鏡餅に込められた意味は?子供がわかりやすい教え方も紹介!【意味・由来・飾り方・学習アイデア】

お正月に欠かせない鏡餅ですが、そこに込められた意味や飾り方は知っていますか?知っていても、説明しようとすると意外と難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。今回は鏡餅の意味や飾り方、飾っておく期間などを紹介します。鏡餅を使った学習アイデアや、子供たちに質問されたときの答え方の例も掲載しています。鏡餅の意味について知りたい方だけでなく、鏡餅を利用した学習アイデアを知りたい方にもおすすめの記事です。

子供たちに鏡餅の意味を聞かれたら

鏡餅の意味や由来を楽しく教えてあげよう

保育園で子供たちに鏡餅の意味や由来について聞かれるかもしれません。子供たちの興味を持ったことはできるだけ教えてあげたいですよね。子供の質問に答えるときに何より大切なのは子供たちが理解しやすいことです。沢山情報を教えてあげたくても、一気に伝えると難しく感じてしまって興味を失ってしまうかもしれません。子供への伝わりやすさを重視し、まずは一番気になっているところにだけ回答するといいですね。

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鏡餅を飾る意味は?

年神様がとどまる場所を作るため

鏡餅を飾るのは、歳神様という神様を祀るためです。この神様にお祈りすると、私たちの1年の幸せを叶えてくれると言われています。鏡餅は歳神様がとどまるための場所なのです。歳神様は、五穀豊穣や、長寿、無病息災、家内安全、商売繫盛などをもたらしてくれると言われています。もしも子供に鏡餅を飾る意味を聞かれたら、「このお餅が、1年間私たちの幸せを守ってくれる神様の居場所になるんだよ」というように分かりやすい単語を使って簡潔に教えてあげましょう。

鏡餅の由来は?

丸いお餅が神様を迎える鏡に似ていることから

神社や神棚には必ずと言っていいほど飾られている「神鏡(しんきょう)」という丸い鏡。鏡餅の丸い形がその鏡に似ていることが名前の由来と言われています。また、鏡餅に角がないことは円満を表し、二段に重なっているのは円満が重なるようにという意味。子供に鏡餅という名前の由来を聞かれたら、「神社にある神様の鏡に似ているから鏡餅と呼ぶんだよ」と答えてあげてください。そして、鏡餅の形について聞かれたら「丸い形は幸せの意味があって、二段になっているのは幸せが二倍になるようにという意味だよ」と答えてみるのはいかがでしょうか。

鏡餅を飾る期間

12月28日から1月7日までが多い

鏡餅は12月28日から1月7日までの期間に飾り、1月11日に食べることが多いですが、12月13日ごろからいつでも飾り始めて大丈夫です。ただし鏡餅を飾り始めるのを避けたほうが良い日があるので注意しましょう。それは12月29日と、31日の大晦日の日です。29日は9が「苦」を連想させるという理由で縁起が悪いとされます。大晦日は正月の1日前なので「一夜飾り」となってしまうため避けることが多いです。

鏡開きとは

1月11日に鏡餅を割って食べること

鏡餅を飾り終わったら、鏡開きをしましょう。鏡開きとはお正月の間飾っていた鏡餅を木槌などで叩いて砕き、お雑煮やお汁粉にして食べることです。切腹を連想するため包丁など刃物を使って鏡開きをするのは好ましくないようです。鏡開きの際は手で割り砕くか槌で開くようにしましょう。また、鏡開きという言葉自体が末広がりの意味を持つ縁起のいい言葉です。できるだけ鏡餅を「割る」と言わず「開く」と言い換えたほうが好ましいですね。

鏡餅について子供の理解を深めるポイント

簡単な言葉で伝え、体験学習を取り入れる

子供たちの理解を深めるには、まずは言葉で説明して、余裕があれば体験学習をさせてあげましょう。わかりやすく説明してあげることがとても大切ですが、実際に体験することはもっと効果的です。保育園に鏡餅を飾る際、鏡餅の飾りつけから鏡開きまでの一連の流れを見ることで、詳しい説明がなくとも「年末が近づくと二段のお餅を飾る」ということを知ることができます。実際に体験したことは言葉で聞くより分かりやすいですよね。

保育園で子供に鏡餅を教える方法4選

①鏡開きを体験する

子供の体験学習としては、鏡開きを体験するのが最も簡単ではないでしょうか。鏡餅を保育園に飾っておき、鏡開きの日にはみんなの前でお餅を開けば子供たちに印象付けることができます。やりたい子供がいれば何人かに協力してもらってお餅を割ってもいいのではないでしょうか。子供が参加すれば、先生だけで鏡開きをするのを見ているだけより盛り上がりそうです。槌を使ったり硬いお餅を手で割ったりするときには十分注意して、楽しんで下さい。

②お餅を食べてみる

子供たちの前で鏡開きをしたら砕いたお餅を食べてみましょう。みんなでお餅を食べた思い出は、きっと楽しい記憶として心に残ることでしょう。お餅の食べ方はお雑煮やお汁粉が定番ですね。多数決で調理方法を決めると子供たちが参加できる上に簡単ですが、余裕があれば何種類か作って選べるようにするのがおすすめです。しかしお餅を食べるときに注意したいのが、お餅がのどに詰まることによる窒息事故。できるだけ小さくお餅を砕いたり、年少クラスの見守りを徹底したりして、対策をして臨みましょう。

③鏡餅の制作をする

鏡餅に関連する制作をするのもおすすめです。制作しながら鏡餅の形やそこに込められた意味を伝えると理解しやすくなるでしょう。簡単に作れるおすすめの制作は鏡餅のちぎり絵です。画用紙に鏡餅の輪郭を鉛筆で描き、その上からちぎった折り紙を貼り付けていくだけなので簡単にできます。少し難易度を上げるなら、紙粘土を使って鏡餅を一人一つずつ作ってみるのはいかがですか。紙粘土を丸めたものを二つ作って重ねればお餅になります。台は粘土で作ってもいいですが豆腐などの空き容器をきれいに洗って使うのもおすすめです。

④絵本や動画で学ぶ

絵本や動画を見ると、学ぼうという気がなくとも自然と新しい情報を取り入れることができます。例えば鏡餅にはこまごまとした飾りがついていますがそれぞれにどのような意味があるか知っていますか?覚えづらいことでも動画や絵本を見れば楽しく学べますよ。鏡餅に関連する絵本はたくさんあるようなので、ぜひ活用してみてください。動画は費用がかからず、さらに読み聞かせる手間もかかりません。絵本よりも手軽に取り入れられます。

鏡餅の飾りの意味

橙:家系が代々続くようにという意味 

橙とは柑橘という意味で、鏡餅の上に載っているみかんのような果実です。橙が鏡餅の飾りになっているのには理由があります。橙の果実は収穫しなくても落ちずに2~3年も木に生り続けることから、一つの木に異なる世代の実が生る「代々」という意味の名を付けられました。これは漢字の通り一族が代々続くという意味があります。一族の繁栄という願いを込めて橙が鏡餅の飾りになったのですね。鏡餅の飾りつけの時はお餅のてっぺんに最後に乗せましょう。

御幣:魔除けと繁栄の意味

御幣とは赤と白の紙でできた帯状の飾りで、赤は魔除け、白は繁栄の意味がある色だそうです。この御幣には四方にに手を広げ繁栄を願うという意味があります。市販の鏡餅セットに含まれていますが、赤い折り紙を使用して簡単に自作することもできます。作り方を簡単に紹介したいと思います。赤い折り紙を半分に切り、それに左右からはさみを入れて左右交互から折り返していくだけです。折り紙の赤い部分と裏面の白い部分がダイヤ型になって連なる形になったら完成です。

四方紅:厄払いと1年間の繁栄の意味

四方紅とはお供え物を乗せるための、四方が赤い四角形の紙のことです。飾り付けるときには鏡餅を乗せるお供え用の台(三方)のすぐ上に乗せます。四方紅の角が台の真ん中を向くようにセットしましょう。四方紅という名前は、紙の四方が紅色になっていることが由来になっています。これは四方を赤色で縁取ることで1年間天地四方の災いを払い、繁栄を祈るという意味があります。

ゆずり葉:親から子へ家が受け継がれるという意味

ゆずり葉とは鏡餅の飾りに使う植物のことで、家系が長く続くように祈る縁起物です。ゆずり葉は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちず、新しい芽が出ると世代交代をするように古い葉が落ちます。このことから世代を「譲る」葉で、「ゆずり葉」という呼び名になったようです。これが子孫繁栄や親から子へ代々受け継ぐという意味に繋がりました。ゆずり葉は裏白の上に重ねて乗せ、二枚ずつの葉が対になるように左右に向けて飾ります。

裏白:清廉潔白と夫婦円満の意味

裏白とは四方紅の上、鏡餅の下に飾るシダの葉のことです。葉の裏側が白いことから裏白と呼ばれています。裏白の葉の裏側が白いことは心に裏表がないことを象徴し、葉の付き方が左右対称なことは夫婦円満を象徴しているのです。裏白を飾るときはお餅の下、四方紅の上に飾り、葉の白いほうを上向きにして、対の裏白をできるだけ左右対称になるように飾りましょう。対の裏白を左右対称に飾ることも夫婦円満を祈る上で大切です。

昔ながらの鏡餅の食べ方

お雑煮にして食べる

鏡餅はお雑煮にして食べるのが王道です。毎年お正月にお雑煮を食べている家庭は多いのではないでしょうか。でも、お雑煮の具や汁の味付けが、地域によって違うことを知っていますか?お餅の調理方法は東日本では焼くことが多く、西日本では茹でることが多いようです。また、お雑煮の汁はすまし汁が一般的ですが、味噌を使ったり小豆の汁を使うところもあります。保育園で子供たちに振る舞う機会があれば、その地域の食べ慣れたお雑煮を出しても良いですが、あえて普段と違うお雑煮を食べるのも、楽しい体験になりそうですね。

お汁粉にして食べる

鏡餅をお汁粉にして食べるのもメジャーな食べ方の一つです。甘いあんこの味と温かさが寒い冬にぴったりですよね。そんなお汁粉にまつわる豆知識ですが、関東地方では小豆を使った汁物全般をお汁粉と呼ぶようですが、関西地方ではお汁粉とぜんざいとを明確に区別しています。汁気が多いものはお汁粉、汁気がないものはぜんざいと呼ぶそうです。また、入っているお餅の違いで呼び方を区別することもあり、その場合は白玉団子が入っているものをぜんざい、お餅入りをお汁粉と呼ぶそうです。ちょっとした小ネタとして子供たちに紹介してみてくださいね。

まとめ

鏡餅を飾って日本の伝統文化に親しもう

鏡餅は飾り付けから鏡開きまで長期間楽しめるのが良いところ。保育園に鏡餅を飾ることで、自分の家では鏡餅の文化に触れる機会が少ない子供もお正月の行事を体験することができます。子供たちが幼いうちに日本の古くからの文化に触れることには、大きな意味があります。それぞれ違う環境で育っている子供たちが同じ体験をできるように、さまざまなイベントを開くことは、保育園の大きな役割の一つです。

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