放任主義の育て方とは?【ネグレクト・過保護・メリット・デメリット・愛情不足】

放任主義と聞くと皆さんはどんなイメージを持ちますか。放任主義で育つというと子どもをほったらかしにしてしまう育て方ではないかといったマイナスなイメージを持っている方も少なくないでしょう。しかし、放任主義でうまく育てることで子どもがのびのびと自由に成長することができるかもしれないのです。では、放任主義とは一体どのような育て方なのでしょうか。また、勘違いされやすいネグレクトとの違いはなんなのでしょうか。今回は、放任主義についてまとめてみました。子どもの育て方に悩んでいる保護者の方は必見ですよ!

放任主義の意味とは

子どもを適度に自由奔放にさせること

放任主義とは、子どもがやりたいことを自由奔放にさせる教育方針のことです。しかし、自由にさせすぎることはよくありません。社会のルールをある程度守らせて社会性や協調性を育てることも保護者はしなければならないのです。また、放任主義にしたからとして子どもが何かやったことは保護者の方が責任を取らなければいけません。放任主義を成功させるポイントとしては自由にさせながらも子どもへの愛情は絶対に忘れず、無関心になりすぎないように接してみましょう。

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放任主義のねらい

自主性を育てる

自主性とは、自ら考えて色んなことに取り組むことを言います。放任主義で自主性がある子どもに育つと、保護者の方が指示する前に子どもが自分から物事を取り組んでしようとします。自主性が育つことで、子どもが自分から色んなことをやってみようと挑戦する意欲も起こりやすくなりますよ。子どもに任せることで一人でやり遂げる責任感も身につけることができます。

放任主義とネグレクトの違い

愛情があるかとないかの違い

放任主義とネグレクトと違いは、子どもに対しての愛情が有無に違いがあります。ネグレクトは、つまり育児放棄のこと。ネグレクトの具体的な内容としては、子どもに食事を与えないことや病気をしても病院に連れてかない、体や服が汚れてても見て見ぬ振りをするなどといったことです。一方で、放任主義は自主性を育てるために子どもを自由奔放にさせます。ネグレクトは、放任主義と比べて子どもに対する愛情が全くありませんよね。

放任主義のメリット

子どもが自分から行動するようになる

人間はは自分からやろうと思ったところに指示を出されると途端にやる気が出なくなるものです。しかし、放任主義で子ども達のペースでゆっくりやらせてあげることで子どもの自主性がぐんぐん育ちます。子どもの自主性が育つことで自分で身の回りのことをするようになります。さらに身の回りだけじゃなく、子どもが自分から色んなことをやってみようと挑戦する意欲も起こりやすくなるのです。子どもに任せることで一人でやり遂げる責任感も身につけることができます。

他の子の事を尊重できるようになる

放任主義を行うことで、子どもの心が成長し、他者の心を感じる子になることもあります。放任主義で自由に育った子どもは、相手の頼みごとに対して聞き入れやすくなり、他の子にも優しくすることができます。子どもは相手の気持ちのことを考えて行動することができるようになるでしょう。そのため、他の子に思いやりを持って接して困っていたら助けてあげようと自主的にするようになるのです。誰に対しても信頼関係が構築しやすくなりますよ。

自己肯定感が高くなる

自己肯定感とは、ありのままの自分を素直に受け入れられることができて、自分の価値観や存在を肯定できる感覚の事。自己肯定感を育てることで、自分に自信を持って活動することができるようになります。自己肯定感が高い事で他人の評価を気にせず、自分に自信を持って活動することができるようになります。自己肯定感を高める事は、交友関係や学力にも良い影響を及ぼします。自己肯定感が上がることで自分のダメな部分もきちんと受け入れて他人の事も許容できる人間に成長するのです。

個性が伸ばせる

個性とは、簡単に言うと子どもの性格から自然とにじみ出てくるもの。人には誰しも持って生まれた性格があります。放任主義を行うことによって行動に制限を持たないことである程度子どもが自由に動けることから個性を伸ばすことができます。特に幼少期は子どもの人格や個性が育まれやすい時期であるので子どもの個性は大切にしたいですね。しかし、遺伝的に持って生まれた個性を変えることは難しいものです。中には、欠点だと思われる個性もあるかもしれません。ですが、欠点も含めて子どもの個性だと認めてあげることが大事になってきますよ。

自分に自信が持てる

放任主義により、子どもは自由に過ごすことで他人のことだけではなく自分の性格や考え方を受け入れられるようになります。幼少期は、自分と周りのお友達と比べて自分ができているかできてないかを判断してしまいがち。また、早生まれ遅生まれで発育の差を感じやすいのも幼い子どもの特徴の一つです。しかし、早くから自分らしさを理解することで他人と比較したり流されたりせずに自分の考え方や信念を貫き、自分に自信を持てるようになるかもしれませんね。

放任主義のデメリット

ほったらかしてると周囲に勘違いされる

放任主義の育て方は、子どものことをほったらかしていると周囲に勘違いされやすいです。ほったらかし育児やネグレクト、虐待をしているとも思われてしまい、冷ややかな目でみられがちです。子どもを虐待をしていると思われてしまうと最悪周囲の方に通報されてしまうこともあるかもしれません。ネグレクトだと勘違いされて通報されてしまうのはとても困りますよね。

子どもがストレスを感じる

子どもが放任主義によって自由にさせることでかえって親の愛情不足を感じて知らず知らずにストレスが溜まってるかもしれません。ストレスが溜まると病気になりやすくなったり、人間関係がうまくいかなかったりとストレスが溜まることはデメリットしかありません。怒りっぽくなったり、落ち込んだり、いつもと違う行動を取ったりといつもと様子が違うときは心に乱れがありストレスが溜まってる事もあります。放任主義は子どものストレスがかからない程度に行うようにしましょう。

子どもが周囲に馴染めなくなる可能性も

放任主義のやり方によっては子どもが周囲に馴染めなくなる可能性もあります。基本的な社会のルールを子どもに教えさせていなかったり、一般的な子どもよりも叱るべきときに叱る回数が少ないなどといったことが挙げられます。自由にさせるのが放任主義のやり方ですが、子どもがちゃんと社会のルールや周りに迷惑をかけないということを最低限守らせないといけません。子どもが周囲に馴染めなくなることはお友達が少なく、お友達とのコミュニケーションがうまくとれなくなってしまいますので気をつけるようにしましょう。

放任主義がうまくいくポイント

子どもが周囲に迷惑をかけないようにする

子どもが周囲に迷惑をかけないように最低限のルールは教えておいてから放任主義を行いましょう。子どもがルールを知らないまま放任主義をすることで、周囲の子どもたちに避けられたり、ハブられる原因になってしまうのです。最悪、お友達を怪我させてしまうこともあります。子どもがお友達に怪我をさせてしまうことは、保護者の方が責任を取らなくてはなりませんよね。家族全体でイメージが悪くなってしまうので自由にさせすぎず、最低限のルールは守られせるよう予めしつけを行うようにしましょう。

社会性や協調性を身につけさせる

放任主義によって子どもを自由にさせることは子どもがのびのびと育ってくれるようになるのでいいことです。しかし、小さい子たちは保育園で過ごす中でお友達とのトラブルがつきものです。社会性や協調性を身につけさせないと周囲とうまく馴染めなくなってしまうかもしれません。例えば、遊びで道具を使う時は一緒に遊ぶお友達と道具の貸し借りのルールを守り、楽しく遊ぶことが求められます。子どもの協調性が育つとやっていいことと悪いことの善悪も理解することができます。

他の子どもと比較しない

放任主義だと自分の育児に自信を持ってない時もあるかもしれません。そんな時、他の子どもや他の家庭の育児が気になる事もあるかもしれませんが、自分の育児には自信を持つようにしてくださいね。他の子どもと比べるのは、子どもが他人の評価を気にして常に他人の顔色を伺うようになり他人に依存してしまうのでやめましょう。他の子と比べるのではなくて比べる対象を過去の子ども自身に変更してマイペースに頑張る子を見守ってあげましょう。他の子との比較をしない方が、他人を卑下せずに尊重できて良好な人間関係が築ける子どもに育つのです。コミュニケーション能力の向上にも繋がりますよ。

適度に叱る

例え、放任主義で子どもを自由にさせていても叱るべきときは叱ることが大切です。叱るべきときに子どもを叱らないことでやっていいことと悪いことの区別がつかなくなってしまいます。叱るときは、感情に任せて叱らないように気をつけましょう。叱るときはやってはダメな事を子どもにわかってもらえるように叱るようにしてください。例えば、「◯◯したらダメだよね」「◯◯したら怪我してしまうよ」などその気持ちを伝えることを優先しましょう。子どもが簡単に伝わる言い方で伝えてあげましょう。

子どもが誤った行動をとったときは考える時間を設ける

子どもが誤った行動をとったとき、叱ることも大事ですが子ども自身で考えて次に活かすようにすることも大事なのです。何がダメだったのか、どうしてやってしまったのかをきちんと子どもが考える時間を設けさせましょう。保護者の方が叱ることで答えを出してあげるだけではなく放任主義では、自分で答えに導かせて、どうしたらよかったのかを振り返る時間を設けましょう。子どもが自分で考えることで、次に同じ過ちをするのを未然に防ぐことができますよ。

まとめ

放任主義はやり過ぎないように気をつけよう

今回は、放任主義について詳しくまとめてみました。いかがでしたでしょうか。放任主義は、子どもに自由にいろんなことをやらせて自主性を育てる育て方です。しかし、放任主義はやりすぎないようにしましょう。つまり、子どもを自由にさせすぎないことが大切です。最低限のルールは覚えさせたり、叱るべきところでは叱ることである程度自由にさせていても子どもが周囲と浮いたりすることを防ぐことができますよ。放任主義を成功させるポイントは、自由にさせながらも愛情を持って子どもに接することです。子どもへの愛情は絶対に忘れず、無関心になりすぎないように接してみましょう。

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