保育園でお花見活動を取り入れよう!【ねらい・アイデア・製作・注意点】

春になると、保育園でも桜を楽しむお花見を計画する園が増えてきます。満開の桜の下で散歩をしたり、花びらが舞う様子を眺めたりする時間は、子どもたちにとって季節の移り変わりを感じられる大切な経験です。しかし、園外に出かける際には安全面への配慮や事前の準備も欠かせません。行き先の選び方や散歩の計画、食事の扱いなど、保育者が気をつけたいポイントもいくつかあります。そこで今回は、保育園でのお花見のねらいや楽しみ方のアイデア、さらに実施する際の注意点について分かりやすく解説していきます。

保育園でお花見をするねらいは?

季節の移り変わりを感じる

保育園でお花見をするねらいは、季節の移り変わりを感じることです。寒さが和らぎ柔らかな日差しが差し込むようになると、園庭や公園の草花が次々と色づき始めます。保育園でお花見を行う大きなねらいの1つは、こうした身近な自然の変化を感じ、季節の移り変わりを実感することにあります。つい数日前までは蕾だった桜が咲き、景色を桃色に染めていく様子は、子どもたちにとって驚きと喜びに満ちた発見です。昨日は咲いていなかったのに、今日は咲いているという気づきは、時間の経過や自然の営みへの興味を象徴しています。

植物や生き物と触れ合う

保育園でお花見をする2つ目のねらいは、植物や生き物と触れ合うことです。ただ桜を眺めるだけでなく、実際に自分の手で触れ五感を使って観察することで、子どもたちの世界はより豊かに広がります。また「どうしてお花には虫が集まるの?」「この鳥は何を食べているのかな?」という素朴な疑問は、自然科学に関心を持つ入り口となります。その発見に共感し、一緒に考えることで、子どもたちの探究心はさらに深まっていくでしょう。このように、お花見を行うことで、植物や生き物とふれあい、豊かな感性を養うための大切な機会となるのです。

自律神経や体温調節機能の強化

保育園でお花見をする3つ目のねらいは、自律神経や体温調節機能の強化です。春は三寒四温と言われるように、日ごとの寒暖差や一日のうちでの気温変化が激しい季節です。この時期にお花見などの外遊びを取り入れることは、子どもたちの体温調節機能を鍛えるトレーニングになります。また、外で太陽の光をたっぷり浴びることで、心身の安定を司るセロトニンの分泌が促されますよ。セロトニンは、交感神経と副交感神経の間に立って、そのバランスを保ってくれる調整役なのです。そのため、冬の間に緊張しがちだった自律神経のバランスを整える手助けもしてくれますよ。

参考:外遊び推進の会

保育士くらぶ

保育園のお花見活動のアイデア

園周辺を散歩する

保育園のお花見活動の1つ目のアイデアは、園周辺を散歩することです。街路樹の桜が少しずつ開花していく様子を数日かけて観察し「あそこのお家のお花も綺麗だね」と指を差したりすることで、観察力や語彙力が豊かになります。公園の大きな桜だけでなく、道端に咲く小さな花々にも目を向けることで、より深い自然への興味が引き出されますよ。また、お花見を楽しみながら歩く中で、地域の方々と「こんにちは」「桜が綺麗ですね」と挨拶をすることで、子どもたちの社会性を育む貴重な機会となります。

春の生物を見つける探索活動

保育園のお花見活動の2つ目のアイデアは、春の生物を見つける探索活動です。桜の花そのものを愛でるだけでなく、その周りに集まる生命の躍動に触れることは、子どもたちの知的好奇心や観察力を大きく引き出すきっかけとなります。子どもたちが散歩や探索活動で見つけやすい、春の代表的な植物と生き物をご紹介します。

春の植物
・たんぽぽ
・なずな(ぺんぺん草)
・カラスノエンドウ
春の生き物
・てんとう虫
・モンシロチョウ
・メジロ

お花見ごっこをする

保育園で楽しむお花見活動の3つ目のアイデアは、お花見ごっこです。年齢の小さい子どもたちは、公園などへ出かけて桜を見ることも大切な経験ですが、長い距離を歩く散歩が負担になったり、体調がすぐれない日もありますよね。そんなときには、室内や園庭でお花見ごっこを取り入れてみるのもよいでしょう。たとえば、子どもたちと一緒に桜の製作をして壁や天井に飾り、その下にレジャーシートを敷いて座るだけでも、春らしい雰囲気を感じられます。お弁当ごっこをしたり、お菓子をたべたりするのもおすすめです。

お絵かきをする

保育園で楽しむお花見活動の4つ目のアイデアは、お絵かきをすることです。桜の下で感じたことをその場で描いたり、園に戻ってから思い出しながら表現したりする時間は、子どもたちの観察する力や豊かな感性を育ててくれます。満開の桜だけでなく、木の下で友だちと遊んでいる様子や、空を飛ぶ鳥、落ちている花びらなど、子どもたちが目にした風景を思い思いに表してもらうことが大切ですよ。完成した作品は園に持ち帰り、壁に飾ってみてください。「ここに行ったね」と振り返るきっかけにもなり、春の思い出をみんなで共有する温かな時間にもつながります。

ピクニック

保育園で楽しむお花見活動の5つ目のアイデアは、ピクニックです。お弁当やおやつを外へ持っていくだけでも、子どもたちにとってはいつもの時間が特別なひとときに変わります。遠くの公園へお花見に出かける場合には、お弁当を持参して外でご飯を味わうのも、子どもたちにとってワクワクする体験になりますよ。また、お弁当を持って行く際には、事前に保護者へ持ち物を伝えたり、気温に合わせて保冷対策を行ったりするなどの配慮も大切です。もし長時間の園外保育が難しい場合は、園庭で外を眺めながらクッキーやせんべいなどの簡単なおやつをみんなで食べるだけでも、十分に春らしい時間を楽しめます。

桜にちなんだ製作をする

桜の押し花

保育園で楽しむお花見活動の6つ目のアイデアは、桜にちなんだ製作です。まずは、桜の押し花の作り方をご紹介します。

必要なもの
・桜の花、つぼみ
・押し板セット
・フラワーシート
・はさみ
・ピンセット
・マジックベルト(2本)
・密封袋(ジッパー付きの袋)
・カッター、爪楊枝(つぼみを作る場合に使用)
作り方
① 桜の花の茎のような部分(花柄:かへい)をはさみでカットする
② 乾燥シートの上にフラワーシートを敷き、その上に桜を並べる
③ 萎れて丸まっている花びらなどは、ピンセットを使って丁寧に開く
④ フラワーシートを閉じ、その上に乾燥シート(3mm)、ウレタン、アクリル板の順に重ねる
⑤ マジックベルトを巻き、一旦軽く締めてから、さらに体重をかけてきつく締め直す
⑥ 密封袋に入れて保存(暖かい部屋だと早く仕上がる)
⑦ 半日から1日経ったら袋から取り出し、乾燥具合を確認する

動画ではここまでですが、ラミネートをして栞にするのもおすすめです。

桜の折り紙

次に、桜の折り紙の作り方をご紹介します。

必要なもの
・ピンクの折り紙(好きなサイズ)
・ハサミ
・鉛筆
作り方
① 折り紙を長方形になるように半分に折る
② 縦と横の辺の真ん中に折り目をつける
③ 長辺にはもう半分の折り目をつける
④ 短辺の折り目をを③の折り目に向けて折る
⑤ 今折った部分を折り返す
⑥ 反対側を折る
⑦ 裏返して辺を合わせるように折る
⑧ ペンで印を描く
⑨ 印に合わせてハサミで切る
⑩ 開いて完成!

桜にちなんだ歌をうたう

『さくら さくら』

保育園で楽しむお花見活動の7つ目のアイデアは、桜にちなんだ歌をうたうことです。春の代名詞とも言える『さくら さくら』は、子どもたちにとっても日本の伝統的な曲に触れる機会となります。特定の作曲家が不詳の日本古謡で、江戸時代末期頃に江戸の箏曲の初歩的な手習い曲として成立したとされています。

歌詞
さくら さくら
のやまも さとも
みわたす かぎり
かすみか くもか
あさひに におう
さくら さくら
はなざかり

さくら さくら
やよいの そらは
みわたす かぎり
かすみか くもか 
においぞ いずる
いざや いざや
みにゆかん

保育園でお花見をする際の注意点

事前に散歩計画を立てる

保育園でお花見をする際の1つ目の注意点は、事前に散歩計画を立てることです。桜の時期は春休みと重なることも多く、公園やお花見スポットにはたくさんの人が集まり、普段よりも混雑することがあります。そのため、事前に下見をしておき、当日の流れをイメージしておくことが大切ですよ。たとえば、トイレの場所やベンチの位置、子どもたちが安全に歩ける道順、休憩できる場所などを確認しておくと安心です。他にも、子どもたちが遊べそうな広場や、落ち着いて桜を眺められる場所を見つけておくと、当日もゆったりと活動を楽しめるでしょう。

お弁当などは園の方針に従う

保育園でお花見をする際の2つ目の注意点は、お弁当などは園の方針に従うことです。食べ物に関する対応は園ごとに考え方が異なります。食物アレルギーへの配慮や、気温が高い日の衛生管理などを理由に、お弁当の持参を控えている園もありますし、園で用意した給食を持っていく場合もありますよ。たとえば、個別のアレルギー対応が必要な子どもがいる場合は、誤食を防ぐための配慮が欠かせません。こうした理由から、保護者への連絡方法や食事の準備については、園の決まりを確認しながら進めていくことが大切です。

花粉症対策をする

保育園でお花見をする際の3つ目の注意点は、花粉症対策をすることです。春は桜の美しさに目を奪われがちですが、同時にスギやヒノキなどの花粉がピークを迎える時期でもあります。子どもたちは大人に比べて粘膜が敏感なことも多く、一度症状が出始めると、せっかくの楽しい行事が辛い記憶になってしまいかねません。まずは、クラスの園児の中に花粉症や植物アレルギーを持っている子がいないか、保護者と密に連携して把握しておくことが不可欠です。症状の重さや、普段どのような内服薬や点眼薬などの対策をしているかを確認しておきましょう。

年齢や内容によって場所を考える

保育園でお花見をする際の4つ目の注意点は、年齢や内容によって場所を考えることです。桜がきれいに咲いている場所を選ぶことも大切ですが、それだけでなく、子どもたちにとって安全に過ごせる環境かどうか、また活動の目的に合っているかをしっかり考えておく必要があります。具体的には、以下のとおりです。

0〜1歳児クラス:園から歩いてすぐに行ける小さな公園や、園庭で桜を眺めながら過ごす
2〜3歳児クラス:少し広い公園へ出かけて、桜を見たり散策を楽しんだりする
4〜5歳児クラス:地域で有名な桜の名所へ出かける

このように、子どもたちの発達や当日の活動内容を考えながら場所を選ぶことで、無理なく楽しいお花見の時間を過ごすことができるでしょう。

トイレの場所などの周辺環境を確認しておく

保育園でお花見をする際の5つ目の注意点は、トイレの場所などの周辺環境を確認しておくことです。園外での活動において、トイレの問題は子どもたちの安心感に直結する極めて重要な要素です。特に乳幼児は排泄の間隔が短く、突然「トイレにいきたい」となることが多いですよね。そのため、お花見を楽しむ拠点からトイレまでの正確な距離や、そこに至るまでのルートに危険がないかを把握しておく必要があります。また、単に場所を知るだけでなく、多目的トイレがあるかや、おむつ替えシートは完備されているかを確認しましょう。また、お花見シーズンは公共のトイレが非常に混雑します。行列を想定し、余裕を持った誘導タイミングを設定しましょう。

天候が変わった際の対策を考える

保育園でお花見をする際の6つ目の注意点は、天候が変わった際の対策を考えることです。春は暖かくなり始める季節ですが、急に風が強くなったり、思いがけず雨が降り出したりすることもあります。そのため、当日の天気予報を確認するだけでなく、天候が変化した場合の対応も事前に準備しておくと安心ですよ。たとえば、急な雨に備えてレインコートを用意しておいたり、短時間で園に戻れる場所を選んでおいたりするとよいでしょう。もし外でのお花見が難しくなった場合には、室内で桜の製作を楽しんだり、お花見ごっこをしたりするなど、代替の活動を考えておくと子どもたちも楽しく過ごせますよ。

まとめ

お花見を通して春を楽しもう!

今回は、保育園でのお花見について解説しました。桜を眺めながら散歩をしたり、シートを広げてピクニック気分を味わったりする時間は、子どもたちにとって春を感じられる大切な経験になります。桜を眺めながら友だちと話したりする姿からも、季節を楽しんでいる様子が伝わってくるでしょう。お花見は特別な準備をしなくても、近くの公園へ出かけたり園庭で桜を眺めたりするだけで十分に楽しめます。子どもたちの年齢や体調、安全面に配慮しながら、無理のない形で取り入れてみてください。春ならではのやさしい時間を、子どもたちと一緒に味わえるとよいですね。

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