保育実習の内容とは?【目標・質問・お礼状・ねらい・自己紹介】

保育士を目指すうえで欠かせない保育実習。保育実習は、保育学生が学校で得た知識を実際の保育の場で試し、子どもたちとの関わり方や保育の仕事の流れを体験的に学ぶ大切な機会です。保育現場で子どもたちと直接関わることで、保育のやりがいや責任を肌で感じることができますよ。とはいえ、初めての保育実習に不安を感じる方も多いかもしれませんね。今回の記事では、保育実習の目的や内容、実習日誌の作成ポイントなどを解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

保育実習の目的

保育の現場で実践力を身につける

保育実習の目的は、保育の現場で実際に体験しながら保育に必要な能力を身につけることです。学校で得た知識だけではわからない、子どもとの関わり方や保育の工夫を、現場で直接学ぶことができます。例えば、子どもの気持ちに寄り添った声かけや、安全に気を配りながら遊びを見守ることなど、実際に体験して初めてわかることがたくさんありますよ。また、先輩保育士の動きや子どもとのやりとりを見て学ぶことも多く、自分自身の課題に気づくこともできます。保育実習は、将来保育士として働くための大切な準備の時間です。子どもたちとのふれあいを通して、自信とやりがいを少しずつ積み重ねていきましょう。

保育士くらぶ

保育実習の内容

観察実習

観察実習は、保育の現場をよく知るための最初のステップです。子どもたちがどのように遊び、どんな反応をするのかをよく見て記録します。また、保育士の関わり方や言葉の使い方、動きなども観察しますよ。例えば、子どもが泣いたときに保育士がどんな対応をするのか、トラブルが起きたときにどのように仲立ちするのかを見ることで、保育の専門性を学ぶことができます。保育士と子どもたちの何気ないやりとりの中にも多くの学びが隠れているので、自分が保育をする際のヒントになるでしょう。

部分実習

部分実習では、保育士の仕事の一部を体験します。例えば、絵本の読み聞かせや手遊び、簡単な活動の進行など、短い時間の保育活動を自分で計画して実行します。実際にやってみることで、子どもの反応を見ながら進めることの難しさや、伝え方の工夫が必要であることに気づきますよ。また、活動の準備や片付けも含まれるため、細かい配慮や段取りの大切さも実感できます。部分実習は、自分の力を少しずつ試しながら、保育士としての自信をつけていく大切な機会です。うまくいかないことも経験の一つとして、振り返りを通じて次につなげていきましょう。

参加実習

参加実習では、保育士の一員として保育活動に積極的に関わっていきます。例えば、子どもの食事の介助やトイレの手伝い、着替えの補助や遊びへの参加など、日常的な保育の場面で実際に手を動かしながら子どもたちと関わります。保育士と連携しながら活動するので、子どもの状態をよく見て対応する力や、状況に応じた判断力を求められますよ。また、子どもとの信頼関係を築くことも大切です。毎日のふれあいを通じて、名前を覚えてもらったり、自分を頼ってくれるようになる喜びを感じたりすることもできます。

責任実習

責任実習は、実習の集大成とも言える重要な実習です。1日の保育の一部、あるいはすべてを自分で計画して実行します。活動内容や時間配分、準備物、子どもへの声かけなど、すべてを自分で考えて進めていくため、事前の準備が欠かせません。予期せぬ子どもの反応やトラブルにも柔軟に対応する必要があり、実践的な保育力が試されます。実習後は、保育士からのアドバイスや自分自身の振り返りを通じて、改善点を見つけることができます。

保育実習の流れ

①事前講習

保育実習に入る前に学校で行われる事前講習は、とても大切な準備の時間です。この講習では、実習に必要な心構えや基本的なマナー、子どもとの関わり方、服装や持ち物などについて学びます。また、実習記録の書き方や観察のポイント、注意すべきことなども詳しく説明されますよ。初めての実習は不安も多いかもしれませんが、事前講習でしっかりと心の準備をすることで、自信を持って実習にのぞむことができます。

②オリエンテーション

実習先の保育園が決まったらオリエンテーションを受けます。オリエンテーションは基本的に実習生から連絡をします。オリエンテーションは、園の方針や保育の特徴、一日のスケジュール、担当する年齢の子どもたちについて説明を受けますよ。また、職員の紹介や実習中の担当保育士との顔合わせも行われ、実習生としてどのような役割を期待されているのかが明確になります。園によってルールや保育スタイルは異なるため、このオリエンテーションでしっかりと理解することが大切です。

③実習前準備

オリエンテーションを終えると、いよいよ本格的な実習の準備に入ります。まず、自分が担当する保育活動の計画を立てて、指導案を作成します。具体的には絵本の選定や遊びの内容、必要な道具の準備など、子どもたちの発達に応じた活動を考えることが求められますよ。また、保育日誌の書き方や観察記録のつけ方を練習することも重要です。自分の身だしなみや言葉づかいなども見直し、保育士としての自覚を持つように心がけましょう。

④実習本番

実習本番では、いよいよ保育の現場に入り、子どもたちや保育士と一緒に過ごします。初めは緊張することも多いですが、毎日子どもたちと関わる中で少しずつ信頼関係が生まれ、次第に自分の役割や動き方もつかめてきますよ。保育実習は観察実習から始まり、部分実習、参加実習、そして責任実習へと段階を踏んで実践的な経験を積みます。うまくいかないことがあっても、失敗を恐れず前向きに取り組む姿勢が大切です。

⑤お礼状の送付

実習が終わったら、できるだけ早くお世話になった保育園や保育士の方々へ感謝の気持ちを込めたお礼状を送りましょう。お礼状には、実習で学んだことや感じたこと、今後に活かしたい点などを簡潔にまとめて丁寧な言葉で書くことが大切です。手書きの便箋で送ると、より気持ちが伝わりますよ。お礼状の送付は、保育園との良好な関係を保つきかっけになるので、今後の進路や就職活動においてもプラスになります。最後まで誠実な姿勢を忘れず、感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。

実習日誌のポイント

定型化したテンプレートを決めておく

実習日誌を書く際には、あらかじめ自分なりのテンプレートを決めておくと、毎日の記録がスムーズに進みますよ。例として以下のような項目を用意しておきます。

・活動内容
・子どもの様子
・自分が行った子どもへの関わり
・学んだこと
・反省点

このように毎日同じ項目を設けておくことで、書き漏れを防ぎ、内容にも一貫性が生まれます。また、読む側(指導者や先生)にとっても、内容が整理されていることでフィードバックがしやすくなりますよ。最初から完璧を目指す必要はありませんが、継続して書きやすいテンプレートを持つことで記録が習慣になり、実習の振り返りにも役立ちます。

実習中にメモを取る

実習日誌は実習が終わった後に書くため、時間が経つと細かい出来事や自分の気持ちを忘れてしまうことがあります。エピソード忘れを防止するためには、実習中にこまめにメモを取ることがとても大切です。例えば、子どもが見せた印象的な言動や、保育士の対応で参考になった点などを、短くてもいいのでその場でメモをしておくと、後で日誌にまとめやすくなりますよ。メモを取るために、ポケットに小さなメモ帳やふせんを入れておくと安心です。日誌の質を高めるためにも、保育実習中の今を逃さず記録する意識を持ちましょう。

計画性をもって記入する

実習日誌は毎日提出することが多いため、無理なく継続できるように時間配分や記入の習慣を考えておくことが大切です。例えば、実習が終わってからすぐに日誌に取りかかることで、記憶が新しいうちに内容を整理できます。また、あらかじめ「この時間は日誌を書く!」と決めておくと、疲れていても習慣として取り組みやすくなりますよ。何を書けばよいか迷わないように、事前にメモやテンプレートを準備しておくとスムーズです。計画的に取り組むことで提出の遅れを防ぎ、実習への前向きな姿勢も評価されやすくなるでしょう。

保育実習で気を付けること

服装に気を付ける

保育実習において、第一印象はとても大切です。以下の服装リストを参考に、保育実習に適した身だしなみができているかを確認してみましょう。

【服装チェックリスト】
・髪色は明るくないか
・前髪が目にかかっていないか
・髪が長い場合は、まとめているか
・Tシャツは無地のシンプルなものか
・エプロンの色や形は、指定通りか
・名札は指定通りに付けられているか
・名札の書き方が園の指定通りになっているか
・ズボンは動きやすいか
・上履きと外履きを用意しているか
・靴の色は指定通りか
・爪は短いか
・アクセサリーをつけていないか

必要な持ち物を確認する

保育実習先によって必要な持ち物は異なりますが、基本的な持ち物の準備は万全にしておくことが重要です。以下の持ち物チェックリストを参考に、忘れ物をしないように準備を整えましょう。

【持ち物チェックリスト】
・指導計画(指導案)
・実習日誌
・筆記用具
・メモ帳
・エプロン
・辞書
・印鑑
・帽子
・手ぬぐい
・ハンカチ
・着替え
・水筒
・お弁当(※給食がない園の場合)

実習に積極的に参加する

保育実習では、受け身ではなく積極的な姿勢が求められます。子どもと積極的に関わるだけでなく、保育士との連携や指導内容にも注意を向け、学びの姿勢を示しましょう。例えば、準備や片付け、掃除などの雑務も進んで手伝うことで、現場の一員として信頼されるようになりますよ。そして、自ら声をかけて積極的に動くことで、保育士からもより多くのことを教えてもらえるチャンスが広がります。相手から学ぶ気持ちを常に持ち続け、自主的に行動していきましょう。

わからないことは質問する

実習中に疑問や不安に感じることがあれば、そのまま放置せずに必ず質問をしましょう。疑問や不安が晴れないまま行動してしまうと、子どもたちや他の職員に迷惑をかける可能性があります。細かいことでも質問することで、自分の理解が深まり、保育士との信頼関係を築くことができますよ。また、保育士に質問をするタイミングを考慮することも重要です。相手が忙しい時間帯は避けて、質問を聞き入れてもらえる時間帯を選びましょう。そして、質問に答えてもらえた際には、素直に聞くことが大切ですよ。小さな疑問もクリアにすることが、より良い実習に繋がります。

まとめ

保育実習で行う内容を理解して実習に臨もう!

いかがでしたか?保育実習では、子どもたちとのふれあいや保育活動のサポートなどの業務を通じて、保育の現場を体験します。保育実習中は保育士のそばで見ているだけではなく、主体的に子どもの様子を観察し、安全や発達に配慮しながら関わる姿勢が求められますよ。また、園によって一日の流れや保育方針が異なるため、実習前に園の特徴や日課を把握しておくことも重要です。実習内容をあらかじめ理解し、目的意識を持って参加することで、実りある学びにつながるでしょう。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/