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本記事では、じゃんけん列車について解説していきます。じゃんけん列車は保育によく取り入れられる集団遊びとして有名ですが、「指導案の書き方がわからない…」「ルールをどうやって伝えたらいいのかわからない…」「アレンジルールについて知りたい」などと思われている方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、じゃんけん列車のルールや指導案の書き方、ルールをわかりやすく伝える方法やアレンジルール、遊ぶ際のポイントなどについて解説していきます。
じゃんけん列車とは?
じゃんけんをして負けた人が勝った人の後ろについて列を作っていくゲーム
じゃんけん列車とは、友達とじゃんけんをして、負けた人が勝った人の後ろについて列を作っていくゲームです。ルールは、じゃんけんに勝ち続けて最後に列の先頭にいた人が勝者になるというとてもシンプルなものです。用意する道具は特にないため、保育にも取り入れやすい手軽に遊べるゲームだといえるでしょう。じゃんけんの勝ち負けさえ理解していればできる遊びなので、じゃんけんを覚え始める3歳頃から楽しむことができます。
じゃんけん列車の指導案の書き方
ねらい
じゃんけん列車のねらいとしては、以下の3つが挙げられます。
- 友達や保育者とのかかわりを楽しむ
- 簡単なルールを理解して遊ぶ
- じゃんけんの勝敗を楽しむ
ねらいは担当するクラスの子どもたちの様子にあったものを設定するようにしましょう。例えば、友達との関わりを促したい場合は一番上のねらいが、ルールのある遊びに興味を持っている様子なのであれば真ん中のねらいが適しているでしょう。また、子どもたちの様子に加えて、月間計画や年間計画を参照してねらいを設定してみるのもいいかもしれませんね。
環境構成
じゃんけん列車は大人数であればあるほど楽しくなる遊びであるため、6~7人以上で遊ぶことを基準にしてみるといいでしょう。また、じゃんけん列車を行うときには、子どもの怪我防止のために環境をきちんと整えておくようにしましょう。例えば、
- 机や椅子は全てどける
- 広いスペースを確保して自由に動けるようにする
などを行うことで、子どもたちは気兼ねなく遊びを楽しむことができるようになるでしょう。
子どもの行動
じゃんけん列車を行う際に予測される子どもの行動としては、例えば以下のようなものが考えられます。
- 夢中になるあまり速く走ってしまう
- じゃんけんで後出しをしてしまう
走ってしまう子がいる場合には、例えば「脱線」というルールを設けて、駅に見立てた椅子で1回休みにするなどして対応するといいかもしれません。じゃんけんをする際にどちらが勝ちかでもめた場合には、じゃんけんをやり直すよう促すといいかもしれません。また、保育士さんがジャッジをするなどして仲介するといいでしょう。
保育士の援助
じゃんけん列車を円滑に進めるためにできる保育士さんの援助としては、以下が考えられます。
- あらかじめじゃんけんの練習をしておく
- 全員がじゃんけんできるよう調整する
じゃんけん列車では、じゃんけんをタイミングを合わせ行うことが難しい子もいるかもしれませんので、あらかじめじゃんけんの練習をしておくといいでしょう。また、じゃんけんをするときに上手くペアを見つけられなかった子がいる場合は、保育士さんも参加したり、ペアを見つけられなかった子同士でじゃんけんをさせたりするなどして全員が参加できるように促すことも重要です。
じゃんけん列車の遊び方・ルール
基本的なルール
じゃんけん列車の基本的なルールは以下の通りです。
- 室内で音楽をかけ、子どもたちは音楽が鳴りやむまで自由に歩き回る
- 音楽が止まったら近くにいる子とじゃんけんをする
- じゃんけんに負けた子は勝った子の後ろについて肩を持つ
- 1~3を繰り返し、最後まで列の先頭にいた子が勝ち
以上がじゃんけん列車の基本ルールとなります。最後まで先頭にいた子にはメダルをプレゼントしたり皆で拍手をしたりすると、その子も喜んでくれるでしょう。
じゃんけん列車のルールをわかりやすく伝える方法
導入を行うことでイメージしやすいようにする
導入を行い、子どもが遊びに対するイメージをつかみやすいようにしましょう。導入はねらいに合わせたものを行うようにします。例えば、友達や保育者とのかかわりを楽しむというねらいを設定した場合は、電車に関する絵本や映像などを見せるとよさそうです。そうすることで、「みんなでつながって一つの列を作るのがじゃんけん列車なんだ」というイメージを持てるようになるでしょう。簡単なルールを理解して遊ぶというねらいであれば、じゃんけんの練習やじゃんけんを使ったゲームを行い、じゃんけんの勝敗に基づいた遊びをできるようにしましょう。
お手本を見せる
お手本を見せることで、じゃんけん列車はどのような遊びなのかイメージをつかみやすいようにしましょう。皆の前で、保育士さん同士や保育士さんと子どもの1対1で実際にじゃんけん列車をやってみます。お手本を見せる際には、曲が鳴り終わったら近くの子とじゃんけんをすることや、じゃんけんに負けたら勝った子の後ろについて肩を持つことなど一つ一つ細かいルールを確認して理解してもらえるようにしましょう。
練習をしてみる
ルールを説明してお手本を見せたら、1度練習として実際に遊んでみるのがいいでしょう。練習では、皆がちゃんとじゃんけんのペアが作れているか、基本的なルールを理解できているかなどを確認します。ペアが作れなかった子や、ルールを理解できていない子がいる場合には適宜フォローします。また、練習の様子次第では追加でルールを設けてもいいかもしれません。例えば、じゃんけんに負けた子がただずっと後ろにつくだけで暇そうにしている場合には、数回ごとに切り離しや列の解散をOKにするルールを作ってもいいかもしれませんね。
じゃんけん列車のアレンジルール
切り離しOKにする
じゃんけん列車を続けていると、負けて後ろにつながっている人はずっとつながったままで退屈に感じられるかもしれません。そのような場合には、例えば最初の3回のじゃんけんでは通常通り負けた人が勝った人の後ろにつながり、4回目のじゃんけんで切り離しを行ってみてもいいかもしれませんね。切り離しでは、既存の列をバラバラにして最初からやり直すようにすれば皆のじゃんけんをする回数が増えてより楽しめるでしょう。何回目のじゃんけんで切り離しを行うのかをランダムにすると、よりワクワク感がでていいかもしれませんね。
じゃんけんできる相手に条件を付ける
じゃんけんできる相手に条件を付けてみても面白いかもしれません。条件としては、男の子や女の子、違うクラスの子などが考えられます。じゃんけんの相手に条件を付けると、条件に合った相手が見つからずに残ってしまう子が出てくることも考えられます。そのような場合には、ペアが見つからなかったらじゃんけんをしなくてもいいようにする、残った子同士でじゃんけんをするように促す、先生も参加するなどの対応を取るようにするといいでしょう。
変形じゃんけんを取り入れる
通常のじゃんけんに慣れてきたら、変形じゃんけんを取り入れてみても面白いでしょう。変形じゃんけんの種類としては、足じゃんけん(グー=足を閉じる、チョキ=足を前後に開く、パー=足を横に開く)や大阪じゃんけん(勝ち負けが逆になったじゃんけん)、動物じゃんけん(各々が動物の真似をして自分とは違う動物の友だちとじゃんけんをする)などが考えられます。足大阪じゃんけんなど、変形じゃんけん同士を組み合わせたじゃんけんを行ってみても面白いかもしれませんね。
じゃんけん列車ではどんな歌を流せばいい?
「じゃんけん列車」
「じゃんけん列車」の歌詞は以下の通りです。皆さん一度は聞いたことのあるメロディーなのではないでしょうか。子どもが歌詞を覚えたら、みんなで歌いながらじゃんけん列車を行ってみてもいいかもしれませんね。また、じゃんけんをするたびに歌のテンポをだんだんと早くすれば盛り上がるかもしれません。
ゴーゴーゴーゴーじゃんけん列車 ゴーゴーゴーゴーじゃんけん列車 ゴーゴーゴーゴーじゃんけん列車 今度の相手は君だ 最初はグー、じゃんけんぽん!
ゴーゴーゴーゴーじゃんけん列車
ゴーゴーゴーゴーじゃんけん列車
ゴーゴーゴーゴーじゃんけん列車
今度の相手は君だ
最初はグー、じゃんけんぽん!
「かもつれっしゃ」
「かもつれっしゃ」の歌詞は以下の通りです。テンポのいい曲調と「シュッシュッシュ」の部分が特徴的な歌です。「ガッチャン」の部分はみんなで一斉に言うことでかなり盛り上がる箇所ですね。この歌を歌いながら遊ぶことでじゃんけん列車をより盛り上げることができるでしょう。
かもつれっしゃ シュッシュッシュ いそげいそげ シュッシュッシュ 今度の駅で シュッシュッシュ 積もうよ荷物 ガッチャン じゃんけんぽん!
かもつれっしゃ シュッシュッシュ
いそげいそげ シュッシュッシュ
今度の駅で シュッシュッシュ
積もうよ荷物 ガッチャン
じゃんけんぽん!
———————————–
かもつれっしゃ シュッシュッシュ
いそげいそげ シュッシュッシュ
そっちへ行くぞ シュッシュッシュ
ゆずれよ線路 ガッチャン
じゃんけんぽん!
じゃんけん列車を行うときのポイント
安全に配慮する
じゃんけん列車を行う際には、安全に配慮するようにしましょう。じゃんけん列車は大人数で部屋中を動き回る遊びですので、安全対策を怠っていると子どもが人や物にぶつかってけがをしてしまう可能性が十分に考えられます。そのような事態を避けるために、走ったりよそ見をしないことを事前に約束しておく、机や椅子など障害物となるものは全てどけるなどの対策を取っておくようにしましょう。
じゃんけんできない人が出ないように工夫する
じゃんけんができない子を出さないようにすることも大切なポイントです。特に、全体の人数が奇数の場合には、一人余ってしまう子が必ず出てきます。そのような場合には、保育士さんもじゃんけんに参加する、3人でじゃんけんをするよう促すなどの対策を取りましょう。そうすることで、じゃんけんができずに疎外感を抱かせることを防ぐことができます。保育士さんは、じゃんけんをするごとに、ペアがちゃんと作れているか確認するといいでしょう。
負けた子どもも楽しめるように工夫する
じゃんけん列車を行っていると、負けた子はずっと列の後ろについたままで退屈するかもしれません。そのようなことを防ぐために、保育士さんが適宜「どっちの列が勝つかな~?」などと声かけをしたり、列を解散させる機会を設けてみてもいいでしょう。列が長くなってきたら、チームとしての一体感を出すために、皆でジャンケンポンというように促してみてもいいかもしれませんね。次の勝負も頑張ろうと子どもに思ってもらえるような声かけを行ったり、退屈させないためのルールを設けたりすることがじゃんけん列車を盛り上げるうえでとても大切です。
約束事を事前に説明する
子どもがけがをしたり喧嘩をしたりする事態を防ぐためにも、約束事を事前に説明しておくようにしましょう。子どもとしておくべき約束事としては、走り回らないことやよそ見をしないこと、無理に押したり引っ張ったりしないこと、後出しをしないことなどが挙げられます。その他にも予測される危険なことやトラブルはないかを想像して、それらを防ぐためのルールを考えるようにしましょう。
事前にじゃんけんの練習をしておく
遊ぶ際にじゃんけんで後出しをしてしまってトラブルになったり、勝ち負けが理解できなかったりする事態を防ぐためにも、事前にじゃんけんの練習をしておくようにしましょう。練習の際には、勝ったら立つ、負けたら座るなどの簡単なゲームを行うようにすると、楽しみながらじゃんけんを覚えることができるようになるでしょう。また、じゃんけん列車で遊ぶ際に勝ち負けの判定でもめた場合には、保育士さんが適切にフォローするようにしましょう。
まとめ
ルールをしっかり伝えたうえで子どもたちとじゃんけん列車を楽しもう
今回の記事はいかがだったでしょうか?本記事では、じゃんけん列車のルールや指導案の書き方、ルールをわかりやすく伝えるための方法や遊ぶ際のポイントなどについて解説してきました。じゃんけん列車で遊ぶ際に参考にしていただけると幸いです。じゃんけん列車には様々なアレンジルールや楽しむために工夫できることがあるので、子どもが楽しめるようにぜひ取り入れてみてください。また、けがやトラブルを避けるためにも、ルールや約束事をしっかり理解してもらったうえで遊ぶようにしましょう。
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