保育士試験の合格率は?受かるコツを解説!【メリット・日程・勉強法・採点基準など】

保育士になるためには保育士試験を受けて、保育士資格を取得しなければいけません。保育士試験は合格率が低くて、難易度が高い国家資格です。保育士を目指す方の中には、国家試験は難しいのでは?と不安に感じている方もいるかもしれません。保育士になりたいと考えている方、これから試験を受ける方にとって合格率はとても気になるポイントだと思います。では、実際に保育士試験の合格率はどのくらいなのでしょうか。本記事では、保育士試験の合格率、保育士試験の詳しい内容、勉強方法について徹底解説します!

保育士試験とは

国家資格である保育士資格を取得するための試験

保育士試験とは、国家資格である保育士資格を取得するための試験のこと。保育士資格は一度取得すれば一生使用することができる資格。筆記試験と実技試験があり、筆記試験の合格者のみが実技試験を受験するといった流れになります。筆記試験と実技試験はそれぞれ日付が大幅に離れています。また、試験日とは別に出願期間も決まっているので、必ずその日までには出願届けを出すようにしましょう。

保育士資格を取得するメリット

保育士資格を取得することによる最大のメリットは、保育業界への就職が有利になることです。保育士資格がなくても保育士として働くことができます。しかし、応募できる求人がパートや認可外保育施設など限られてしまうため、やはり保育士資格があった方が有利と言えるでしょう。長期的に保育士として働こうと考えてる場合も保育士資格をもって働いた方がキャリアアップ、昇給をはじめとしたメリットがありますよ。また、保育士資格の勉強をすることで保育や幼児・児童教育の知識も身について保育現場でも役立てることができます。

保育士くらぶ

保育士試験の合格率

保育士試験の合格率は約30%前後

保育士試験の準備をする中で、試験がどのくらい難しいのか、周りの人がどのくらい合格するのかが気になりますよね。まず、保育士試験の合格者は令和4年のデータだと前期・後期合わせた受験者79,378人に対して23,758人。 よって計算すると保育士試験の合格率は29.9%となります。人数で表すと10人に3人が合格するということで決して高い数字ではありません。しかし、実技試験の合格率は約8割と筆記試験よりは楽に突破できますのでまずは筆記試験が無事に受かるように頑張りましょう。

保育士試験の合格率が低い理由

では、なぜ保育士試験の合格率は低いのでしょうか?理由としては、筆記試験の9科目6割以上合格が保育士試験の最大の試練と言っても過言ではないでしょう。試験範囲が広く、9教科を満遍なく勉強しないといけないところが筆記試験の特に難しいところです。また、受験年によって各科目の難易度が変わります。各科目の難易度の振り幅も踏まえて受験者は試験対策をしなければいけません。

保育士試験の受験資格を得るには?

3つの条件のどれかをクリアする

保育士試験を受験するにあたっての受験資格を確認しておきましょう。保育士試験は、以下の3つの条件のどれかをクリアすることで受けることができます。

  • 一般の大学、短期大学、専門学校等を卒業していること
  • 高等学校、中等教育学校等を卒業し、かつ児童福祉施設で2年以上&2,880時間以上勤務していること
  • 義務教育を修了し、かつ児童福祉施設で5年以上&7,200時間以上勤務していること(もしくは平成3年3月31日までに高等学校を卒業)

保育士試験以外に保育士資格を取得する方法

保育士養成施設を卒業する

保育士試験以外にも保育士資格を取得する方法があります。それは、保育士養成施設を卒業することです。保育士指定養成施設は令和4年現在で全国に668校。保育士養成施設に認定されている、大学・短期大学・専門学校を卒業すると同時に保育士資格と幼稚園教諭の資格を取得することができます。しかし、他の職業からの転職や年齢的に今から学校に通うのはきついという方にはやはり保育士試験を受験する方法が保育士への近道になりますね。

保育士試験の日程

保育士試験を受けられるチャンスは年に2回

保育士試験を受けられるチャンスは年に2回と決まっています。出願期間も決まっているので、必ずその日までには出すようにしましょう。2024年度の前期試験は出願期間が終わりました。2024年度の保育士試験の日程は以下の通りです。

前期試験
筆記試験:令和6年4月20日(土)、21日(日)
実技試験:令和6年6月30日(日)

後期試験
筆記試験:令和6年10月19日(土)20日(日)
実技試験:令和6年12月8日(日)

令和6年保育士試験日程について – 全国保育士養成協議会HPから引用

保育士試験の受験料

保育士試験の受験料は基本的に12,700円+手数料

オンラインで受験申請をした場合、保育士試験の受験料は12,700円と支払い手数料がかかり、コンビニ決済の場合は合計で12,975円(内訳:受験料12,700円+コンビニ支払手数料275円)。クレジット決済の場合は合計で13,050円(内訳:受験料12,700円+クレジットカード支払手数料275円)。

郵送で受験申請をした場合、保育士試験の受験料は受験料と支払い手数料、手引き請求手数料、簡易書留郵送料がかかり、合計で13,853円(内訳:受験料12,700円+支払手数料313円+手引き請求手数料370円+簡易書留郵送料470円)。


また、保育士試験にかかるお金は受験料だけでは済まないことが多いです。必要な場合はテキストの購入や保育士試験は都道府県ごとに基本的に1箇所のため、受験会場が自宅から遠い場合は交通費もその分かかりますので用意しておきましょう。

保育士試験の服装

筆記はスーツで実技は服装自由

保育士試験当日の服装は、筆記試験ではスーツが一般的。実技試験では、服装の規定がないため、自由な格好で問題ありません。しかし、服装の規定がないといっても露出が多い格好やアクセサリーを身につけることは控えましょう。清潔感がある恰好で試験会場に向かいましょう。実技試験の音楽では演奏をしたり、造形では製作をするため動きやすい格好を選ぶといいでしょう。スカートよりパンツを選ぶ事をおすすめします。

保育士試験での注意事項

公式で設けられている注意事項

公式で提示している注意事項がありますので確認しておきましょう。

  1. 試験会場は会場の都合や受験者数の増加により、変更・追加になる場合があります。
  2. 試験会場への交通アクセスは、『受験票』に掲載します。
  3. 試験会場となる学校等では、保育士試験業務は行っておりません。電話による交通アクセスの照会等は絶対にしないでください。
  4. 筆記試験、実技試験とも同一都道府県での受験となります。
  5. 交通障害等による延着も遅刻になりますので、各会場への交通手段、所要時間は『受験票』にて確認をし、余裕をもって来場してください。
  6. 受験申請書の提出後は、受験申請地(試験会場)の変更はできません。

筆記試験について

8教科(実質9科目)を2日間に分けて行う

筆記試験はマークシート方式で、8教科(実質9科目)を2日間にわけて受験します。保育の意義並びに保育の内容及び方法について体系的に理解しているかを問う問題が、計160問出題されます。筆記試験は範囲が広く、長期的な対策が必要です。科目の中でも子どもの保健(小児保健)や子どもの食と栄養といった科目は子どもがいる主婦の方などには比較的簡単かもしれません。また、教育原理と社会的養護は2科目で1セット扱いです。それぞれ50点満点中30点以上の得点を取らないといけないので注意しましょう。

実技試験について

3教科の中から2科目を選ぶ

実技試験は選択制で、音楽・造形・言語の3つ教科から2つを選択します。

  • 音楽表現 ピアノ・ギター・アコーディオンのいずれかを選択し、課題曲の弾き語り
  • 造形表現 課題から制限時間内に絵を描く
  • 言語表現 課題をもとに子供に3分間お話をする

選択科目は自分の得意不得意を見極めて、なるべく得意な科目を選ぶようにしましょう。実技試験は試験官の前でパフォーマンスをするため、本番はとても緊張すると思います。予めお友達の前などで人から見られた状態で練習すると緊張が和らぐでしょう。

実技試験の採点基準は?

音楽の採点基準は、演奏や歌の上手さ、子供を惹きつける豊かな表現力。
言語の採点基準は、表現上の技術と幼児に対する話し方ができているか。
造形の採点基準は、時間内に条件を満たした保育の場面にふさわしい絵が描ける力。

といったことを主にチェックしています。どの試験でも保育現場にふさわしい人物かをチェックしているのです。実技試験の合格率は約8割と高いですが油断は禁物。採点基準を頭に入れて本番に臨みましょう。

保育士試験の勉強法と対策

覚えたらすぐにアウトプット

覚えたことを覚えっぱなしでは頭に定着しません。重要なのは、覚えたらすぐにアウトプットすること。まずは、テキストをひたすら読み込みます。重要事項や覚えにくいことはノートに自分の字でまとめておき、何度も見直すとより記憶が定着しやすくなります。大抵、テキストには確認問題が章の最後についていますから、読み込んだらすぐ確認問題を解いてみましょう。間違えたらまた戻って確認します。この繰り返しが保育士試験を独学で勉強する際に大切です。

過去問を解きまくる

テキスト全体の内容が覚えられたら、次は過去問をどんどん解いていきましょう。間違えたところはテキストに戻って確認・過去問を解く・間違えたらテキストで確認する。この3ステップの繰り返しで苦手分野を克服しましょう。過去問や予想問題集は、試験の予習だけでなく、自分の苦手分野の発見にも役立つのです。全国保育士養成協議会のHPに、過去問題が掲載されていますので是非自分の試験対策に利用してみてはいかがでしょうか。

通信講座を利用してみる

上記の2つのやり方は独学でできる保育士試験対策を記載しましたが、独学では難しくて不安な方もいらっしゃると思います。そんな時は通信講座を利用してみてはいかがでしょうか。通信講座は、とにかく勉強面でのサポートが手厚いこと・自分のペースで進めることがメリットとして挙げられます。テキストは合格するために徹底的に研究されて作られているので効率よく勉強することができます。試験対策のアドバイスも貰えますよ。ただし、市販の対策本よりお金がかかってしまうところがデメリットなのでその点はよく考えて利用したいですね。

まとめ

十分な対策をして合格に導こう!

本記事では、保育士試験の合格率や勉強のポイントなどを解説しました。保育士試験の合格率は約20%前後と低いことがわかりましたね。保育士試験は合格率が低めですが、スケジュールを立てて計画的に勉強することできっと受かることができるでしょう。なにから始めたらいいか分からない方はまずは過去問を解きまくってみましょう。独学で勉強するのが難しいという場合は、記事内でご紹介した通信講座を利用してみるのもおすすめです。自分に合った勉強法で十分な対策をして保育士試験に挑みましょう。あなたの試験への不安が少しでも解消されれば幸いです。

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