保育で跳び箱を導入して小学校への準備をしよう!【ねらい・導入・指導法など】

跳び箱に対して、怖いという気持ちを持っていたり、苦手という子どもは実際に多いです。しかし、小学校に上がったら体育で跳び箱の時間があります。保育で跳び箱を行うことで小学校に上がる前に子どもの跳び箱への苦手意識をなくすことができるかもしれません。今回は、保育でできる跳び箱の導入や指導の仕方やねらいをご紹介します。保育士さんはもちろん、保護者の方もご家庭で子どもに跳び箱を教える際にも役立ちます。本記事を参考にして、子ども達がコツを掴んで跳び箱を安心して飛べるように指導しましょう!

跳び箱は何歳から?

大体3歳〜4歳から

跳び箱は、大体年少から年中頃から行います。3歳ごろから基本的な動きが少しずつできるようになってきます。日常生活の中で、体を使った動きが上手くできるようになってくる時期。また、自分からやりたいと自主性が生まれてくるのもこの頃です。跳び箱などの器具を使った運動は、自主性が生まれないとなかなか上達するのが難しいです。こういった理由から跳び箱は3歳から4歳から行うのが適正年齢とされています。

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保育で跳び箱を行うねらい

体力の向上

最近、コロナ禍で外に出ることが少なくなり子どもの体力低下に更に拍車がかかっています。保育でも子どもの体力作りを目的に様々な取り組みをすることが大事になってきます。保育で跳び箱を用いることで子どもは柔軟性や瞬発力、バランス力といった身体能力の向上が期待できるでしょう。身体能力の向上は子供の体力アップにもつながります。保育で運動習慣が身につくことによってご家庭でも運動するようになったら尚良いですね。

思考力や判断力を身につける

跳び箱に失敗してしまった時に、子どもはどうやったら跳び箱が飛べるようになるのかと考えて飛ぶことで子供の考える力。つまり、思考力を伸ばすことができます。保育士さんや周りの子どもが飛んでいる姿を観察して、飛び方を学び、実践することで状況判断力も身につけることができます。子供の考える時間を奪わないようにするためには、保育士さんがサポートをしすぎないようにしましょう。まずは自分で飛び方を考えるように促してみてはいかがでしょうか。

達成感を味わせる

子どもは跳び箱を飛べるようになることで達成感を得ます。子どもが跳び箱を飛べた時は、褒めてあげることで子どものやる気が上がります。その際、なるべくリアクションは大きめにとる、声は高めに意識するなどが重要。跳び箱を通して子どものやる気をあげて、達成感を味わうことが出来る機会を増やすことができますよ。人間は成功体験を積み重ねていくうちに自分に対して自信がついてくるものです。子どものうちに成功体験を沢山経験することによって自己肯定感や自尊心が高まる効果も期待できるでしょう。

諦めないでやり抜く力を身につける

子どもは失敗の中からさまざまなことを学びます。子どもは、跳び箱に失敗した時に失敗からどうしたら次は失敗しないだろうと考えます。そして、跳び箱がうまく飛べたときに子どもは達成感や失敗してもやり抜く力を身につけるのです。子どもがやり抜く力を遊びの中で自然と身につけることで、日常でも諦めずにやり抜くことができるかもしれませんね。また、子どもができた時は保育士さんがすぐに褒めてあげると更に子どものやる気が出るかもしれません。

自立心が芽生える

跳び箱を自分一人の力でできるようになることで、子どもは跳び箱に対して自分からやりたい!と自立心が芽生えます。改訂版保育所保育指針・幼稚園教育要領でも幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿として自立心は定義されています。子どもの自我の芽生えは自主性や独立心の第一歩です。その芽を摘み取ってしまわないように過度に保育士さんは干渉をせず見守ってあげることが大事です。

小学校への準備ができる

跳び箱は、小学校の体育の授業でも行う運動の一つです。小学校の授業だと段の高さの目標が高くなり、もっと難易度が上がるでしょう。保育で跳び箱を取り入れ、小学校に上がる前に子どもが跳び箱に慣れることで小学校への準備ができますよ。小学校へ上がったときに、みんなができている中で自分だけできないと子どもは劣等感を感じてしまうかもしれません。小学校に上がる前に、子どもの跳び箱に対しての怖いという気持ちや苦手意識をできるだけなくしてあげたいですね。

子どもが跳び箱を飛べない理由は?

跳び箱が怖い

跳び箱が食べない最大の理由として跳び箱に対して怖いと感じてしまうことが挙げられます。跳び箱に対して恐怖感を持ったままだとなかなか上達するのも難しいです。跳び箱が上手くなるかは本人の努力次第。本人が努力できるかどうかはやはり子どもが跳び箱に対してやる気が出たり、好きになれるように促すことがカギです。どんなに練習をしても子どもが跳び箱に対して怖いという気持ちがあるままだと上手くなることは難しいのです。保育士さんは、子どもが跳び箱に対しての恐怖感が少しでもなくなるような指導を心がけたいですね。

跳び箱を保育でうまく導入するコツは?

まずは跳び箱に慣れさせる

まずは跳び箱に慣れさせましょう。跳び箱にまたがったり、座ってみたりといった簡単なことから始めてみましょう。最初は跳び箱の上にマットを敷いておくと、跳び箱が直接目に入らないため子どもの恐怖感が和らぐと思います。(マットが滑って落ちないように気をつけましょう)
また、跳び箱でできる遊びを考えて、遊びの中で自然と恐怖感をなくさせるのも良い方法ですね。

慣れたらいよいよ実際に飛んでみる

跳び箱に慣れたらいよいよ実際に飛ぶ練習開始です。跳び箱は助走→ジャンプ→着地という順番で飛びます。この3ステップのやり方を子ども達に丁寧に教えてあげましょう。丁寧に教えることで怪我の防止にもつながりますよ。まずは、低い段の高さから始めましょう。3歳から5歳までの子どもは最大5段を目安に頑張りましょう。運動神経がいい子どもは5段以上飛べる子もいるかもしれませんよ。

跳び箱が上達する指導法

できなくても怒らない

子どもが跳び箱ができなくても怒らないようにしてください。子どもの跳び箱に対してのモチベーションが下がってしまうためです。最初は誰しもできなくて当たり前。怒られるのが嫌だからやらないって気持ちになってしまうと跳び箱の時間が子どもにとって苦痛になってしまいます。子どものモチベーションが下がった状態で跳び箱をやっても確実に上手くなりません。子どもに対して怒らずに指導してあげるようにしましょう。

やる気が出るように促す

まだ小さい子たちは自分が興味を持たないとやる気を出すことが難しい年頃。この年頃の子達は、未知のことに対して興味津々に向き合います。子どもに跳び箱に対して興味を持たせるようにまずは促し、次にやる気を出させるような環境を整えてあげてください。先ほども書いたように、できなくても怒らないことはもちろんのこと。跳び箱の練習時間はなるべく一緒に見てあげたり、褒めてあげたりと子どものやる気が向上するように促してみてください。

怪我に気をつける

怪我をすることで、跳び箱を飛んだら怪我をするかもしれないと子どものやる気をさげてしまい、最悪トラウマを植え付けてしまう原因にもなりかねません。実際に跳び箱は組体操よりも危険と言われています。日本スポーツ振興センター(JSC)の調査によると、2015年度には跳び箱による事故は小学校だけで1万4887件起きています。怪我に関してはどれだけ気をつけても100%避けることは難しいでしょう。しかし、なるべく子どもに怪我をさせないように保育士さんは細心の注意を払うことが重要です。

参考:「跳び箱」は組体操より危険 事故件数「最多」でも安全対策進まず – J-castニュース

跳び箱について事前に説明しておく

前述でも書きましたが、怪我をしてしまうことで嫌いになってしまったりトラウマになってしまうこともなりかねません。そうならないためにも跳び箱について子ども達が事前にしっかり説明を受けることで怪我の予防に繋がります。しかし、ちゃんと説明をしたからって安心してはいけません。ちゃんと説明しても危ない使い方をする子どももいます。危ない使い方をしている子を見つけたら、もう一回きちんと指導するようにしましょう。言うことを聞かない子には少しきつい声かけをしてもいいかもしれません。

適度に休憩を入れる

ずっと跳び箱をしていても体力が消耗してしまい、上手くなりません。適度に休憩を設けましょう。跳び箱を飛び続けることで息が上がることだと思います。運動をしすぎて心拍数を過度にあげるのは体にも良くありません。また、夏場に跳び箱をする時は熱中症や脱水症状の危険性も上がりますので保育士さんは注意が必要です。水分補給の時間をしっかり取りましょう。どれだけ子どもにやる気があっても適度な休憩は大事です。保育士さんは子どもの健康状態を常に配慮をして、思いっきり跳び箱ができるように心掛けることが大切です。

保育士さんが見本を見せる

跳び箱がはじめての子どもも多いです。はじめてのことは子どもにとって未知の世界です。保育士さんがお手本を見せて、子どもたちみんなが上手な跳び箱の飛び方を理解できるように工夫しましょう。保育士さんの中でも跳び箱が苦手という方もいらっしゃるかもしれません。そんな時は、跳び箱が得意な保育士さんにお手本を頼んだり、自分も子ども達と一緒に跳び箱を練習して見本になれるようにしましょう。

自主性を重んじる

自主性とは、自ら考えて色んなことに取り組むことを言います。自主性がある子どもは、保育士さんが指示する前に自分から物事を取り組んでしようとします。保育士さんの跳び箱へのサポートもやりすぎは厳禁。
保育士さんがサポートをしすぎてしまうとかえって子供のやる気が削がれてしまうことがあります。子どもの自主性が抑制されてしまうことがあるので避けたいですね。子どもがどんどん跳び箱へのやる気をだして上達するには子供の自主性を重んじてあげることが大事です。

まとめ

跳び箱への苦手意識をなくしてあげよう

今回は、保育でできる跳び箱の上達方法について解説しました。子どもが跳び箱を上達するには、元々の運動能力にも起因しますが、なにより保育士さんの教え方も重要になってきます。また、小学校では体育の授業で跳び箱が必須です。小学校に上がる前に苦手意識をなくしたり、上達することによって小学校でも問題なく跳び箱に取り組めるでしょう。上達することも大事ですがなによりも子供達が楽しく跳び箱に取り組めることが大事です。怪我に注意して子どもたちが跳び箱を楽しくなるような指導を心掛けたいですね!本記事で、子どもの跳び箱への苦手意識が少しでもなくなるお手伝いできたら嬉しいです。

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