知育について解説!【知育方法・遊びとの違い・年齢別おすすめの知育玩具・知育を行う上でのポイント】

未就学の小さな子どもを育てていると、「知育」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?知育は子どもの才能や能力を引き出すことを目的として取り入れられたものです。今回は、幼児教育に取り入れることが推奨されている知育について詳しく解説し、知育方法やおすすめの知育玩具についても紹介していきます!

知育とは?

知能・知力を伸ばすことを目的とした教育

知育とは辞書によると、知的能力を育て,知識を習得させるための教育(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「知育」の解説より)です。知識の習得と聞くと、机に向かって知識を頭に詰め込む教育を想像してしまいますがそうではありません。知育とは子どもが自発的に物事考えたり行動を起こすことを目的とした教育です。知的能力とは具体的に理解力・判断力・思考力などのことを指すと考えられるでしょう。子どもが自ら考えることに楽しみを見出せるように、様々な玩具や遊びなどを用いた教育を行うのが知育だということができそうです。

三育のうちの一つ

知育は、イギリスの学者であるハーバート・スペンサーによって提唱された「三育」のうちの1つです。三育とは知育・徳育・体育のことで、3つがバランスよく育つことで一つ一つの良さが発揮され、子どもの生きる力が養われるとされています。徳育は道徳心を身につけるための教育、体育は健やかな体を育てるための教育、そして知育は思考力・判断力・記憶力・想像力などの知的能力を鍛えるための教育です。知育を通して自ら考える力が育ち、他の二つの徳育・体育と組み合わさることで生きるために必要な力が育まれていくのです。

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遊びとの違いは?

明確な目的があるかどうかが遊びとは異なる

遊びと知育との違いは、明確な目的があるかどうかです。知育では子どもが楽しく主体的に学べるように遊びやおもちゃを用いるため、一見遊んでいるだけのように思われるかもしれません。しかし、知育は遊びを通じて思考力を養うという明確な目的を持っており、年齢や発達段階に応じた課題を設定し子どもが意欲的に目標へと近づけるようにしていきます。以上のことから、知育は目的がちゃんと設定されているという点で遊びとは異なるということができるでしょう。

知育は遊びではなく遊びを通して能力を引き出す「教育」

知育がれっきとした教育であるという点も遊びとは異なる点でしょう。先ほども言ったように、知育はイギリスの学者であるハーバート・スペンサー(Herbert Spencer、1820~1903)が「スペンサーの教育論」という本で提唱した教育論に基づいています。ですので、知育はちゃんとした教育論に基づいた教育なのです。このことから、知育がれっきとした教育であるという点も遊びとの違いだということができそうですね。

知育方法を6つ紹介!

知育玩具

思考力や表現力を育てることを目的とした知育玩具は家庭でも導入しやすい定番の知育方法です。玩具としては、

  • パズル
  • 積み木やブロック
  • 絵本(音が出るものピアノ絵本など)
  • お絵かき
  • 粘土
  • ボードゲーム

などがあります。知育おもちゃは子どもが興味を引くように考えて設計されているので、お子さんが楽しみながら遊び感覚で思考力や表現力を身に着けることができるでしょう。まず最初に取り入れる知育方法として知育玩具はかなりおすすめです。

知育菓子

自分で手を加えて完成させるお菓子のことを知育菓子と言います。知育菓子では、子どもが楽しみながら創造力を身に着けることができます。クラシエフーズから発売された「ねるねるねるね」に始まり、今ではハイクオリティで多種多様な知育菓子が発売されています。例としては、

  • 本物そっくりのお寿司やラーメン、たこ焼き
  • グミやキャンディ、膨らんだり色が変わるお菓子

などが挙げられるでしょう。楽しさだけでなくおいしさを交えて子どもの知的能力を養うことができるのが知育菓子の魅力だといえそうですね。

知育アプリ

スマホやタブレットで利用できる知育アプリも知育方法の一つです。知育アプリを使うことのメリットは、安くて時間と場所に左右されないということです。知育アプリには大人も一緒に楽しめるアプリもあるため、親子間でのコミュニケーションのツールとしても利用することができます。知育を始めてみようかなと思っている方は、まずは気軽にできる知育アプリから始めてみるのもいいでしょう。

知育教材

知育教材とは知育を目的とした教材のことであり、絵本やブロック、積み木、DVD、ドリルやワークブックなど様々な種類があります。知育教材は対象年齢や目的に応じて色々な種類のものがるので、お子様の年齢や育てたい能力に応じて教材選びができるといいですね。また、子どもに無理やりやらせるのではなく、興味をもって楽しみながらできるかどうかということも教材を選ぶ判断基準にすることも大切です。

知育教室

知育教室とは幼児教室の一つで、その中でも子どもの知能を育てていくことを目的とした教室です。どのようなカリキュラムが行われているのかは教室ごとに異なりますので、お子さんとの相性や楽しんで学べる内容かということを基準にして選んでいくといいでしょう。知育教室にいる先生は知育のプロであるため、子どもを惹きつける教え方や話し方、接し方を熟知しています。そのため、子どもも楽しみながら学習を進めることができるでしょう。また、他の子とかかわることで社会性の発達も期待できます。

日常での体験

何気ない日常の中にも知育につながる者や遊び、活動などがあります。例えば、以下のような活動は子どもの脳にいい影響を与えることができるでしょう。

  • 遊び(言葉や数字、指先などを使ったもの)・・・しりとりや読み聞かせ、ゲームや手遊び歌、折り紙や工作など
  • 植物の栽培や動物の飼育
  • 料理

普段の生活の中における活動でも、保護者や保育者の心がけや工夫次第で子どもの脳にいい影響を与えて知育を促進することが可能です。ぜひ普段から知育を意識してお子様に接してみてはいかがでしょうか。

おすすめの知育玩具を年齢別で紹介!

0~1歳

0~1歳頃の子どもは、物をつかんで口に運ぶことができるようになります。また、色や音を判別する力が発達していき6か月~1歳頃になると立ち上がることができるようになります。そのため、この時期の子どもには視覚や聴覚などの五感を刺激する知育玩具や体の動かし方を学習できるものがおすすめです。おもちゃの例としては、ベッドメリーやボール、ディンプル、積み木などが挙げられるでしょう。1歳までの子どもは生後三か月以内、3~6か月、6~12か月ごろで発達段階が大きく異なるので、各段階に適したおもちゃ選びが重要です。

1~2歳

1~2歳頃になると、自我が芽生え知能の発達が見られるようになってきます。また、手先が器用になっていき、1歳半から2歳頃になると言葉も徐々に覚えていくようになります。そのため、積み木、型はめ、粘土などの手先を使うおもちゃがおすすめです。また、手先だけでなく、転がす、押す、引っ張る、叩くなどの腕や全身を使った運動技能の発達を促すことのできるおもちゃも子どもが楽しんで遊ぶことができるでしょう。その他にも、塗り絵、絵本や図鑑、楽器などもこの時期の子どもに適している玩具です。

2~3歳

2~3歳頃は言葉の発達が著しく、自我が芽生えて身の回りのことを自分でやろうとするようになる時期です。また、周囲の大人のやっていることを真似をするようになり社会性も発達していきます。以上のことから、ごっこ遊びができる知育玩具がおすすめです。また、言葉や数字に触れることのできるおもちゃ、お絵描きや楽器などの音や色の違いに触れることのできるおもちゃも子どもの発達のプラスになるでしょう。1~2歳に引き続いて、パズルや積み木、ブロックなどを用いて手先の発達、形や色への興味を促すことも重要です。

3~4歳

3歳~4歳は語彙が増え、数字やひらがなを認識できるようになります。想像力や思考力も高まり、コミュニケーションもスムーズになる時期です。この時期は遊びのバリエーションも格段と増えるので、想像力を掻き立てて自由自在に遊ぶことのできるおもちゃを選ぶのがいいでしょう。おままごとやごっこ遊びができるおもちゃがおすすめです。その他にも、塗り絵や積み木、ブロック、カプラなどの子どもが自由に創造をしていくことが可能なおもちゃもこの時期の発達に適しています。

4~5歳

4〜5才頃の子どもは文字や数字に興味を持つようになります。また、ゲームのルールを理解したり友達と一緒に遊んだりできるようになります。そのため、ゲーム性のある遊びや協調性、社会性を育む玩具がおすすめです。ゲーム性やルールのある遊びの例としては、囲碁や将棋といったボードゲーム、パズルやドミノなどが挙げられ、友達や家族と一緒に遊ぶことで協調性、コミュニケーション力などを育むことができます。その他にも、言葉や数字に自然と触れることのできるかるたやすごろくなどのおもちゃもこの時期の子どもにおすすめです。

知育を行う際のポイント

年齢・発達状況・好みに合わせた知育方法を考える

子どもの発達・発育や性格には個人差があり、どのような知育方法が合っているのかということは年齢によっても異なります。子どもが興味を示さない方法で知育を行っても、主体性や自発性、集中力を引き出すことができず知育の効果も小さくなってしまいます。「○○歳だからこのおもちゃにしよう」「とりあえず○○を買っとけばいいだろう」などと考えるのではなく、年齢・発達状況・好みに合わせた知育方法を考えるようにしましょう。

子どもが主体的に取り組める環境づくりを行う

小さな子どもは「やってみたい」という気持ちを原動力に様々な物事を吸収していきます。子どもの能力を効果的に伸ばすためにも、子どもが自分からやってみたいと思えるような環境づくりを行うことがポイントです。例えば、遊ぶおもちゃを子ども自身がいつでも自由に選択できるように手の届くところに準備しておくと子どもが自身の興味に従って主体的に知育に取り組むようになるでしょう。発達段階に適していない知育玩具や興味のない遊び方を無理強いせず、子どもが楽しんで取り組める状態にしておくことを意識するとよいでしょう。

五感をバランスよく刺激するよう意識する

知育では、五感をバランスよく刺激するように意識しましょう。視覚・触覚・嗅覚・味覚・聴覚をそれぞれバランスよく刺激してあげることで子どもの成長が促されます。五感を刺激するためには、絵本を読み聞かせる、積み木で遊ばせる、花の匂いを嗅がせるなど、さまざまな体験を積ませるとよいでしょう。とはいえ、五感すべてを同時に刺激する知育を行う必要はありません。色々な体験を積ませることで五感は自然と刺激されていくものです。重要なのは子どもに様々な出来事を体験してもらい幅広い物事に興味を持ってもらうことです。

子どものやり方を尊重する

知育をするうえで、子どものやり方を尊重するのは大切なことです。子どもが知育玩具などで遊んでいると、正しいやり方を教えたくなることがあります。何度も失敗を繰り返しているときや失敗してがっかりしている様子を見ると、つい正しいやり方を教えてしまいがちになるかもしれません。しかし、正しいやり方を大人がすぐに教えてしまうことはおすすめできません。自分の頭で考えて試行錯誤を繰り返すことで子どもの成長が促され、思考力などが育まれるので、大人がすぐに口出しするのではなく子どものやり方を尊重して見守る姿勢が重要です。

他の子と比べない

知育をする際には、他の子と比べないようにしましょう。兄弟や友達と一緒に知育に取り組んでいる場合だと、この子のほうが上手にできる、あの子のほうが上手にできるなどで一喜一憂してしまうこともあるかもしれません。そう思うのは仕方のないことかもしれませんが、子どもの発達や興味には個人差があるため、他の子との違いを気にしすぎないようにすることが重要です。他の子との違いを個性だと思って受け入れるようにすれば、その子独自の長所や成長した点が見えてくるかもしれません。

必要なときは一緒に取り組みフォローする

知育によって子どもの能力を効果的に伸ばすためには、親や保育者が子どもと一緒に取り組んだり、適切なフォローをしたりすることも大切です。子どもが挑戦した結果、うまくいって課題が解決できた時には褒めてあげるようにしましょう。また、危険な遊び方をしていたり、遊びの中で何かうまくいかなくて困ったような様子を見せていたりする場合は、解決できるように助言や手助けをしたり、別の遊び方を提案するなど、子どもが安心して遊べるように見守りながらサポートしましょう。

まとめ

一人一人に合った知育を行い子どもの可能性を引き出そう

この記事では、知育について詳しく解説し、知育方法やおすすめの知育玩具について紹介してきましたがいかがだったでしょうか?知育とは知能・知力を伸ばすことを目的とした教育で、知育方法は数多く存在することをご理解いただけたかと思います。また、知育玩具についても年齢に合った様々な商品が存在することについても知っていただけたかと思います。子どもの発達や興味は一人一人異なるので、それぞれのお子さんの年齢や好み、性格に合った知育方法で知育を行うことで子どもの可能性を引き出してみて下さい!

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