赤ちゃんのうつぶせ寝を防止する対策とは?【直し方・寝返り・顔の形・練習】

仰向けで寝かしつけても気づくとうつぶせ寝になっていたり、どうしても仰向けで寝付けずに泣いてしまう赤ちゃんに悩んだことはありませんか?このような状況で「うつぶせ寝を直すべきか」と悩まれた方もいるでしょう。この記事では、赤ちゃんがうつぶせ寝になる原因や、それを防ぐための具体的な対策について詳しく紹介します。乳児の寝方に関心がある保育士さんや、うつぶせ寝を防ぐ方法を知りたい保護者の方々は、ぜひご一読ください。

赤ちゃんがうつぶせ寝になる原因は?

寝返り

赤ちゃんがうつぶせ寝をする原因の1つに、寝返りが挙げられます。赤ちゃんは、より落ち着きやすい姿勢になるために寝返りをします。しかし、寝返りがうまくできない時期の赤ちゃんは、うつぶせ寝になったまま仰向けに戻れなくなってしまうことが多い傾向です。仰向けに戻れないことにより、結果的に窒息してしまう可能性があるのです。赤ちゃんが寝返りをしなくても快適に眠れる環境を作ることで、うつぶせ寝の防止になりますよ。まずは、室温や服装が適切かどうか見直してみましょう。

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寝返りはいつから始まる?

生後2ヶ月を過ぎた頃から

個人差はありますが、生後2ヶ月頃から赤ちゃんは寝返りを始めることがあります。その前兆として、手足をバタバタと動かし始めることが挙げられます。例えば、赤ちゃんがベッドの上で手足を元気に動かし、徐々に横向きの姿勢を取るようになると、寝返りが近いサインです。手足の筋力が発達すると、次第に体全体を動かせるようになり、自然と寝返りをうつようになりますよ。赤ちゃんが眠っている間に、無意識に寝返りをしてうつぶせ寝になってしまうのを防ぐには、保護者が注意深く見守ることが大切です。もし赤ちゃんがうつぶせ寝になっているのを見つけたら、静かに仰向けに戻してあげましょう。また、赤ちゃんが起きているときも、おもちゃに興味を示して目で追ううちにうつぶせになることがあるので、常に目を離さず見守ることが必要です。

赤ちゃんのうつぶせ寝にメリットはある?

消化を助けることがある

1988年~1990年頃、うつぶせ寝がブームとなったことがありました。その理由は、うつぶせ寝が赤ちゃんの消化を助けると言われていたからです。赤ちゃんが仰向けで寝ると、胃の中のものを吐き出してしまうことがあります。これは、赤ちゃんの胃の構造が未発達なため、胃の中のものが逆流しやすいことが原因です。この吐き出しが、うつぶせ寝によって軽減すると言われています。しかし、現状はうつぶせ寝によるデメリットの方が多いです。吐き出しが心配だったとしても、うつぶせ寝は避けて仰向けで寝かせた方が安全と言えるでしょう。

頭の形が整いやすくなる

赤ちゃんがうつぶせ寝をすることで得られるメリットの一つとして、頭の形が整いやすくなるという点が挙げられます。仰向け寝が多い赤ちゃんの場合、後頭部に重みが集中し、後頭部の丸みが少なくなってしまう傾向があると言われています。しかし、うつぶせ寝をすることで、後頭部への圧力が分散され、丸みを保つことができるでしょう。ただし、頭の形を整えるために必ずしもうつぶせ寝をさせる必要はありません。具体的には、赤ちゃんを定期的に寝返りさせることで、自然と頭の形を整えることが可能です。また、赤ちゃんが起きている時に腹ばいの時間を取り入れることで、頭の形の改善にもつながりますよ。

赤ちゃんのうつぶせ寝のリスクとは?

SIDSのリスクが高まる

うつぶせ寝にはいくつかのリスクが伴いますが、特に注意すべきなのが乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まる点です。SIDSとは、健康そうに見えた赤ちゃんが何の予兆もなく突然亡くなってしまう病気であり、具体的な発症原因はまだ解明されていません。しかし、研究によれば、赤ちゃんをうつぶせで寝かせることでSIDSのリスクが高まることが確認されています。例えば、うつぶせ寝中に顔が布団に埋まり、呼吸がしづらくなるといった状況が、リスク要因の一つとされています。赤ちゃんの安全を第一に考えるためにも、うつぶせ寝は避け、仰向けで寝かせましょう。特に赤ちゃんが寝返りを始める時期は、注意深く見守ることが大切ですよ。

窒息する危険性がある

うつぶせ寝をすることにより、マットレスや布団に顔が埋まり、鼻や口が塞がれて窒息する危険性があります。リスクを減らすためには、硬めのマットレスを選び、シーツをしっかりと張ってたるみがないようにすることが重要です。例えば、赤ちゃんが眠る場所にはぴったりサイズの寝具を使用し、シーツが余らないようにしましょう。また、赤ちゃんが着る服も注意が必要ですよ。サイズが大きすぎたり、たるみがあるデザインの服は避けてくださいね。うつぶせ寝には窒息のリスクがあるだけでなく、下あごが後退することや噛み合わせのズレ、さらに顎関節症の原因になる可能性もありますので、十分に気を付けましょう。

赤ちゃんのうつぶせ寝を防ぐ対策とは?

寝返り予防になる工夫をする

うつぶせ寝を防ぐためには、寝返りを予防する工夫が有効です。例えば、赤ちゃんの体の両脇にクッションを置くと、寝返りしづらくなります。このようにクッションでサポートすることで、赤ちゃんが仰向けの姿勢を保ちやすくなり、うつぶせ寝を防ぐことができますよ。ただし、赤ちゃんの顔の近くにクッションを置かないようにしてください。なぜなら、顔の近くにクッションがあると、赤ちゃんが動いた際に窒息のリスクがあるからです。クッションは首よりも下に配置し、顔の周りには何も置かないようにしましょう。また、夜中に赤ちゃんが動いた際も、すぐに対応できるように見守ることが大切です。

見守りやすいベビーベッドを使う

ベビーベッドは、柵があることの他に高さもあり、赤ちゃんの様子を見守りやすい設計です。一方で、大人用のベッドには柵がなく、赤ちゃんが寝返りを打ってベッドから落下するリスクがあります。また、大人と同じベッドで赤ちゃんが寝ると、大人が無意識に赤ちゃんの上に覆いかぶさってしまったり、重い掛け布団が赤ちゃんにかかってしまったり、息苦しくなることがあります。例えば夜中に赤ちゃんが無意識に動いた場合でも、大人用のベッドでは、こうしたリスクが避けられません。そのため、赤ちゃんの寝床は大人と分け、うつぶせ寝やその他の危険な状況を早期に発見しやすいベビーベッドに寝かせた方が安全と言えます。

寝るときは背中が暑くならないようにする

赤ちゃんがうつぶせ寝をする原因の一つとして、背中が暑くなることが考えられます。赤ちゃんが快適に過ごせるように厚着を避け、適切な温度管理をすることが大切です。例えば、冬の夜に高温で暖房をつけすぎたり夏に低温で冷房を強くかけすぎたりすると、赤ちゃんの体温調節が難しくなり、寝返りが増える可能性があります。具体的には、冬は20度から25度、夏は25度から28度程度の室温を保つと良いとされていますよ。赤ちゃんの体温に気を配り、服装や室温を適切に調整することで、快適な睡眠環境を作りましょう。

赤ちゃんのうつぶせ寝による窒息を防止するには?

腹這いの練習をする

うつぶせ寝による窒息のリスクを軽減するために、赤ちゃんが起きている時間を利用して、腹這いの練習をするのがおすすめです。練習を始める時期は、生後1ヶ月ごろからが良いでしょう。例えば、授乳後のご機嫌なときに、赤ちゃんをうつぶせにし、横を向かせて呼吸がしやすい姿勢を保つようにします。最初は10秒から30秒程度で始め、徐々に時間を延ばしていくと良いです。もし赤ちゃんが嫌がる場合は、無理をせずに、機嫌が良いタイミングで再度挑戦しましょう。こうした練習を毎日続けることで、赤ちゃんは次第に腹這いの状態で頭を上げられるようになり、うつぶせ寝のリスクを減らすことができます。

顔周りに物を置かない

赤ちゃんの顔の周りには、何も置かないように注意しましょう。例えば、赤ちゃんが寝ているベッドにぬいぐるみやクッションがあると、赤ちゃんが寝返りを打って横を向いた際に、鼻や口がふさがってしまう可能性があります。特に、顔が埋もれそうなアイテムは避け、顔の近くには一切物を置かないようにしましょう。また、赤ちゃんには窒息のリスクを減らすためにも枕は不要です。もし、吐き戻し防止のために頭の下にタオルを敷く場合は、タオルを平たく広げて使用し、厚みが出ないように工夫することが大切ですよ。

赤ちゃんが挟まる隙間を作らない

赤ちゃんが挟まってしまいそうな隙間を作らないようにしましょう。例えば、赤ちゃんが眠るベビーベッドの端に、顔が埋まってしまうような空間がないかを確認します。隙間がある場合は、硬いクッションや隙間用の収納ボックスで埋めるようにしてください。もし、隙間を埋めるアイテムとして柔らかいクッションを使用すると、赤ちゃんが窒息するリスクがあるため、必ず硬い素材のクッションや専用の隙間埋めアイテムを使用しましょう。また、赤ちゃんがベッドから落ちないように、柵を設けるなどの対策も重要ですよ。

うつぶせ寝が好きな赤ちゃんへの対応とは?

寝返りがスムーズにできる子なのか確認する

うつぶせ寝を好む赤ちゃんに対する適切な対応として1つ目に挙げられるのが、赤ちゃんが自分でスムーズに寝返りを打てるかどうかを確認することです。例えば、生後6ヶ月を過ぎた赤ちゃんが自力で寝返りをうてる場合は、うつぶせ寝を許容することも可能です。しかし、自力で寝返りができないうちにうつぶせ寝になってしまう場合には、仰向けに戻して寝かせることをおすすめします。赤ちゃんの安全を最優先に考え、注意深く対応するよう心がけましょう。

敷布団やマットレスは硬いものを選ぶ

うつぶせ寝を好む赤ちゃんに対する適切な対応として2つ目に挙げられるのが、敷布団やマットレスの硬さに注意を払うことです。赤ちゃんがうつぶせ寝で眠る際に、顔がマットレスや敷布団に押し付けられることがあります。このとき、マットレスが柔らかすぎると鼻や口が埋もれてしまい、窒息の危険が高まります。したがって、マットレスを選ぶ際には、赤ちゃんの体が沈み込まない適度な硬さのものを選ぶと良いでしょう。また、購入する際には、ベビーベッドのサイズに合ったものかどうかも確認してくださいね。安全な睡眠環境を整えるために、これらのポイントを押さえて敷布団やマットレスを選びましょう。

窒息の危険を排除したうえで見守る

うつぶせ寝を好む赤ちゃんに対する適切な対応として3つ目に挙げられるのが、窒息の危険を排除したうえで見守ることです。赤ちゃんの中には、うつぶせ寝の姿勢で安心する子や、うつぶせでないと眠れない子もいます。そのようなときは、まずは窒息のリスクを最小限に抑えた上で見守り、赤ちゃんが寝入ったら仰向けに戻してあげる方法があります。しかし、赤ちゃんが寝るまでずっと見守るのは難しい場合もありますよね。その際には、赤ちゃんを仰向けにした状態で優しくトントンと叩いてあげると、寝付きやすくなることがありますよ。さらに、赤ちゃんの安全を確保するために、赤ちゃんの姿勢や状況を常に監視するセンサーを導入するのも効果的です。これにより、危険な状態を素早く察知でき、安心して育児を行うことができるでしょう。

保育園で行う赤ちゃんのうつぶせ寝対策例

うつぶせ寝になっていないか10分おきに確認

保育園でのうつぶせ寝対策について、以下のポイントを参考にしてみてください。まず、保育士の皆さんは赤ちゃんがうつぶせ寝をしていないか、定期的に確認することが大切です。具体的には、赤ちゃんの姿勢を10分おきにチェックします。もし赤ちゃんがうつぶせ寝をしていた場合には、優しく仰向けに戻してあげるようにしましょう。さらに、厚生労働省の指導により、1歳になるまでは原則としてうつぶせ寝を避けるようにしています。たとえ赤ちゃんがうつぶせ寝で安心することがあっても、保育園ではこのガイドラインに従い、うつぶせ寝を避けることが必要ですよ。赤ちゃんの安全を確保するために常に気を配り、適切な寝姿勢を保つよう心がけましょう。

部屋を暗くしすぎない

保育園で赤ちゃんが昼寝をする際には、部屋の暗さに配慮することが大切です。例えば、部屋があまりにも暗いと、保育士が赤ちゃんの様子を確認しにくくなります。これにより、うつぶせ寝をしている子や何か異変がある子に、すぐに気づけない可能性があります。そのため、昼寝の時間は赤ちゃんの顔が見える程度の明るさを保つと良いでしょう。特に、生後1年未満の赤ちゃんには細心の注意を払い、部屋を少し明るめに保つことが重要です。一方で、3歳以上の子供たちはある程度の暗さでも問題ありません。年齢に応じて寝室を分けるなどし、それぞれの年齢に合った適切な暗さを確保することをお勧めします。

まとめ

うつぶせ寝の危険性を理解したうえで対応しよう

今回は、うつぶせ寝のリスクとその対策についてご紹介しました。うつぶせ寝は、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクや窒息の危険性を高める可能性があります。そのため、保育園ではうつぶせ寝をしないように注意することが大切ですよ。具体的には、寝具や寝る環境にも配慮が必要です。また、赤ちゃんがうつぶせになっていないか10分おきに確認し、もしうつぶせになっていたらすぐに仰向けに戻してあげましょう。この記事を参考にして、安全な睡眠環境を整えてくださいね!

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