放デイで働く心理指導担当職員とは?【専門的支援加算・業務内容・資格など】

みなさんは放課後等デイサービスで働く心理指導担当職員という職種をご存知でしょうか。心理指導担当職員は心理的な領域の専門知識を用いて障害を持つ子供たちに対して支援や助言、指導を行う職種のことですね。現在多くの方が心理指導担当職員として働いていて、ニーズが高まっています。今回はそんな放課後等デイサービスで働く心理指導担当職員について紹介していきます。業務内容や求人、役割などについても触れるので、興味がある方はぜひチェックしてみてくださいね。

放課後等デイサービスとは

障がいのある就学児童が療育を受けることができる施設のこと

放課後等デイサービスは、支援を必要とする障がいを抱えた就学児童が放課後や長期休暇中に利用できる福祉サービスです。放課後等デイサービスは放デイと略されて呼ばれることも多いですね。もともとは未就学か就学中かを問わない福祉サービスでしたが、児童福祉法の改正によって6歳から18歳の就学児童を対象としたものになりました。対象は、障害者手帳や療育手帳などの手帳を所持している児童や、発達に関して医師から診断書を出された児童に限ります。厚生労働省の「放課後等デイサービスガイドライン」によると、放デイではさまざまな活動を組み合わせた支援計画を立てています。これによって、子供たち一人ひとりの特性に合った支援の提供が可能となっているようですね。(参考:放課後等デイサービスガイドライン)

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放課後等デイサービスで働く心理指導担当職員とは?

障害を抱える子供たちに対して心理的な指導を行う専門家のこと

心理指導担当職員は、心理的な領域の専門知識を用いて障害を抱える子供たちに指導や助言を行う職業のことです。子供たちが生活していく上での課題や悩みを改善するためにアドバイスをします。心理指導担当職員は非常に多くのコミュニケーションをとり、子供たちへのアドバイスに生かしていますね。心理指導担当職員は放課後等デイサービスなどの施設では常に求められている職種で、これ以降の段落でも紹介しますが働く人の数もニーズも増えている状態です。

放課後等デイサービスの実情

利用者数が急増している

厚生労働省の資料によると放課後等デイサービスは事業所数、利用者数ともに毎年増加しています。放課後等デイサービスの1月平均利用者数は平成24年度から令和2年で53,390人から274,414人まで増加していて、増加幅も極めて大きい状態です。(参考:厚生労働省「児童発達支援・放課後等デイサービスの現状等について」)
多くの民間の事業者も放課後等デイサービスの市場に参入した影響もあり、事業所の数も増えていますね。必要な時に利用できるように広く普及しつつあるというのは、良いことであると言えるでしょう。「放課後等デイサービスガイドライン」をはじめとする、施設内の療育の質を向上させるための取り組みも行われています。

心理指導担当職員のニーズの理由

専門的支援加算

令和3年度から専門的支援加算という制度がはじまり、これが心理指導担当職員のニーズにつながっていると言えるでしょう。専門的支援加算は放課後等デイサービスや児童発達支援施設において、専門的な資格を持った人員を配置すると評価が上がるというものです。基本的な人員配置に加えて、専門的な人員を配置することで、より高水準のサービスを提供しようというものですね。専門的支援加算を取得している事業所は、利用者に対して安心感を与え、より多くの利用者を集めることにも繋がります。この専門的な資格を持った人員の配置のために、心理の分野を専門とする人材を心理的指導担当職員として採用しようとしているわけですね。

療育の質の向上

近年は放課後等デイサービスをはじめとする福祉施設心理指導担当職員の配置数も増えています。というのも、事業所数が増えて、放課後等デイサービスを利用しやすくなった反面、事業所によって療育内容やサービスの質に差異があるという状態が問題視されていました。「放課後等デイサービスガイドライン」をはじめとする取り組みの影響から、提供する療育の質を向上させるために心理指導担当職員を多く採用しようという動きが活発になっていますね。

心理指導担当職員の業務内容は?

情報収集と状態把握

放課後等デイサービスでは、子供たちそれぞれに合わせた療育を提供しています。ですから、子供が抱える障害の特性を見極めることが、心理指導担当職員の業務の一つとなるでしょう。心理指導担当職員は子供とコミュニケーションを取ることはもちろん、一緒に遊ぶことで新たな一面を引き出したりしています。加えて、子供の周囲の環境や課題点などを保護者にヒアリングして聞き出すこともあるでしょう。さまざまな方法を用いて詳細な情報を収集して、一人ひとりに合った療育計画を立てていきます。

子供に対する支援やトレーニング

実際に子供たちとコミュニケーションをとったり、支援やトレーニングの業務を担ったりするのが心理指導担当職員です。これは放課後等デイサービスの本分とも言える部分でしょう。支援のアプローチはさまざまで、多くの種類のトレーニングがあります。子供たちとコミュニケーションを取る中で、安心感を与え、信頼関係を築くことによって、より高水準の支援を提供できるように努めていますね。発達を促し、子供たちが将来、社会で生活していけるようにトレーニングを行なっています。この子供に対する支援やトレーニングが、心理指導担当職員の本分と言えるでしょう。

保護者とのコミュニケーション

心理指導担当職員が支援や相談を担当するのは障害を抱える子供たちだけではなく、保護者も対象となっています。思うように子供たちが周囲と馴染めなかったり、課題を抱えていたりすると、その様子を見ている保護者も不安に思うことでしょう。子供の周囲にいる保護者の心が安定していないと、子供にもその不安が伝わってしまいます。保護者の方とコミュニケーションを取り、安心できるように勤めることも心理指導担当職員の業務の一つと言えますね。

他の機関との連携

放課後等デイサービスは、小学校をはじめとする地域の関係機関との連携も行っています。子供やその周囲の環境などの情報を共有することで、放デイと関係機関の双方で、より高水準の支援を行うこともできるでしょう。心理系の専門家でなければ、子供が抱える課題や、対応する上での注意点を正しく理解できないというケースもあるでしょう。そういった情報を伝えたり、アドバイスすることで、子供たちが療育施設外でも安心して過ごせる環境を整えることにつながります。

心理指導担当職員が担う役割は?

子供たちの自己肯定感を高める

放課後等デイサービスでは、子供たちに療育を提供しています。療育の中には多くのトレーニングが含まれており、子供たちが成功体験を得られるように計画されています。子供たちは、トレーニングを受けながら徐々に成功体験を得て、自信や自己肯定感を膨らませていくことになりますね。ですから、子供たちの自己肯定感が高まるような環境づくりが心理指導担当職員の担う役割の一つと言えるでしょう。子供たちの得意なことをトレーニングに組み込んだり、成功した際にしっかりと褒めることを意識したりといった工夫が重要ですね。

メンタルケアを行う

心理指導担当職員は、心に不安を抱えている子供たちに対して支援や助言を与えることがメインの仕事です。ただし、それに加えて子供たち、ひいてはその保護者のメンタルケアも心理指導担当職員が担う大きな役割の一つと言えます。放課後等デイサービスに通う子供やその保護者が心に不安を抱えているというケースは非常に多いでしょう。放課後等デイサービスを訪れる人々のメンタルケアを行うことは、心理指導担当職員にとって非常に重要な役割と言えますね。

放デイの心理指導担当職員になるための条件は?

公認心理士などの資格を所有する者に限定されていない

放課後等デイサービスで心理指導担当職員として働くために必要な資格や満たさなければならない条件はありません。この心理指導担当職員という仕事に興味を持つ方にとってはチャレンジしやすい環境ですね。心理担当指導職員に関わる資格として、公認心理士などいくつかの資格がありますがこれらの資格の取得は容易とは言えません。ただし、上でも述べた専門的支援加算の関係で資格所有者を求めている施設も多くあるので、求人の選択肢が少なくなってしまうでしょう。持っていると有益な資格も紹介するのでぜひチェックしてくださいね。

心理指導担当職員として働く上で有効な資格

公認心理師

公認心理師は日本の心理系の資格の中で唯一の国家資格です。心理的に問題を抱える人に対して心理学の専門知識を用いて助言や指導を行うための資格ですね。公認心理師の資格を得るためには、受験資格を満たすことと公認心理師試験に合格することが必要です。受験資格の取得方法は、さまざまなルートが定められています。興味ある方は、厚生労働省の「公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ」をチェックしてみてくださいね。より専門的な知識を得て、資格を取得することで心理系の仕事をする上でのステップアップにもつながっていくでしょう。

臨床心理士

臨床心理士の資格も非常に有益な資格と言えるでしょう。心の問題に取り組む心理専門職の証となり、日本臨床心理士資格認定協会が認定している民間資格ですね。公認心理師という国家資格ができる前から、長い間信頼性が高いとされてきたのがこの臨床心理士の資格です。受験資格を満たすことと資格審査を通過することが資格の取得方法ですね。臨床心理士の受験資格は、指定大学院の修了や、医師免許の取得後に2年以上の心理臨床経験を持つことなどがあります。臨床心理士の資格は、特に高い専門性が特徴とされていますが、受験資格にも高い専門性が求められていることが分かりますね。

臨床発達心理士

臨床発達心理士も心理指導担当職員として働く上で有益な資格です。臨床発達心理士は、人が発達するに伴って抱える問題を、心理的な領域の専門知識を用いて支援する専門家であることを示す資格です。他の資格と異なる大きな特徴として、特に発達を専門としている点が挙げられるでしょう。乳児から、障害を持つ人、子育て中の保護者など幅広い人々を対象としていて、子供と接する放デイの心理指導担当職員として働く上でもぴったりの資格と言えますね。

まとめ

放デイで心理指導担当職員として働く選択肢を持とう

今回の記事はいかがだったでしょうか。放課後等デイサービスで働く心理指導担当職員という職業について紹介しました。心理指導担当職員の実情や業務内容、持っていると嬉しい資格など、幅広く触れました。放課後等デイサービスを利用する子供も増え、需要も高まっているので、やりがいを感じることができる仕事と言えるでしょう。特に心理系の知識や資格を持っている方は、ぜひ心理担当指導職員を選択肢の一つとしてみてくださいね。

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