実務経験証明書の取得方法とは?発行依頼の仕方や注意点について解説【記載内容・実務経験期間・取得費用】

これまで働いてきた経験を証明する実務経験証明書。児童発達支援の職員や児童指導員など、療育に関わる仕事に就く場合は重要なものになります。特に、児童発達支援管理責任者やサービス管理責任者への転職を考えている場合は、実務経験証明書が必ず必要になってきます。そこで今回は、実務経験証明書の取得方法について解説します。取得する際の注意点や実務経験期間の計算方法についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

実務経験証明書とは

実務経験を証明する書類

実務経験証明書とは、これまで働いてきた経験を記載した書類です。具体的には、働いた年数や日数、勤めていた事業所名などが書かれています。基本的に自分では書かず、勤めていた事業所に発行してもらいましょう。施設によっては、募集要項に実務経験が指定年数以上必要な場合もあるため、実務経験証明書の取得方法は知っておくことが大切です。就職や転職時だけでなく、療育・保育施設を新規開所するときも従業員の実務経験証明書の提出を求められる時があります。

療育業界で提出を求められる時がある

療育業界において、実務経験証明書の提出が求められる時があります。特に、障害を持つ子供に対して支援やケアを行う職種は、過去の実務経験や関連する職種の経験が重要になることがあります。そのため、施設が実務経験の有無を確認するために、実務経験証明書の提出を求める場合があるでしょう。障害を持つ子供に対する適切な支援を行うためにも、実務経験をしっかり積んでいることが大切です。

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実務経験証明書の取得方法

都道府県のホームページからダウンロードする

実務経験証明書は、各都道府県のホームページからフォーマットをダウンロードすることができます。ほとんどの場合は、自治体によって指定の実務経験証明書が公開されているため、様式や記入項目を確認しておきましょう。特に、他の都道府県から申請する場合は、希望する就職先がある自治体のフォーマットで記入するようにしてください。事業所によっては、管理者に直接申請が必要な場合もあるため、事前に確認しておくことをお勧めします。

現在の勤務先へ依頼する

現在、勤めている勤務先がある場合は、勤務先の管理者に実務経験証明書の発行を依頼しましょう。転職に伴う書類として、実務経験証明書が必要な場合は、事前に現在の職場へ退職の旨を報告した後に発行を依頼しましょう。次の職場で求められている様式でない場合は、事前に自分で用意し管理者へ提出してください。

【実務経験証明書の発行を依頼する時の注意点】

1. 様式に沿った記入例を用意する
2. 実務経験の期間、勤務日数を伝える

実務経験証明書は、作成に1ヶ月ほどかかります。そのため、余裕のあるスケジュールで発行を依頼しましょう。

退職した勤務先へ依頼する

すでに退職した勤務先へ依頼する場合は、電話やメールなどで実務経験証明書の発行をお願いしましょう。発行の依頼が承諾されたら、自分に必要な実務経験証明書の様式を印刷し、切手付きの返信用封筒をそえて郵送します。退職した勤務先へ必要書類を郵送する場合は、なるべく負担をかけないように記入サンプルを同封することをおすすめします。また、業務内容や事業所種別のサンプル文言も確認しておくと良いでしょう。

実務経験証明書を取得するときの注意点

必ず施設・事業所に記入してもらう

実務経験証明書は、法的な文書であり基本的に自分で記入することはできません。そのため、必ず施設や事業所に記入してもらいましょう。実務経験証明書は、個人の経験を証明する書類であり、次の雇用主や関連機関に対して事実を保証するものになります。やむを得ない状況を除き、実務経験証明書を自分で記入することは信頼性を欠いてしまいます。必ず施設や事業所に発行を依頼し、公式な書面として実務経験証明書を提出するようにしましょう。

指定のフォーマットを確認する

実務経験証明書はフォーマットが決まっています。各都道府県や自治体によって指定のフォーマットがあるため、取得する前に確認しておきましょう。また、実務経験証明書の発行を依頼するときは、必要な様式で発行してもらえるか事前に確認しておくと良いですね。すでに退職した職場へ発行を依頼する場合は、自分で必要な様式を用意し、送付するようにしましょう。その方が再発行の依頼をすることなく、確実に実務経験証明書を取得することができます。

余裕をもって発行依頼をする

実務経験証明書の発行には時間がかかることが多いです。事務的な手続きや、作成などを行う必要があり、依頼してから発行までに1ヶ月程度かかることが多いでしょう。取得を希望する場合は、1ヶ月程度を目安にし、いつまでに書類が必要なのか伝えておくと良いですね。実務経験証明書には、有効期限があり発行時期が古いと無効とされてしまうこともあるため、逆算して依頼することが大切です。後回しにせず、必要な時に余裕を持って発行依頼をするようにしましょう。

実務経験証明書に記載する内容

実務経験の期間

実務経験証明書に記載する実務経験期間は、休日や欠勤などを含まない期間をカウントします。実際に業務に関わっていない日数は含まず、純粋な実務期間を記載しましょう。発行の依頼をすると、事業所の担当者が依頼者の出勤簿から実務期間を算出し記入します。念のため、自分の実務期間がどのくらいあるのか事前に計算し、把握しておくようにしてください。希望する職種によっては、必要とする実務経験の期間が定められている場合があるので、自分の実務経験日数が足りているのか確認しておく必要があります。

所属機関や業務内容

実務経験証明書には、福祉施設や医療機関、教育現場など所属していた機関の種類が記載されます。実務経験は、一定の機関に所属している間のみカウントされるため、経験の信頼性を保証するためにも所属機関の記載が必須となります。所属機関の名称や代表者の氏名、印鑑が押されることで実務経験があることが証明されますよ。また、業務内容では”相談支援業務”または、”直接支援業務”が必要になります。実際に相談支援員として働いていた場合や、介護などの直接支援を行なっていた場合が該当します。事務員として働いていた場合は実務に該当しないため、注意しましょう。

実務経験の期間を計算する方法

休日や欠勤日は含まない

実務期間とは、実際に業務に従事した日数であり、業務を開始した日から年月を数えます。いくつかの機関で勤務したことがある場合は、通算して実務経験とみなすことができますよ。ただし、休日や欠勤日は含まれないため注意しましょう。また、有給休暇は実務経験の期間に含まれますが、産休・育休なども期間としてカウントすることはできません。例えば、2019年4月1日〜2023年3月31日の期間で働いていた場合の実務経験は、4年0ヶ月となります。

年間の従事日数が180日以上で1年とみなす

実務経験証明書を取得する場合は、年間の従事日数が180日以上で1年とみなされます。従事日数が180日未満であると、1年間とカウントされないため注意しましょう。希望する職種によって異なりますが、サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者においては、年単位での実務経験証明書が求められる場合があります。そのため、希望する職種に必要な実務経験を満たしているか確認しておきましょう。

パートやアルバイト期間も含める

実務経験証明書は、雇用形態に関係なく発行することができます。そのため、正規雇用やフルタイム以外のパートやアルバイトとして働いていた期間も含めることができます。勤務が週に2〜3日の場合でも実務経験として計算できますが、”実働週に24時間のパート”などと記載するようにしましょう。履歴書や職務経歴書にも同様に記載することで、就職先の機関にどれほどの実務経験を積んできたのか伝えることができます。

実務経験証明書を発行してもらえないケース

前職とのトラブルがあった場合

前職と何らかのトラブルがあった場合は、実務経験証明書の発行依頼をしにくいですよね。前職の人間関係や職場環境が原因で退職し、連絡を取るのが難しい場合は、現在勤めている職場から依頼を代行してもらうことができます。現在の職場に頼めない場合は、弁護士や行政書士に依頼して内容証明を送付してもらうこともできます。費用はかかってしまいますが、法律に則った依頼として送ることができるのでトラブルなく進めることができるでしょう。

職場が廃業してしまった場合

職場が廃業してしまった場合は、実務経験証明書の発行依頼をできないことも多いでしょう。そういった場合は、各自治体に相談してみてください。職場の代表者と連絡が取れる場合は、実務経験証明書を発行してもらえることがあります。また、母体となる法人がある場合は、母体となる法人に発行依頼を問い合わせしてください。他にも、廃業後他の事業所が引き継いだ場合でも、引き継ぎ後の事業所に依頼すると発行してもらうこともできるでしょう。

現在の職場で発行を断られた場合

現在の職場へ転職などの理由で実務経験証明書の発行依頼をしたものの、発行を断られてしまった場合は、職場の施設管理者や事業責任者に直接依頼してください。実務経験証明書の発行は、依頼する権利があり法律によって遅延なく発行することが義務付けられています。発行依頼を断られてしまっても、義務があることを主張し、期限を厳守して発行してもらうようにしましょう。労働基準局や法律家などの外部期間に介入してもらう方法もありますが、現在の職場と関係が悪くなってしまう可能性もあるためおすすめしません。

実務経験証明の取得費用

所属機関によって費用は異なる

実務経験証明書の取得にかかる費用は、所属している機関によって異なります。無料で発行してもらえる機関もあれば、事務手数料として費用が発生する場合もあるでしょう。また、実務経験証明書の内容によっても費用が異なります。基本的な業務経験の証明だけでなく、より詳細な内容や特定のスキルや資格を記載する場合によっても費用が異なる可能性があります。費用に関しては、所属している機関へ事前に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

注意点を確認し実務経験証明書を取得しよう

実務経験証明書は、これまで働いてきた経験を証明する重要な書類になります。フォーマットは各都道府県のホームページから簡単にダウンロードすることができますが、実務経験の期間を計算するときは十分に注意してください。証明書の発行を依頼するときは、誠意を持ってお願いし、あらかじめ記載して欲しい内容や記入例を添えておくと良いですよ。実務経験証明書を取得する際の注意点をよく確認し、発行手続きを行いましょう。

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