「子どもの個性や感性を大切に育てたい!」という思いを抱く保護者の間で注目されているのがシュタイナー教育です。シュタイナー教育では、現代のデジタル社会において、あえてデジタルとのかかわりを減らし、子どもたちが本来持つ個性や感性をじっくりと育む機会を与えてくれますよ。この記事では、そんなシュタイナー教育の基本的な考え方や特徴、モンテッソーリ教育との違い、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
シュタイナー教育とは?
ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育方針
シュタイナー教育とは、哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育理念で、子どもの心と体、精神の調和的な発達を重視するオルタナティブ教育のひとつです。詰め込み型の知識教育ではなく、芸術や音楽などを通して創造力や感性を育てることを目的としていますよ。1919年にドイツの自由ヴァルドルフ学校において始めて取り入れられました。現在では、世界60か国、1000校以上が実践している歴史のある教育法です。
参考:https://waldorf.jp/education/
シュタイナー教育の特徴
発達段階に応じたカリキュラムが組まれている
からだを育てる時期

シュタイナー教育では、人間の成長を7年ごとの周期で捉えており、0〜7歳の時期は、身体を育てる周期とされています。なぜなら、この時期は知識を詰め込むのではなく、身体の健やかな発達を最優先に考え、五感を刺激する体験や自由な遊びを大切にしているからです。この時期の子どもは、模倣によって学ぶ力が強いため、信頼する大人の姿や日常生活がそのまま教育の素材となります。このように、シュタイナー教育は子ども一人ひとりの興味や関心を大切にして、自分で行動できるような環境が構築されていますよ。
こころを育てる時期

8〜14歳の時期はこころ(感情)を育てる時期とされています。なぜなら、この時期の子どもは感受性が豊かになり、美しいものや物語、音楽や芸術などに深く心を動かされる力が身につくからです。そのため、授業では美術や音楽などの芸術的要素を多く取り入れ、感情に訴える教育が重視されますよ。感情を揺さぶるような音楽や美術に触れることは、子どもの想像力や表現力を向上させ、子どもの豊かな感性を育むでしょう。
あたまを育てる時期
15〜21歳の時期は、あたま、主に思考力や判断力を育てる時期とされています。なぜなら、この時期の子どもは論理的思考や抽象的な概念を理解する力が発達し、世界を多面的に捉える力が向上するからです。この時期は、
・自分で判断し行動する力
などの思考力を養うことを重視して教育活動が行われます。また、海外の様々な文化や自然活動にかかわるプログラムも用意されており、子どもの自立性が育まれるような取り組みも行われていますよ。
日常的に芸術や音楽などを取り入れている

シュタイナー教育は7年の周期のほかにも、日常的に芸術や音楽などを取り入れているという特徴があります。それぞれの活動の特徴は以下の通りです。
ピアノなどの生演奏に合わせて体を動かす活動。音楽の響きだけでなく、詩の朗読など言葉の響きにも合わせて動く。音楽に合わせて体を動かすことで、健康な体や感性を育むことができる。
芸術的な感性や集中力を養う(フォルメン)
直線や曲線を使った非科学模様などを描くことで、芸術的な感性や集中力を養う。数学や美術の基礎学習力が身につく。
デジタルから距離を置いている

シュタイナー教育のその他の特徴として、14歳ごろまでデジタルから距離を置いているという点があげられます。なぜなら、幼少期から思春期にかけては、画面を通じた情報よりも実際の体験や人との関わり、自然とのふれあいを通して感覚を豊かに育てることが大切だと考えられているからです。そのため、テレビやスマートフォン、パソコンといったデジタル機器の使用は極力控えられ、代わりに手を使う作業や創造的な遊び、対話を重視した教育が行われますよ。
シュタイナー教育がデジタルを避ける理由
内的な想像力を育てるため
シュタイナー教育がデジタルを避ける1つ目の理由は、内的な想像力を育てるためと言われています。なぜなら、画面を通じた情報や映像は受動的で刺激が強く、子どもが自らイメージを膨らませる機会を奪ってしまう可能性があると考えられているからです。特に幼少期は、自分の中に物語を描いたり、空想の世界を自由に広げたりする力が育つ大切な時期ですよ。絵本を読んだり自然の中で遊んだりする経験は、想像力や創造力を深く養う土壌となります。シュタイナー教育では、そうした内的世界の成長を妨げないよう、意識的にデジタル機器から距離を置き、子ども自身が感じ、考え、表現する力を大切にしているのです。
子どもが自ら考える力を育むため

シュタイナー教育がデジタルを避ける2つ目の理由は、子どもが自ら考える力を育むためです。なぜなら、デジタルデバイスは情報へのアクセスを容易にする一方で、時に答えをすぐに与えてしまうからです。すぐに答えを与えてしまう状況は、子どもが試行錯誤を重ね、解決策を見出す機会を奪いかねません。シュタイナー教育では、時間をかけて観察や思考し、試行錯誤しながら自分なりの答えを導き出す過程こそが、思考力や判断力を育てる上で重要だと考えられています。
発達への悪影響を懸念しているため
シュタイナー教育がデジタルを避ける3つ目の理由は、発達への悪影響を懸念しているためです。デジタルデバイスは、気になることを入力するだけで、簡単に正解を出力してくれます。しかし、その便利さが子どもにとっては思考の過程を省いてしまい、自分で考えたり試行錯誤したりする考察力を育む機会を奪ってしまう恐れがあるのです。また、長時間の使用によって視力の低下や睡眠リズムの乱れなどの身体的な悪影響を及ぼす場合もありますよ。このように、子どもがデジタルに触れることは、精神的・身体的な発達に悪影響を及ぼすと指摘されているのです。
シュタイナー教育のメリット
感受性を育める
シュタイナー教育の1つ目のメリットは、子どもの感受性を豊かに育てる点にあります。この教育法では、絵画や音楽、詩などの芸術活動を日常的に取り入れており、子どもが美しいものに触れ、心を動かす経験を積むことができます。感受性は、他者への共感力や想像力、内面的な豊かさの土台となる重要な要素です。特に、幼少期から思春期にかけて感性が大きく育つ時期に、自然や芸術に触れながらじっくりと心を育てる環境は、子どもにとってかけがえのない財産となるでしょう。感受性が磨かれることで、物事を深く味わい、人や自然を大切にする心も育まれていきます。
創造性や行動力が身につく

シュタイナー教育の2つ目のメリットは、子どもの創造性や行動力が自然と育まれる点にあります。シュタイナー教育では、答えの決まった問題を解くのではなく、自ら考え、感じ、表現する機会が多く与えられます。例えば、絵を描いたり物語をつくったり、手を使って工作したりする活動を通して、子どもは自由な発想を大切にしながら、自分の内面を外に表す力を身につけていきます。また、日々の生活の中でも自分の意志で動くことが尊重されるため、受け身ではなく、自ら行動する姿勢が育ちますよ。
人としての総合的な力を伸ばせる
シュタイナー教育の3つ目のメリットは、人としての総合的な力をバランスよく伸ばせる点にあります。シュタイナー教育は、知識だけでなく感情や意志、身体、思考といった人間のさまざまな側面を総合的に育むことを目的としています。そのため、学力偏重ではなく人間性を重視した教育が行われますよ。子どもの発達段階に応じたアプローチにより、感受性や創造性、判断力や協調性など、大人になった時こそ重要になる力を伸ばすことができます。また、競争よりも協力や共感を大切にする教育環境により、自分と他者を尊重しながら成長する力が育まれるでしょう。
シュタイナー教育のデメリット
学習スピードや質に差が生じる

シュタイナー教育の1つ目のデメリットは、学習スピードや質に差が生じる点です。なぜなら、この教育法では、学力を点数などで判断せず、子どもの発達段階に応じて無理なく学ばすことを重視しているからです。例えば、一般的な学校よりも読み書きや計算などの学習を始める時期が遅れることがあります。その結果、特に初等教育の段階では、他の教育課程と比べて学力面で遅れを感じることがあるかもしれません。また、統一されたカリキュラムではなく個々の成長に合わせた指導が行われるため、教師の力量や子ども自身の意欲によって学習の深さや進度にばらつきが出ることもありますよ。
日常生活の見直しが必要
シュタイナー教育の2つ目のデメリットは、日常生活の見直しが必要な点です。なぜなら、デジタル機器をできるだけ避けることや規則正しい生活リズム、自然とのふれあいなどを重視しているからです。そのため、テレビやスマートフォンが身近にある現代の一般的な生活スタイルとは異なり、家庭でも同じ価値観に基づいた環境づくりが求められますよ。共働き家庭や多忙な生活を送る家庭にとっては、これらの条件を整えることが難しく、負担に感じる場合もあります。
価値観が狭まる恐れがある
シュタイナー教育の3つ目のデメリットは、価値観が狭まる恐れがある点です。シュタイナー教育では、自然との調和や芸術的体験、デジタルから距離を置く姿勢など、独自の理念に基づいた教育が行われます。そのため、通常の学校との接点が限られ、他の価値観や考え方に触れる機会が少なくなることがありますよ。特に、家庭内でもシュタイナー教育の価値観を重視している場合、子どもはその中だけで育つため、異なる視点や社会の多様性を受け入れる柔軟性が育ちにくくなる可能性もあります。もちろん、シュタイナー教育自体は深い人間理解を目指す教育ではありますが、社会の多様化が進む現代においては、異なる文化や価値観と出会い、それを受け入れる力も重要です。
シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の違い
教材や環境設定の考え方が違う

シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の1つ目の違いは、教材や環境設定の考え方です。モンテッソーリ教育では、子どもが自立して学べるように、あらかじめ整えられた環境と目的のはっきりした教材が用意されており、子どもはその中から自分に合った教材を自由に選んで学びを深めていきます。一方、シュタイナー教育では、子どもの想像力をかき立てるような環境が大切にされており、固定された教材ではなく、芸術的な活動を中心にテーマや季節に合わせて柔軟に用意されます。このように
シュタイナー教育:感性と想像力を刺激する温かな空間
という違いが見られますよ。
重視している教育方針が違う
シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の2つ目の違いは、重視している教育方針です。モンテッソーリ教育は、子どもには自ら育つ力があるという考えのもと、自立や自己選択、実践的な生活技術を身につけることに重点を置いています。一方、シュタイナー教育では、人間の発達を7年ごとの周期で捉え、それぞれの時期に応じて身体・心・思(頭)を段階的に育てることを目指していますよ。このように、モンテッソーリ教育は個々の自立と実践を軸にしており、シュタイナー教育は発達の流れと内面の育成に重きを置いているという違いがあります。
まとめ
シュタイナー教育は子どもの感性と成長を支える
いかがでしたか?今回は、シュタイナー教育について詳しく解説していきました。シュタイナー教育とは、ルドルフ・シュタイナーが提唱した、人間の全体的な成長を目指す教育方針です。デジタル機器からは距離を置き、芸術や音楽、自然とのふれあいを日常的に取り入れることで感受性や自ら考える力を養うことを目指しています。現代の多様な教育方針の選択肢の中で、子どもの感性の成長を大切にしたいと考える保護者にとって、シュタイナー教育は有力な選択肢の1つとなるかもしれません。























