わらべうたを歌おう!おすすめ曲や効果を紹介【年齢別・ねらい・保育士試験】

伝統的な日本の歌であるわらべうた。保育現場ではおなじみのわらべうたですが、保育にわらべうたを取り入れるねらいや、わらべうたと同様に伝統的な歌である童謡、唱歌との違いを知っていますか?この記事ではわらべうたの特徴や効果を解説し、年齢別のおすすめ曲を紹介しています。また、保育士試験での出題についてもまとめていますよ。子供たちとわらべうたを歌おうと思っている保育士さんは、読んでみてくださいね。

わらべうたとは?

生活の中で自然発生した歌

わらべうたの最大の特徴は、明確な作曲者や作詞者がいないことです。人々の生活の中で自然発生的に生まれた歌といえますね。一般人によって作られたわらべうたのメロディーは非常に単純であり、どの曲も必ず2~5音でできています。同じように古くから歌い継がれてきた歌として、唱歌や童謡が挙げられますが、こちらは作詞者、作曲者がいます。また、わらべうたはプロによって作られた歌ではなく、口伝えで歌い継がれてきた歌なので、同じ曲でも地域によって歌詞に違いがあることも少なくありません。

古くから歌い継がれてきた歌

わらべうたは、ずっと昔から今に至るまで歌い継がれてきました。最も古いわらべうたは、平安時代に作られた「子とろ子とろ」だという説がありますが、はっきりとしたことは明らかになっていません。しかし、現在まで歌い継がれているわらべうたの多くは、江戸時代より前に作られたもの。同じく古くから歌われている唱歌や童謡と比較しても、わらべうたの歴史が最も長く、人々に愛され続けています。

保育士くらぶ

童謡との違いは?

童謡は大人が作り、わらべうたは子供が作る

童謡とわらべうたの違いは作られた目的にあります。先述した通り、わらべうたは生活の中で生まれ、子供たちによって口伝えされてきたものであり、意図的に作ったものではありません。童謡は、大人の作曲者・作詞者によって作られた歌で、子供たちの情操教育を目的としています。わらべうたの良いところは、自然な感性が反映されているところですが、童謡の良いところは、大人が意図して作ったため教育的に優れているというところです。どちらを保育に取り入れても、それぞれメリットがありますね。

保育園でわらべうたを取り入れるねらい

リズム感が身につく

わらべうたを取り入れるねらいについて紹介します。まず、子供のリズム感を育てることです。「げんこつやまのたぬきさん」や「いっぽんばしこちょこちょ」など、手遊びがセットになっているわらべうたはたくさんありますよね。音楽のリズムに合わせて手遊びをすることで運動能力の発達が促され、自然とリズム感が身につきます。リズム感の有無はスポーツの能力に直結します。わらべうたによって、幼いうちからリズム感を身につけておけることは大きな利点ですね。

繰り返しにより思考力の向上につながる

多くのわらべうたは歌詞を繰り返します。同じ歌詞を繰り返し歌うことは、思考力の向上に繋がりますよ。また、わらべうたの歌詞に含まれる単語には聞き馴染みのないものも多いですよね。子供が歌詞を聞いて「これってなに?」と疑問を見つけることができます。自分で問題を見つけ、何だろう?と考えることは思考力を育てる上で重要です。子供の質問に答えられるように保育士さんも歌詞の意味を理解しておくと良いですね。

言葉が覚えられる

わらべうたを歌うことが、言葉を覚える上でも効果を発揮する場合があります。わらべうたには、数字や言葉遊びを含む歌詞が多くあります。そのため、話せる前の年齢の子供にわらべうたを繰り返し聞かせることで発話を促すことができますよ。また、発話を促す効果があるだけでなく、子供が新しい単語を覚えたり数の概念を理解することにも役立ちます。楽しみながら、言葉を自然に覚えていくことができますね。

保育園でわらべうたを取り入れるときのポイント

先生や子供同士のふれあいを楽しむ

わらべうたを保育に取り入れるときに、意識すると良いことがいくつかあります。まず、わらべうたを通して子供同士や先生と触れ合うことです。わらべうたは単に歌うだけのものもありますが、歌に合わせた手遊びや、体を動かす遊びをしても楽しめますよ。この時に複数人での遊びに慣れることで、子供の社交性を高めることができます。歌を歌いながら他者と関わりを持つ機会を作ることができ、子供たちは特に意識しなくとも、自然と社会性を身につけていくことができます。

集団遊びとして行う

わらべうたは、子供たちの集団遊びの第一歩におすすめです。集団遊びで得られるメリットの一つとして挙げられるのが、子供の社会性が身につくということです。ルールを理解して守ること、友達と協力すること、思いやりの心を持つこと。これらのことは、小学生、中学生と大人になっていくにつれてますます大事になっていきます。0歳児でも遊べるわらべうたで、社会性を身につける第一歩を踏み出しましょう。

保育園でわらべうたを取り入れやすいタイミングは?

朝の会でやってみる

わらべうたを日ごろの保育に取り入れたい場合に、おすすめのタイミングを紹介します。一つ目は朝の会です。毎日行う朝の会に取り入れてしまえば、習慣化することも難しくありません。朝から発声したり軽く体を動かすことは、子供たちの健康にも良いでしょう。また、保育園に来た緊張感から友達の輪に入りづらいと感じる子供もいます。朝の会でわらべうたを歌うことは、そういった子供たちの朝の緊張感や不安感をやわらげ、リラックスするのにも効果的ですよ。

自由あそびの時間に提案してみる

自由あそびの時間中に、わらべうたを教えてみるのはいかがでしょうか。自由あそびの時間は子供たちが自由に過ごす時間です。先生たちは指示を出す必要はありませんが、ばらばらに遊んでいる子供たちを常に見守っておく必要があります。全員で集まって一つのことをしている時より、子供たちの行動を把握しておくのが難しくなってしまいます。そんな時はぜひ、全員でわらべうたで遊ぶ時間を設けてみてくださいね。

わらべうたの対象年齢は?

乳児クラスから年長まで幅広い

わらべうたの良いところは、なんといっても対象年齢が幅広いところです。いろんなわらべうたがあるので、どの年齢の子供にも適したものが見つかりますよ。わらべうたを選ぶ時のポイントは、曲の長さと手遊びの難易度にあります。小さい子供向けのものを探すときには、手遊びが複雑でなく、一曲の長さが短いものを選ぶと良いですよ。年長さんくらいの年齢の子供には、複数人で遊べるものや縄跳び歌を選んでみてください。飽きずに遊べるのでおすすめです。

人気のわらべうたを年齢別に紹介

0~1歳

発達段階の差が大きい0歳児クラスの子供たちですが、0歳児クラスの子供たちに向いているわらべうたは、短い曲であることと、触れ合いに適した歌であることです。子供とのスキンシップを楽しめるわらべうたをご紹介します。


①いっぽんばしこちょこちょ〈歌詞〉


いっぽんばし こちょこちょ すべって たたいて つねって かいだんのぼって こちょこちょ


②にんどころ〈歌詞〉


ここは 父ちゃん にんどころ ここは 母ちゃん にんどころ  
ここはじいちゃん にんどころ こちょこちょ…

2~3歳

2歳児、3歳児の子供たちには子供同士や大人とのコミュニケーションを楽しむわらべうたがおすすめです。「あめこんこん」は、いくつかのお手玉を用意し、歌に合わせて机に落としてみましょう。


①げんこつやまのたぬきさん〈歌詞〉


げんこつやまのたぬきさん おっぱいのんで ねんねして だっこしておんぶして またあした 


②あめこんこん〈歌詞〉


あめこんこん ゆきこんこん おらえのまえさ たんとふれ  


3~4歳

3歳、4歳ごろの子供たちは、2歳、3歳ごろよりも少しレベルアップした手遊びができるようになります。


①なべなべそこぬけ〈歌詞〉

なべなべそこぬけ そこがぬけたらかえりましょ  (繰り返し)


②もぐらどん〈歌詞〉


もぐらどんの おやどかね
つちごろり まいった ほい!
もぐらさん もぐらさん、起きなさい。朝ですよ。
はーい

4~5歳

5歳児の子供たちには、よりアクティブに活動できるわらべうたをおすすめします。手遊びにとどまらず縄跳びなどの集団遊びを楽しむのもおすすめです。


①とおりゃんせ(集団遊び)〈歌詞〉


通りゃんせ 通りゃんせ 
ここはどこの 細道じゃ
天神さまの 細道じゃ
ちっと通して 下しゃんせ 御用のないもの 通しゃせぬ
この子の七つの お祝いに お札を納めに まいります
行きはよいよい 帰りはこわい
こわいながらも
通りゃんせ 通りゃんせ


②おおなみこなみ(縄跳び歌)〈歌詞〉


おおなみこなみ ぐるっとまわってにゃんこの目
おおなみこなみ ひっくりかえってあっぷっぷ


 

わらべうたの持つ効果を高めるには

手遊びと組み合わせてみる

わらべうたを歌うことで、歌唱能力やリズム感、社会性を身につけることができると言われています。それだけでもわらべうたを歌うことには大きなメリットがありますが、手遊びと組み合わせることでさらに大きなメリットが得られるのです。手遊びを通して手先が器用になるほか、反射神経を発達させることにも繋がりますよ。また、周りの大人や友達と一緒にわらべうたあそびをすると、コミュニケーション力の発達にも繋がります。

保育士試験での出題は?

出題されることがある

保育士試験ではわらべうたに関する問題が出されることがあります。わらべうたと、唱歌、童謡の違いについて問われる出題、生まれた年代に関する出題が多いようです。それぞれの定義、誕生した期間、特徴について覚えておくと良いでしょう。例えば、令和3年度の保育士試験の出題ではこんなものがありました。

Q:「日本のわらべうたはすべて2音でできている。」〇か×か。
A:×

まとめ

わらべうたで昔ながらの歌に親しもう

わらべうたはこれまで長く人々に愛され、その生活に強く結びついてきました。その人気には、歌自体の魅力だけではなく、わらべうたが子供たちの発育にもたらす良い影響も関わっていたのかもしれません。わらべうたを取り入れることで、子供たちは社会性が身につく、リズム感が鍛えられるなどの効果を得られ、さらに歌詞を通して昔の生活に親しむこともできます。発育にかかわるメリットがたくさんあり、文化的な知識を身につけることもできるわらべうたを、ぜひ楽しんでみてくださいね。

保育士くらぶ

ABOUTこの記事をかいた人

保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/