認知のゆがみとは?具体例や原因を解説!【チェック・治らない・職場・療法・親】

皆さんは認知のゆがみという言葉を聞いたことがありますか?認知とは、物事を理解したり判断したりする知覚機能のことを指しますよね。それでは、その機能にゆがみが生じているとどのような症状が出るのでしょうか。この記事では、認知のゆがみとは何かを説明した後に、認知のゆがみとされる具体的な症状を紹介していきます。ゆがみの原因や対処方法も紹介しているので、気になる症状がある人はぜひ参考にしてみてください。

認知のゆがみとは

認知のゆがみとは思考に普通とは異なる癖がある状態

そもそも認知のゆがみとは、どのような状態を指すのでしょうか。認知のゆがみとは、普通とは異なった思考の癖がある状態を指します。人によって、同じ物事においてどのように考えるかは人それぞれですよね。とは言っても、多くの人がこの物事に対してはこう考えるだろう、という一般的な思考法というのもあります。認知のゆがみがある状態だと、このような一般的な考え方にあてはめて思考することができません。過度にマイナス思考になってしまったり、その場の感情で物事を決めつけてしまったり、などという症状がありますよ。

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認知のゆがみの具体例

極論的な考え方

認知のゆがみの具体例としては、まずは極論的な考え方が挙げられます。物事には、0か100では決められない、曖昧な部分も沢山ありますよね。極論的な考え方のもとでは、そのような曖昧な部分を受け入れることができません。全ての物事を白黒はっきりさせようとし、グレーゾーンを認めないのが特徴です。例えば、少しでも不安要素があった場合に絶対に実現不可能であると決めつけたりすることがあります。絶対、や決して、などの断定的な言葉を常に使っている場合も注意が必要です。

ネガティブ思考

ネガティブ思考も認知のゆがみの具体例です。物事をネガティブな方向に考えてしまうため、上手くいったときでも自分の力を信じることができない傾向にあります。一方で一度の失敗に対しても過度に落ち込み自分を責めてしまうため、自己肯定感が下がりやすいのも特徴でしょう。良いことが起こったときでさえも、それをまぐれだと捉え、次には悪いことが起こると予想してしまうことも多いです。

結論の飛躍

認知のゆがみの具体例としては、結論の飛躍も挙げられます。これはネガティブ思考や決めつけにも関係すると言えるでしょう。物事の一部を捉えただけで、その先のことや見えない部分までマイナスに考えてしまう考え方を指します。具体的には、他人の言葉の一部を聞いただけで事実とは異なる思い込みをしてしまうなどが考えられます。また、物事が始まってもない段階で悪い終わりを予想してしまうのも結論の飛躍の一種だと言えるでしょう。

感情的な決めつけ

感情的な決めつけも認知のゆがみの具体例です。本来、人の感情というのはとても主観的なもので人それぞれですよね。同じ事実を目の前にしても、それを受けて感じることは1人1人異なるはずです。それにも関わらず、認知のゆがみがある状態では自分の感情を根拠に物事を決めつけてしまう傾向にあります。物事を冷静に客観視できなくなったり、正しい事実確認ができなくなったりすることが考えられるでしょう。

過度な一般化

認知のゆがみを持つ人は、過度な一般化をすることもあります。通常、物事を一般化して考えられるようになるには多くの経験が必要です。たった1回の経験だけでは、それが異なる状況になったときにどうなるかはわかりませんよね。しかし、認知のゆがみがある状態だと、少ない経験で物事全般を一般化してしまう傾向にあります。例えば、たった1回の失敗で自分はもう成功できないと考えたりしてしまうことが挙げられます。

過大または過小解釈

過大または過小解釈も認知のゆがみの症状として考えられるでしょう。実際の出来事を自分の中で拡大または過小に解釈することで、物事を適切に捉えることが難しくなります。例えば、仲の良い友達とたった一度遊べなかっただけで自分はみんなから嫌われていると思い込んだりすることなどが考えられます。また、実際には自分の力で何かを成し遂げたとしても、自分の強みを過小評価することで自分自信を認めることができないこともありますね。

レッテル貼り

認知のゆがみの具体例としては、レッテル貼りも考えられます。レッテル貼りとは、過度な一般化の延長上にある考え方だと言えるでしょう。レッテル貼りの思考では普通であれば取るに足らない言動を深く受け止めてしまいます。それを基に他人もしくは自分にマイナスなレッテルを貼ってしまうことがレッテル貼りの思考です。相手の人格を正しく捉えることができなかったり、自分自身のことを適切に理解できなかったりすることもあるでしょう。

すべき思考

すべき思考も認知のゆがみの具体例です。すべき思考とは、他人の状況を鑑みることなく、この人は〇〇すべきであると決めつけてしまう思考のことを言います。本来であれば、人はそれぞれ周りの環境も抱えているものも異なるはずですよね。従って、他人が何をすべきなのかを決めるのは簡単ではありません。しかし、すべき思考では相手がするべきことを自分が勝手に決めてそれを期待してしまうのです。自分の期待通りにならないことによって、さらに思考のゆがみが進んでしまうケースもあります。

個人化

認知のゆがみの具体例としては、個人化も挙げられるでしょう。個人化とは、自分の力ではどうにもできない出来事に対して、それが起こった原因を自分のせいだと決めつけてしまう思考のことです。世の中には、自分の力ではどうすることもできない物事も沢山起こりますよね。例えば地震などの自然災害などは個人のせいで起こるものではありません。一方で、個人化の思考の下ではそのような出来事の原因が自分にあると考えてしまうのです。場合によっては責任感の強さとして良く捉えられることもあります。しかし、過度に責任を感じてしまう点ではゆがみがあると言えるでしょう。

心のフィルター

認知のゆがみの具体例として最後に紹介するのは、心のフィルターです。心のフィルターとは、自分の心の中のフィルターによって、物事の悪い面しか見ることができなくなってしまう状況を指します。普通の思考の下では良い面も見ることができるのに、心のフィルターがかかってしまっていることで物事を正確に捉えることができません。これによってネガティブ思考や曲論化など、他の思考のゆがみにつながることも考えられるでしょう。

認知のゆがみをチェックするやり方

ネットサイトでテストを行う

自分の子供に認知のゆがみがあるかどうか。悩んでいる場合はどうしたら良いのでしょうか。この場合、最も簡単なのはネットサイトでテストを行うことです。インターネット上には認知のゆがみを確認できるサイトが数多くあります。どれも簡単な質問に答えるだけなので、いつでも気軽にチェックすることができますよ。簡易的な方法ではありますが、認知のゆがみがあるかどうかすぐに確認したい人にはおすすめです。

専門家に相談する

認知のゆがみがあるかどうかを確認するには、専門家に相談するという方法もあります。インターネット上のテストで行う確認は、手軽にできるのがメリットですよね。しかし、簡単に受けられる反面正確な結果が出にくいというデメリットもあります。ネットサイトのテストでは認知のゆがみがあるとされていても、実際にはゆがみがないこともあるでしょう。また、反対にネットの診断では異常無しとされていても、本当はゆがみがあることもあります。正確な結果を知りたい場合は、専門家に相談するのが1番です。自己判断では難しい部分まで細かく聞いてもらうことで、様々なアドバイスをもらうこともできますよ。

認知のゆがみの原因

それまでの人生における経験が原因になる

認知のゆがみの原因は、それまでの人生における経験であると言われています。認知のゆがみは先天的に生まれ持ったものではなく、育った環境や周りの人間関係などに左右される、ということですね。どのような環境が認知のゆがみを生じさせるか、一概に言うことは難しいでしょう。どのタイミングでどのような認知のゆがみが生じるかは、人によって異なるからです。一方で、幼少期に親から認められることが少なかったり、周りから否定的な言葉ばかりを言われたりしている場合は注意が必要でしょう。これらの経験によって、ネガティブな思考が多くなり、結果的に認知のゆがみを生じさせる可能性があります。

認知のゆがみを治すには

認知のゆがみを自覚する

認知のゆがみを治すためにまず必要なのは、自分に認知のゆがみがあることを自覚することです。認知のゆがみは思考のゆがみなので、自然に自覚するのは難しいかもしれません。従って、周りの人が適切な方法で伝えてあげることも大切ですよ。伝え方によっては本人を傷つけてしまうこともあるので、言葉には注意しましょう。認知のゆがみを自覚することで、自分の思考の癖を知り、治そうと意識することにもつながります。認知のゆがみが発覚したら、なるべく早くそれを自覚できるように伝えられると良いですね。

カウンセリングを受ける

認知のゆがみを治すには、カウンセリングを受けることも大切です。カウンセリングを受けることで、普段の思考法におけるアドバイスをもらったりすることができます。適切な治療を受けることができるので、効果的に認知のゆがみを治すことができますよ。初めはカウンセリングを受けることに抵抗がある人もいるかもしれません。しかし、最初は少し話をするだけでも構いません。専門家の人に話を聞いてもらうだけでも、ゆがみを治すのには効果的だと言えますよ。

自分の感情を書き出す

認知のゆがみを治したいと思ったら、自分の感情を書き出してみることも必要です。頭の中で考えているときは、自分の考えや思考を整理するのが難しいですよね。自分がどんな考えを持っているのか、どのような感情なのか、書き出すことで整理することができます。また、紙に書き出すことで冷静に物事を見ることができるようにもなりますよ。まずは自分の思うままに感情を書き出すだけでも十分です。慣れてきたら、なぜ自分がそう思うのか、そう考える理由はどこにあるのか、などを書き出してみると良いでしょう。具体的な思考の理由や背景を考えることで、次第に認知のゆがみが直っていく効果がありますよ。

まとめ

認知のゆがみは自覚することで改善できる

ここまで、認知のゆがみについて症状の具体例や治し方などを紹介してきました。認知のゆがみとは思考の癖なので、なかなか自覚することは難しいと言えます。一方で、認知のゆがみについて学んでいる人も沢山いますよね。周りが思考の癖に気が付いたら、まずは上記で説明した症状にあてはまらないかを考えてみましょう。必要に応じて専門家に話しを聞いたり、セルフチェックを行ったりすることも大切です。認知のゆがみは治すことができます。早い段階で自分の思考の癖に気が付くことで、改善を期待することができますよ。

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