こども音楽療育士って何?音楽でこどもたちを癒そう!【音楽療法・効果・資格取得・活躍の場・向いている人】

好きな音楽にのって体を動かしていると、元気になったりポジティブな気持ちになったことはありませんか?音楽療法では、音楽を応用してリハビリテーションに活かすことで、情緒の安定を図ります。近年では、日本でも音楽の効用が再評価され、心理療法の現場や幼児教育、成長支援、介護予防など、多様な分野で音楽療法がますます採用されるようになっています。保育士さんの中には、音楽療法に興味があり、専門性を高めたい人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、こども音楽療育士についてご紹介します。是非、参考にしてみてください。

こども音学療育士とは

音楽療育を実施できる資格

こども音楽療育士とは、子供たちの成長や発達を音楽を通じて支援することを専門とする資格のことです。子供たちの心身の健康維持や発達支援の分野で、音楽療育を行います。こども音楽療育士に必要な資格は、子どもたちに特化した音楽療育を行う”こども音楽療育士”。また、日本音楽療育士協会が認定する”音楽療育士”資格が必要になってくるでしょう。こども音楽療育士は、音楽を通じて子どもたちが感情を表現する力や社交性を高め、心身ともに健康に成長するためのサポートを行います。

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音楽療育とは

音楽を活用したリハビリテーション

音楽療育は、音楽を通じて身体や精神的な状態の改善を目的とする療法のことです。リズムに合わせて体を動かしたり、楽器を演奏すると良い運動になりますよね。このように、音楽を使って身体機能の改善や運動のリハビリテーションを行います。また、音楽を通じたコミュニケーションや自己表現を通して、社交性や表現力の向上につながるでしょう。音楽を通じて、身体や心を癒すことで、健康的な生活を送る事を目指します。

音楽活動を通して脳の活性化を促す

音楽を聴く・演奏する・歌うなどの音楽活動は、脳の多くの領域を刺激し、脳の活性化を促進します。特に、左右両脳の協調性を高め、脳を柔軟にしてくれるんですよ。リズムやメロディーを聴くことで、聴覚や運動神経などの脳の領域が活性化され、音楽の演奏や歌唱によっては言語などの領域も活性化されます。また、音楽に合わせた運動や楽器演奏によっては、運動野や感覚野などの領域も刺激され、脳の活性化を促進できるでしょう。子供だけではなく、大人の認知症や脳卒中などのリハビリテーションにも活用されます。

音楽療法の効果

精神的な不安や肉体的な痛みの緩和

音楽療法には、精神的な不安やストレスの緩和に効果があるとされています。音楽を聴いたり演奏したりすることで、リラックスや心地よさを感じることはありませんか?これは”エンドルフィン”と呼ばれる快楽物質が脳内で分泌されているからです。音楽を楽しむことで自律神経が整い、ストレスホルモンが減少することが科学的にも証明されているんですよ。子供たちに行う音楽療法では、音楽で自分を表現しながら”できた”と感じる経験を重ねることで、表現する楽しさや自信をつけるきっかけになります。

集中力や認知力の向上

音楽療法を通して集中力や認知力を身につけることができます。特に、発達に障害がある子供に対しては、音楽に取り組むことで物事に対しての集中力の向上が期待されます。さらに、普段の学習に必要な認知力にも効果が期待されているため、発達支援の現場でも活用されているんですよ。タンバリンダンス体操といった大きな動きを必要とするものと、動きを必要としない、落ち着いて集中できるものを取り入れることで、集中力を育まれることが多いです。

認知症予防

保育や教育の場など様々な現場で活用されている音楽療法ですが、近年では介護や介護予防にも効果が期待されています。

・幼少期や学生の頃など、昔よく聴いていた音楽を高齢者が聴いたり、歌ったりすることで自分らしさを取り戻す。

・音楽に合わせてリズムを取ったり、体を動かすことで笑顔がこぼれ、感情表現を豊かにできる。

・楽器を演奏する、歌いながら拍子をとるといった、2つのことを同時に行うことで認知症予防に有効。


これらのように、音楽療法は高齢者にも有効活用されています。

こども音楽療育士になるには

1. 専門の学校へ行く

こども音楽療育士は民間資格ですが、一般財団法人全国大学実務教育協会に所属している大学・短大・専門学校で所定の単位を取得する必要があります。主に、こども音楽療育士を目指す学科や学部に入学し、必要単位を理由することで、資格認定証の申請手続きを大学経由で行うことができるでしょう。この申請をすることで、こども音楽療育士の資格認定を受けることができます。また、音楽療法が活用される現場ではピアノやギターなど、楽器を演奏する場面も多いため、演奏技術を身につけておくと良いでしょう。

2. 通信講座などで勉強する

こども音楽療育士の資格は、通信講座でも取得可能です。社会人でも、仕事と両立して働きながら資格取得を目指すことができますね。現在保有している資格だけでなく、キャリアアップを目的としてこども音楽療育士の資格習得をする人も少なくありません。資格は、保有していると就職や転職、キャリアアップにおいて有利になるだけでなく、専門的な知識を増やすこともできるため、ぜひ取得を目指すことをお勧めします。保育の現場においての、音楽療法を活用して仕事の幅を広げましょう。

こども音楽療育士の給料

平均年収は300万円

近年、様々な現場において効果が期待されている音楽療法。こども音楽療育士の年収や給料相場は、勤務先によって異なりますが、平均年収は約300万円程度です。精神病院や高齢者施設などで生活支援員として働く人も多い一方、大規模な病院では年収500万円以上になることもあるため、年収の差は大きくなってしまうでしょう。また、非常勤やアルバイトとして働いている人もいるため、こども音楽療育士の年収は様々です。

こども音楽療育士の活躍の場

福祉施設

近年、障害者福祉施設や児童発達支援施設などといった、福祉施設においてのこども音楽療育士のニーズが高まってきています。音楽療法は、発達障害や知的障害、自閉症、学習障害にも効果が期待されていることから、子供の発達支援として用いられることも多いでしょう。そのため、福祉施設でこども音楽療育士として音楽療法に関わる形で働くことができます。また、高齢者施設やデイケア、地域包括支援センターでも音楽療法に関わる仕事で活躍できます。

医療機関

医療機関においては、特に小児科や小児科専門の病院で働くことができます。現在は、こども音楽療育士のように音楽療法を専門として働く人は非常に少なく、看護師や理学療法士、看護師として働きながら、取り組む人も多いです。音楽療法は、認知症への需要も年々高まっており、医療機関においてますます求められる機会が多いでしょう。医療機関でこども音楽療育士として活躍する際は、音楽療法のみならず、医療に関する資格取得を検討してみても良いかもしれませんね。

保育施設

こども音楽療育士は、保育施設においても活かせる資格です。保育の現場では、主に障害のある子供の療育において、心身の発達と回復をサポートするために音楽遊びを行います。子供たちと、音や音楽を活用して遊ぶことで、心と心が通い合うコミュニケーションをとることができるでしょう。特に、障害のある子供の発達支援では、強い信頼関係を築くことができ、子供と一緒に自らの成長も実感することができます。

教育現場

幼稚園や小学校といった教育現場でも活躍することができます。主に、年間行事や授業、保育において、音楽を聴きながら歌い、踊り、演奏する音楽活動を行います。小学校では、障害を持っている児童に対して音楽療法の知識を活かす特別支援学級の運営に関わることも期待できるでしょう。実際に働く際には、こども音楽療育士の資格のみではなく、教員として仕事を行いながら音楽療法を取り入れることが多いです。音楽を通して子供たちのたくさんの笑顔に出会える、音楽を通しての仕事のやりがいを実感できます。

こども音楽療育士に向いている人

音楽が好きな人

こども音楽療育士は、音楽を通して心や体のケアを行う資格です。音楽に接することがほとんどのため、音楽を心から好きな人が向いているでしょう。日々、音楽に触れる仕事であるので、自分自身が音楽を愛していて、音楽で楽しめるかどうかが重要です。音に合わせて体を動かしたり、音楽を演奏すること楽しむことで相手を元気にすることができますよね。音楽を聴いて”元気になったことがある”、”勇気をもらえた”などの思いに共感できる人であれば、こども音楽療育士にとても向いていると言えるでしょう。

コミュニケーション力がある人

こども音楽療育士は主に、子供たちやその家族と効果的にコミュニケーションをとる必要があります。コミュニケーションを通して子供たちや家族と、良好な関係を築くことも重要です。明確かつ適切な指示やアドバイスを行い、子供たちが自分の感情や思考を表現できるようにサポートすることが求められるでしょう。また、子供たちの進歩や成果についてフィードバックを行い、継続的なモチベーションを与えることも大切です。こういったことから、こども音楽療育士にはコミュニケーション力が必要です。

人を元気にすることができる人

音楽を通じて子どもたちの精神的な健康を支援し、喜びや発達の機会をサポートする必要があります。大人が音楽で楽しむ様子を見ると、子供たちは興味や関心を引かれますよね。こども音楽療育士は、子供達がやる気を持ち、積極的に参加できる環境を作り出す役割です。また、音楽を楽しむことや自己表現を通じて、子供たちが元気や希望を感じることができるようにサポートすることが大切です。音楽療法を通じて子供たちに元気を与えれる人が求められるでしょう。

ピアノが弾ける人

資格取得においてピアノが弾けることは必要条件ではありませんが、現場では自ら演奏することも多いので必要最低限の演奏技術を身につけておく必要があります。そのため、ピアノが弾ける人がこども音楽療育士に向いていると言えるでしょう。楽器や音楽活動を通じて効果的な支援を行う上で、ピアノを用いてアプローチを行うことができます。ピアノが弾けることで、こども音楽療育士としての活躍の機会が増え、子供たちへの支援の幅も増えます。

まとめ

音楽を通して子供たちの心と体を癒そう

こども音楽療育士は、音楽を通じて子供たちの発達や心の健康を支援する専門家です。音楽への情熱と子供への愛情を持ってコミュニケーションをとり、子供1人1人の成長を促進することが大切です。近年では、医療機関や保育現場といったさまざまな施設で音楽療法の需要が高まっているため、こども音楽療育士としての活躍が期待できるでしょう。音楽を通して、子供たちを元気にし、自己肯定感の向上につなげることで、子供たちの心と体を癒しましょう。

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