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新しい1年がスタートするにあたって、願い事を込めただるまを飾ることがありますよね。保育園でも新年にだるまの製作を取り入れることで、子供たちと一緒に日本の文化に触れることができます。だるまを見たことがない子や、由来を知らない子も楽しむことができる製作アイデアを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。子供たちそれぞれが描くさまざまなだるまの表情も、製作を通して見ることができます。子供たちの年齢や成長段階に合わせただるまモチーフの製作で、楽しく新年を迎えましょう。
だるま製作のねらい
製作を通してお正月を楽しむ
保育園でだるまの製作を取り入れるねらいは、お正月を楽しむことです。お正月は1年の中でも重要な日であり、子供たちにとっても特別ですよね。手作りのだるまを作ることで、伝統的なお正月の文化を楽しむことができます。また、製作を通してお正月とは何か、お正月の風習について子供たちに説明することで、文化に対する理解を深めることにもつながるでしょう。鏡餅や門松を飾り、無事に1年を終えて新しい年を迎えれれたことを祝うというお正月の意味を知ることができます。
だるまの由来を学ぶ
だるまは日本の伝統的な縁起物で、江戸時代から親しまれています。天然痘という病気が江戸時代に流行り、赤いものが邪気を払うと信じられていたことから、だるまを枕元に置いて願掛けを行っていました。現在では、だるまに願い事をしながら左目を描き、願いが叶った時には右目を描く風習がありますよね。
赤いだるま:魔除け、安全、健康白いだるま:目標達成、合格祈願、お祝い黄色いだるま:金運上昇緑のだるま:健康祈願、長生き
だるまには赤色だけでなく、さまざまな色がありそれぞれ異なった意味が込められているため、子供たちの願い事に合った色を選んでも良いですね。
作品を作って達成感を味わう
子供たちは、だるま製作を通して達成感を味わうことができます。自分の願い事を込めながら、色を塗ったり顔を描くことは、創造性を育むことにもつながり子供の成長に良い影響を与えるでしょう。また、製作を通してはさみや絵の具など、使用する道具の使い方も知ることで製作に進んで参加できるようになります。自分で作品を作る楽しさや喜びは、製作を完成させた達成感につながります。
だるま製作:0〜1歳児向け
新聞紙だるま
新聞紙を丸めて簡単にだるま作りができる製作です。子供たちの年齢や成長段階に応じて、あらかじめ顔パーツや飾り付けなど、細かいものは用意しておくと良いですね。
・画用紙(赤色、白色)・新聞紙・折り紙(黒色、金色、黄色など)・のり・マスキングテープ
1. 新聞紙1枚を丸める。2. 1で丸めたものを、さらに2〜3枚の新聞紙で繰り返し包んでいく。3. 新聞紙の形をだるまになるように整え、マスキングテープで固定する。4. 丸めた新聞紙にのりを塗り、赤色の画用紙で包む。5. 丸く切った白色の画用紙を顔になる部分に貼り付ける。6. 折り紙で顔のパーツや飾りを作り、のりで貼り付けたら完成!
だるまの顔にシール貼り
だるまの形に切り取った画用紙に、目や口といった顔のパーツを貼り付ける製作です。「これはどこかな?」と子供たちに声掛けしながら、一緒にだるまを作り上げましょう。
・画用紙(赤色、白色)・丸型のシール(黒色、黄色、ピンク)・はさみ・のり・クレヨン
1. 赤色の画用紙をだるまの形に切る。2. 白色の画用紙を顔の形になるように切り、1に貼り付ける。3. 黒色の丸型シールを目の部分に、ピンクのシールを頬の部分に貼る。4. 黄色のシールやクレヨンを使って飾り付けしたら完成!
だるまの福笑い
お正月にぴったりな福笑い。保育園でも、だるまをアレンジした福笑いで子供たちと楽しみましょう。眉毛や髭などたくさんのパーツを用意しておくと良いですよ。
・大きめの画用紙(赤色)・普通の大きさの画用紙(白色、黒色、赤色)・はさみ・のり
1. 大きめの赤色の画用紙をだるまの形に切る。2. 普通サイズで白色の画用紙を丸く切り取り、1に貼る。3. 黒色の画用紙を目や眉毛、髭のパーツになるように切る。4. 赤色の画用紙を口の形に切る。
だるま製作:2〜3歳児向け
でんでんだいこ
昔から遊ばれているだるまのでんでん太鼓を紙皿で作りましょう。音がリズミカルになるので子供たちも喜びますね。子供だけでは難しい作業もあるので、手助けしなら一緒に完成させましょう。
・紙皿2枚・割り箸・たこ糸・大きめのビーズ(ペットボトルの蓋でもOK)・折り紙(赤色、白色)・色鉛筆・穴あけパンチ・のり・セロハンテープ
1. 折り紙をだるまの形に切り取り、色鉛筆で顔をかく。2. 紙皿をだるまの形に切り、1の折り紙を上から貼り付ける。3. 紙皿の内側に割り箸を止め、挟むようにして紙皿を2枚重ねて固定する。4. 両脇に穴あけパンチで穴を開け、たこ糸を通して結ぶ。5. たこ糸の先にビーズを通したら完成!
お絵描きだるま
子供たちそれぞれが思い描くだるまを書くことができます。赤色にとらわれず、好きな色のだるまを描くことで自分だけのオリジナルだるまにすることができます。はじき絵としてアレンジしてみても良いですね。
・画用紙・クレヨン・はさみ・のり
1. 画用紙をだるまの体と顔の形に切り取る。2. 体と顔それぞれにクレヨンで自由に色付けていく。3. 顔の部分を体に貼り付けたら完成!
紙皿のゆらゆらだるま
だるまと言えば『だるまさんが』シリーズを思い浮かべる人も多いですよね。だるまさんが横に揺れるおなじみのシーンを、紙皿で簡単に作ることができます。紙皿を切って、作りたい大きさのだるまに調整してくださいね。
・紙皿・画用紙(赤色)・はさみ・のり・クレヨン
1. 紙皿を作りたいだるまの大きさに切り取る。(切らずにそのまま使ってもOK)2. 切り取った紙皿を半分に折る。3. 折った紙皿の大きさに合わせて、画用紙にだるまの形を下書きする。4. 下書きができたら、画用紙を2枚合わせて切り取る。5. 紙皿に切った画用紙を貼り合わせる。6. 顔の部分をクレヨンでデザインしたら完成!
折り紙で作る双子だるま
折り紙で作る双子のだるまです。作った後は、立たせて飾ることもできるので、家に持ち帰っても楽しむことができます。ハート型に見えるところもかわいいですよ。
・折り紙(赤色、白色)・はさみ・カラーペン
1. 折り紙をハート型におる。2. ハートの下部分を折りこみ、下側に切り込みを入れる。3. 切り込みを入れた部分を内側に折る。4. 白色の折り紙をだるまの顔に形に切る。5. 好きなようにだるまの顔を描き、デザインしたら完成!
だるま製作:4〜5歳児向け
トイレットペーパーだるま
ゆらゆらと揺れて、何度でも起き上がるだるまです。倒しても起き上がるだるまは、お正月の縁起物として製作にぴったりですね。
・画用紙(赤色)・ビー玉・トイレットペーパーの芯・セロハンテープ・クレヨン・はさみ
1. ビー玉をトイレットペーパーの芯の内側両端に、セロハンテープでとめる。2. 画用紙をだるまの形に切り、クレヨンで顔をかく。3. 2を1の両端にセロハンテープで止めたら出来上がり!
立体的な紙だるま
自立立体型のだるまです。倒れても起き上がる”おきあがりこぶし”を作って、新年を楽しくスタートさせましょう。”おきあがりこぶし”の由来を説明して、製作に取り掛かってみてください。
・折り紙・色鉛筆
1. 折り紙でだるまの頭と胴を折る。2. 頭を胴に入れてだるまを完成させる。3. だるまに顔を描き入れたら出来上がり!
起き上がりだるま
紙粘土で簡単に作れる起き上がりだるまです。つまんだり丸めたり、粘土の感触を指先を通して感じることで、脳の刺激になり子供の発達促進にもつながるでしょう。
・紙粘土・ビー玉・空のカプセル(ガチャガチャで使用されるもの)・絵の具
1. 空のカプセルを開け、下になる部分に紙粘土を薄く伸ばす。2. ビー玉を1の中心に置き、紙粘土で覆って固定する。3. カプセルをはめて、全体を紙粘土で覆う。4. 起き上がるのを確認したら、半日〜1日程度乾かす。5. 粘土が乾いたことを確認できたら、絵の具でだるまを描く。6. 絵の具が乾いたら完成!
だるまのマラカス
ガチャガチャのカプセルとペットボトルを使って作るマラカスです。だるまだけでなく、新年の干支や好きな動物など、アレンジして製作に取り入れることができますよ。
・色画用紙(赤色、白色、黒色)・ビーズ・空のカプセル・マスキングテープ・ペットボトル・セロハンテープ・はさみ・のり
1. 空のカプセルの中に、ボタンやビーズを入れる。2. カプセルの蓋をとじ、マスキングテープを巻く。3. ペットボトルを蓋の部分残して切る。4. 2で作ったカプセルをペットボトルに乗せて、セロハンテープで固定する。5. 画用紙を切り取り、だるまを作る。6. 作っただるまを4に貼り付けたら完成!
だるま製作に向けての導入遊び
1. 絵本や紙芝居でだるまをイメージする
だるま製作に取りかかる導入として、だるまがモチーフの絵本や紙芝居などを利用してみましょう。お正月シーズンになると特に、だるまが描かれている絵本が多くなります。本物のだるまを見たことのない子や、だるまとは何かを知らない子もいるかもしれないので、製作に取りかかる前に興味関心を持たせることが大切です。また、なぜだるまが縁起物なのか、お正月に飾られることが多いのかも説明することで、意図を理解して製作に取り掛かることができるでしょう。
2. エプロンシアターでだるまに興味を持たせる
だるまのストーリーを実際に手作りして子供たちに伝えることも導入のひとつとして取り入れることができます。エプロンシアターは子供からも人気で、興味を惹きつけることができますよね。絵本の物語を参考にしたり、子供たちと一緒に物語を作り上げたりして、楽しく学ぶことでだるまの知識を増やすことができます。エプロンシアターの製作時間や練習には時間がかかりますが、毎年再利用することができるので是非挑戦してみてください。
3. 本物のだるまに触る
絵本や紙芝居とは違った、本物のだるまを見て触れることは、子供たちにとって貴重な経験になります。実際のだるまの大きさや色使い、重さなど実際に触ることで初めて知ることも多いです。子供たちの気づきや驚きにつながる体験は、脳の発達においても良い影響を与えてくれます。大きさや色の違っただるまを、いくつか保育園に用意しておくと良いですね。子供たちと一緒に本物のだるまにふれ、製作活動につなげましょう。
まとめ
子供たちとだるま製作を楽しもう
お正月や大切な行事の縁起物として親しまれているだるま。だるまを製作に取り入れることで、日本ならではの文化や行事を知ることができます。子供たちに古くから伝わる伝統を知ってもらい、楽しく製作活動を行うことが大切です。だるまの由来を知り、オリジナルのだるまを作った達成感は子供たちにとって思い出に残る経験になるでしょう。ぜひ年齢や子供の成長段階に合わせただるまの製作を保育に取り入れて、楽しみながら日本の文化に触れてみてください。