アイスクリーム製作は子どもたちにとって、つくって楽しい・遊んでうれしい人気の活動テーマです。夏らしさを感じられることはもちろん、さまざまな素材を使って楽しめるのも魅力のひとつですね。この記事では、アイスクリームの製作アイデア、ごっこ遊びや手遊びなどの遊びへの発展方法をご紹介します。「何か楽しくて季節感のある活動を取り入れたいな…」と思っている保育士さんにぴったりのアイデアが、きっと見つかるはずですよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。
保育園でアイスクリームの製作をするねらいは?
指先の動きが器用になる

アイスクリームの製作では、折り紙を折ったり紙を丸めたり、シールを貼ったりといった手先を使う動きがたくさんあります。こうした活動を通して、自然と指先の動きが器用になっていきます。特に小さな素材を扱うときには、力加減や集中力も必要になり、子どもたちの手の使い方が少しずつ上手になっていくことでしょう。さらに、紙粘土やスポンジなどのやわらかい素材に触れることで、感触を楽しみながら製作を進められるのもいいですね。
考える力や表現力が育まれる

「どんな味にしようかな?」「何色にしようかな?」と考えるところから始まるアイスクリーム製作。それは、子どもたちの想像力や考える力を育てるのにぴったりな活動です。色や形を自分で選んで組み合わせる中で、自然と工夫する力も身についてきます。完成した作品を「これはイチゴ味だよ」などとお友達同士で話すことで、言葉で表す力や思いを伝える力も育まれることでしょう。楽しく表現する中で、自分のイメージを形にする喜びを味わえるのは、子どもたちにとってうれしいポイントですね。
アイスクリームの製作アイデア[平面編]
折り紙で作るアイスクリーム
折り紙を使って、ソフトクリーム型のアイスを作る製作遊びです。シンプルな工程でできるため、幼児クラスでも取り組みやすいのが特徴です。
[用意するもの]
・折り紙
・クレヨン
・スタンプ
・のり
[作り方]
①好きな色の折り紙を用意し、三角形に折ってソフトクリームの部分を作る。
②茶色やオレンジ色の折り紙を細長い三角形に折り、ソフトクリームのコーンの部分を作る。
③ソフトクリームの部分とコーンの部分を貼り合わせる。
④クレヨンやスタンプなどで好きなトッピングの模様を描く。
夏の折り紙については、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
スポンジスタンプで作るペタペタアイス
スタンプインクや絵の具を使って、スポンジでぺたぺたと模様をつける製作遊びです。年少さんでも楽しめる活動で、感触遊びとしてもいいですね。
[用意するもの]
・白画用紙
・絵具またはスタンプインク
・コーン部分の色紙
・スポンジ
[作り方]
①白画用紙をアイスの形に切る。
②色紙をコーンの形に切る。
③スポンジに絵具やスタンプインクをつけて、①にぺたぺたと色をのせる。
④インクが乾いたら、②と③を貼り合わせる。
[ポイント]
・インクが乾いた後、ペンなどでさらにカラフルに。
・インクの感触を楽しみたいときは、指でぺたぺたと模様をつける方法もおすすめ。
スポンジを使った製作については、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
キラキラデコレーションアイス
色とりどりのスパンコールやビーズ、シールなどを使って、アイスクリームを自由に飾る製作遊びです。子どもたちの「好き!」を詰め込める活動で、表現力や集中力も自然と育つことでしょう。完成後は壁面装飾にも活用でき、クラス全体で華やかさを楽しめるのも魅力ですね。
[用意するもの]
・画用紙
・スパンコール
・シール
・のり
・クレヨン
[作り方]
①画用紙をアイスとコーンの形に切る。
②①を貼り合わせて、アイスの形を完成させる。
③アイス部分にスパンコールやシールを貼る。
④クレヨンで模様やトッピングを描き足す
[ポイント]
・シールの貼り方や色選びで個性が出せる。
アイスクリームの製作アイデア [立体編]
紙コップを使ったカップアイス
紙コップに色紙を巻いてデコレーションし、その中に丸めた紙やスポンジを入れてアイスのように仕上げる製作です。トッピングのようにシールを貼ったり、スプーンを添えたりして、本物そっくりのカップアイスを楽しめます。立体的な形になるので、展示にもぴったりですね。
[用意するもの]
・紙コップ
・A4サイズの紙
・色紙
・段ボール
・クレヨン
・のり
[作り方]
①紙コップの上部を切り取って、アイスカップ風に。
②カップをクレヨンでデコレーションする。
③A4の紙を2,3枚重ねて丸める。
④③を色紙で包み、テープでとめる。
⑤④をクレヨンでデコレーションし、カップに乗せれば完成。
紙コップを使った製作は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
スポンジで作るもちもちアイスキャンディ
スポンジを使って、ふわふわもちもちのアイスを作る製作遊びです。手で押したときのやわらかい感触が子どもたちに人気で、感触遊びとしても楽しめます。完成後は飾ってもかわいらしく、ごっこ遊びにもぴったりですね。
[用意するもの]
・スポンジ
・木製スティック
・シール
・絵の具
・ボンド
[作り方]
①スポンジを長方形の大きさにカットする。
②長方形の短辺の側面の真ん中に切り込みを入れ、真ん中まで切り進める。
③木製スティックを②に挿し込む。
④シールや絵の具でデコレーションをして完成。
フェルトで作るふわふわアイス
やわらかいフェルトと綿を使って、ふわふわのアイスを作る製作遊びです。感触が心地よく、触って遊びたくなるような仕上がりになります。針や糸を使わないので、安全に取り組めるのも魅力ですね。
[用意するもの]
・フェルト
・綿
・画用紙(茶色やオレンジ)
・ボンド
・シールやビーズ
・ペン
[作り方]
①フェルトを2枚、同じ大きさの丸の形に切る。
②①の間に綿を挟んで、ふちをボンドで止める。(アイスの部分完成!)
③画用紙を扇形に切り、円錐の形にしてコーンの形にする。
④③の上に②をのせてボンドで固定する。
⑤アイスの部分にシールやビーズなどでデコレーションして完成。
紙粘土で作るまん丸アイス
紙粘土をこねて丸めるだけで、まるで本物のようなアイスクリームが作れる製作遊びです。形がしっかり残るので、飾ったり遊んだりと楽しみ方がいろいろあるのも魅力的ですね。
[用意するもの]
・紙粘土
・カップ
・絵の具
・歯ブラシ
・おもちゃのスプーン
・シールやペン
[作り方]
① 紙粘土を用意し、アイスの大きさにちぎってよくこねる。
② 好きな色の絵の具を少量ずつ混ぜて、全体になじむまでよくこねる。
③ おもちゃのスプーンを使って、アイスの形になるようにすくって整える。
④ 表面を歯ブラシなどで軽くこすり、質感を出して本物らしく仕上げる。
⑤ カップをペンやシールでデコレーションし、④のアイスをのせて完成。
段ボールで作るアイスキャンディ
段ボールを使って、カラフルで楽しいアイスキャンディを作る製作遊びです。身近な素材を活用できる上に、完成後は持って遊んだり、ごっこ遊びに使ったりと活動の幅が広がりますよ。
[用意するもの]
・段ボール
・折り紙
・割りばし
・のり
・テープ
・シールやペン
[作り方]
①段ボールをアイスキャンディの形(長方形や丸)に切る。
②表と裏に折り紙や色紙を貼って、アイスの本体を作る。
③下部に割りばしをテープやボンドで貼りつけて持ち手にする。
④表面に模様を描いたり、シールでトッピングを加えて完成。
段ボールを使った遊びについては、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
丸めた紙で作るカラフルアイス
色とりどりの紙をくしゃくしゃ丸めて作る、カラフルなアイスクリームの製作遊びです。手をたくさん動かして作る工程は、子どもたちにとって感触遊びとしても楽しく、指先や力加減の発達にもつながります。完成後はごっこ遊びや壁面飾りにもぴったり。
[用意するもの]
・色紙
・のり
・クレヨン
・シール
[作り方]
①色紙をくしゃくしゃに丸めて、アイスのボールを作る。
②茶色やオレンジの色紙を円錐形にしてコーン部分を作る。
③コーンとアイスのボールをのりで固定する。
④クレヨンやシールでトッピングをつけて完成。
トイレットペーパーの芯で作る立体アイスクリーム
トイレットペーパーの芯を使って、立体的なアイスクリームを作る製作遊びです。身近な素材を使うことで親しみやすく、完成後は手に持って遊んだり、ごっこ遊びに発展させたりと、楽しみ方が広がりますよ。
[用意するもの]
・トイレットペーパーの芯
・色紙
・のり
・クレヨン
・シール
[作り方]
①トイレットペーパーの芯をハサミで開き、円すいの形になるように巻いてとめる。
②色紙を丸めてアイスクリームの形を作る。
③②にクレヨンやシールでトッピング風に飾りつけをする。
④アイスの部分をコーンの上に貼り、しっかり固定したら完成。
[ポイント]
・芯は、ワッフル模様を描くとよりリアルに。
トイレットペーパーを使った製作は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
アイスクリームがテーマの遊び [番外編]
アイスクリーム屋さんごっこ

製作したアイスクリームを使って楽しむ、ごっこ遊びです。アイス屋さんとお客さんになりきってやりとりを楽しむことで、子どもたちの想像力やコミュニケーション力が育まれます。
[遊び方]
①アイス屋さんとお客さんに役割分担をする
②「いらっしゃいませ」「何味がいいですか?」などのやりとりを楽しむ
③「〇〇円です」「はい、どうぞ」などのやりとりを行う
[ポイント]
・先生や他のクラスの子どもを招待すると特別感UP!
アイスクリームの手遊び歌
アイスクリームをテーマにした手遊び歌は、リズムに合わせて体を動かしたり、イメージを広げたりできる遊びです。製作やごっこ遊びの導入として使うと、子どもたちの気持ちが一気にアイスモードに!
[アイスクリーム]
たまごをふたつ ここんとわって
かきまぜかきまぜ しゅしゅしゅのしゅしゅしゅ
ぎゅうにゅうをいれて さとうをいれて
かきまぜかきまぜ しゅしゅしゅのしゅしゅしゅ
れいとうこにいれて ひえっひえっひえ~
おいしいあいすくりーむの できあがり
みんなでつくるアイスクリームガーランド

アイスクリームの形に作った作品を、ひもでつないで1本のガーランドに仕上げる装飾活動です。子どもたちの個性がつながって、にぎやかで楽しい雰囲気に。季節や行事に合わせて、お部屋を明るく飾るのにぴったりですね。
[用意するもの]
・子どもたちが作ったアイスの作品
・たこ糸や毛糸などの丈夫なひも
・穴あけパンチ
[作り方]
①ひもを必要な長さに切る(展示する壁や場所に合わせる)
②各アイスの上部に穴あけパンチで穴を開ける
③アイスをひもに等間隔で並べる
④飾る場所にひもを張って吊るし、完成。
アイスクリーム絵本の読み聞かせ

アイスクリームをテーマにした絵本の読み聞かせは、子どもたちの興味を引き出し、製作やごっこ遊びへ自然につなげる導入にぴったりです。
[おすすめの絵本]
①ばばばあちゃんのアイス・パーティ(作者:さとうわきこ)
ばばばあちゃんと子どもたちが一緒にアイスを作る姿から、「一緒にやってみたい!」という気持ちを引き出すことができるでしょう。
②アイスクリームおうこく(作者:ナカオマサトシ)
様々なおもしろアイスが登場し、子どもたちの「こんなアイスがあったらいいな!」という想像力をくすぐります。物語の発想の広がりは製作にも活かせるでしょう。
絵本の読み聞かせの効果については、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
アイスクリームビンゴ

アイスクリームをテーマにしたビンゴ遊びは、ルールがシンプルなので幅広い年齢の子どもたちが楽しめる活動です。
[用意するもの]
・ビンゴカード(味やトッピングのイラストが描かれたもの)
・読み札(カードと対応した味やトッピングを書いたもの)
・シール
[遊び方]
①ビンゴカードを配る。
②読み札を1枚ずつ引き、出たアイスの味やトッピングを発表する。
③カードに該当のイラストがあれば、シールで印をつける。
[ポイント]
・子どもたちが描いたイラストを使用すると、遊びへの意欲や愛着がぐっと高まります。
その他の夏に楽しめる製作については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
まとめ
自分だけのアイスクリームで表現を広げよう!
アイスクリームをテーマにした活動は、子どもたち一人ひとりの「好き!」や「やってみたい!」がたくさん詰まった表現の場です。折り紙や粘土、描いたイラストなどを使って自分だけのアイスを作ることで、形や色、味のイメージを自由に広げられます。また、製作だけにとどまらず、ごっこ遊びや歌、ゲームなどと組み合わせることで活動がより豊かになりますよ。楽しみながら表現する経験は、自己肯定感や創造力の発展にもつながります。どんなアイスにしようかな?と考えるその瞬間から、子どもたちの表現の世界は大きく広がっていくのです。