慣らし保育とは?スケジュールや対処法を解説!【タイミング・育休・進め方】

皆さんは、慣らし保育の目的や慣らし保育終了の見極めのポイントなどを知っていますか?慣らし保育は子供が保育に慣れるためだけにあると思っている方は多いかもしれません。また、慣らし保育中に、なぜ子供が泣いているのか理由がわからないと思ったこともあるかもしれませんね。今回の記事では、慣らし保育の目的、慣らし保育中に子供が泣く理由などを紹介していきます。慣らし保育に不安や疑問がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

慣らし保育とは

本格的な保育が始まる前の時間の短い保育

慣らし保育とは、本格的な保育が始まる前に行う短時間の保育のことです。保育園に通うことになる子供たちが、長時間の集団保育に徐々に慣れていくための準備期間という目的で行われます。

保育所によっては、育児休業期間終了時を含め、新規に保育所に入所する児童については、集団生活への適応等を目的として、通常の保育の実施よりも時間を短縮して行う、いわゆる「ならし保育」が実施されている場合がある。

参考:厚生労働省「○育児休業期間終了時における保育所入所の弾力的取扱いについて」
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慣らし保育を始めるタイミング

育休中や仕事の復帰前

慣らし保育を始めるタイミングとしては、育休中や仕事の復帰前がおすすめです。慣らし保育は短時間から始めるため、午前中や1~2時間程度でお迎えに来てもらうことになります。また、子供の体調不良や保育園に慣れなかった場合は、スケジュールに遅れが生じるかもしれません。そのため、慣らし保育のスケジュールを組む際は、保護者としっかり相談しながら余裕をもって決めていきましょう。

慣らし保育の目的

子供たちが保育園に慣れる

慣らし保育の第一の目的は、子供たちが段階的に保育園での生活に慣れるためです。子供たちにとって保育園での生活は、未知との出会いの連続であり不安なものです。大好きな保護者から長時間離れて過ごすこと、保育士という保護者以外の大人と過ごすということなど、すべてが新しい経験ですよね。そのため、いきなり新しい環境で長時間過ごすということは、子供にとってかなりの負担になります。慣らし保育は、こうした子供たちの負担を減らすことが目的です。

保護者が子供と離れることに慣れる

慣らし保育の第二の目的は、保護者が子供と離れることに慣れるためです。子供たちと同じように、保護者も大切な我が子と長い時間離れて過ごすことに、最初はなかなか慣れません。自身の目の届かないところに我が子を預けることに不安を感じ、気がかりに思う保護者も多いでしょう。そのため、保護者が子供と離れることに徐々に慣れていくという目的も、慣らし保育にはあるのです。また、そうした心理的な側面だけでなく、保護者の生活リズムを保育園の時間に徐々に適応させていくためにも、慣らし保育は効果的ですよ。

保育士が新入園の子供と保護者に慣れる

慣らし保育期間があることによって、保育士も新入園の子供と保護者に慣れることができます。慣らし保育期間中は子供の様子や性格を把握しながら、保護者とのコミュニケーションを通して信頼関係を築いていくことが重要です。子供と保護者に信頼してもらうことで、慣らし保育期間が終了した後も、よりよい保育をすることができますよ。また、新入園の子供と早くから関わることで保育士にも心の余裕ができるので、新しい環境に不慣れな子供に対しても、落ち着いた保育が提供できます。

慣らし保育の期間とスケジュール例

1週間から2週間

慣らし保育の一般的な実施期間は、1週間から2週間ほどです。これはあくまでも目安の期間であり、各保育園の方針などによっても多少の違いはあるでしょう。中には数日間のみというケースもあります。ただし、子供たちの保育園での様子や慣れ次第で、期間を延長することもありますよ。新しい生活が始まってすぐの子供は体調を崩しやすい傾向です。そのため、慣らし保育をお休みする期間が出てくる場合もあります。子供たち一人ひとりに合わせて、保育園と保護者が相談し合いながら期間を決めていくのが良いでしょう。

1週間のスケジュール例

慣らし保育の具体的なスケジュール例について、最初の1週間をご紹介します。

       
何日目か 過ごす時間 ポイント
初日〜2日目9:00〜11:00昼食はなし
3,4日目 9:00〜11:30 昼食を食べるまで
5日目 9:00〜15:00 お昼寝まで
6日目 夕方まで お昼寝,遊びまで
7日目 通常保育 通常保育

ポイントとなるのは、

  • 昼食を始めるタイミング
  • お昼寝を始めるタイミング
  • いつから遊びを取り入れるか
  • 通常保育にいつ移行するか

といった点です。子供たちの様子を見ながら調整していくことになります。まず、午前までで終わりにするか、午後までにするかという視点で考えます。そのうえで保育内容をどうするか判断すると、日々の段取りが組みやすいですよ。

子供の様子と対処法

泣いてしまう

慣らし保育期間の初日は多くの子供が大泣きをします。子供が泣く理由は様々ですが、多くの理由としては保護者と離れて寂しいという感情からです。慣れない環境に保護者と離れて寂しくなるのは当たり前ですよね。子供が少しずつ新しい環境に慣れていくように、子供のペースに合わせて見守っていきましょう。お迎えのときに、保育中の子供の様子を保護者に伝え、子供と保護者へ安心感を与えることも大切です。少しずつ園に慣れていくことで、徐々に泣かなくなっていきますよ。

飲食をしない

慣らし保育期間中は、子供たちが給食やおやつをなかなか食べてくれないという課題も挙げられます。まずは子供が食べない原因を考えてみましょう。もしかしたら好き嫌いがあり、手をつけられないのかもしれません。そうした場合は、好きなものだけでもまずは食べるように勧めてみましょう。完食を目指さなくても大丈夫です。また、家庭以外の場所で食事をしたことがなく、園で食事をする行為に抵抗があるということも考えられます。こうした場合も、無理に食べさせようとするのは避けましょう。なぜなら、食事の時間自体を嫌いになってしまう可能性があるからです。保育士は、子供が食べてくれるまで辛抱強く待つ姿勢でいることが大切です。少しずつ食べられるように優しくサポートしつつ、もし食べることができたら、すごい!と褒めてあげましょう。また、子供の頑張りを子供の目の前で保護者に伝えてあげることも効果的ですよ。

お昼寝しない

慣らし保育期間中は、昼寝がなかなかできないという課題も挙げられます。子供たちを寝かしつける際に重要になってくるポイントは、いかに安心感を子供たちに与えられるかということです。 具体例としては、

  • トントンしてあげる
  • 添い寝をする
  • 音楽を聞かせる

といった方法が効果的です。また、室内の温度が眠る環境に適していないと寝苦しくなってしまうため、子供が眠りやすい適切な温度を保つことも大切です。家庭での生活リズムを保護者と共有しておくことも重要ですよ。

子供が泣く理由

保護者に置いて行かれたと思う

初めて保育園に預けられる子供は、保護者が自分を知らない場所に置いていってしまったと思い、泣いてしまうことが多くあります。そんな時は、「もうすぐママが迎えに来てくれるよ」と、子供が不安にならないように、保護者が迎えに来てくれることを何度も教えてあげましょう。保護者にも、子供と別れる際は心配そうな表情を見せずに、明るい笑顔で送り出してもらうよう協力してもらいましょう。

慣れない環境に戸惑っている

生まれてからほとんどの時間を家庭で過ごしていた子供が、急に同世代の子供がたくさんいる環境に置かれると戸惑って泣いてしまう場合があります。また、知らない保育士に対して怖いと感じ、泣いてしまう可能性もありますよ。そんなときは、子供同士が仲良く遊べるように保育士が工夫をして、徐々に新しい環境に慣れてもらうようにしましょう。また、保育士を怖がっている子供に対しては、穏やかな言葉と表情で話しかけて、子供に安心感を与えられるようにしていきましょう。

体調不良

子供が泣いているときには、ただ不安で泣いているんだと決めつけるのは良くありません。体調不良やどこか不快に思うところがないか確認してあげることが大切です。例えば、オムツが濡れていることによる不快感や、空腹や寝不足などで泣いている場合もありますよ。そんなときは、定期的にオムツが濡れていないかチェックしてあげましょう。また、保護者に子供の体調や気をつけておくべきことを事前に聞いておくことも重要です。

慣らし保育終了の見極めポイント

1日中泣かずに過ごせる

園の環境に慣れてくると、1日中泣かずに過ごせるようになります。登園時に激しく泣いても、保護者の姿が見えなくなると泣き止み、気持ちを切り替えられるようになります。このような気持ちの切り替えができるようになるまでは、抱っこしたり落ち着くまで声掛けをするようにしましょう。子供が泣き止むのが早くなってきたら、園の生活に慣れてきた兆しです。保護者にも、園での子供の様子を細かく伝えて安心してもらえるようにしましょう。

飲食ができる

慣らし保育が始まった当初は不安や緊張からおやつやミルクを嫌がり、食べてくれない場合が多々あります。しかし、園の環境に慣れてくると、徐々に飲食の量が増えていきますよ。そのため、飲食の量で慣らし保育に慣れてきたかどうかがわかります。もし、たくさん飲食できたときは、子供をいっぱい褒めてあげてくださいね。また、完全母乳で育ってきた乳児の場合は、哺乳瓶を嫌がることがあります。子供の様子を保護者と共有しながら、少しずつでも飲んでもらえるように工夫していきましょう。

お昼寝ができる

お昼寝ができるようになれば、子供が新しい園での生活に慣れたということがわかります。お昼寝はリラックスできる環境でないと、寝付くことが難しいです。お昼寝の時間に自然と入眠できるようになれば、保育園はリラックスでき、安心できる場所だと認識しているということですよ。もし、なかなか眠れない場合は保護者に家庭での入眠方法を聞き、子供が眠りやすくなるような環境を作っていきましょう。

お気に入りの保育士がいる

子供にとってお気に入りの保育士がいるということは、園での生活に慣れて保育士との信頼関係も築けているということです。お気に入りの保育士がいることで、子供は保育園に行くことが楽しみになりますよ。そして、徐々にほかの保育士とも積極的に関わっていけるようにしましょう。その際に子供が甘えてきたら、抱っこやスキンシップで応じて信頼関係を築いていくことが大切です。また保護者にとっても、子供が信頼しているお気に入りの保育士が園にいるということは、とても心強く安心感につながるでしょう。

まとめ

慣らし保育中は子供が安心できるように丁寧に接しよう

いかがでしたか。慣らし保育は子供はもちろん、保護者や保育士が保育や新しい環境に慣れることが目的で行われます。本格的に保育園に入園する前に慣らし保育期間を設けることで、新しい環境に対する不安を和らげることができますよ。慣らし保育の始めたては、不安や戸惑いから泣き出してしまう子供も多くいます。この記事で紹介した子供が泣く理由例や対策方法を参考にして、ぜひ今後の保育に活用してみてくださいね!

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/