保育園で身体測定の進め方を詳しく解説!【ねらい・準備・進め方・内容】

保育士として、子どもたちの健康管理は重要な仕事の一つです。その中でも、身体測定は子どもたちの成長や健康状態を把握する上で欠かせません。そこで、この記事では、保育園での身体測定の進め方や正しい測り方、注意点を詳しく解説していきます。

「保育園での身体測定の進め方をしりたい」
「身体測定を行う際の注意点ってあるの?」

このような疑問をお持ちの方はぜひ最後まで読んでくださいね。

保育園で身体測定を行うねらいは?

子ども一人ひとりの発育状態を把握するため

保育園で行う身体測定の狙いの1つとして、子ども一人ひとりの発育状態を把握するということが挙げられます。なぜなら、定期的な測定で成長の速度や体格のバランスなどを詳細に記録することで、健康上の問題や発育の遅れを早期に発見することができるからです。他にも以下のような狙いがあります。

・子どもが自分の身長や体重に関心を持つ
・子どもが健康に関心を持つ

このように、保育園における身体測定は、子どもの成長と発達を支える重要な役割を果たしています。

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保育園で身体測定を行う前に確認しておくべきこと

必要な機材の整備

身体測定を行う際には、あらかじめ必要な機材の準備と整備をしておきましょう。整備を行う際には、次のような点を確認してください。

体重計:デジタル式か分銅式台秤の感度が10g単位以内のものを準備する。メモリに狂いが無いかを事前に確認、調整しておく。

身長計:0〜2歳頃の乳幼児は仰臥式(ぎょうがしき)を用意する。2歳を過ぎた頃の立って身長が測れる子どもには一般用を用意する。それぞれ尺柱が正しく直角になっているかや、横規が滑らかに滑るかを確認しておく。

巻き尺:布製の巻き尺を準備する。金属製の巻き尺は、怪我の恐れがあるので避ける。

測定を行う場所

身体測定を行う際には、園児全員をスムーズに測定できるように、人数にあった場所を確保しておきましょう。測定場所の他にも、待機場所や移動経路の確認も大切ですよ。園児の名前を書いた札を置いたり、誘導ロープや矢印などを設置するなど、分かりやすく工夫しましょう。測定場所を決める際は以下の例を参考にしてくださいね。

・園児の数が30人以下であれば、遊戯室の一角
・園児の数が40人以上の場合は、ホールなど広めの場所

身体測定の流れ

保育園で身体測定を行う際は、当日バタバタしないために測定の流れを事前に確認しておきましょう。この際にどのような順番で測定を行うのかも決める必要があります。順番を決めるときは、着替えが早い子どもや誕生日が早い子をはじめに測定するなど、クラス内で順番を決めておくとスムーズに測定をすすめることができますよ。

当日の流れの例
①排泄を済ませる
②クラスの子どもをグループに分ける
③測定を受ける子どもをホールに移動
④着替えを担当する先生、測定を行う先生、記録をする先生に分かれて測定を行う
⑤測定が終了したら後半のグループと交代する

保育士の役割分担

保育園での身体測定をスムーズにすすめるには、保育士の役割分担も大切です。なぜなら、役割分担をすることで、効率的に身体測定をすすめる事ができるからです。分担する主な役割は次のとおりです。

誘導、説明担当: 子どもたちを測定場所に誘導し、測定の流れを説明する

計測担当: 身長、体重、胸囲、頭囲などを測定する

記録担当: 測定結果を記録する

着替え担当: 子どもたちの着替えをサポートする

役割分担をする際には、これらの役割を明確に決めておく必要があります。

保育園での身体測定の進め方

室温を調整する

保育園で身体測定を行う際は、室温の調整をしておきましょう。なぜなら、適切な室温を保つことで、子どもたちが体調を崩すリスクを軽減できるからです。正確な身体測定結果を得るためにも室温の調整は重要です。室温が高すぎると子どもたちの体温が上がり、測定結果に影響を与える恐れがあります。逆に、寒すぎると体に力が入り、身長や体重の測定が正確に行えません。身体測定の前に室温を適切に調整しておくことで、子どもたちの健康を守りながら正確な測定結果を出すことができますよ。

適切な室温
・20~25℃が適切
・子どもたちが寒すぎたり、暑すぎたりと感じない温度に調整する
・室温計を活用し、定期的に室温を確認する

子どもの排泄を促す

保育園で身体測定を行う際は、あらかじめ子どもたちに排泄を促しましょう。なぜなら、排泄を済ませておくことで測定中のトイレを回避し、スムーズに測定を進行できるからです。特に小さな子どもたちは、身体測定中に突然トイレに行きたくなることがあります。そのため、測定前にトイレに行くよう促すことで、測定作業を中断せずにスムーズに進めることができますよ。

排泄を促すタイミング
・身体測定開始の30~60分前にトイレに誘導する
・個別に声をかけ、トイレに行くように促す

子どもを順番に並ばせる

次に、子どもを順番に並ばせましょう。じっと待つことが苦手な子どもは前の方に、雰囲気に慣れずあたふたしている子は様子を見れるように後ろの方にすると良いですよ。

順番待ちのポイント
・年齢や当日の子どもの様子に配慮し、待ち時間が長くなりすぎないように工夫する
・歌を歌ったり、絵本を読んだりして、子どもたちの気持ちを紛らわせる
・順番が近づいたら個別に声をかけ、準備を促す

1人1人測定を受けさせる

子どもたちを順番に並ばせたら、一人ひとり順番に測定を受けさせます。子どもがスムーズに測定を行えるように、測定前に、着替える場所や待ち時間にすることを知らせておきましょう。

順番待ちのポイント
・子どもたちの名前を呼び、測定場所に案内する
・測定前に、測定内容を簡単に説明しておく
・子どもたちがリラックスできるよう、優しく声をかける
・正確な測定を行うために、丁寧に測定をおこなう

保育園での身体測定の正しい測り方

身長

0〜1歳の場合

①全裸にした子どもを仰向けにして身長計の台板上に寝かせる
②補助する保育士は子どもの頭頂部を固定板につけ、耳眼面が台板と垂直になるように頭を保持する
③計測する保育士は子どもの片側にたち、子どもの頭に近い方の手で両膝を軽く台板に抑えて下肢を伸展させる
④もう片方の手で移動版を滑らせ、子どもの足の裏にあて、台板と垂直な平面をなすようにする
⑤1ミリ単位まで計測する

2歳以上の場合

①パンツ1枚にし、尺柱を背に直立させて1ミリ単位まで読み取る
②足先は30度くらいの角度に開き、胸をあまり貼らないようにし、腹部を引かせると良い  両上肢は軽く手のひらを内側にして自然に垂らす
③顎を引き、眼は正面を見るようにする  この際、後頭部が尺柱につかないこともあるため、強く押し付けないように注意が必要
④計測する保育士は、片側に立ち可動水平桿を一方の手で静かに下げてかるく頭頂部にふれて目盛を読む

引用:https://www.mhlw.go.jp/houdou/0110/h1024-4d.html

体重

体重の測り方

①乳児の場合は授乳直後をさけ、幼児は排便と排尿を済ませておく
②原則、全裸で計測する
 2歳未満の子どもは仰向けか、座位で秤の台かかごに乗せる
③計測の前後には、体重計の0位を確かめる
 また、体重計の中央に子どもを静かに乗せ、指針が静止してからメモリを読む
④乳幼児は計測の際に泣いてしまい暴れることがあるが、一瞬力を抜くタイミングがあるので、その時に数値を読み取ると良い
⑤計測の単位は10g単位までとする
 デジタル式体重計の場合は表示されている値を記入する

引用:https://www.mhlw.go.jp/houdou/0110/h1024-4d.html

胸囲

胸囲の測り方

①乳幼児は仰向けに寝かせた状態で測定を行う
②巻き尺が左右の乳頭点を通り、体軸に垂直な平面内にあるようにする
③メジャーを背中側から前方に持ち、胸囲の一番膨らんだ部分を囲んでメジャーを閉じまる
④メジャーを引っ張りすぎず、子どもの身体に適度な圧力をかけながら測定する
⑤メジャーが胸囲を囲んでいる状態で、その数値を読み取る
⑥数値はセンチメートル単位で記録する

頭囲

頭囲の測り方

①前方は左右の眉の真上、工法は後頭部の一番突出しているところを通る周経を計測する
②前方は額の最も突出している部分を通らないことに注意
③計測者は片手に巻き尺の0点を持ち、もう片方の手で後頭部の一番突出っしているところに手を当てる
④巻き尺を左右の高さを同じくらいになるようにしながら、前頭部に回して交差し、前頭部の左右の眉の真上を通る周経を計測する
⑤1ミリ単位まで計測する

身体測定を行う際の注意点

子どもが嫌がっている場合は無理強いしない

保育園で身体測定を行う際の注意点として、子どもが嫌がっている場合は無理強いしないようにしましょう。なぜなら、次回の身体測定をさらに嫌がるようになる可能性があるからです。子どもたちの個々の感情や体調に対応し、測定をストレスなく進めることが重要です。例えば、休憩を挟んでリラックスさせる時間を取るなど、子どもたちに配慮をしましょう。無理強いを避けることで、子どもたちの信頼関係を築き、身体測定を円滑に行うことができますよ。

できるだけ待ち時間がないようにする

保育園で身体測定を行う際の注意点として、できるだけ待ち時間がないようにしましょう。なぜなら、子どもたちの待ち時間が長くなると、イライラや不安が生じることがあるからです。そのため、待ち時間を最小限に抑えることが重要ですよ。また、測定作業を迅速かつ正確に行うために、測定器具や測定方法について保育士同士で事前に確認し、効率的な手順を確立しておくことも大切です。さらに、子どもたちに待っている間も楽しめるような遊びやおもちゃを準備することで、待ち時間をより快適に過ごせる環境を整えましょう。

泣いてしまう子どもへの対応を考えておく

保育園で身体測定を行う際の注意点として、泣いてしまう子どもへの対応も考えておきましょう。泣いてしまう子どもへの対応の例は、以下のとおりです。

泣いてしまう子どもへの対応方法
安心感を与える
・抱っこしたり、優しい声かけで落ち着かせる
・好きなおもちゃを渡して気を紛らわせる
無理強いしない
・測定を中止し、時間をおいてから再度試みる
・別の日に測定するなど、柔軟に対応する
保護者に相談する
・普段の様子や、身体測定に対する不安などを聞いて対応に役立てる

子どもたちの体調管理を行う

保育園で身体測定を行う際の注意点として、子どもの体調管理をしっかりと行いましょう。保育園での身体測定は、子どもの成長を記録する大切な機会です。しかし、体調が悪い状態で測定を行うと、正確な結果が得られない可能性があります。そのため、事前に子どもの体調管理をしっかりと行うことが重要ですよ。測定の前には以下のような点を確認してください。

・体調を確認
・体温を測定
・風邪症状などがないか

まとめ

保育園での身体測定のやり方を覚えてスムーズに進めよう

いかがでしたでしょうか?今回は、保育園で身体測定を行う際の確認事項や測定方法を解説していきました。保育園での身体測定は、子どもの成長を記録する大切な機会です。保育士は、リラックスできる環境を整え、正確な測定を行うよう努めましょう。身体測定をスムーズに行う際には、事前の準備や保育士の役割分担が重要になってきますよ。この記事を参考にして、園児の身体測定を円滑に進められるようにしてください。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/