赤ちゃんに必要な予防接種の種類は?【ワクチンの種類・スケジュール推奨例・準備するもの・副反応】

赤ちゃんの予防接種について、どの時期にどういったワクチンを打つのかわからないことも多いですよね。赤ちゃんの頃は特に予防接種の種類がたくさんあり、計画的にスケジュールを立てて接種することが推奨されています。そこで今回は、赤ちゃんが受ける予防接種の種類やスケジュールの立て方、成長に応じた予防接種推奨スケジュール例についてご紹介します。また、予防接種当日に向けての準備や当日の過ごし方、予防接種による副反応についても解説しています。計画的に対応できるように、ぜひ参考にしてみてください。

赤ちゃんが受ける予防接種の種類

定期接種:国が接種を推奨しているもの

赤ちゃんが受ける予防接種の分類は、大きく2種類に分けられます。1つ目は、定期接種です。定期接種とは、国が接種を推奨している予防接種で、原則費用が全額賄われます。ただし、推奨されている月齢や年齢の時期に接種する場合に限り、費用が無料になるため注意しましょう。

定期接種のワクチン

・ヒブワクチン
・ロタウイルスワクチン
・ 四種混合ワクチン
・ 肺炎球菌結合型ワクチン
・B型肝炎ワクチン
・ 三種混合ワクチン
・不活化ポリオワクチン
・ BCG
・麻疹(はしか)
・風疹(三日はしか)混合(MR)ワクチン(麻疹ワクチン、風疹ワクチン)
・水痘ワクチン
・日本脳炎ワクチン
・二種混合ワクチン
・ ヒトパピローマウイルスワクチン

任意接種:原則自費となるもの

2つ目は、任意接種のワクチンです。任意接種とは、定期接種に分類されていないワクチンで、個人の必要性や希望に応じて接種することができるワクチンです。予防接種法には規定されていない接種であるため、費用は基本的に全額自己負担になります。任意接種の場合は、周囲の感染状況に合わせてワクチンを接種すると良いでしょう。

任意接種のワクチン

・ロタウイルス(ロタウイルス胃腸炎)
・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
・A型肝炎
・インフルエンザ

集団接種と個別接種

予防接種の受け方は、集団接種と個別接種の2種類があります。集団接種とは、自治体が指定する日時に接種会場へ集まり、予防接種を受ける方法です。また、個別接種とは、保護者が接種する医療機関を自分で決め、予防接種を受けに行く方法です。赤ちゃんの場合は、かかりつけの小児科医のもとで予防接種することが望ましいため、原則個別接種となるでしょう。中高生や大学生になると、医療機関ではなく学校で一斉に予防接種を受ける集団接種が多くなります。

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予防接種を受けるスケジュールの立て方

接種の推奨時期に合わせて受ける

予防接種の種類や実施内容、接種の推奨時期については定められており、それに沿ってスケジュールを立てることをおすすめします。赤ちゃんは、お腹の中にいるときにウイルスに対する免疫をお母さんから受け継ぎます。しかし、ほとんどの抗体は生まれて早い時期に失われてしまうため、早めに計画を立てて接種することが良いでしょう。特に、百日せきやはしかを含む4種混合ワクチンは、生後3ヶ月ごろの早期摂取が必要です。

同時接種で免疫を早くつけさせる

赤ちゃんが予防接種を受ける上で大切なことは、同時接種を行うことです。日本では、1歳前に6〜7種類のワクチンを接種することが推奨されており、接種回数は15回以上になります。また、BCGやおたふくかぜの生ワクチンは、4週間あける必要があるでしょう。同時接種は、1度に複数のワクチンを接種するため、必要な免疫を早くつけることで子供を守ることができますよ。また、予防接種のスケジュール管理が簡単になり、通院回数が少なくなることで保護者の負担を軽減することにもつながるでしょう。

予防接種の推奨スケジュール例

1歳までの予防接種推奨スケジュール

赤ちゃんの予防接種スタートは、生後2ヶ月からです。生後1ヶ月で受ける1ヶ月検診を終えたら、予防接種に向けてスケジュール立てを行い、準備しましょう。

【2ヶ月】
・B型肝炎 1回目 ・ロタウイルス 1回目 ・ヒプ 1回目 ・小児用肺炎球菌 1回目 ・四種混合 1回目
【3ヶ月】
・B型肝炎 2回目 ・ロタウイルス 2回目 ・ヒプ 2回目 ・小児用肺炎球菌 2回目 ・四種混合 2回目
【4ヶ月】
・ヒプ 3回目 ・小児用肝炎球菌 3回目 ・四種混合 3回目 ・ロタウイルス 3回目(必要であれば)
【5ヶ月】
・BCG
【8ヶ月〜11ヶ月】
・B型肝炎 3回目

小学校入学までの予防接種推奨スケジュール

1歳になったら、MR(麻しん風しん混合)ワクチンを必ず受けましょう。また、新型コロナワクチンは生後6ヶ月を過ぎてから接種することができるため、希望する場合は医師と相談してください。

【1歳0ヶ月】
・MR(麻しん風しん混合) 1回目 ・水疱瘡 1回目 ・おたふくかぜ 1回目
【1歳1ヶ月】
・ヒプ 4回目 ・小児用肺炎球菌 4回目 ・四種混合 4回目
【1歳3ヶ月】
・水疱瘡 2回目
【小学校入学までに受ける定期接種ワクチン】
・四種混合       4回(7歳半未満は定期接種)
・日本脳炎      3回(7歳半未満は定期接種)
【小学校入学までに受ける任意接種のワクチン】
・B型肝炎       3回
・MR(麻しん風しん) 2回
・水疱瘡         2回
・おたふくかぜ     2回

小学校卒業までの予防接種推奨スケジュール

子供のワクチン接種は、小学校を卒業するまで続きます。MR(麻しん風しん混合)は、大人でもかかると重症になると言われています。満1歳と小学校入学前までに接種していない場合は、必ず2回接種するようにしましょう。

【小学校高学年で接種するワクチン】
・二種混合(DT)ワクチン    11〜12歳の定期接種で受ける。
・日本脳炎ワクチン        9〜12歳での定期接種で、追加接種を受ける。
・HPVワクチン          小学校6年生から遅くても15歳になる前に初回接種を受ける。
【小学校卒業までに受けるべき定期接種のワクチン】
・二種混合(DT)   1回    13歳未満は定期接種。
・日本脳炎        4回    特例措置の対象であれば、定期接種の対象となる。
【小学校卒業までに受けるべき任意接種のワクチン】
・四種混合(DPT-IPV)  4回

予防接種当日に向けて

必要なものを準備する

予防接種の日程が決まったら、当日に向けて必要な準備をしましょう。前もって準備しておくことで、接種当日は余裕を持って行動することができます。

接種当日に必要なもの

◻︎健康保険証
◻︎予防接種の予診票
◻︎乳幼児医療証
◻︎任意接種の場合は、現金やクレジットカードなど
◻︎ミルクやおもちゃ
◻︎副反応で吐いてしまったとき用のおむつや着替え

予防接種の予診票は、予防接種のお知らせと一緒に届きます。届いたら日程を確認し、事前に記入して準備しておきましょう。

着脱しやすい服装で受けさせる

予防接種当日の赤ちゃんの服装は、なるべく着脱しやすいものを着せましょう。ワクチンの注射だけでなく、医師による問診や触診があるため、すぐに脱ぎ着しやすい服がおすすめです。まだお座りができない状態であれば、赤ちゃんの股部分から脱げるロンパースの洋服が良いです。また、お座りができる子であれば、上下が分かれている服の方が腕や太ももが出しやすいですよ。普段からよく着慣れている服や、季節に合った服装を心がけると良いでしょう。

赤ちゃんの体調を確認し授乳は避ける

予防接種当日は、赤ちゃんの体調を確認し授乳はできるだけ避けましょう。来院前に、赤ちゃんに熱や咳などの風邪症状はないか、下痢や食欲などの体調面をチェックします。体温を測り、37.5度以上ある場合は予防接種を打てない可能性があるので、すぐに病院へ問い合わせてください。また、吐き戻しをしてしまうため、授乳や食事は接種の30分前までに済ませておきましょう。授乳後のゲップで吐いてしまう子もいるため、接種直前の授乳は特に避けてください。

赤ちゃんが予防接種を嫌がらないために

好きなおもちゃや絵本を用意する

赤ちゃんが予防接種を受ける時は、機嫌が悪くなったり、注射を嫌がったりする時もありますよね。ぐずってしまっても対応できるように、赤ちゃんの好きなおもちゃや絵本を用意しておきましょう。日頃から気に入って遊んでいるおもちゃで気を紛らわせることができます。また、タブレットやスマートフォンなどで好きな動画を見せてあげることも良いでしょう。病院にキッズスペースがあるか事前に確認しておくこともおすすめします。

かかりつけの小児科で受ける

赤ちゃんの予防接種は、かかりつけの小児科で受けましょう。初めて行く病院では、慣れない環境で落ち着かず、人見知りをして嫌がってしまうこともあります。日頃から赤ちゃんのことをよく理解してくれていて、赤ちゃんも通い慣れている病院で接種してください。かかりつけの小児科がない場合や、会場で接種する場合は、対応してくれる医師や病院の口コミをリサーチしておくことも大切です。

シュミレーションをしておく

当日赤ちゃんがびっくりすることのないように、シュミレーションをしておくことで不安を軽減することができます。特に注射は針を向けられて怖がってしまうこともあるので、おもちゃの注射でごっこ遊びをしておくと良いでしょう。日頃から病院や予防接種、注射に対して楽しい印象を与えておくことで、当日も慌てることなく行動することができますよ。また、接種後に子供の楽しみになるようなご褒美を用意しておくことも効果的です。

予防接種後に起こる副反応

接種後48時間以内の発熱

予防接種は、体の中で免疫を作る物質を形成していくため、副反応は避けられません。予防接種を接種後の48時間以内の発熱は最もよく起こる副反応の一つです。副反応による発熱は、基本的には自然に回復します。24時間以内に熱が下がることがほとんどのため、解熱剤を飲むことはできる限り避けて安静に過ごしましょう。ただし、熱が下がらない場合や、いつもとは違った症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

接種部分の腫れや赤み

赤ちゃんが予防接種を接種した後の副反応として、接種部分に腫れや赤みが出てしまうこともよく起こる副反応です。接種部分に軽度の赤みが現れるのは、注射針の刺入による皮膚の刺激や免疫系の反応によって引き起こされる炎症反応です。また、腫れが生じることで少し痛みを感じることがありますが、これも炎症反応の一部のため心配する必要はないでしょう。通常は数日から数週間で自然に治っていきますが、症状が持続する又は重症である場合は専門家に相談することが大切です。

強いアレルギー症状

接種後に、非常にまれですが重度の副反応が起こることがあります。代表的なのは、ワクチンの成分に反応して起こる強いアレルギー症状で、”アナフィラキシー”と呼ばれています。症状としては、呼吸困難や血圧低下、蕁麻疹などがあり、意識低下による命の危険に関わるようなことを引き起こしてしまいます。アナフィラキシーは、短時間に起こるアレルギー反応であり、接種後30分から長くても4時間以内に起こります。ほとんどの場合は医師による適切な治療で回復が見込まれているため、接種後30分程度は医療機関で待機しておきましょう。

まとめ

効率の良いスケジュールで予防接種を受けよう

予防接種は、子供の免疫づくりや健康のために欠かせないものです。そのため、赤ちゃんの頃からスケジュールを立てて、受け忘れがないように接種することが大切です。接種日当日までの準備や、当日の持ち物・服装などにも十分注意して余裕のある行動を心がけましょう。また、副反応はほとんどのワクチンに起こりうるため、赤ちゃんがいつも通り過ごせているのであれば安静にして様子を見ましょう。ただし、少しでも異変が見られる場合はすぐに医療機関を受診してください。事前準備をしっかり行い、効率よく予防接種を接種していきましょう。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/