社会福祉士の平均年収はいくら?【600万・1000万・20代・中央値】

社会福祉士は、社会福祉業務にまつわる国家資格。介護施設や医療機関をはじめとする幅広い領域で、社会福祉士が活躍していますよ。今回の記事では令和元年度の調査をもとに、この社会福祉士の気になる年収について紹介していきます。職場や職種、性別ごとに見た社会福祉士の年収を詳しくまとめていますので、ぜひチェックして下さい。またこちらでは社会福祉士が高収入を達成する方法についてもまとめています。すでに社会福祉士を取得している方も参考にしてくださいね。

社会福祉士の平均年収

403万円

社会福祉士の平均年収は、403万円です。また性別ごとに社会福祉士の平均年収を見ると、女性は365万円、男性は473万円となっています。男性の平均年収は女性よりも100万円程度高いことがわかりますね。次の段落では社会福祉士の平均年収について全職種の平均と比較していきますよ。

社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体403
男性473
女性365
保育士くらぶ

社会福祉士の平均年収は低い?高い?

全体平均と比べて低い

社会福祉士の平均年収は403万円であり、同年度調査の全職種平均である436万円と比べて低くなっています。一方女性の年収おいては、全職種の平均よりも社会福祉士の平均のほう70万円程度高くなっていますよ。

全体と比較した社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全職種社会福祉士
全体436403
男性540473
女性296365

社会福祉士の平均年収【年代別】

20代は332万・30代は426万円

年代別に社会福祉士の年収を見てみましょう。男性社会福祉士の場合、平均年収は20代で332万円、30代で426万円です。また女性社会福祉士の平均年収は、20代で320万円、30代で347万円になっていますよ。男女ともに年齢とともに平均年収が上昇する傾向にあり、最も平均年収が高い年代は50代となっています。

年齢別に見た社会福祉士の平均年収(単位:万円)

女性男性
10代317517
20代320332
30代337426
40代380501
50代421564
60代321418

社会福祉士の平均年収【職場別】

地域福祉関係は444万円

続いて職場別に社会福祉士の年収を見ていきましょう。平均年収の高い領域から順番に紹介していきますよ。最初に紹介する地域福祉関係の職場における社会福祉士の平均年収は、444万円です。地域福祉関係の職場で働く社会福祉士は、公務員や個人事業主として働く社会福祉士が多いため、平均年収が高くなっていると考えられます。

地域福祉関係の職場で働く社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体444
福祉事務所454
都道府県社会福祉協議会475
市区町村社会福祉協議会447
独立型社会福祉士事務所382
その他の地域福祉関係341

行政機関は443万円

行政機関で働く社会福祉士の平均年収は、443万円です。社会福祉士が働く行政機関としては、県庁や区役所、市役所などが挙げられますよ。こちらは公務員としての勤務が前提となるため、平均年収が比較的高くなっています。

行政関係の職場で働く社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体443
都道府県庁496
区役所(特別区)454
市役所
町村役場
436
その他の行政機関418

司法関係は433万円

司法関係の職場における社会福祉士の平均年収は、433万円です。以下のように保護観察所や地方更生保護委員会で働く社会福祉士の年収は638万円と非常に高く、全体の平均を底上げしているようです。

司法関係の職場で働く社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体433
矯正施設399
保護観察所
地方更生保護委員会
638
更生保護施設436
地域生活定着支援センター357
その他の司法関係337

児童・母子福祉関係は414万円

児童・母子福祉関係の職場における社会福祉士の平均年収は、414万円です。社会福祉士が働く児童・母子福祉関係の職場としては、児童相談所や障害児施設などが挙げられますよ。

児童・母子福祉関係の職場で働く社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体414
児童相談所532
乳児院
児童養護施設
母子生活支援施設
437
児童家庭支援センター373
障害児施設(入所・通所)372
障害児相談支援事業所366
保育所398
子育て世代包括支援センター368
婦人保護施設379

障害者福祉関係は401万円

障害者福祉関係の職場における社会福祉士の平均年収は、401万円です。障害者福祉関係は平均年収が400万円を超える最後の職場領域となります。

障害者福祉関係の職場で働く社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体401
身体障害者更生相談所504
知的障害者更生相談所412
障害者支援施設416
基幹相談支援センター412
相談支援事業所387
就労支援事業所366

高齢者福祉関係は392万円

高齢者福祉関係の職場における社会福祉士の平均年収は、392万円になっています。

高齢者福祉関係の職場で働く社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体392
介護老人福祉施設423
介護老人保健施設392
介護医療院
介護療養型医療施設
393
居宅サービス事務所375
地域密着型サービス事業所365
居宅介護支援事業所376
地域包括支援センター386

医療関係は399万円

医療関係の職場における社会福祉士の平均年収は、399万円です。医療領域は医者や看護師の職場であるというイメージが強いですが、実は社会福祉士も活躍しています。医療関係で働く社会福祉士は医療ソーシャルワーカーと呼ばれており、ハンディキャップを抱える人の支援を行っていますよ。

医療関係の職場で働く社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体399
病院・診療所398
その他の医療関係408

就職支援関係は378万円

就職支援関係の職場における社会福祉士の平均年収は、378万円です。社会福祉士が働く就職支援関係の職場としては、ハローワークや障害者職業センター などが挙げられますよ。

就職支援関係の職場で働く社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体378
公共職業安定所(ハローワーク)413
障害者職業センター333
障害者就業
生活支援センター
389
その他の就職支援関係357

学校教育関係は306万円

学校教育関係の職場における社会福祉士の平均年収は、306万円です。学校教育関係の職場における社会福祉士の年収が最も低いです。この要因として、学校教育関係で働く社会福祉士は、非常勤での勤務が多いことが考えられます。

学校教育関係の職場で働く社会福祉士の平均年収(単位:万円)

全体306
小学校、中学校268
高等学校288
大学、短大等456
その他の学校教育関係332

年収が高い社会福祉士の職種は?

施設長で年収554万円

年収が最も高い社会福祉士の職種は施設長です。施設長として勤務する社会福祉士の平均年収は554万円となっていますよ。他の職種の年収については以下の通りです。

職種別にみた社会福祉士の年収(単位:万円)

経営者549
施設長・事業所管理者554
主任・相談部門の長495
介護支援専門員 362
障害者相談支援専門員376
児童自立支援専門員410
医療ソーシャルワーカー384
スクールソーシャルワーカー292
相談員354
指導員346
介護職員303
支援員334
事務職員438

社会福祉士が年収600万円を目指す方法

施設長として働く

600万円を目指す方法として初めに紹介するのは、施設長として働く方法です。上記で年収が最も高い社会福祉士の職種としてあげた施設長の平均年収は550万円を上回っており、年収600万円を稼ぐことも現実的です。施設長になるための方法としては、以下が挙げられます。

施設長になる方法
1.同じ施設で5年以上の経験年数を積む
2.施設長候補の求人に応募する

成年後見人として働く

社会福祉士の方は、成年後見人等として働くことができます。成年後見人等には法定後見人と任意後見人の2種類があり、社会福祉士の資格はどちらの仕事にも活かすことができます。また任意後見人として働くために必要な手続きはありません。一方で法定後見人として働くには、日本社会福祉会への登録と研修の受講、「ぱあとなあ」への登録が必要です。

成年後見人等とは
成年後見人等は、ご本人の生活・医療・介護・福祉など、身のまわりの事柄にも目を配りながらご本人を保護・支援します。具体的には、ご本人の不動産や預貯金等の財産を管理したり、ご本人の希望や身体の状態、生活の様子等を考慮して、必要な福祉サービスや医療が受けられるよう、利用契約の締結や医療費の支払などを行ったりします。

厚生労働省「成年後見人等のみなさまへ 成年後見人等の選任と役割」

社会福祉士が年収1000万円を目指す方法

独立型社会福祉士として働く

社会福祉士が年収1000万円を稼ぐことは非常に難しいといえます。しかしながら、独立型社会福祉士となり、開業することによって年収1000万円を目指すことは可能です。この際、独立に向けてケアマネージャーや介護福祉士といった資格を取得しておくといいでしょう。

独立型社会福祉士として働く方法
1.日本社会福祉士会に所属して、独立型社会福祉士養成研修を受講する
2. 法人登記をおこなう
3. 事務所を設立する
4. 開業する(個人事業主の場合には開業届の提出が必要)

国家公務員として働く

国家公務員になり順当にキャリアを積むことによって、年収1000万円を目指ことができます。一方で国家公務員になるためには、国家公務員試験に合格した上で、官庁に訪問し内定をもらう必要がありますよ。また国家公務員の採用では人柄や学歴、試験の点数といった項目が重視されていると考えられます。社会福祉士の資格はあくまで選考材料の一つとして役立つと考えるのが良いでしょう。

まとめ

社会福祉士の年収を知ってキャリア選択に活かそう!

社会福祉士の年収は他の職種と比較して決して高くはありません。しかしながら社会福祉士として成年後後見人に登録したり、開業したりすることで高収入を目指すこともできますよ。また女性の場合は、全体の平均よりも社会福祉士の年収が70万円ほど高くなっています。ですから資格を活かして結婚や出産の後も継続的に安定した収入を得たいという女性の方に、おすすめの資格です。ぜひ今回紹介した内容をキャリア選択に活かしてくださいね!

参考文献

学校法人敬心学園 東京都知事認可 厚生労働省指定養成施設 日本福祉教育専門学校「独立型社会福祉士について」
公営社団法人 全国老人福祉施設協議会「社会福祉士就労状況調査実施結果報告書」

保育士くらぶ

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/