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鬼ごっこは、昔から親しまれてきたシンプルな遊びでありながら、年齢や発達段階、人数や場所に合わせてさまざまな種類が楽しめる奥深い遊び。追いかける、逃げる、隠れる、助け合うなどの要素が組み合わさることで、遊びの幅は大きく広がります。保育の中でも鬼ごっこは、体力づくりだけでなく、お友達との関わりやルールを守る力、思いやりの気持ちを育てる大切な活動の1つです。今回の記事では、年齢別に様々な鬼ごっこの種類や楽しむためのポイントなどを紹介します。ぜひ参考にして、子どもたちと楽しい鬼ごっこを実践してみてくださいね。
鬼ごっこのねらい
お友達と関わりながら運動を楽しむ

鬼ごっこは追いかけたり逃げたりする動きを通して、お友達との関わりを自然に生み出しながら運動を楽しむことができる遊び。相手の動きをよく見て距離を考えたり、タッチされた子に声をかけてルールを共有したりする中で、思いやりや協力の気持ちが芽生えます。また、走る・止まる・方向転換するといった全身運動を繰り返すことで体力や瞬発力が育ち、お友達と一緒に体を動かす喜びを味わえることも大切なねらいの1つです。
乳児向けの鬼ごっこ
追いかけっこ

乳児向けの追いかけっこは、ただ走る遊びではなく、保育者やお友達との関わりを通して身体の動きや距離感を感じ取る大切な経験になります。逃げる・追いかけるといった簡単なやりとりの中でも、相手の動きを目で追ったり、スピードを調整したりしながら全身を使って楽しむ姿が見られます。また、笑顔で追いかけてもらう安心感や、追いかけられるワクワク感を味わうことで、信頼関係が深まり、運動遊びへの興味を育てるねらいがありますよ。
くすぐり鬼

乳児向けのくすぐり鬼は、触れ合いを楽しみながら安心感を得られる優しい鬼ごっこの1つ。大人や保育者が鬼となり、子どもに軽く触れたりくすぐったりして追いかけることで、スキンシップを通した親しみの気持ちや信頼関係が育まれます。また、くすぐられる前のワクワクした表情や逃げるしぐさの中で、自分の気持ちを声や動きで表現する経験にもつながります。広いスペースを走り回らなくても、室内や狭い場所で十分に楽しめるため、発達段階に合わせて活動量を調整できる点も魅力。子どもたちが笑顔で参加できるくすぐり鬼は、人との触れ合いの心地よさや体を動かす喜びを感じられる乳児期にぴったりの遊びです。
ハイハイ鬼

ハイハイ鬼は、乳児期の発達段階に合わせ、移動方法をハイハイに統一して楽しむ鬼ごっこの遊び。全身を使って移動することで、腕や足、背筋などの筋力が育ち、支持運動や体幹の安定につながります。また、追いかける・逃げるという簡単なやり取りを通して、保育者やお友達との触れ合いや笑顔が生まれ、社会的な関わりの芽を育むことにもつながります。スピードを競うのではなく、それぞれのペースでのびのび動き、体を動かす心地よさと、人と一緒に遊ぶ楽しさを味わえる活動として有効ですよ。
むっくりくまさん

乳児向けの鬼ごっこ遊びであるむっくりくまさんは、言葉のやり取りや緩やかな追いかけ遊びを通して、周囲への関心やお友達との関わりを育むことができる遊び。
2. くま役の子を囲うように円になり、「むっくりくまさん」の歌を歌いながら手を繋いでその子の周りをぐるぐると回ります。
3. 歌を歌い終えたらその場で止まり、みんなで声を合わせて「むっくりくまさ〜ん!」と呼びかけます。
4. くまさんは、眠りから覚めて「がおー!」と言いながら子どもたちを追いかけます。捕まった子が次のくまさん役になり、繰り返し遊びます。
むっくりくまさん むっくりくまさん
あなのなか
ねむっているよ ぐーぐー
ねごとをいって むにゃむにゃ
めをさましたら めをさましたら
たべられちゃうよ
歌に合わせて声をそろえる時間は、期待感やワクワクする気持ちを共有する場面となります。また、くま役が起きた瞬間に逃げたり追ったりする動きの中で、お友達の存在を意識しながら体を動かす経験が得られます。走る力が未発達な乳児でも、短い距離をゆっくり動くだけで楽しむことができ、お友達と笑顔を交わしながら一緒に遊ぶ心地よさを味わえる点が魅力的な遊びですよ。
動物まねっこ鬼ごっこ

動物まねっこ鬼ごっこは、乳児が身近な動物になりきりながら体を動かして楽しむ鬼ごっこ。保育者が「うさぎさんみたいにぴょんぴょん」「くまさんみたいにのっしのっし」など動きを示すことで、子どもは真似をしながら走る・跳ぶなどの運動を自然に経験できます。また、同じ動きをするお友達の姿を見ることで、一緒に遊んでいるという安心感や共感が育まれ、追いかけ合うことに喜びを感じられるでしょう。さらに、保育者が声をかけたり目線を合わせたりしながら進めることで、子ども自身の表現意欲や「やってみたい」という気持ちを大切にできる活動となります。
こちらの記事でも様々な遊びを紹介しています!ぜひ参考にしてみてくださいね。
乳児が鬼ごっこを楽しむためのポイント
ルールをシンプルにする
乳児が鬼ごっこを安心して楽しむためには、ルールをシンプルにすることが大切。複雑な決まりや動作の指示が多いと理解が追いつかず、不安や戸惑いにつながることがあります。例えば、追いかける・触れたら交代など、行動が一目で分かる内容にすると、子どもは自発的に参加しやすくなります。理解しやすいルールは成功体験にもつながり、保育者やお友達とのやり取りを通して遊びそのものの楽しさや達成感を味わうことができますよ。また、繰り返し同じルールで行うことで見通しが持て、次の行動を自分で判断しようとする姿も育まれるでしょう。
歌や手遊びを取り入れる

乳児が鬼ごっこを安心して楽しむためには、遊びの導入に歌や手遊びを取り入れることが効果的。簡単なリズムや繰り返しのある歌は、子どもの注意を自然と引きつけ、これから始まる遊びへの期待感を高めます。また、手遊びを通して保育者と視線を合わせたり動作をまねたりすることで、乳児は活動の流れをつかみやすくなり、不安なく参加しやすくなります。歌と動きが結びつくことで、鬼ごっこへの移行もスムーズになり、遊び全体がより楽しく豊かなものになりますよ。
安全な遊び場を確保する
乳児が鬼ごっこを安心して楽しむためには、まず安全な遊び場を確保することが欠かせません。段差や転倒しやすい場所、角ばった家具などはあらかじめ取り除き、走っても危険が少ない環境を整えることが大切。また、床材やマットの状態を確認し、滑りにくい・つまずきにくい空間にしておくことで、乳児の動きの未熟さを補うことができます。さらに、保育者が周囲の状況を常に把握し、危険がないか見守る体制を整えることで、子どもたちは安心して体を動かし、鬼ごっこの楽しさを十分に味わうことができるでしょう。
幼児向けの鬼ごっこ
線鬼

線鬼は、地面に描かれた線の上だけを移動して遊ぶ幼児向けの鬼ごっこで、走る範囲が限定されているため、運動が得意な子も苦手な子も一緒に楽しみやすいのが特徴。線の上をバランスを取りながら進むことで、足の運びや体幹のコントロールが自然と育ち、俊敏な動きだけでなく身体感覚の向上にもつながります。また、線が交わる場所で「どっちに行こう?」と考える場面が生まれ、遊びながら判断力や予測する力も刺激されます。鬼との距離を感じ取りながらルートを選ぶ楽しさがあり、幼児にとって挑戦と達成感のバランスがとれた遊びになります。保育者がルールを簡潔に伝え、線の配置に工夫を加えることで、より安全で盛り上がる活動になりますよ。
色鬼

幼児向けの鬼ごっこである色鬼は、身の回りの色に触れながら遊べるシンプルで楽しい遊び。鬼が「赤!」など色を指定し、子どもたちはその色に触れることでセーフになるというルールのため、走って逃げるだけでなく、色を探す認識力や判断力も育ちます。また、近くのお友達と「ここに青あるよ!」と知らせ合う姿が見られ、自然とコミュニケーションが生まれるのも魅力です。広い場所でも室内でも取り入れやすく、運動遊びと知的刺激の両方を楽しめる活動として保育現場でもよく用いられます。
しっぽとり
幼児向けのしっぽとりは、走る・方向転換する・相手との距離を読むといった基礎的な運動能力を楽しく身につけられる遊び。タオルやリボンをしっぽに見立てて腰につけ、相手のしっぽを取り合うため、勝ち負けだけでなくどう動けば取れるか・取られないかを考える力も育ちます。また、相手にぶつからないよう周囲を見る習慣が自然と身につき、社会的スキルや危険回避能力の向上にもつながります。保育者がルールを簡潔に示し、走る範囲を明確にしておくことで、安全に楽しみながら達成感を味わえる遊びとなりますよ。
いもむし鬼

いもむし鬼は、走る動きがまだ安定しない幼児でも安心して楽しめる鬼ごっこの1つ。鬼役の子どもはいもむしのように床を這ったり、ゆっくり体をくねらせながら移動します。逃げる側の子どももスピードに差が出にくく、年齢差があっても遊びやすいのが特徴。捕まった子はいもむしになって仲間が増えていくルールにすると、遊びが協力的になり、自然と関わりが生まれます。子どもたちは笑い合いながら追いかけたり逃げたりする楽しさを十分に味わうことができ、お友達との関わりを広げる機会にもつながりますよ。
幼児が鬼ごっこを楽しむためのポイント
遊ぶ範囲を明確にする
幼児が鬼ごっこを安心して楽しむためには、遊ぶ範囲をあらかじめ明確にしておくことが大切。どこまで走ってよいのか、どこから先は入ってはいけないのかを、言葉だけでなくカラーコーンや線、目印となる遊具などを使って視覚的に伝えます。範囲がはっきりしていると、子どもは見通しをもちながら思いきり体を動かすことができ、ぶつかりや迷子などの危険も防げます。また、「ここまでだよ」と繰り返し確認することで、ルールを守って遊ぶ姿勢や集団で遊ぶマナーも自然と身についていくでしょう。安全と楽しさの両立につながる大切なポイントですよ。
仲間外れがないように気を付ける
幼児が鬼ごっこを楽しむためには、仲間外れがないように気を付けることがとても大切。遊びの中で特定の子だけが鬼に選ばれ続けたり、走るのが苦手な子が参加しづらくなったりすると、不安や悲しい気持ちにつながってしまいます。保育者は子ども同士の関係性をよく観察し、役割を順番に交代したり、ルールをやさしく工夫したりして、誰もが安心して参加できる雰囲気をつくることが大切ですよ。また、「みんなで遊ぶと楽しいね」と声をかけることで、自然と仲間を思いやる気持ちも育っていくでしょう。
色々な遊び方がある鬼ごっこ
助け鬼系の鬼ごっこ
助け鬼系の鬼ごっこは、つかまったお友達を仲間が助けるルールのある鬼ごっこで、協力する楽しさを味わえる遊び。氷鬼や高鬼などが代表的で、つかまった子はその場で止まり、別のお友達にタッチしてもらうことで再び逃げられるようになります。ただ逃げるだけでなく、「助けたい」「一緒に遊びたい」という気持ちが自然と芽生えるため、思いやりや助け合いの心が育ちやすいのも大きな特徴。仲間を助けることで達成感を味わえたり、お友達とのつながりを実感したりできるため、クラス全体の一体感も高まりやすい鬼ごっこです。
陣とり系の鬼ごっこ
陣とり系の鬼ごっこは、走って追いかけ合う遊びに陣地を守る・取るという要素が加わった鬼ごっこで、幼児でもルールを工夫することで十分に楽しむことができます。決められた場所を自分たちの陣として守ったり、相手の陣にタッチしに行ったりする中で、体をたくさん動かしながら自然と作戦を考える力も育っていくでしょう。また、「誰が守る役になるか」「いつ取りに行くか」などをお友達と相談する場面も多く、協力する気持ちや集団での関わりも深まります。勝ち負けだけでなく、みんなで力を合わせて楽しむことができるのが、陣とり系の鬼ごっこの魅力ですよ。
まとめ
様々な種類の鬼ごっこで楽しく体を動かそう!

いかがでしたか?今回の記事では、年齢別に様々な鬼ごっこの種類や楽しむためのポイントなどを紹介しました。鬼ごっこには、基本の鬼ごっこをはじめ、色鬼や氷鬼、動物まねっこ鬼ごっこなど、子どもたちの年齢や発達に応じた多くの種類があります。それぞれに運動面だけでなく、お友達との関わり方や気持ちの伝え合い、ルールを守る経験など、さまざまな育ちのねらいが含まれています。大切なのは、子どもたちが安心して楽しめる環境を整え、1人ひとりの姿に寄り添いながら遊びを広げていくこと。鬼ごっこを通して、体を動かす楽しさと人と関わる喜びの両方を、日々の保育の中で大切にしていきたいですね。



























