保育園で行うお泊り保育とは?【ねらい・事前準備・スケジュール・レク・お風呂】

保育園や幼稚園の一大イベントであるお泊り保育。子供たちにとっても先生にとっても、とても楽しみな行事でしょう。ただ、普段と違う生活に何をすれば良いのかわからない、どのような準備が必要なの?と不安や疑問のある保育士さんもいるのではないでしょうか。今回はお泊り保育のねらいや事前準備などについて詳しく解説し、さらにお泊り保育でのおすすめの活動を紹介します。夏にお泊り保育が控えているという保育士さんは、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

お泊り保育とは?

子供たちが親元を離れて一晩過ごすイベント

お泊り保育とは、子供たちが親元を離れ、保育園や幼稚園、他の宿泊施設などで一晩過ごすイベントです。多くの園では年長クラスの夏に一泊二日で行われています。普段は家族と行っている食事や入浴、睡眠といった一日の流れを保育士や園のお友達と行います。お泊り保育は子供たちや保護者、保育士など関わる人みんなにとって大きなイベント。ドキドキとワクワクが詰まった楽しい思い出にできると良いですね。

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お泊り保育のねらい

子供たちの自立を促すこと

お泊り保育には多くのねらいや目的がありますが、一つ目は、子供たちの自立を促すことです。食事や着替え、起床など、普段は大人がやってくれていたけれど、お泊り保育では自分自身でやらなくてはいけないことがあるでしょう。また、家では両親が自分のことだけを見てくれていますが、お泊り保育では保育士が一人の子供につきっきりでいることはできません。このような普段の生活とは異なる経験を通して、子供たちが自分自身でできることを増やしていきます。

仲間意識や協調性の向上

二つ目は、仲間意識や協調性の向上です。お泊り保育では、普段よりも長い時間を集団で過ごします。そのプログラムの中では、料理をしたり布団を敷いたり、グループでゲームに取り組んだりと、子供同士で協力しなければならない場面が多くあるでしょう。そのような場面を通して、友達を助けようとする仲間意識や他の人への気づかいをする協調性の向上が期待できます。他の人との生活を通して、周りを見て自分がすべき行動を取ることを学びます。

お泊り保育のための事前準備

活動内容を決める

子供たちみんなが安全に楽しめるお泊り保育にするためにも、先生たちの事前準備は欠かせません。まず始めに、お泊り保育で何をするのか、活動内容を決めましょう。過去の記録や反省事項を参考に何をするのか決め、時間配分をします。活動内容や時間が決まったら、役割分担もしておくことが必要です。当日、トラブルが起きても大丈夫なように、職員間での話し合い、情報共有は徹底しておきましょう。

お便りを作成する

次に、お便りの作成をします。お便りには、持ち物や当日のスケジュール、活動内容、緊急時の連絡方法や対応などを詳しく記載しましょう。また、お便りを配布する際、保護者へのアンケートも配布するのがおすすめです。保護者一人ひとりと話すのは時間がかかるため、何か不安なことがあれば、事前にアンケートで伝えてもらうと良いでしょう。保護者もアンケートであれば気軽に不安を伝えられるかもしれません。

保護者向けの説明会を行う

お便りの配布に加え、保護者向けの説明会を行う園もあるようです。説明会を開くことで、より詳しい説明をすることができるため、保護者は安心して子供たちをお泊り保育に送り出すことができるでしょう。また、子供たちがお泊り保育に参加することに対し、保護者によっては様々な不安を抱えます。そのため、疑問点をその場ですぐ先生に質問できることは、保護者の不安解消に繋がります。説明会を開く最大のメリットですね。

お泊り保育のスケジュール

1日目

お泊り保育のスケジュール例を紹介します。

        
~1日目~
15:00集合・点呼・体調チェック
15:15開会式
15:30自由保育
17:00夕食作り
18:00夕食
19:00夜の特別レクリエーション
20:00入浴・歯磨き・就寝準備
21:00就寝
お泊り保育1日目は午後から活動する園が多いようです。1日目は夕食や入浴など、やることが盛りだくさん。スケジュール通りに進行できるよう、子供たちへの事前導入を行っておくと良いでしょう。

2日目

       
~2日目~
6:00起床・身支度
6:30点呼・体調チェック・ラジオ体操
7:00朝食・歯磨き
8:00お散歩
9:00帰宅準備
9:15閉会式
9:30お迎え

2日目は午前中で終わることが多いようです。朝のお散歩は普段と同じルートでも少し違う景色に見えるかもしれません。しかし、道によっては通勤の車や自転車で交通量が多いことが考えられます。子供たちへ公共の道の危険さや交通ルールを十分に伝え、安全に配慮できるようにしましょう。

お泊り保育中に気を付けること

入浴中の事故に気を付ける

楽しいお泊り保育ですが、気を付けなければならないこともあります。一つ目は、入浴中の事故です。濡れた床で足を滑らせてしまい頭を打ち付けたり、お風呂で溺れてしまったり、様々な危険が考えられます。また、うまく頭を洗うことができない子もいるでしょう。事故やケガの防止、子供の入浴介助のためにも、少人数ごとの入浴をおすすめします。銭湯など公共の場所を利用する場合は周りへの配慮も必要。公共の場所の利用方法を事前に子供たちに伝えておきましょう。

アレルギーや持病への配慮

二つ目は、アレルギーや持病への配慮です。子供たちが夕食の調理をするのはお泊り保育の醍醐味ですが、食材のアレルギーには十分注意する必要があります。しかし、お友達と一緒に作ったものなのに一人だけ違うものを食べなければならないのは少し寂しいですよね。保育士や園にはこのような場面での工夫も求められます。もし、アレルギー症状や体調不良が出てしまったときの対処法や保護者への連絡方法は事前に考えておきましょう。

お泊り保育でできるおすすめのレクリエーション

スタンプラリー

ここからは、お泊り保育だからこそできるおすすめのレクリエーションを紹介します。一つ目は、スタンプラリーです。お泊り保育は他の年齢の子供たちがいないタイミングで行われるため、普段は他の子が使っていて自分たちが使うことのできないところまで行くことができます。そのことを利用し、園舎の中でスタンプラリーをしてみるのはいかがでしょうか。グループごとに園舎を回り、簡単なクイズやゲームに挑戦し、クリアできたらスタンプを押してもらいます。友達と協力してスタンプを集めることで、子供たちの協調性を養うことができます。

縁日

二つ目は、縁日です。夏に行われることが多いお泊り保育ならではのレクリエーションです。お面屋さんやわなげ、ヨーヨー釣り、金魚すくいなど、夏祭りらしい様々な屋台を用意してあげましょう。また、縁日の中で、おもちゃのお金を使うと、子供たちの社会経験となります。保育園で行う縁日については、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

料理

三つ目は料理です。子供たちで協力して夕食作りをしてみましょう。メニューはカレーやお味噌汁といった比較的簡単なものがおすすめです。普段あまりご飯を食べない子も、自分たちの手で作った特別感があることで、たくさん食べてくれるかもしれません。材料の下準備など、一から子供たちの手で行うのも良いですが、スケジュールや子供たちと先生の人数など、状況に合わせて活動内容を決めましょう。また、手の洗い方や野菜の扱い方など、衛生面には十分注意しましょう。朝食を作る際は十分な時間が取れないことが考えられるため、具材を挟むだけのサンドイッチなど、調理工程が簡単なものにすると良いでしょう。

夜の園舎探検

四つ目は、夜の園舎探検です。普段使っている園舎でも夜になると雰囲気が大きく変わり、子供たちはドキドキの体験をすることができます。ただし、懐中電灯などの明かりを持っていたとしても、暗いところを怖いと感じる子供もいるでしょう。そのような子供へ無理に参加させることはせず、別の活動ができるようにする必要があります。子供たちみんなが楽しめるような活動内容にしましょう。

花火

五つ目は、花火です。手持ち花火はもちろん、打ち上げ花火も良いでしょう。手持ち花火にする場合は子供たちの火の扱いには十分注意してください。また、お泊り保育で花火をする場合は、お泊り保育前の期間に花火の製作をして、お泊り保育への気分を高めるのも良いでしょう。花火の製作については以下の記事を参考にしてみてください。

お泊り保育にあたって保護者にお願いすること

子供と一緒に持ち物を準備してもらう

お泊り保育にあたって、園側から保護者にお願いすることがあります。一つ目は、子供と一緒に持ち物を準備してもらうことです。保護者が全て準備してしまうと、子供たちはどこに何が入っているのかわかりません。当日子供たちが困ることのないよう、子供と一緒に荷物の準備をしてもらいましょう。お泊り保育に必要な持ち物例は以下の通りです。

  • 帽子
  • 着替え
  • パジャマ
  • 下着
  • ハンカチ
  • ティッシュ
  • ビニール袋
  • 洗面用具
  • 歯ブラシ
  • タオル
  • 常備薬
  • エプロンと三角巾(活動に料理がある場合)
  • 健康調査票
  • お泊り保育のしおり

不安なことは事前に相談してもらう

二つ目は、不安なことは事前に相談してもらうことです。初めて保護者と離れて外泊をするという子供もいるでしょう。そのような状況は、子供たちだけでなく保護者も不安に思うことが多くあります。「まだおねしょをしてしまうが、オムツは恥ずかしい」「いつもと違う環境だと眠れない」など、保護者の不安を事前に聞き、何か対策できることはないか保護者と一緒に考えましょう。場合によっては個別の対応が必要なこともあります。

まとめ

子供たちが成長できるお泊り保育にしよう!

いかがでしたか?今回は、お泊り保育のスケジュールや注意すべきことなど、お泊り保育について詳しく解説し、お泊り保育でできるおすすめのレクリエーションも紹介しました。保育園生活において、一番の思い出になるかもしれないイベントのお泊り保育。しかし、事故やケガ、初めてのお泊りへの不安など、気を付けるべきことは多くあります。安全を守りながら、子供たちが大きく成長できる楽しいお泊り保育にできると良いですね。

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