一語文とは?意味や喃語との違いを紹介【意味・例・接し方】

一語文という言葉の意味を知っていますか?簡単に説明すると、一語文とは一つの単語だけで構成された文のことです。一般的には、1歳から1歳半の間に話し出すと言われていますよ。この記事では、一語文の具体的な例や、発達の順番、子供の発話をサポートするのにおすすめのあそびなどを紹介しています。一語文について知りたい方や、子供の言語発達のことが気になっている方は、ぜひ読んでみてくださいね。

一語文とは?

話し始めの子供が1つの語で思いを伝えること

初めに説明した通り、一語文とは、助詞などを使用せず、1つの単語だけで構成された文のことです。1歳を過ぎたあたりで話し始める子供が多いようですね。この時期の子供たちは、文章を作ることはできなくとも、覚えた単語を使って精一杯コミュニケーションを取ろうとしています。大人に求められることは、子供が伝えたいことは何かをくみ取り、二語文を話せるようになるようサポートしてあげることです。

一語文の例

一語文は、言語が発達しきっていない子供が、1つの単語だけで意思疎通を図ろうとして作る文のこと。例えば、多くの子供たちに見られるのが、「マンマ」「ワンワン」などの単語を使った一語文です。子供にとって発話しやすいとされる、パ行、マ行、母音などの音がつく言葉から話し始めることが多いでしょう。ただの単語と一語文との違いは、単語だけで要求が伝わるかどうかだと言えます。ただ物の名前を発話するわけではなく、物の名前を伝えると同時に要求を伝えられるのが一語文です。

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一語文はいつから?

1歳~1歳6か月から話し始める

子供が一語文を話し始めるのは、個人差はありますが、大体1歳3カ月ごろからと考えてよいでしょう。その頃から少しずつ言葉を覚え始めます。しかし言葉の習得速度はそれぞれなので、発話が遅くとも焦らずに見守りましょう。同い年の子供と遊ばせると刺激されて、おしゃべりやはいはいなどができるようになることがあります。発達を無理なく促すのに効果的です。心配があれば検診のときに相談して、適切な対応を教えてもらいましょう。

ことばの発達に良いあそび

おままごと

ここで、言葉の発達に効果的なあそびをいくつか紹介しましょう。まず一つ目に紹介するのはおままごとです。おままごとが言葉の発達に良い理由は、おままごとを通して単語の名前をたくさん口にすることができるからです。友達同士でのおままごとも発達に良いですが、大人がついておままごとをするときには、子供が覚えやすいように単語を繰り返し口にするとよいでしょう。言葉を反復することで覚えやすさは格段に上がります。おままごとで使う道具の名前を子供の口から発話させると効果的です。

絵本の読み聞かせ

絵本の読み聞かせをするのもことばの発達に適しています。絵本を読むときのコツは、棒読みせずに子供に語り掛けるように読み聞かせるのを意識することです。絵本はいろんな言葉が出てくるという点では言葉の学習に向いていますが、言葉の習得には言語による会話のやり取りが不可欠です。ただ絵本を読み聞かせるだけではなく、子供に語り掛けて、会話しながら読むと効果的ですよ。子供の反応を見ながら、抑揚をつけて読みましょう。

動物の鳴きまねあそび

言葉の発達を促すために、動物の鳴きまねあそびをしてみましょう。鳴き声と動物の見た目の認識を一致させるため、写真やイラストを見ながら行うと楽しめますよ。絵本の読み聞かせと組み合わせて行うと良いかもしれません。子供と一緒に動物を見ながら、「これはなんて鳴くんだっけ?」と問題を出してあげましょう。子供が答えられなければ「これはね、わんわんって鳴くんだよ~。わんわんだよ」と教えてあげます。もし子供が答えられたら、たくさんすごいねと褒めてあげてください。

さんぽ

散歩をするときは、いつもより少し周りのものに気を配ってみましょう。子供が指差しをして気に掛ける様子のものがあれば、「あれはなあに?」と聞いてみましょう。子供がものの名前を答えることができれば、「そうだね○○だね」ともう一度繰り返したうえでたくさん褒めてあげましょう。名前をうまく言えなかった場合は、「これは○○っていうんだよ。○○だよ」と教えてあげます。単語を繰り返し教え、次のお散歩のときもまた同じものを見るようにすると定着していきますよ。

一語文を話し始めた子供をサポートする接し方

子供の動作を実況する

子供が一語文を話し始めたら、次は二語文、三語文と発達していき、最終的には文章を話せるようになります。保護者や先生が子供の言語発達を促してあげるためには、子供の動作を実況することが効果的ですよ。例えば、子供が走っていたら「○○ちゃん走ったね~」、猫を見つけたら「にゃんにゃんがいるよ」などと声掛けしてみましょう。このような声掛けは、子供が夢中になっているときに行うと良いと言われています。子供が興味があることに関連づけると、楽しく言葉を覚えられますよ。

子供の単語に1語付け加えて繰り返す

子供が一語文を話すようになったら、子供が発した単語にわざともう一言付け加えて繰り返してみましょう。自分が話した単語にどんな言葉を組み合わせたら文章になるのか教えてあげます。例えば子供が一語文で「みかん」と言ったら、二語文で「みかんちょうだい、だよ」と子供が言いたいことをくみ取って二語文に直して伝える、というようにすると効果的です。場合によっては「みかん ちょうだいって言ってごらん」というように、優しく二語文の発話を促すのも良いでしょう。

子供が言葉に詰まっても待ってあげる

もし子供がおしゃべりしている途中で言葉に詰まっても、ゆっくり聞いてあげましょう。きっと一生懸命次の言葉を考えていますよ。大人が先回りして話してしまうとせっかくの発話のチャンスをつぶしてしまうこともあります。言葉に詰まって苦しそうだったらヒントを出してあげるのも良いですが、一度子供が言い終わるまで待ってからサポートするのがおすすめ。不完全でも、まずは子供が言葉を話せたことを褒めてあげましょう。

単語を繋げて話す

大人が単語を繋げて話すことで、子供が二語文を話しだすことに繋がります。例えば散歩中に電車を見かけたときは、「電車 きたよ」、犬を見つけたら「わんわん いたね」など、子供がまねしやすいように話してあげましょう。この時、言葉がけが長すぎると子供の理解力を超えてしまいます。ですから、一語文を話している段階の子供にかける言葉は単語2個程度に抑えましょう。一語文には二語文で、二語文には三語文で返すと良いですよ。

一語文が出ないときは

個人差があるので焦る必要なし

「なかなか一語文を話せない。」「同い年の子供より言語発達が遅い…。」こういう場合は、つい焦りを感じてしまいますよね。しかし子供の言語発達の速度は人それぞれです。発達が遅れていてどうしても心配という場合は原因を探してみましょう。例えば、全般的な運動発達の遅れがある場合は、舌の動きや呼気の調節が未発達であることが原因かもしれません。他にも、耳の聞こえや知的障害が関係している場合などが考えられます。しかし、一語文をなかなか話さないからと言って、必ず上記のような理由があるとは限りません。気になることは専門家に相談しましょう。

一語文と喃語の違いは?

喃語は意味を持たない

一語文と喃語の最も大きな差は、意味のある単語かどうかにあります。喃語が赤ちゃんの発する意味をなさない発声のことであるのに対し、一語文は意味のある単語です。赤ちゃんが喃語を発するのは、何か意味のある言葉を発しているからではなく、自身から音が出ることを楽しんでいるからだと言われています。喃語は一語文などの言葉を話す前の、音を出すトレーニングの役割があるようですね。

一語文と二語文の違いは?

二語文は単語を2つ組み合わせたもの

一語文と二語文との差は、単語の数です。一語文を二つ組み合わせたものが二語文と呼ばれます。二語文の具体例を挙げるとするなら、「クッキー 食べる」や、「電車 見る」など、名詞+動詞の組み合わせが多いようです。その一方で、「ママ やって」のような人の名前+やる・やって、「これ 絵本」のようなこれ+名詞の形など、名詞+動詞の形に当てはまらない二語文も多くみられます。

幼児期の言語発達の流れ

0~1歳 喃語

幼児期の言語はどのような流れで発達していくのでしょうか。赤ちゃんにとって初めての話し言葉と言えるのは、まずは生後4か月ごろから始まる喃語でしょう。喃語が出始める前には、泣き声から一段階レベルが上がったクーイングが始まりますが、これは舌や唇を使わずに、喉から発せられる音です。喃語はそれと異なり、唇や舌も使って発声するものなので、クーイングの時期よりいろいろな音を出せるようになりますよ。

1~1歳半 一語文

喃語の次の段階が一語文です。一語文は単語ひとつを話す文のことです。これは1歳ごろから1歳半までの間に始まると言われています。1歳半を過ぎても単語を発しない場合は、専門家に相談してもいいかもしれません。一語文の発話を促すあそびをしてみるのもおすすめです。保護者の心配事を解消することは、子供たちのストレスを減らすことにも繋がります。もし気がかりなことがあればあまり思いつめずに相談してみましょう。

2歳前後 二語文

一語文から二語文にステップアップするのが大体2歳前後のことです。二語文とは一語文の次に発話すると言われている、単語を2つ組み合わせて話す言葉です。二語文と通常の文との違いは助詞がないことですが、かなり大人が話す言葉に近づきますよ。大人の話し方に繋がる大事なステップです。ちなみにこの次は、2歳代後半から3歳代前半にかけて、三語文という、語彙を3つ組み合わせる話し方が始まります。目安として3歳を過ぎても二語文を話さない場合は、専門家に相談することを考えてもいいでしょう。保護者が悩みを抱え込まないことはとても大切です。

まとめ

やり取りを楽しみながら発達を見守ろう

子供の言語発達には様々な段階がありますが、どの時期の話し方も一瞬で過ぎ去ってしまいます。あっという間にすらすら話せるようになってしまうので、初々しい話し方の時期は貴重です。子供の成長を見守り、楽しみ、たくさん思い出を作ってくださいね。また、不安なことがあれば抱え込まず、まずは身近な人に相談してみてください。心配ごとはなるべく減らして、楽しい時間を過ごしましょう。

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