企業内保育所とは?【認可保育所・企業主導型保育所・認可外保育所・給料・メリット・デメリット】

保育園で働いている保育士さんの中で、子供との関わり方や保育スタイルに不満を感じている方はいませんか?保育士さんが働く施設のひとつに、企業内保育所というものがあります。ゆとりのある保育や、子供1人ひとりともっと関りたいという保育士さんにぴったりの職場。この記事では、そんな企業内保育所について種類やメリット、デメリットなどを紹介していきます。今後の働き方を考える上で、是非参考にしてみてください。

企業内保育所とは

企業が設ける託児施設のこと

企業内保育所とは、会社で働く従業員が勤務中に子供を預けられるように、企業が社内や近隣に設ける託児施設のこと。近年、少子化や企業の人材不足、また保育園不足の問題が見られるようになりました。その解決策として、子育てをしながらでも働ける、新たな園の形態である企業内保育所が増えてきているのです。多忙な保育園と比べると、ゆとりのある働き方が出来る職場が多いため、保育士さんが働く職場の新たな選択肢としても注目されていますよ。

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企業内保育所の種類

認可保育所

企業内保育所の種類は3つあります。認可保育所は事業所内保育事業の一環として設置されている保育所。企業が、事業所の従業員の子供に加え、自治体の認可を受けた上で保育を必要とする地域住民の子供にも施設を提供するというものです。自治体の認可を受けているので、自治体の助成によってより安定した保育園の運営が可能となります。対象年齢は0〜2歳と定めている所がほとんどなので、乳児期の子供を保育したいという保育士さんにおすすめですよ。

企業主導型保育所

企業主導型保育所は、企業主導型保育事業の一環として設置されている保育所。企業の従業員に対する福利厚生として提供されることが多く、就労と育児の両立を支援するためのものです。企業主導型保育所は、認可外でありながら認可園とほぼ同等な助成金が出るので自由度の高い運営をしていることが特徴。そのため、自分の働き方に合った運営をしている企業を選ぶことが可能です。企業主導型保育所の求人を探す際は、開園時間や休日などをしっかりと確認しておきましょう。

認可外保育所

認可外保育所は児童福祉法に基づく施設の設置認可を受けていない保育所。助成金が発生しないため、企業独自で小規模な運営となることが多いです。ゆったりとした保育や小規模でも工夫した保育を行いたい保育士さんに向いています。認可外保育所への転職を考えている保育士さんは、企業の規模や企業成績も含めて長く働くことが出来る職場なのかをしっかりと見極めることが必要になるでしょう。

保育園と企業内保育所の違い

異年齢・少人数保育となる場合が多い

保育園と企業内保育所の違いは、企業内保育所が異年齢・少人数保育となる場合が多いということが挙げられます。基本的に、企業内保育所は企業内で働く職員の子供に向けた託児施設。そのため子供の年齢にばらつきがあり、利用者数も限られます。異年齢保育は、子供達にとって幅広い年代の子と交流することができる場。社会性や協調性などといった学びや成長の機会が増えるでしょう。一方で、異年齢でもみんなが楽しめる遊びの提供や安全面の配慮といった異年齢保育ならではの保育士さんの腕の見せ所でもありますよ。

開園時間が企業の営業時間に合わせて設定されている

また、企業内保育所では、一般の保育所と違い開園時間が企業の営業時間に合わせて設定されているという違いが挙げられます。一般の保育園では7時〜18時の開園時間が基本となりますが、企業内保育所では企業の出勤時間に合わせる必要があるため、そこが大きな違いとなります。また、企業の勤務時間によっては夜勤に合わせた夜間保育を行う施設も。夕ご飯を食べさせることや入浴、夜の寝かしつけを行う場合があります。柔軟なシフト対応が必要となりますね。

保育士が企業内保育所で働くメリット

残業が少ない

ここからは、保育士が企業内保育所で働くメリットをいくつか紹介していきます。まず1つ目は残業が少ないということです。保育園の残業と言えばお遊戯会や運動会といった大きなイベント事で忙しい場合に多いですよね。前提として、企業内保育所はオフィス内や会社の敷地内に施設を設けています。そのため一般の保育園と比べて敷地が狭く、園庭などの広い場所が無い場合が多いので大きなイベントを行わないことがほとんどです。残業が少なく負担の軽い環境で働きたい保育士さんにとっては嬉しいですね。

大企業では給料が安定しやすい

2つ目は、大企業では給料が安定しやすいということです。企業内保育所は、企業が雇用主となり保育士の給料を設定しています。また、運営元が企業主体の場合、企業内保育所の保育士も企業の社員として扱われるため、福利厚生なども他の社員と同様に受けることが可能に。経営成績の良い企業であればあるほど、待遇も期待できるということです。企業内保育所で働く場合は、その基盤となる企業の経営状況をしっかりと確認しておきましょう。

保護者が近くにいる

3つ目は、保護者が近くにいるということです。保育園で、子供が急に具合悪くなってしまったり怪我をしてしまったりした時に保護者に緊急の連絡をしますよね。その際、お仕事中の保護者となかなか連絡が取れず戸惑った経験はありませんか。企業内保育所は、基本的に保護者が働く場所と同じ敷地内に設置されているため、保護者と連絡が取りやすいです。もしもの事態が起こっても、すぐに保護者に連絡が取れるということは、安心材料の1つになりますね。

余裕をもった保育が出来る

4つ目は、余裕をもった保育が出来るということです。先述した通り、企業内保育所は一般の保育園と比べて敷地が狭いという特徴があります。そのため大きなイベントなどで慌てることがあまりありません。また、子供の数も限られるため、子供1人に対して十分に目を配ることが出来ます。一般の保育園では子供の数が多く、1人ひとりに注意を払った保育をすることは難しいかもしれませんね。さらに、企業内保育所は緊急時に保護者との連携が取りやすいことからも、余裕をもった保育が出来る環境だと言えるでしょう。

個人の能力が発揮できる

5つ目は、個人の能力が発揮できるということです。一般の保育園では、1年の行事や流れが既に決められていて、それに伴い保育士さんのやるべき事も割り振られる場合が多いでしょう。日々の業務とイベント準備に追われ、新たな活動や遊び、行事などの案は出しにくい環境であると言えます。企業内保育所では、基本的に決められた1年の流れというものが存在しないため、保育士1人ひとりの発想が保育に反映されやすく個人の能力が発揮できるといったメリットがあります。その分やりがいも増えそうですね。

保育士が企業内保育所で働くデメリット

物足りなさを感じる場合がある

次に、保育士が企業内保育所で働くデメリットを紹介していきます。1つ目は、物足りなさを感じる場合があるということです。企業内保育は、余裕があり作業の負担が少ない場合が多いです。大きな行事を行って成功させたい、達成感を味わいたいなどの目標がある保育士さんは物足りないと感じてしまいがち。保育士をする上で自分の目的や目標などを明確にして、自分に合った職場を選びましょう。

給料が景気に左右される

2つ目は、給料が景気に左右されるということです。企業内保育所は、企業の経営状況や景気動向に大きく影響を受けるため、給料水準もそれに連動します。景気が悪化すると企業の経営が苦しくなり、給料や福利厚生に影響が及ぶことも。安定した収入を得ることが難しくなる可能性があるということは、働く上で不安ですよね。入職前に園の基盤がどうなっているか、しっかりと確認しておく必要がありますね。

企業内保育所に向いている人

アットホームな雰囲気でゆとりをもって働きたい人

企業内保育所に向いている人として挙げられるのは、アットホームな雰囲気でゆとりをもって働きたい人です。企業内保育所は規模が小さく、保育士と子供達との距離が近いことが特徴です。子供達と深いつながりや絆を築き、より家庭的でアットホームな雰囲気で子供達を見守りたい方は企業内保育所に向いていると言えるでしょう。また、大きなイベントによる忙しい準備期間が少なく、ゆとりをもって働きたい方にもおすすめですよ。

企業内保育所に向いていない人

アクティブな保育が好きな人

企業内保育所に向いていない人として挙げられるのは、アクティブな保育が好きな人です。重複しますが、企業内保育所は設けられるスペースが限られているので、広いスペースを使った大きなイベントを開くことが難しい場合があります。また、企業の方針に応じた運営を行う必要もあります。子供達と身体を動かす遊びをしたり、沢山のイベントを行ったりしながら保育がしたい方は、企業内保育所には向いていないかもしれませんね。

企業内保育所へ転職する際に確認すること

雇用元の確認

企業内保育所へ転職する際は、雇用元の確認をしっかりとしておきましょう。企業内保育所は給料形態や福利厚生が企業の規模と比例する場合が多いです。企業内保育所の中には企業独自で運営するタイプや、外部に委託という形で運営されるタイプがあり、どちらも運営(雇用)元が異なります。雇用元の規模や経営状況などを踏まえ、長く安心して働くことが出来る企業なのかを入職前に確認しておくことが重要ですよ。

手当や福利厚生の確認

また、給料だけでなく手当や福利厚生の確認も重要です。企業内保育所で働く際に確認するべき手当ては以下の通りです。

・保育手当
・早朝/遅番手当
・住宅手当
・地域手当
・世帯主手当
・役職手当

その他にも交通費やボーナス、退職金制度についても確認しておくと良いでしょう。また、勤務時間や休暇についても自身のニーズに合った職場を選ぶことが大切ですよ。勤務時間については、企業内保育所の開所時間内のうち、原則8時間のシフト制勤務となることがほとんどです。

まとめ

企業内保育所で理想の働き方を実現しよう!

ここまで、企業内保育所について紹介してきました。企業内保育所には種類があって、認可保育所と企業主導型保育所、さらに認可外保育所がありましたね。それぞれ異なった特徴があるので、自身の理想の働き方と照らし合わせてみると良いでしょう。また、アットホームな雰囲気で今よりゆとりをもって働きたいという保育士さんにはとてもぴったりな職場。保育士として理想の働き方を実現するために企業内保育所が魅力的だと感じた方は是非、転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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