1歳児の発達や発育の特徴は?できることや遊びについて紹介!【保育・食事・多動・社会性・成長・イヤイヤ期】

子供が初めて言葉を話した日や、初めて立った日などは、その子供だけでなく、周囲の大人にとっても大事な日になりますよね。1歳を迎えると、急速に成長して、自分でできることが増えたり、1人で歩いたり走ったりすることができるようになります。子供のより良い発達・成長のためには、周囲の大人の接し方や子供に対する理解が必要不可欠。そこで今回は、1歳児の発達の特徴や適切な接し方などを解説していきます。

1歳児の発育の特徴とは?【1歳0カ月~4カ月】

【運動機能】足腰の力が発達する

1歳0か月~4か月ごろまでの発育の特徴として、まず足腰の力が発達することが挙げられます。1歳児になって足腰の力が発達すると、つかまり立ちや伝い歩きなどができるように。足腰の力が発達することによって、よちよちと1人歩きしたりしゃがんだりできるので、行動範囲が大幅に広がるでしょう。また、自分1人で動けるようになることで、全身を使った運動も活発にみられるようになります。

【言葉】喃語を口にする

このころから、言葉の発達も見られるようになります。1歳前半ごろになると、喃語と呼ばれるまだ言葉になっていない発声が多くみられるようになるでしょう。「うー」や「あー」といった意味のない発声が多くなり、次第に「ママ」や「パパ」といった言葉を話すように。意味の分かる単語を発さない場合でも、大人からの問いかけにうなずいたりするなど、言葉に対する理解度が高くなる傾向にあります。

【認知】好奇心が旺盛に

認知の面においては、好奇心が旺盛になります。これは足腰の力が発達し、1人で行動する範囲が広がることによってみられる発達。好奇心が旺盛になると、周囲のものに興味を示し、触ったりいたずらしたりするようになります。時として、おもちゃなどの興味のあるものを口に入れてしまったりすることも。好奇心が旺盛になるこの時期から、誤飲事故も増えるので、周囲の大人はしっかりと見てあげましょう。

【食事】離乳食から幼児食へ

また、1歳児の発達の特徴として、食事の変化が挙げられます。それまでは、比較的柔らかいおかゆなどの離乳食を主な食事として与えるのが一般的ですね。幼児食になると、食事の回数が1日3回になり、少しずつ大人と同じ食事をとることができるように。1歳児は前歯が生えそろい、奥歯も6、8本程生えてきます。歯が増えることによって、徐々に固いものを噛みちぎることができるようになります。

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1歳児の発育の特徴とは?【1歳5カ月~11か月】

【運動機能】駆け足・階段の昇り降りが可能になる

1歳5か月~11か月になると、運動機能が更に発達し、駆け足・階段の昇り降りが可能になります。好奇心が旺盛になるので、突然駆け出すことも増えます。大人と一緒に行動し、常に気を付けている必要があるでしょう。足腰の力が発達し、階段の昇り降りができるようになっても、大人のサポートは必須です。大人が手を引っ張ってあげたりしてサポートすると、スムーズに階段の昇り降りができるように。

【言葉】2語文を話せるように

1歳児後半になり、2歳が近づいてくると、2語文を話せるようになります。2語文とは、意味のある簡単な単語を、2つ繋げて話すようになること。「ごはんたべる」や「これちょうだい」など、簡単な単語を組み合わせて文章を作って話せるようになります。子供は、喃語や1語文を話しながら、語彙を蓄積します。1歳児後半では、そこで蓄積された語彙を自分から発するようになり、会話が増えます。

【認知】自我の目覚め

1歳半年をすぎるころから、自我が目覚めます。自我が目覚めると、自己主張をするようになり、子供自身のやりたいことややりたくないことを強く主張することも増えるでしょう。自分が行きたい場所に、周囲の大人の腕を引っ張って行ったり、聞かれたことに対してイヤイヤと首を振ったりして答えることも。なんでも自分でやりたがったり、友達におもちゃを貸したがらなくなったりするのもこの時期ですね。

1歳児におすすめのあそびは?

砂遊びやボール遊びなどの屋外あそび

1歳児におすすめのあそびは、砂遊びやボール遊びです。特に砂遊びは、子供が自分で考える力を育むことができます。自分で形を作ったり、穴をあけたりして遊ぶ砂遊び。どうすれば崩れにくくできるかを考えたり、砂の盛り方を工夫したりすることによって思考力を育てます。また、ボール遊びをはじめとした運動遊びは、子供の運動能力の発達に良い影響を与えます。全身を使った遊びをすることによって、運動能力の発達を助け、子供の身体の成長の手助けにもつながるでしょう。

お絵描きやシール貼りなどの室内あそび

1歳児には、手や指を使う室内遊びもおすすめ。例えば、お絵描きやシール貼りなどです。お絵描き遊びは、自分で好きなものを描いたり好きなように色を塗ったりする遊びですよね。子供の手先を動かす練習になるだけでなく、独創性や創造性を育むことができます。また、シール貼りなどの室内遊びによっても、子供の指先を動かす練習ができます。最初は大きなシールから始めてみましょう。小さすぎると、子供にとって扱いにくいだけでなく、誤飲の危険性も高まります。

1歳児との適切な接し方は?

歩行をサポートする

1歳児と接するときは、まず歩行をサポートできるように意識しながら接しましょう。1歳になると、よちよち歩きやつかまり立ちをするようになり、行動範囲も広がります。足腰の力が発達し、歩けるようになるとはいっても、まだまだバランスを取ることが難しい場面が多いです。そのため、大人が歩行をサポートすることが必要不可欠。手をつなぐ、転びそうになったら支えるなど、子供の発達に合わせてサポートの仕方を変えると良いでしょう。

手先を使う遊びをする

それだけでなく、1歳児の子供と遊ぶときは、手先を使う遊びを多く取り入れてみましょう。1歳になると、手先を細かく動かした動きができるようになります。具体的には、蓋を開けて中身を出したり、つまみをつかんで開けたりすることができるように。手先を細かく動かせるようになると、自分でできることがかなり増えますよね。手の細かな動きを練習するために、クレヨンを使ったお絵描きやブロック遊びなどを取り入れてみてください。

好奇心を育てる

また、1歳児と接するときに、どんなふうに声をかけたりするとより好奇心を育てられるかを意識できると良いでしょう。1歳児は、自分で考えたり、物事に対して興味や疑問を抱くことが増える年齢。一度芽生えた好奇心を更に育てることができるように、声掛けや答え方などを工夫することがおすすめです。特に、子供の疑問には、一緒に考えたり納得がいくまで教えてあげましょう。この時、子供の疑問やいたずらなどを頭ごなしに否定せず、寛容な姿勢で対応することが重要になります。

1人でやりたい気持ちを尊重する

1歳児になると、好奇心が旺盛になるだけでなく、自我が強く芽生えるようになります。そのため、子供が自分自身でやりたいと思う気持ちが強くなり、1人でやりたいと主張する場面が増えるでしょう。この時、危ないからと頭ごなしに否定せず、なるべく尊重してあげるようにすると良いです。けがをしたりするようなものでない限りは、まずは【見守る】ことが大事。見守ることによって、子供が自分1人でできることを増やしましょう。本当に危険な場合は、どうしてダメなのかをしっかりと説明してあげると良いですよ。

子供の気持ちを代弁するような声掛けを行う

大人からの声掛けは、子供の発達に大きな影響を与えます。1歳児と接するときは、子供の気持ちを代弁するような声掛けを意識的に行うようにしましょう。例えば、お散歩中に見つけた花について、「きれいだね」と声をかけたり、絵本を読みながら「おもしろいね」と声をかけます。こうすることによって、子供の中の語彙を増やすことにつながります。この時、子供がその言葉を理解しているかどうかは、あまり気にする必要はありません。多くの語彙に触れさせてあげることを意識しましょう。それだけでなく、子供に対して注意をするときは、理由を添えて説明してあげると良いですよ。

1歳児が気をつけるべき病気は?

突発性発疹

ここからは、1歳児ごろに特に気をつけたい病気について紹介します。まず1つ目は【突発性発疹】。これは、ほとんどの子供が3歳までに1度はかかるといわれている病気で、特段予防するべきものではありません。症状としては、39度を超えるような高熱と、熱が下がるころに全身に発疹が現れます。自然治癒で治るもので、特に治療が必要なものではありませんが、子供にとっては、体調が悪いことには変わりません。水分摂取ができているか、食欲はあるか、意識状態に問題はないかなど、いつも以上に気を付ける必要があります。

ヘルパンギーナ

2つ目に紹介するのは、【ヘルパンギーナ】。1~5歳の子供がかかりやすく、特に1歳でかかる子供が多いです。年齢が上がるとともに、かかりにくくなります。ヘルパンギーナは、喉奥に口内炎ができ、39度を超える高熱が出るのが特徴。口内炎の痛みによって、口から水分を摂取することも困難になることが。治療薬はなく、自然と症状が治まるのを待つしかありません。痛みや熱がひどい場合は、解熱鎮痛剤を処方してもらうことで、抑えることが可能です。

はしか・風疹

3つ目に、【はしか・風疹】を紹介します。はしかは、1歳ごろにかかる子供が最も多く、治療法がないことが特徴。感染力が強く、感染者と接触した場合、90%以上の確率で感染します。現在では、予防注射を受けることで予防することが可能。ワクチンによる免疫獲得率は95%以上であると報告されています。ワクチンによる効果はほぼ確実であるため、接種年齢に達した場合は、なるべく早く接種しましょう。母体由来の免疫効果が、生後6ヶ月を過ぎるあたりから激減します。そのため、早いうちから保育園に通ったりする場合は、1歳に達する前に接種するという選択肢もあります。但し、その場合は、1歳以降に再度接種が必要になります。

まとめ

1歳児の特徴を理解して保育に活かそう!

ここまで、1歳児の発達や成長の特徴を紹介しました。1歳という年齢は、日々刻刻と発達していく年齢です。その発達の様子を見て、正しい接し方を理解できると良いですね。また、1歳児だからといって、すべての子供が同じように成長していくわけではありません。子供の成長や発達には、個人差があり、その速度もそれぞれです。運動の面で発達が遅かったり、言葉が遅かったり、子供一人ひとりの特徴があります。1歳児の発達の特徴を理解しつつ、日々の成長を見ながら、どう接していくか考えられると良いでしょう。

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