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ベビーシッターとは、子供の自宅に訪問して日常的なお世話をする職業です。保育園のように子供を預かる施設に通わせるのではなく、シッター自身が子供の家に出向くことが大きな特徴です。このベビーシッターの仕事を、より充実させるために役立つ資格があることをご存知でしょうか?この記事では、ベビーシッターに関連する資格の種類や試験の受け方、資格を取得することの利点について詳しく解説します。ベビーシッターとして働くことを目指している方や資格に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ベビーシッターとは?
依頼主の自宅に赴き子供のお世話をする仕事
ベビーシッターは依頼者の自宅に赴き、家庭内で子供のお世話をします。ベビーシッターの仕事は個別の家庭に深く関わるため、よりパーソナルな保育環境と言えるでしょう。例えば、保育園では一度に多くの子供たちを見守るのに対し、ベビーシッターは少人数、もしくは一人の子供に専念できるため、子供と深い信頼関係を築くことができます。家庭の中で、子供の成長に寄り添いながら心を通わせてお世話をするという環境を提供できる点が、ベビーシッターの魅力と言えるでしょう。
保育士との違いは?
自由にシフトを組める
ベビーシッターは、保育士と比べて柔軟にシフトを調整できる点が大きな特徴です。一般的に保育士は、保育園などで決められた勤務シフトに従って働きますが、ベビーシッターは個人で活動することが多いため、自分のライフスタイルや都合に合わせて働く時間を自由に設定することが可能です。また、保育士のように同僚と業務を分担してシフトを調整する必要がないため、個人で子供の世話を行うベビーシッターは、働き方の自由度が高いと言えるでしょう。自分のペースで仕事を進められるため、ライフスタイルに合わせた働き方が実現しやすいのもベビーシッターの魅力の一つです。
少人数保育
ベビーシッターと保育士の大きな違いの一つは、担当する子供の人数です。ベビーシッターの場合、通常は1人で1家庭の子供を担当し、個別にケアを行います。これに対して保育士は、クラス単位で多くの子供たちをまとめてお世話をすることが一般的です。子供の人数が少ないベビーシッターの仕事では、より一層、個々の子供と向き合い、その子に合ったケアを提供する必要があります。少人数での保育が得意な方や、集団保育にプレッシャーを感じて苦手意識がある保育士にとっては、ベビーシッターの仕事が向いているかもしれませんね。
ベビーシッターに必要な資格はある?
必須の資格はないが仕事で有利になる資格はある
ベビーシッターとして働くために、特に必須の資格はありません。しかし、持っていると仕事を有利に進められる資格がいくつか存在します。代表的なものとして認定ベビーシッター、ベビーシッター資格、ベビーシッター技能認定の3つが挙げられます。これらの資格は名前が似ていますが、受験資格や取得条件、受験料などに違いがあるため、比較して自分に合った資格を選ぶことが大切ですよ。例えば、認定ベビーシッターの資格は実務経験が必要ですが、ベビーシッター技能認定は比較的初心者でも取りやすい傾向です。ぜひ資格の詳細を確認し、ご自身の将来に役立つ資格を見つけてみましょう。
ベビーシッターの資格の種類は?
認定ベビーシッター
認定ベビーシッターとは、公益社団法人全国保育サービス協会が実施している、ベビーシッター資格認定試験に合格することで取得できる資格です。ベビーシッターの資格の中では最も有名な資格ですが、保育士またはベビーシッターとしての実務経験がないと受験できないため、取得する難易度は高めです。実務経験を証明するために、登録用紙等で実務経験証明書を提出する必要がありますよ。受験料は税込11,330円です。
ベビーシッター資格
ベビーシッター資格とは、日本能力開発推進協会が認定している民間資格です。ベビーシッター資格を取得するためには、日本能力開発推進協会が認定した教育機関でカリキュラムを修了後、自宅で資格試験を受ける必要があります。認定ベビーシッターとは異なり、未経験からでも資格取得を目指せますよ。試験では、子育てや子供の病気に関する基礎知識、障害児保育や家族のコミュニケーションの取り方等に関する問題が出題されます。受験料は税込5,600円です。
ベビーシッター技能認定
ベビーシッター技能認定とは、一般財団法人日本医療教育財団が実施する検定制度です。ベビーシッター技能認定を認定されるためには、財団が定めた所定の教育訓練ガイドラインに適合するカリキュラムを修了後、試験に合格する必要があります。認定ベビーシッターとは異なり、誰でも資格取得を目指せますよ。試験では、ベビーシッターの基本、子供の栄養や人間関係、子育て環境などについての出題があります。受講料は実施機関によって異なり、認定料は3,000円です。
認定ベビーシッターの資格の取り方
全国保育サービス協会主催の研修会に参加する
認定ベビーシッターの資格を取るためには、まず全国保育サービス協会主催の研修会に参加し、筆記試験に合格しなければなりません。筆記試験に合格した後は登録手続きをして、5年後に登録を更新する必要があります。1度更新した後は再度更新する必要はなく、その後も資格は有効です。それ以外の方法で認定ベビーシッターの資格を取るには、認定ベビーシッター資格取得指定校として協会が指定した学校に通い、卒業する方法がありますよ。
全国保育サービス協会主催の筆記試験を受ける
研修会に参加した後は筆記試験を受けます。筆記試験の内容は、選択問題40問に加え、400字以内の記述式問題1問が課され、実技試験はありません。試験時間は計90分間です。試験問題は全国保育サービス主催の研修会の内容の中から出題されます。保育に関する基礎的な知識のほか、ベビーシッターという家庭訪問保育の特性や、専門性にまつわる問題が出題されますよ。筆記試験では例年80~90%の人が合格しているため、難易度は高くありません。
ベビーシッター資格の取り方
通信教育で勉強して資格試験を受ける
ベビーシッター資格を取得するためには、まずはJADP(日本能力開発推進協会)が指定する認定教育機関等が行う教育訓練において、その全カリキュラムを修了する必要があります。この講座は通信教育で行われ、4カ月間の受講が必要となります。受験料とは別途でこの講座の受講費用がかかりますよ。カリキュラム終了後、試験の申し込みの手続きをすると、試験問題が自宅に発送され、自宅で試験を受けることができます。得点率70%以上で合格です。
ベビーシッター技能検定の取り方
ベビーシッター養成講座を修了後筆記試験を受ける
ベビーシッター技能検定という資格を取得するには、まずはベビーシッター養成講座を受講する必要があります。この講座は、全講座を修了したのち筆記試験に合格すると、この資格を取得することができますよ。筆記試験の内容は、ベビーシッターの基礎知識に関する択一式の問題が出題されます。資料等の持ち込みが可能で、正答率90%以上で合格となります。試験対策としては、ベビーシッター養成講座の内容を確認することや、テキストを購入して自主勉強をすることなどが良いでしょう。
ベビーシッターの資格試験の勉強方法は?
講座の内容を復習すること
認定ベビーシッターやベビーシッター資格、ベビーシッター技能検定の3つの資格は、それぞれ取得方法も受験の条件も異なりますが、いずれも筆記試験の前に通信教育や教育訓練を受ける必要があります。そして、どの試験でも共通して、筆記試験の内容は事前に受けた講座に基づいて出題されます。そのため、受講した講座の内容をよく復習することが一番の試験対策になりますよ。自分で復習しただけでは心配な方は、テキストを購入して勉強するのも効果的でしょう。
資格を取得してからベビーシッターとして働くメリット
資格の勉強で専門的な知識が身についている
資格を取ってベビーシッターの仕事をするメリットを何点か紹介します。まず最初に言えるのが、資格勉強によって専門的な知識を身につけたうえで働けるという点です。資格勉強によって、保育の専門的な知識を活かして働くことができますよ。ベビーシッターに関する資格の種類によっては、基礎的な子供への接し方だけでなく、なかなか学ぶ機会のない保護者の職業倫理や家族とのコミュニケーションについて学べる場合があります。
待遇の良い職場で働ける
ベビーシッターの資格があると、待遇のいい職場で働くことができます。ベビーシッターは個人で仕事を請け負いフリーランスで働く方法と、派遣会社などに登録して働く方法があります。資格を持っていれば、派遣会社から仕事を回してもらわなくとも依頼を受け取りやすくなるため、フリーランスで働きやすくなります。また、派遣会社に雇ってもらう際に、ベビーシッターの資格を持っていると採用されやすくなりますよ。
依頼が増える
資格を取得してベビーシッターの仕事をするメリットは、仕事の依頼が増えることです。ベビーシッターの資格を持っていることで、依頼主が安心して頼みやすくなり、リピートの件数が増えることがあります。仕事で有利になる資格はいくつかありますが、その中でも認定ベビーシッターの取得がおすすめです。ベビーシッターとして必要な知識をしっかり持っていることの証明になりますよ。また、資格を提示することで、ベビーシッターを初めて依頼する方でも安心できるため、新規顧客の獲得に繋がりやすくなるでしょう。
ベビーシッターで活かせる資格
保育士資格や幼稚園教諭
保育士資格や幼稚園教諭の資格を持っていると、ベビーシッターの仕事が有利になると言えるでしょう。保育士資格は国家資格であり、取得の難易度が高いです。保育士資格を持っているベビーシッターは、国に認められた高い水準で保育の知識があることを証明できるでしょう。また、最近は習い事も兼ねているベビーシッターが人気の傾向です。そのため、保育士資格や幼稚園教諭を取得していることで、ピアノや歌、絵画や工作などができるというアピールポイントにもなりますよ。
看護師資格
看護師資格はベビーシッターの仕事に活かすことができます。看護師資格は国家資格であり、取得の難易度が高いため、この資格を持っていると信頼性が増し、優秀な人材であることをアピールできます。例えば、依頼先で風邪をひいた子供の看病などを頼まれることがあるかもしれません。医療や看護の知識が豊富な看護師の資格を持っていることで、大事な子供を預けても大丈夫という保護者の安心感に繋がります。このように、ベビーシッターの仕事をするうえで、看護師資格は最大のアピールポイントになりますよ。
まとめ
ベビーシッターの資格を取り有利に働こう
いかがでしたか?ベビーシッターの資格を取得することは、信頼に値するベビーシッターであることの証明になります。資格を持っていると、資格勉強の時に得た知識を仕事に活かすことができたり、顧客や雇用先から好待遇で仕事を受けられたりするメリットがありますよ。また、ベビーシッターで活かせる資格にはいくつかの種類があります。ベビーシッターと名がつく資格以外には、保育士資格や看護師資格なども有利になりますよ。子供に関われる仕事に就きたいと考えている方は、是非この記事を参考にして、将来に繋がる資格取得を目指してみてくださいね。