目次
皆さんは、ご自身の保育観を持っていますか?また、保育観についてどのように考えていますか?保育観は、保育に携わる方にとって非常に大切な価値観。また、日々の保育を支える軸になる存在です。今回の記事では、保育観の意味や具体例をわかりやすく解説します。また、他の保育士と保育観が合わずに悩んでいる方に向けて、対処法や職場の探し方についても紹介しますよ。この記事を通して、自分の保育観を考えたり見つめ直したりするきっかけにしていただければ幸いです。
保育観とは
保育をする上で重要視する価値観

保育観とは、保育士が保育活動を行う上で第一に考え、大切にする価値観や考え方のことを指します。いわば、保育をする上での最重要価値観と言えるでしょう。日々の保育の中でこれだけは譲れないと感じるものやここだけは曲げてはいけないと思うことが、まさにその人の保育観となります。保育士一人ひとりが、自身の経験や出会ってきた子どもたちとの関わりを通して少しずつ築いていくものであり、その内容は人によって異なりますよ。保育士が保育観を持つことは、保育活動の中で悩んだり迷ったりしたときに、自分の考えを整理して判断するための大切な指標となります。
保育観の具体例
コミュニケーションを大切にする
保育士は、子どもたちの命を預かる立場であり強い責任感が必要です。また、子どもたちとの関りでは、一人ひとりの気持ちを丁寧に受け止めることも欠かせません。そのため、子どもたちとのコミュニケーションを1番大切にするという保育観を持つ方も多いですよ。子どもは言葉だけでなく、表情やしぐさ、目線など様々な方法で気持ちを伝えています。忙しい保育中でも子どもたちと向き合い、短時間だったとしても子どもの気持ちを聞いて考えを尊重することが、信頼関係を育てる第一歩です。相手に自分の考えを聞いてもらえた!という安心感は子どもの心を満たし、自分を表現する力や他者への思いやりを育んでいくでしょう。
子どもの個性を尊重する
子どもは一人ひとり違った個性やペースを持っています。だからこそ、子どもの個性を尊重することを保育観の中心に据える保育士は多いです。忙しい日々の中でも、この子はどんな表情で、どんなことに心を動かしているのだろうと丁寧に観察し、その子らしい姿を認めてあげることが大切。保育の現場ではみんな一緒にではなく、一人ひとり違っていいという考え方が、子どもの安心と自信を育てます。
子どもの可能性を引き出す

保育士は日々、子どもたちの成長や変化を見守る存在。見守る中で、子どもの可能性を引き出すという保育観を持つことはとても大切です。子どもたちは、一見小さなことに見える経験でも、たくさんの成長の芽につながります。例えば、やってみたい!これが好き!という子どもたちの前向きな気持ちを受け止めて、新しいことに挑戦する機会を提供してみましょう。新しいことに挑戦する経験は子どもの自己肯定感を育て、自分を信じられるようになります。また、子どもの小さな向上心を見逃さず、できたね!頑張ってたね!と声をかけることで、子どもの意欲や可能性を引き出すきっかけになるでしょう。
チャレンジする機会を大切にする
チャレンジする機会を大切にするという保育観を持つ保育士も多いです。子どもは失敗や試行錯誤を繰り返す中で、学び、成長していきます。そのため保育士は、子どものやってみたい!という気持ちを尊重し、安心して挑戦できる環境を整えることが大切。挑戦する姿を認めて共に喜ぶことが、子どもの意欲を育てる大きな支えになります。小さなチャレンジを積み重ねることが、子どもの未来を拓く力となるでしょう。
子どもが安心できる生活環境にする
子どもが安心できる生活環境にするという保育観は、多くの保育士が大切にしている価値観です。子ども自身が、ここにいれば大丈夫!先生がいてくれるから安心!と感じられる生活環境は、保育士との信頼関係の上に築かれます。例えば、忙しくても子どもと目を合わせて笑顔であいさつをする、名前を呼んで話しかけるなどの積み重ねが、子どもにとって大きな安心につながりますよ。安心感があるからこそ、子どもはのびのびと遊び、お友達との関わりを楽しむことができるのです。
子どもの気づきを重視する

子どもの気づきを重視する保育観は、子どもの主体的な学びを大切にする姿勢を表しています。保育士が一方的に教えるのではなく、子ども自身の「やってみたい!」という思いを受け止め、一緒に考えたり試したりすることで、学ぶ喜びが生まれます。たとえ忙しい時間帯でも、子どもが何かに気づいた瞬間を逃さず共感し「面白いね」「いいところに気づいたね!」と言葉をかけることで、子どもの探究心や思考力が育ちますよ。自ら考える力は、将来の学びの基礎となる大切な力です。
子どもの自己肯定感を大切にする
子どもの自己肯定感を大切にすることは、保育士として非常に重要な保育観。子どもは、大人との関わりの中で自分は大切にされている、認められていると感じることで、自信を育んでいきます。忙しい日常の中でも子どもの頑張りや考えを受け止め「よく頑張ったね!」「その気持ち大事だね」と声をかけることが、自己肯定感を高める大きなきっかけになりますよ。こうした関わりの積み重ねが、子どもの心を強くし、豊かな人生を歩む力につながるのです。
他の保育士と保育観が合わない時の対処法
他の保育士の保育観を理解する
保育の現場では、保育士一人ひとりがそれぞれ異なる経験や価値観を持っています。そのため、保育観が合わないと感じる場面も少なくありません。まず大切なのは、相手の保育観を理解しようとする姿勢です。自分とは違う考え方でも、なぜそのように考えているのかを丁寧に聞くことで、背景にある子どもへの思いや経験が見えてきます。理解することは、同意することとは違いますよ。相手の考えを尊重しながら、自分の保育観との共通点を見つけることで、より良いチーム保育につなげることができます。
視点を変えて考える

保育観が合わないと感じたとき、つい自分が正しいと思いがちですが、いったん立ち止まって視点を変えてみることも大切です。自分の考えと相手の考えが違うから否定されたと反発するのではなく、相手は子どもをどう支えたいと思っているのかという視点で捉えてみましょう。そうすることで、相手の行動や発言の意図が理解できることがあります。また、年齢や経験の違いによって、保育の捉え方が異なるのも自然なことです。自分の視野を広げるきっかけになると前向きに捉えれば、より柔軟な保育観を育むチャンスになりますよ。
自分の考えを相手に伝える
他の保育士と保育観が合わないときは、相手に自分の考えをしっかり伝えることも大切。相手を否定するのではなく、「私はこう考えています」と自分の気持ちや根拠を具体的に話すことで、誤解を防ぐことができます。例えば「子どものペースを大切にしたいと思っている」などといったように、子どもへの思いを軸に伝えると、相手にも理解されやすくなります。話すときは感情的にならず、冷静に対話を重ねることがポイントですよ。
自分の保育観を見直す
保育観の違いに悩んだときこそ、自分自身の保育観を見直す良い機会でもあります。なぜ自分はこの考えを大切にしているのかと振り返ることで、新たな気づきが得られるかもしれません。また、自分の中で大切にしている価値観を明確にすることで、相手との違いを客観的に受け止めやすくなります。また、時代や子どものニーズの変化に合わせて、保育観を柔軟に更新していくことも大切です。保育観に完璧な正解はありません。子どもたちにとってより良い保育を目指すことが何より重要ですよ。自分の保育観を見つめ直すことは、より成長した保育士になるための一歩となるでしょう。
同僚や園長に相談する

どうしても自分ひとりで解決できないときは、信頼できる同僚や園長に相談することも必要です。第三者に話すことで、客観的な意見や新しい視点を得られる場合があります。また、園全体としての保育方針を確認することで、自分と相手の保育観の違いを整理できるかもしれません。特に園長や主任保育士は園全体の調和を保ちながら解決策を導く立場にありますので、早めに相談することで大きなトラブルを防げるでしょう。さらに、同僚との何気ない会話の中で悩みを共有することにより、心が軽くなり前向きに保育と向き合う力が取り戻せる場合もありますよ。
転職を検討する

もし何度話し合っても保育観の違いが大きく、子どもや自分の心に負担がかかっていると感じる場合は、転職を検討するのも一つの選択肢です。保育観は、保育士として働くうえで根本的な支柱となる価値観です。そのため、園の方針やチームの考え方と大きくずれていると、理想と現実のギャップに苦しむこともありますよ。無理に合わせ続けるより、自分の保育観を大切にできる環境で働くことが、結果的に子どもたちのためにもなります。転職を考えるときは焦らずに自分の軸を見つめ直し、どんな保育をしたいのか、どんな園で働きたいのかを整理することが大切です。
自分の保育観に合った職場の探し方
保育園を見学する
自分の保育観に合った職場を見つけるためには、まず実際に保育園を見学することが大切です。ホームページや求人票だけではわからない、園の雰囲気や職員同士の関係性、子どもたちの表情などを自分の目で確かめることで、園のリアルな姿が見えてきます。保育士が子どもとどのように関わっているか、声のかけ方や表情、園内の掲示物や環境づくりなどにも、その園の保育観が表れていますよ。見学の際は、自分がここで働いたらどう感じるか、自分の保育観と重なる部分はあるかを意識して見ることがポイントです。園の空気感を肌で感じることで、自分に合った職場かどうかを見極めることができるでしょう。
園の保育方針を聞く
園ごとに掲げている保育方針には、その園の大切にしている価値観が詰まっています。自分の保育観に合う職場を見つけるには、見学や面接の際に園の保育方針をしっかり聞くことが大切。例えば、のびのびとした自由保育を重視している園や生活リズムを大切にする園など、方針の違いによって保育の進め方は大きく変わります。自分が子どもとどう関わりたいか、どんな成長を支えたいかと照らし合わせて考えると、ミスマッチを防ぐことができます。また、園長先生や先輩保育士の話を聞くことで、園全体の雰囲気やチームワークのあり方も見えてくるでしょう。
園の保育を体験する

短期間でも実際にその園で保育を体験してみると、自分の保育観との相性をより具体的に感じ取ることができます。実際に子どもたちと関わることで、この園のやり方が自分に合っている、ここでは自分の保育が活かせるといった実感を得られるでしょう。逆に、子どもへの声かけや保育の進め方に違和感を感じた場合でも、それも大切な気づきと言えます。また、保育体験は現場の保育士の働き方やチームの雰囲気を知る貴重な機会でもあります。
まとめ
保育観に正解はない

いかがでしたか?保育観とは、保育士一人ひとりが大切にしている子どもとの関わり方や保育に対する考え方のこと。しかし、そこに正解や不正解はありません。子どもたちの性格や成長のスピードが一人ひとり異なるように、保育士の経験や価値観もそれぞれ違います。そのため、自分と他の保育士の保育観が異なっていても、それは間違いではないのです。むしろ多様な視点があるからこそ保育は豊かになります。大切なのは、自分の保育観を大事にしながらも、他の考え方にも耳を傾け、柔軟に受け入れていくことですよ。





















