保育士が悩む意向調査とは?【異動や退職時の書き方・例文・ポイントなど】

みなさんは意向調査を知っているでしょうか。次年度も働き続けるのかを確認するもので、異動や退職を希望する際にも園に提出する書類ですね。意向調査を提出するということ自体は知っている方が多いでしょうが、書き方や時期、内容など頭を悩ませるポイントが多い意向調査。今回はそんな保育士の方の意向調査について説明します。以降調査が何かわからないという方はもちろん、書き方のポイントやテンプレートなどについても触れていくので意向調査を書く際に困っている方も是非読んでみてくださいね。

意向調査とは?

次年度の働く意志を確認するもの

保育園では次年度も働き続けるのか、異動や退職の希望はないかを確認するために意向調査を行います。保育園側はこの意向調査を園の職員から集めて、これをもとに次年度以降の人員配置や事業計画を行なっています。意向調査の方法や書式は園ごとにさまざまです。園によっては書類で提出するのではなく、面談形式で話し合いながら、調査を行うこともあるようですね。時期としては9〜10月ごろに意向調査を行なって4月からその意思を反映させる園が多いようです。園側としても職員の意見や意思を把握してから実行に移るまでにはある程度時間がかかっていることがわかりますね。

保育士くらぶ

意向調査の前に考えておくことは?

悩んでいることは何か思い返してみよう

保育士の意向調査は異動や退職の希望を示すだけでなく、働き続ける人にとっても価値があるものです。というのも意向調査は働いている中での不満や悩みを考える機会にもなるからです。悩み事について考える時間を働きながら片手間でとるのは難しいですよね。ですから意向調査というタイミングを機に悩みごとを書き出してみるのも良いでしょう。はっきりとした「こういった環境が働きにくい」という悩みから、「なんとなくやる気が出にくい」といった悩みまでさまざまですよね。悩みの度合いや種類を問わず、思い浮かんだものを書き留めてみると良い整理の機会となるでしょう。

ワークライフバランスについて考えてみよう

意向調査の時期には、悩み事だけでなくワークライフバランスについても考えてみると良いでしょう。現状不満を感じていなくても、仕事と生活リズムのバランスを振り返ってみると気付かぬうちに我慢していたということもあるでしょう。有給休暇がどの程度取れているのか、残業時間が多すぎるということがないか、このタイミングで考えてみると良いでしょう。思っていたような給与を受け取っており、福利厚生が保証されているかについても考えられると良いですよね。

客観的に現状を見つめてみよう

働き続けようと考えていても、異動や退職の希望を出そうとしているにしても、最後にもう一度見つめ直すことは有意義です。悩み事を書き出したり、ワークライフバランスについて振り返ってみたりしたあとに、もう一度自分の満足度を考えてみると良いでしょう。またその内容を同僚の保育士や家族に相談してみるのも良いですよね。その中で、現在勤務している園が他の園と比較してどうなのかわからないということもあるでしょう。そういった際には転職アドバイザーに相談してみたり、保育士の求人情報見てみたりしましょう。客観的に自分の悩みや不満はどうであるか、より自分に合った園があるのかどうかを見極めて、意向調査を受けると自分としても満足できますね。

意向調査の書き方のポイントは?

理由を明確にしよう

意向調査で異動や退職を希望する場合には、理由を自分の中でしっかりと明確にすることが重要でしょう。なんとなくで異動や退職を希望した場合、園長や園の方との面談の際に理由が伝わらず引き留められることが多くなるでしょう。自分としても異動希望や退職希望が正しいのかわからなくなってしまうことにも繋がりかねません。どのような点を重要視して異動希望を出したのか自分なりの解釈ができていないと、異動先でも長続きしなくなってしまうでしょう。理由を明確にしておくというのは非常に重要ですね。

時期などを明確に書こう

保育園は各職員の意向調査を受け取って各年度の人事を決定していきます。ですから受け取る園側のことも考えて、移動や退職の希望は時期を明確に、前もって伝えるようにしましょう。基本的に職員の配置が変わるのは年度始めの4月が一般的なので、時期に細かい希望がない場合はこの時期を希望時期とするのが良いでしょう。実際の書類の書き方としては「〜年3月末日」という書き方が適切ですね。円滑にコミュニケーションを取るためにも、意向調査の希望時期や提出時期は園側のことも考えると良いでしょう。

前向きな理由を伝えよう

意向調査の書き方のポイントとして挙げられるのが、どのように理由を伝えるかです。意向調査書には、異動や退職を希望する理由を記載するのが一般的です。その際に正直に理由を書いてしまうのは良くありません。不満があったり、問題を抱えたりしていても前向きな異動希望の意見を前面に伝えると良いでしょう。不満を異動希望の理由としてしまうと、改善案などを提示されて引き留められるということもあります。職場環境が改善されれば働き続けたいと思っている場合を除き、理由は前向きのものにするのが望ましいと言えるでしょう。

退職時の意向調査のテンプレートは?

仕事内容が合わない場合

保育方針が合わないという場合や、保育士という仕事自体が合わないという方もいるでしょう。そういった場合でもマイナスな理由だけでなく工夫するとより良いでしょう。書き方に困っているという方は是非以下の例を参考にしてみてくださいね。
「私は◯年間勤務し、子供たちと関わりながらやりがいのある勤務経験をすることができました。この経験をもとに新たなステップへと進んでいきたいと考え、この度退職を希望いたします。」
実際に次にやりたいことや就きたい職が決まっている場合には、それを示すことでより具体性が増すでしょう。

待遇に不満がある場合

給料が低いなど、待遇面での不満がある場合も書き方としては工夫が必要でしょう。素直に給料が低いと伝えると、給料アップを理由に引き留められることも考えられます。給料面が改善されれば働き続けるという場合は有効ですが、退職したいという気持ちが強い場合は前向きな退職であることを示すと良いでしょう。以下の例も参考にしてくださいね。
「私は◯年間勤務しやりがいのある業務を経験をすることができました。今後のキャリアを考えてより成果に対して評価を与えていただける環境で、業務に取り組んでいきたいと考えています。保育の仕事に限らず責任の大きな仕事にも携わっていきたいと考えているため、この度退職を希望します。」
給与面のみが理由ではなくステップアップも意図していて、前向きな退職であるということを示すことができるでしょう。

体調などの問題で退職する場合

心身ともに体調が優れず、退職を希望する際は正直に理由を伝えると良いでしょう。以下の例を参考にしてみてくださいね。
「〇〇ヶ月前より体調を崩していましたが、体調が悪化しており通常業務に支障をきたすと判断しました。休養に専念したいため、退職を希望いたします。」
病名やどのような症状であるか細かく伝える必要はありません。しかし、素直に受け取ってもらえないケースも考えられるので、そうした際は診断書などがあると有効でしょう。

異動時の意向調査のテンプレートは?

人間関係がうまくいっていない場合

保育士という仕事自体は好きだったりやりがいを感じていたりするものの、職場の人間関係がうまくいっていない場合には、伝え方を工夫すると良いでしょう。直接的に言えず書き方に困っている方は以下の例を参考にしてみてください。
「私は◯年間勤務し、子供たちと関わりながらやりがいのある勤務経験をしてきました。来年度を機に新たな環境に身を置き、さまざまな方針や人間関係を経験することでよりスキルアップ、キャリアアップをしていきたいと考え、この度異動を希望いたします。」
人間関係についても触れつつ、前向きな理由も伝えることで気持ちの良い意向調査にすることができるでしょう。ただし、職員間のいじめや過度な人間関係の問題が生じている場合は園長などの園側に相談するようにしましょう。

働き方に不満がある場合

ワークライフバランスという点で不満があり、土日が休みの本社勤務が良いなどの要望がある際には以下の書き方を参考にしてみてくださいね。
「仕事とプライベートにメリハリのある働き方をすることで、より一層業務のパフォーマンスが上がると考えております。これまでの現場の経験をもとに保育園運営や職場環境の改善に携わっていきたいと考えており、本社管理部への移動を希望いたします。」
働き方に不満があるというマイナス面の理由だけでなく、前向きな異動希望の理由も伝えることで園側にとって気持ちよく認めることができるようにすると良いでしょう。

職場環境が理由の場合

引越しによって通勤が難しくなる、自宅から近い場所で働きたいなどの職場環境が理由で異動を希望する際には、理由をそのまま伝えると良いでしょう。書き方に困っている方は、以下の書き方を参考にしてみてくださいね。
「この度家庭の事情で〇〇区への転居することになりました。それに伴い、通勤時間が現在よりも長くなることから体力面に影響が考えられます。勤務地を住居近くの△△園に変更していただきたく存じます。より一層業務にも励んでいきますので、△△園への異動の件、何卒ご検討お願いいたします。」
異動先でより一層励んでいくという一言があると印象が変わるかもしれませんね。

気をつけなければならないポイントは?

異動の希望は通らない場合も

意向調査に関して気をつけなければならないことがあります。それは必ずしも移動の希望が通るわけではないということです。あくまでも希望ということですね。移動を申し出る側にも事情があるように、移動を申し出た先の園にも人が足りているなどの事情があります。また異動を希望する理由が不十分で納得してもらえないケースもあるようですね。テンプレートなどを利用して説得力を持たせることも重要でしょう。また異動の希望を出したからといって、勤務中の園の仕事をおろそかにするとその後の人間関係の悪化などにも繋がりかねません。異動の希望と現在抱えている仕事は切り離して考えると良いですね。

まとめ

意向調査で円満に自分の意思を伝えよう

いかがだったでしょうか。今回の記事では、保育士の方の意向調査について説明してきました。意向調査を書く上でのポイントや、テンプレート、注意点などに触れましたね。どのように自分の意見を伝えれば良いのか悩みがちな意向調査。書き方や書式がわからなかったり、どの程度伝えて良いものかという伝え方で困っている方も多くいることでしょう。意向調査は自分の意思を伝える場であると同時に園とのコミュニケーションを図る場と言えるでしょう。是非この記事を参考に円満に自分の意思を伝えてみてくださいね。

保育士くらぶ

ABOUTこの記事をかいた人

保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/