新生児・乳児・幼児の違いとは?それぞれの年齢や特徴について解説【発達段階・行動・保育園でのクラス分け】

赤ちゃんは、年齢によって新生児や乳児、幼児と呼び分けることができます。生まれたばかりの赤ちゃんを新生児と呼びますが、具体的にいつまでが新生児なのか知らない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、新生児や乳児、幼児を何歳まで、何ヶ月までで分類するのか解説します。また、発達における違い、小児科や医薬品においての違いもご紹介します。それぞれの呼び分けを理解し、年齢ごとの成長を見守りましょう。

新生児とは

生後0日から28日未満の赤ちゃん

新生児とは、生後0日から28日未満の生後4週間以内の赤ちゃんのことを指します。生後7日未満は、早期新生児と呼ばれることもあり、新産児や初生児などさまざまな名称で呼ばれることがあります。新生児の頃は、0ヶ月児というように年齢ではなく、月齢で数えられることが多いでしょう。新生児の特徴は、哺乳瓶から栄養をとることに精一杯で、一日中寝て起きてを繰り返します。視力はまだ十分ではなく、はっきりと物を認識することはできませんが、聴力が敏感なため音によく反応します。

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乳児とは

出生から満1歳未満までの赤ちゃん

乳児は、児童福祉法において出生から満1歳未満の赤ちゃんを指します。乳児期は、人生の中で最も脳が発達する時期と言われています。そのため、月単位でできることが増え、子供の成長から目が離せなくなる時期でしょう。乳児期と比べて、ハイハイやお座り、つかまり立ちができるようになり、少しずつ自立に近づいていきます。聴覚や視覚といった感覚も成長し、外からの刺激に対して敏感になるでしょう。離乳食がスタートするのも乳児期ですね。

幼児とは

満1歳から小学校就学までの子供

満1歳を経過し、小学校就学までの年齢の子供を幼児と呼びます。幼児期になると、自我が芽生えだし、1人でできることが多くなります。幼児期は、乳児期と違って長いため年齢ごとに大きく成長していく様子が見れるでしょう。2歳ごろには、感情や欲求のコントロールが上手くできず、イヤイヤ期に突入します。3〜4歳では、トイレや着替えなど身の回りのことができるようになり、語彙が増えたことでなぜなぜ期が始まります。5〜6歳ごろになると、精神的にも成長し社会性や道徳性を身につけていくでしょう。

新生児と乳児の違い

年齢:生後1ヶ月を過ぎているか

新生児と乳児で大きく違うのは、年齢です。新生児は生後1ヶ月以内の赤ちゃんを指し、乳児は生後1ヶ月から1歳までの赤ちゃんを指します。新生児期の赤ちゃんは、胎内から外の環境へ適応する過渡期で、生存に必要な基本的な生理機能を発達させます。主に、睡眠や授乳、排泄などが基本的な生活サイクルになるでしょう。幼児期は、徐々に周囲の環境との関わりを増やし、自分の身体や環境に対する理解を深める時期です。積極的に周囲の人とコミュニケーションを取らせると良い年齢です。

発達段階:乳児は人として自立できる状態へ成長する

新生児と乳児の発達段階における違いは、人として自立できる状態であるかです。新生児は、基本的な生理機能の発達と適応が中心であり、食事や排泄など生活のほとんどは大人が行います。また、新生児の感覚器官は未発達で、視覚的な刺激に反応したり、周囲の音に反応したり限定的であることが多いでしょう。一方で、乳児は感覚や運動の発達、言語の理解などより多様な発達が見られ、人として自立できる状態へと成長していきます。首が据わり、這うことや立つなどの動作ができるようになります。手を使ってものを掴んだり、動き回ることも多くなるでしょう。

行動:乳児は笑顔や手の動きが増える

行動における違いでは、新生児は自律的に睡眠や排泄など基本的な行動を行うことが一般的です。乳児は、徐々に能動的な行動をとり始め、笑顔や声の発声などが増えます。周囲の環境に興味を示し、自分からおもちゃを探したり、触れたりすることがあるでしょう。親や周囲の大人との関わりを通して、社会性やコミュニケーションをとるようになります。新生児の頃よりも、より多様な行動を示すようになり、手の動きや表情、声の発声などが豊かになります。

応答能力:新生児は刺激に対する反射的な動き

新生児は、生活の中での刺激に対する反応が基本的で、反射行動が中心です。手が顔に触れると手を動かしたり、光を見ると手で顔を覆ったり、外部からの刺激に対して能動的な反射行動を示すでしょう。一方で乳児は、感覚器官が発達し、外部からの刺激に対して意識的な反応を示します。例えば、顔を見ると笑顔を向けたり、音に反応して身体を動かしたりします。また、あらゆる刺激に興味を示し、新たな刺激や環境に対して好奇心を持つでしょう。

乳児と幼児の違い

年齢:生後1歳を過ぎているか

生後1ヶ月から1歳までの間を乳児と呼ぶのに対し、幼児は一般的に1歳から5歳までの間を指します。幼児期は、乳児期と違ってさらに発達が進みます。1歳を過ぎると、歩けるようになり自尊心が芽生えます。2歳を過ぎると二語文を話すようになり、自己主張が強くなる時期ですね。また、保育園に通うようになると友達との関わりが増えることで、会話能力が急速に向上し社会性も芽生えるでしょう。

発達段階:幼児は言語や身体能力が発達する

乳児期では、主に立ったり座ったり、生活における発達が中心的であったのに対し、幼児期になると筋力や運動能力がさらに発達します。幼児は、歩くだけでなく、走ったり跳ねたりすることが多くなるでしょう。保育園で習った踊りを家で披露したり、公園では遊具を使って遊ぶようになったりと遊びの幅も広がっていきます。また、言語能力も発達し、難しい単語を使って文章で話すようになるでしょう。

行動:幼児は自己表現や好奇心が高まる

乳児は、手や足を使ってものを掴んだり振ったりするなど、環境との関わりを積極的に求めます。幼児は、自分で考え物事を行おうとする姿勢が見られ、行動に理由がつくようになってきます。例えば、”これを使いたいからこのおもちゃを持ってくる”といったように、自分で判断し行動していくようになるでしょう。幼児は自己表現や好奇心が高まるため、自発的な行動が増え、新しい経験や知識が増えていきます。

認知能力:幼児は言語能力が向上する

乳児は、顔を認識したり、親しい人や環境を識別したりするなど、基本的な認知能力を発達させます。幼児になると、乳児よりも言語能力が向上します。幼児は言語や会話が理解できるようになり、自分の考えや感情を表現しすることで周囲の人とコミュニケーションをとることができるでしょう。また、数や形、空間関係などといった空間認知力も向上するでしょう。記憶力や創造性も高まることで、間違い探しやや色塗りなど乳児期よりも難しい遊びができるようになります。

社会性:幼児は積極的に人と関わる

乳児期は、社会性における初期の形成段階です。乳児の社会性は主に周囲との関係を築くことから始まり、親との触れ合いや愛着の形成が重要になるでしょう。感情的なつながりや愛着を通じて社会性が形成されます。幼児になると、乳児よりも独立心や自己主張が強くなり、自分自身や他の子供との関係に興味を示すようになります。友人関係やグループでの遊びを通じて社会性を身につけていくでしょう。また、相手に対する思いやりの気持ちを、伝え方を考えて話すようにもなります。

小児科における分類

内科に引き継いで問題がないかどうか

小児科では、明確に何歳までが対象とは定義されていません。そのため、病院でも受診年齢が指定されているところは少ないでしょう。乳幼児から病院を受診する場合は、小児科医が直接内科に引き継いで問題ないと判断してから、内科へ受診案内がされます。また、多くの自治体では、未就学児に対して”乳幼児医療証”を発行することで、医療費の負担を軽減しています。乳幼児医療証の対象ではなくなった年齢で、小児科から内科へと移るのも一つの目安とすると良いでしょう。

医薬品における分類

幼児:1歳以上〜7歳未満

医薬品における分類では、1歳以上7歳未満を幼児と定めます。幼児は成長途中であり、身体も小児に比べて小さいため、液体薬や粉末状の薬がほとんどです。幼児向けの医薬品は、液体状やシロップなど摂取しやすい状態で出されることが多く、発達段階や年齢に応じて投与量が異なるでしょう。医薬品に関しては、特に定められている年齢を守らないと薬物アレルギーや血圧低下などを引き起こす可能性があります。市販薬を購入、服用する際は十分に注意しましょう。

小児:7歳以上〜15歳未満

医薬品における小児とは、7歳以上15歳未満を指します。幼児と比べて成長している小児は、成人に近い用量の薬を処方されることもあります。液体状の薬だけでなく、錠剤やカプセルなどの形態も増えてくるでしょう。ただし、小児は成人と比べて消化管や臓器などが未発達のため、効果や副作用が強く現れる可能性があります。薬を服用させる場合は、年齢や体重に応じた適切な用量を守り、副作用に十分注意しましょう。

保育園でのクラス分け

乳児クラス:0〜2歳

保育園では、0〜2歳までが乳児クラスに分かれます。乳児クラスでは、乳児3人につき1人の保育士が配置され、基本的な生活習慣や感覚の発達をサポートします。保育活動のほとんどは、睡眠や授乳などが中心で、保育士が安全面に注意しながら身の回りの世話を行うことが多いでしょう。遊びは、感覚刺激やふれあいが中心で、音楽やリズムによる刺激を通して発達を促します。乳児クラスでは、保育士が乳児1人1人に対して、より慎重で丁寧なケアを行うことが大切です。

幼児クラス:3〜5歳

幼児クラスは、乳児期を過ぎた3〜5歳の子供が対象となります。幼児クラスでは、水遊びや泥遊びといった様々な保育活動が行われます。乳児クラスと違って、言語や体の発達が進んでいる幼児クラスでは、創造性や社会性を伸ばす保育活動が行われることが多くなるでしょう。また、遊びを通じた学習や知育活動、手先を使った製作なども取り入れられ、乳児クラスと比べて保育活動の内容が多様化します。そのため、子供たちの様子や保育活動の内容など、保護者へのコミュニケーションも重要になってきます。

まとめ

子供の年齢に応じた発達を理解し成長を見守ろう

今回は、新生児と乳児、幼児を呼び分けるときの年齢に応じた定義を解説しました。それぞれ、対象となる月齢や年齢が異なり、成長段階も大きく変化します。小児科や医薬品では、それぞれの分類の仕方が少し異なるため医療機関への受診や服薬の際は、注意してくださいね。保育園では、ほとんどが乳児クラスと幼児クラスに分けられ、発達段階に応じた保育内容になっています。一生の内でも特に成長が早い新生児期や乳児期、幼児期の発達を理解し、子どもの成長を見守りましょう。

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