の問題が出題されます。これらは実務に直結している内容なので、日々の業務を振り返りながら学ぶと理解が深まるでしょう。例えば、自分の職場での目標設定やリーダーシップの取り方を見直し、テキストの理論と照らし合わせることで、実践的な学びにつながります。また、試験対策方法はテキストを購入して独学で学ぶか、対策講座の受講がおすすめですよ。
業務マネジメント
人材採用業務や事務作業、スケジュール管理など、業務マネジメントの問題が出題されます。対策方法はテキストを購入し独学で学ぶか、対策講座の受講がおすすめです。テキストを使った学習に加えて、日々の業務と照らし合わせながら学習をすることで、知識が定着しやすいでしょう。例えば、現在のスケジュール管理方法を見直し、無理や無駄がないかを考えるだけでも、学んだ理論の実践的な理解につながりますよ。
人材マネジメント
コンプライアンスや人材育成、人事制度やモチベーション管理など、人材マネジメントに関する問題が出題されます。対策方法は、テキストを購入し独学で学ぶか、対策講座の受講がおすすめですよ。人材マネジメントは、園の雰囲気や職員の定着率に直結する重要な分野です。例えば、適切な評価制度や日々の声かけが職員のモチベーションに大きく影響します。学習を進める中で、自園の育成方針やコミュニケーション方法を振り返ることが、現場改善の第一歩になりますよ。
職場環境マネジメント
組織風土や人間関係、コミュニケーションや環境整備など、職場環境マネジメントに関する問題が出題されます。対策方法は、テキストを購入し独学で学ぶか、対策講座の受講がおすすめです。職場環境マネジメントは、職員の働きやすさや園全体の雰囲気に大きな影響を与えますよ。例えば、円滑なコミュニケーションや信頼関係の構築ができていれば、トラブルの予防や業務の効率化にもつながります。
業務の改革と改善
タイムマネジメント、ICT化やDX化など、業務の改革と改善に関する問題が出題されます。対策方法は、テキストを購入して独学で学ぶか、対策講座の受講がおすすめです。タイムマネジメントの見直しや、ICT・DXを取り入れた業務改善は、職員の負担軽減や子どもと向き合う時間の確保につながりますよ。学習を通して、自園の業務にどのような改善の余地があるかを客観的に見つめ直すことができます。
試験の難易度は?
100点満点中80点以上で合格

保育施設運営管理士検定1級(園長検定)は、100点満点中80点以上の得点で合格となります。難易度は低くはありませんが、対策講座やテキストに加えて日頃の業務経験を振り返りながら学ぶことで、合格に近づけるでしょう。合格すれば園長先生としてのスキルと知識が証明され、自信を持って現場に立つことができますよ。合格後は認定証と認定状が届きます。また、認定状は保育施設に掲示することが可能です。
まとめ
園長検定でマネジメントスキルを証明しよう!
ここまで、園長検定について詳しく紹介してきました。園長検定を受験して資格を取ることで職場内外からの信頼が高まり、保護者や保育士からも安心して任せられる管理者として認識されやすくなります。また、就職や転職時の強みになるだけでなく、施設の質の向上や組織運営の安定にもつながりますよ。マネジメントスキルは目に見えにくい能力ですが、園長検定を通じて客観的に評価と証明ができます。園長検定に興味がある方は、ぜひ検討してみてくださいね。