保育士が療育分野に転職する方法【求人・給料・楽しい・東京・仕事内容】

療育に対する需要が高まる中で、療育分野へ転職する保育士の方が増えています。今回の記事では療育分野へ転職したいと考えている保育士の方に向けて、療育の仕事内容や療育に携わるメリットについて解説していきますよ。また療育分野への転職に役立つ資格や、療育求人の探し方といった転職の際すぐに使える知識もまとめています。療育分野への転職を悩んでいる方も、すぐ転職したいと考えている方もぜひこの記事をチェックしてくださいね。

療育分野における保育士の需要

保育士の需要は高まっている

※出典:国保連データ

現在療育分野における保育士の需要が高まっています。上のグラフはどちらも主要な障害児支援である、児童発達支援と放課後等デイサービスの利用者数をまとめたものです。どちらの障害児支援においても利用者数は右肩上がりであり、療育に対する需要の高さが見て取れます。

また障害児支援の利用者数が増加している背景として、以下のような状況が挙げられます。

  • 発達障害を含む子供の障害への注目が高まっている
  • 2019年10月に障害児の発達支援が無償化されるなど、行政においても障害児支援に力が入れられている
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保育士が療育分野へ転職することのメリット

障害児への支援を学べる

療育分野へ転職することで、障害を持つ子供への支援を実践的に学ぶことができます。一口に障害児といっても、それぞれの子供が抱える状況は様々。療育に関する書籍や資格は多く用意されていますが、座学で得た知識のみでの対応は難しいといえます。また療育分野へ正社員として転職するためには、多くの場合保育士や理学療法士、言語視聴覚士といった資格が必要です。療育施設での仕事は、国家資格を持つ保育士さんだからこそ経験できる貴重な学びの機会であるといえます。

キャリアアップできる

療育分野への転職は、保育士としてのキャリアアップにつながります。他の保育施設や療育施設に転職するとき、施設内での昇進を目指すときに療育経験が武器になりますよ。また下記において、療育の仕事に役立つ資格として児童発達支援管理責任者を紹介しています。この児童発達支援管理責任者の取得には障害児支援の経験(OJT)が必須であり、資格取得に療育施設での勤務経験を役立てることができます。

様々な職種の人と関われる

療育施設には保育士以外にも、下記のような国家資格や専門知識を持った人々が働いています。仕事を分担したり知識を共有したりする中で、様々な職種の人と交流を深めることができますよ。また療育施設は保育施設に比べて男女の偏りが少ないのも特徴です。保育施設において女性社会に行き詰まりを感じてしまったという保育士の方は、療育施設への転職で環境を変えてみるのもいいでしょう。

  • 児童発達支援管理責任者
  • 児童指導員
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語視聴覚士
  • 心理指導専門職員

給料アップを狙える

療育施設で実務経験を積み、児童発達支援管理責任者の資格を取得することで大幅な給料アップを狙うことができます。児童発達支援管理責任者は需要が極めて高く、多くの療育施設において優遇される資格。求人サイトに掲載されている児童発達支援管理責任者の求人には、月給30万円を超えるものも多くみられます。児童発達支援管理責任者の具体的な取得方法については後ほど紹介していきます。

療育の仕事内容は?

障害を持つ子供への個別支援

療育施設における保育士さんの仕事は、障害児に対する個別の支援を行うこと。子供が持つ障害の種類や、その他の特性を把握しながら一人一人に合わせた支援を行っていきます。このため療育施設においては1対1での個別療育や、1~6人程度の少人数制で行う療育が一般的です。保育園のように大人数の子供をみる必要がない一方で、一人の子供に対してより丁寧に向き合うことが求められますよ。

療育分野で働きたい保育士の転職先

1.児童発達支援センター

児童発達支援センターは、障害児支援において地域の中核を担う施設。主な機能は児童発達支援の提供であり、ほかにも下記のような幅広いサービスを提供しています。また児童発達支援は保育施設と同じく6歳までの未就学児を対象としているため、保育の経験を大いに役立てることができます。

児童発達支援センターが提供するサービス
・児童発達支援
・医療型児童発達支援(一部)
・地域支援(保育所等訪問支援や障害児相談支援など)
児童発達支援センターの人員配置
・保育士 1人以上
・児童指導員および保育士 児童4人につき1人以上
・児童指導員 1人以上
・児童発達支援管理責任者 1人以上

2.児童発達支援事業所

児童発達支援事業所は、児童発達支援センターと同じく児童発達支援を提供する施設です。児童発達支援センターに比べると小規模であり、施設の数が多いのが特徴です。人員配置基準において児童指導員および保育士の配置が定められています。

児童発達支援事業所が提供するサービス
・児童発達支援
・障害児の家族を対象とした支援
児童発達支援センターの人員配置
・児童指導員および保育士 児童5人につき1人以上(最低2人)
・児童発達支援管理責任者 1人以上

3.放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、放課後や長期休暇中に障害児を預かり支援を行うサービスです。こちらも人員配置基準において児童指導員および保育士の設置が定められています。一方で放課後等デイサービスは児童発達支援と異なり、対象が6歳から18歳までの就学児童となっています。保育士の方はこの点に注意しましょう。

放課後等デイサービス事務所の人員配置
・児童指導員および保育士 児童5人につき1人以上(最低2人)
・児童発達支援管理責任者  1人以上
・管理者

4.居宅訪問型児童発達支援事業所

居宅訪問型児童発達支援事業所は、居宅訪問型児童発達支援を提供する施設。居宅訪問型児童発達支援は、専門的な知識をもつ職員が障害児の居宅を訪問し支援をおこなうサービスです。またこちらは重症度の高い障害をもつ子供を対象としています。

居宅訪問型児童発達支援事業所が提供するサービス
・居宅訪問型児童発達支援(満18歳までの障害児が対象)
居宅訪問型児童発達支援事業所の人員配置(一部抜粋)
・訪問支援員
・児童発達支援管理責任者 1人以上
・管理者

訪問支援員の資格要件
障害児支援に関する知識及び相当の経験を有する①児童指導員、②保育士、③理学療法士、④作業療法士又は⑤心理担当職員等であって、集団生活への適応のため専門的な支援の技術を有する者

5.障害児入所施設

障害児入所施設は今回紹介する中で唯一の入所施設であり、対象は0歳~18歳の障害児です。また障害児入所施設は主に知的障害をもつ子供が入所する福祉型障害児入所施設と、医療的支援が必要な子供が入所する医療型障害児入所施設に分けられます。人員配置基準は施設や子供の持つ障害の種類によって異なりますが、医療型と福祉型のどちらにおいても1人以上の児童指導員および保育士の配置が定められています。

療育施設以外でも療育に携われる?

保育施設でも療育に携われる

加配保育士として勤務することで、保育施設において療育に携わることができます。加配保育士とは、障害児保育等を行う保育園において障害児のサポートを専門に行う保育士のこと。障害児の保護者から要請があった場合に、自治体の基準に基づいて配置されます。また保育施設において、加配保育士は個別指導計画の作成や保護者との連携をはじめとした全ての療育に関する業務を任されます。このため加配保育士として働くためには療育の専門的な知識が必要です。

保育士の療育分野への転職で取得が目指せる資格

児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者は療育施設において、相談援助業務や個別支援計画の作成など幅広い業務を担っています。障害児支援を行う多くの施設において児童発達支援管理責任者の配置が義務付けられており、非常に需要が高い資格です。一方で児童発達支援管理責任者の取得には最低5年の期間が必要であり、取得の難易度が高いのも特徴。しかしながら保育施設での勤務が3年以上ある保育士の場合、既に実務要件を満たしているため最短2年で児童発達支援管理責任者の資格を取得することができます。

児童発達支援管理責任者の取得ルート(一例)

  1. 保育士として保育施設に3年勤務
  2. 基礎研修(2日間程度)
  3. 障害児通所施設にて2年勤務
  4. 実践研修(2日間程度)

保育士の療育分野への転職に役立つ資格

児童発達支援士

児童発達支援士は、人間力認定協会が認定している民間資格。数ある発達障害に関する資格の中でも特に受験者数が多く、有名な資格です。また児童発達支援士を取得するためには人間力認定協会が提供する講座の受講が必要です。講座では発達障害についての専門知識から、現場を想定したロールプレイまで幅広い内容を学ぶことができますよ。学習から受験まで自宅で完結することができ、学習時間の目安は15~30時間程度。忙しい保育士の方も気軽に挑戦することができます。

発達障害支援アドバイザー

発達障害支援アドバイザーは、発達障害の子供に対する支援に特化した民間資格。保育士の方は動画視聴の課程が免除されるため、比較的簡単に取得することができます。またこの資格を認定している発達障害支援アドバイザー協会は、他にも中難易度の発達障害シニアアドバイザーと高難易度の発達障害支援インストラクターの資格を提供しています。自身のレベルに合わせて徐々にステップアップしていくことができますよ。

保育士が療育の求人を探す方法

療育に特化した求人サイトで探す【療育求人ガイド】

療育分野への転職を目指す保育士さんには、療育に特化した転職サイトである療育求人ガイドがおすすめです。療育求人ガイドでは高収入のお仕事や未経験OKのお仕事など、条件を指定して簡単に求人を見つけることができますよ。会員登録なしですべての求人を確認することができますので、まずはどんな求人があるのか見てみたい、という方にもおすすめです。

まとめ

療育分野への転職でキャリアアップを目指そう!

今回は保育士さんが療育分野へ転職にする際に必要な知識をまとめてご紹介しました。ぜひこの記事を参考にして、療育分野への転職活動をスムーズに進めてくださいね。また療育分野での業務は直接自身の成長に繋がるだけではなく、転職や児童発達支援管理責任者の取得に役立てることもできます。療育分野への転職で、自身のキャリアアップを目指しましょう!また療育求人ガイドでは、療育に関する記事を数多く掲載しています。療育グッズ療育方法についても紹介していますので、ぜひ合わせてチェックしてください。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/