ホワイト保育園とブラック保育園の見分け方【口コミ・園・求人・ブラックリスト】

ホワイト保育園とは安定した給料が支給され、福利厚生も手厚く、サービス残業がない保育士さんにとって働きやすい職場を指します。他にも人間関係が良好で、主任や園長などの上司に相談しやすい環境であることも重要ですね。表面的な給料やボーナスなどは求人情報に記載をしているためわかりやすいですが、保育園の教育方針や人間関係の良さは判断することが難しいです。このような判断しにくい特徴は園見学に行き、実際に保育園の雰囲気を感じましょう。今回はホワイト保育園とブラック保育園の見分け方や、転職する際のコツなど詳しく紹介しています。今の職場に悩んでいる保育士さんやこれから保育士さんとして活躍する実習生さんはぜひ参考にしてください。

ホワイト保育園の特徴は?

給料やボーナスが適正に支払われている

ホワイト保育園の大きな特徴として、給料やボーナスが適正に支払われることです。内閣府による調査によると保育士の1人当たり給与は、私立保育所が月額26万3513円、公立保育所が月額28万6911円となっています。また令和3年賃金構造基本調査によると、保育士のボーナスは平均で74.4万円で、平均給与の約3ヶ月分に相当する金額になります。

私立公立
常勤非常勤常勤非常勤
保育士263,513152,842286,911152,188
主任保育士374,44983,662442,686175.924
保育補助194,137147,948182,890151,985
引用:保育所・幼稚園・認定こども園等に係る実態調査等の中間集計の状況保育士

福利厚生が手厚い

次に福利厚生が手厚いこともホワイト保育園の特徴です。重視すべき福利厚生は以下になります。

    ・自宅から保育園までの交通費
     マイカー通勤の場合はガソリン代、公共交通機関を使用する場合は定期代を保育園が負担する。
     上限は保育園によって異なり、全額支給の保育園も◎
    ・住宅手当や家賃補助
     住宅手当がなく社員寮や社宅が用意されている場合もある。手当の上限は保育園によって異なる。
    ・給食費無料
     保育士は昼食を子どもと一緒に食べることが一般的であり、
     この給食費費が無料であったり一部負担してくれる保育園がある。
    ・特別休暇
     有給休暇とは別に保育園が独自で設定している休暇が利用できる。
     リフレッシュ休暇や慶弔休暇、バースデー休暇など様々な種類がある。
    ・予防接種費用の負担
     インフルエンザなどの予防接種にかかる費用を保育園が負担する。
    ・退職金
    ・資格手当
     保育士補助として勤務している場合、保育士資格の勉強をしながら働くことができる。
     保育士資格の勉強をする上でかかる教材費や通信講座費を負担してくれる。

このような福利厚生があると金銭的な負担や精神的な負担が減り、仕事を続けやすくなりますね。

サービス残業がなく残業代が支給される

保育士さんのお仕事は、子どもたちがお昼にいる保育業務が中心なため、子どもが帰宅した後に事務作業を行うことも多いようです。また保育士不足が解消されていないため、保育士さん一人当たりの業務負担が増え残業が発生しやすい職場もありますね。2017年に厚生労働省が行った調査によると、保育士の平均残業時間は1か月約4時間、つまり1日あたり約12分という情報が出ました。しかし調査以上に残業をしている保育士さんも少なくありません。サービス残業やみなし残業ではなく、しっかりと残業代が発生することは非常に重要なポイントですね。

年間休日数が充実している

金銭的な負担が少ないだけではなく、年間休日数が充実していると仕事にメリハリがつき働きやすい職場と言えますね。労働基準法によって定められている最低ラインの休日日数は105日です。完全週休2日制を導入している保育園では年間休日数が120日前後であり、カレンダーに記載している休日に休めるという認識です。これを超えた年間休日が130日以上であると休みが充実していると言えますよ。しかし保育園によっては休日数は多いものの、平日の労働時間が長い場合もあるので入社する前に確認をしましょう。

有給取得率が高い

正社員の場合、勤務開始から6か月以上の継続勤務と出勤日数が全労働日の8割以上の条件を満たすと、1年間で10日の有給休暇が付与されます。非正社員も上記の条件を満たすと付与されますが、有給付与日数は1週間や年間の労働日数に応じて変わります。この有給を会社が1年間付与し、労働者が実際にどのくらい有給を取得したか表す数字を指しますよ。つまり有給取得率が高い職場は有給が取りやすい環境にあると言え、ホワイト保育園か調べる上で指標になりますね。

離職率が低く平均勤続年数が長い

厚生労働省による保育士の現状と主な取組によると、保育士の平均年齢は35.1歳、平均勤続年数7.7年です。また離職率は平成29年度の調査の時点で9.3%の結果が出ていますよ。離職率は上記の数字より低く、平均勤続年数は上記の数字より長い期間である保育園は、保育士にとって働きやすい職場であること指しています。保育士の退職理由は1位から順に、職場の人間関係、給与が安い、仕事量が多い、労働時間が長いことが挙げられます。福利厚生が手厚いなど離職原因を減らす取り組みをしている保育園や、職場の人間関係がよく働き続けたいと思える保育園であると、自ずと平均勤続年数が長くなりますね。

保育士くらぶ

ホワイト保育園の探し方

口コミを調べながら転職活動をする

保育園に就職または転職をしようと決断したら、保育園の教育理念や特色などをリサーチするとともに口コミも調べましょう。保育士さんの勤務経験が綴られている口コミはもちろん、保育園利用者の口コミも参考にしましょう。保護者からの口コミを見ることで、その保育園の行事の多さや遊具の多さなど子供たちが日頃どのように生活をしているのか、保育園の概要が見えてきますよ。残業の頻度や職場の人間関係、保護者との関係性、長時間保育対応か、福利厚生、園内の衛生環境、業務量、シフトの融通など様々な観点で口コミを調べると良いですね。求人情報では見えない現場の生の声が聞こえるかもしれません。

ホワイト保育園とブラック保育園の見分け方①求人情報

給料の記載

就職や転職をする際に求人サイトを活用すると、広い検索からこだわり条件で絞った検索まで使い方次第で多くの保育園を比較し検討することができます。この求人情報でホワイト保育園とブラック保育園を見分けることができますよ。まず仕事内容や勤務条件が同じである中で、極端に高額な給料を記載している保育園は応募を避けましょう。この金額は基本給ではなく、残業代や休日出勤代、その他各種手当、ボーナスなどを含めて記載している可能性がありますよ。ボーナスの支払い義務がないことを利用し、実際は受け取った給料が低いということもあります。反対に基本給とは別に、資格手当や施設手当、その他福利厚生など手当の詳細が書いてあると安心ですね。

求人募集の期間の長短

常に求人が出ていたり求人募集期間が長い保育園は応募を避けましょう。長期に渡って募集をしている保育園は、常に人手不足に陥っている可能性があります。募集要項と実際の勤務条件が異なり応募を辞退する人が後を立たないこともありますね。他にも働き始めたところ、不適切な新人教育や職場環境が悪く辞職をする人が多いなど様々な要因が考えられます。人員が定着していない職場は、業務量が増えるだけではなく業務内容が頻繁に変わり不安定な保育に繋がりますね。

有給休暇の取得実績

募集要項の概要を見ると有給休暇の取得実績が書いてある保育園があります。高い有給休暇取得率が記載してあると、安心して有給休暇を申請できますね。他にも勤務時間や日数、年間休日、月間平均残業時間などを詳しく記載してあるか確認しましょう。1日の仕事の流れを書いてあると想像しやすいですね。自分の条件に合った保育園を見つけたら、園見学を申し込みましょう。感染拡大防止の観点でオンラインの見学を行なっている保育園もあるので、事前に確認をしてくださいね。

ホワイト保育園とブラック保育園の見分け方②園見学

施設の設備や衛生管理

園見学を通してホワイト保育園とブラック保育園を見分けることができますよ。まずは施設の設備や衛生管理状態を確認しましょう。

・室内にある玩具や絵本などが整理整頓されているか
・遊具や玩具の備品が壊れていたり、汚れていたりしないか
・保育園内が清潔に保たれているか
・子供の保育スペースが十分に確保されているか
・タイムカードが導入されているか(退勤の記録が明確か)
・壁絵などの保育園内に飾られている制作

これらのポイントを見ることで、保育士さんの人数が充分であるか判断することができます。

保育士間の雰囲気

保育士離職原因1位である人間関係も園見学でできるだけ見つけましょう。保育士さん同士の会話が穏やかであるか、常に緊張感があような職場ではないか雰囲気を見て判断できます。また子供への接し方が穏やかであったり、トラブルが起きても子供が納得できるような対応をしている保育士さんを見つけられると良いですね。このような保育士さんに指導してもらいたいと思えるかもしれません。園見学の後に質疑応答の時間が設けられる場合があるので、事前に聞きたい質問をメモして用意しておきましょう。

保育士の人数

保育士不足に陥っている保育園は、業務が多く多忙になりホワイト保育園の特徴から大きく外れます。そのため園見学の際は保育士さんの数を見ることで、業務の多さを測ることができますよ。国は児童福祉施設における職員配置基準を以下のように定めています。

0歳児…3人につき保育士1人以上
1~2歳児…6人につき保育士1人以上
3~4歳児…20人につき保育士1人以上
4歳以上児…30人につき保育士1人以上

この基準以上に保育士さんが配置されていて、業務に追われることなく余裕がある職場だと働きやすいですね。

ホワイト保育園とブラック保育園の見分け方③面接

面接官の態度

面接を受ける時もホワイト保育園とブラック保育園の見分ける方法があります。面接中に残業時間や詳しい業務内容、職場の特徴などを質問する際に、面接官の答え方と態度を見ましょう。質問に対して明確な数字を出さずに濁したり、個人差があることを強調する場合は、残業時間が長く休みが少ない可能性があります。入社後保育の現場に出たら、募集要項と話が違っていたとならないためにも、面接で改めて質問しても良いですね。

転職をする際のポイント

求人が多い時期に応募をする

保育士さんの転職に最適な時期は4月であり、前年度の11月頃から転職活動を始めるのが良いでしょう。現在所属している保育園は、1年の終わりである3月まで務めると区切りがつきますね。保育園はより良い園の運営のために、11月から12月頃に職員のヒアリングを行い、来年度の希望を確認します。このヒアリングを受け、保育園は年明けの1月~3月に求人を出しますよ。求人が多くなる前に自分のこだわり条件や希望をまとめ、転職をする準備を行いましょう。

人材紹介サービスや転職サイトを活用する

人材紹介サービスや転職サイトを活用してホワイト保育園を探しましょう。福利厚生の充実さや土日休み、賞与ありなど自分のこだわり条件で絞ることができるので、転職に最適ですね。求人サイトは多くありますが、特に保育士の求人に特化したサイトをお勧めします。本サイトの運営元である「保育士スカウト」もぜひ活用してみてください。保育士スカウトでは完全無料で気になる園に応募するだけではなく、スカウトメールを受け取ることが出来ます。改めて自分にとって重要な職場条件を挙げて整理しましょう。

まとめ

ホワイト保育園は保育士さんが安心して働くことができる職場です

ホワイト保育園の特徴として、特に給料やボーナスが適正に支払われる点と年間休日数が充実している点、職場環境の人間関係が良好である点は重要です。求人サイト以外にも園見学や面接を通して、ホワイト保育園であるか見分けることができるので、気になる保育園に園見学を行なっているか確認をしましょう。実際に足を運ぶと、職場の雰囲気や環境がわかりやすいです。他にも身近な経験が豊富な先輩保育士さんに相談をしてみるのもよいですね。ぜひ転職サイトを利用してホワイト保育園を探してみてください。

保育士くらぶ

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/