保育園で水遊びをするときの注意点とは?【ポイント・準備・年齢別・アイデア】

暑い夏の保育には水遊びがぴったり!水遊びは涼しいだけでなく、子供たちの情操教育にも適しています。しかし、水遊びは楽しい反面、しっかり準備をしないと事故につながってしまう危険があります。この記事では、水遊びの前後にするべきことや注意点、子供たちの年齢ごとの水遊びのポイントなどを紹介します。危険が少ない水遊びのアイデアも紹介しますので、水遊びを計画している保育士さんは是非参考にしてみてくださいね!

保育園で水遊びをするときの注意点は?

水の温度は30度前後に設定する

保育園で水遊びをするときは、水の温度を30度前後に設定しましょう。令和3年度小規模プール衛生管理資料によれば、遊泳に適するプールの水温は26~31度(室内プールは29~31度)と、乳幼児は高めの水温を推奨されています。外が暑いからと水温を低くしすぎると、どんなデメリットがあるのでしょうか?実は、水温が低すぎると低体温症になる恐れがあるのです。自治体によっては水温+気温が45度以上でないと、プール開きができないという基準を設けているところもありますよ。

熱中症防止のため日陰で行う

冷たいプールで水遊びをしていても、上から直射日光が降り注ぐ場所では熱中症の恐れが十分にあります。特に子供は、大人と比べて汗をかく機能の発達が十分でないため、熱中症のリスクが高い傾向にあります。屋外で水遊びをするときは、熱中症予防の観点から日陰にプールを設置しましょう。パラソルなどを使えば、どこでも日陰を作ることができますよ。水遊び中も日陰を作り、子供たちが熱中症にならないように対策しましょう。

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保育園で水遊びをする前にやっておくべき安全対策

事故防止マニュアルの作成

保育園で水遊びをする前に、事故防止マニュアルや水遊びの時のチェックリストを作成しましょう。やらなければいけないこと、注意すべき点を保育士全員が共有することは事故防止のために必須です。マニュアルやチェックリストを作るときには、次のように項目を分けて注意事項を考えていくとよいでしょう。

・子供たちに関して注意すること
・保育士が注意すること
・プールや道具について注意すること
・保護者にお願いしなければならないこと

使用器具の安全点検

水遊びの前には、使用器具の安全点検をしましょう。使用器具の安全点検の際に、特に気を付けたいポイントを紹介します。まずは、プールサイドに滑り止めマットを敷いているかを確認することです。マットがないと水で滑って転倒することが考えられるので、よく確認しましょう。水遊び中にもマットがめくれていないか確認してくださいね。次に、水遊びで使うプールに穴があいていたり、汚れがないかチェックしましょう。また、水遊び後のプールはなるべく早く水を抜いてください。なぜなら子供たちが勝手にプールに入ってしまった場合、事故のもとになるからです。そして、安全点検の際には、注意する点を職員同士で必ず共有することが大切ですよ。

水質検査

プールの用意ができたら、水質検査を行います。水質検査を行うときのポイントは、目視で水に汚れが浮いていないかどうか調べることと、プールの水やプール自体を塩素消毒することです。令和3年度小規模プール衛生管理資料によると、遊離残留塩素濃度は0.4 ㎎/L から1.0 ㎎/L が望ましいとされています。保育園では、条例に定められた基準を満たさなければいけないわけではありませんが、安心できる衛生面を第一に考え、条例に準じた水質管理を行いましょう。

保育園で水遊びをする前にやること

子供たちに守ってもらうルール決め

水遊びをするにあたって、子供たちに守ってもらうルールを決めましょう。子供たちが水遊びをするねらいは、水に親しむことと、社会性を身につけることです。プールに入る前にはシャワーを浴びたり、おもちゃを使う前には順番待ちをしたり、プールのそばでは走らないようにしたりと、水遊びの際は何かしらの決まり事を作ります。ルールを守ることで、子供たちが安全に水遊びを体験でき、社会性も身につけることができるのです。

指導役と監視役を決める

水遊びを実施する前に、保育士の役割分担を行いましょう。一緒に遊びながら指導役として子供たちに指示を出す保育士と、遊びには参加せず監視役として見守りに徹する保育士を明確に分けます。監視役を担う保育士はビブス等を着て、誰が監視役なのかすぐわかるようにしましょう。監視役の保育士に、子供たちが一緒に遊ぼうと誘ってくるかもしれません。見守り以外のことはできないことを子供が理解できる言葉で説明して、監視だけに専念しましょう。また、監視の時は全体が見渡せるところから危険がないかチェックしてくださいね。

プールから部屋までの導線確認

水遊びを始める前に、プールから部屋までの戻り方を考えましょう。プールで水遊びをした後の子供たちは濡れたまま部屋まで戻ります。床に滑りやすそうな部分があれば、タオルやマットを用意しておきましょう。また、子供たちが裸足で戻らなくてはいけないこともありますよね。そんな時は、とがったものが落ちていないかよく確認してください。道路や土の上を通る場合は、砂利や石にも注意が必要です。プールから部屋までは、なるべく平らで危険なものがない導線を考えましょう。

子供たちの体調確認

水遊びの前に子供の体調を確認しましょう。特にプールに入る場合、狭いプール内に子供たちが密集することになります。感染症にかかっている子供が混ざっていると、ほかの子供たちにも感染してしまいます。体調の悪い子供や、感染症にかかったばかりの子供は水遊びに参加せず、お休みしてもらった方がよいでしょう。保護者には、水遊びがある日を事前に伝えておいて、当日の朝に子供の体温や体調のチェックと保育士への報告をお願いするとスムーズです。

準備体操

水深が浅く子供が溺れる心配がない場合でも、プールの前には準備体操を行いましょう。準備体操をして体をほぐしてから水遊びをすることで、ケガの予防になります。準備体操には明るい音楽を流し、水遊びに向けて子供たちの気分が盛り上がるようなものがおすすめです。どんな体操をするか悩む場合は、ラジオ体操の動きを取り入れるのがおすすめですよ。ラジオ体操では上半身も下半身も、まんべんなく体をほぐすことができます。

保育園で水遊びをした後にすること

子供たちが熱中症になっていないか確認

水遊びの後は、体調を崩した子供がいないか確認することが大切です。涼しいプールに浸かっていてもいなくても、強い日差しに長時間さらされた子供は、熱中症のリスクがあります。子供にいつもと違った様子がないか、よく確認をしましょう。もしも熱中症になった子供がいたら、安静にさせて適切な処置を取ってください。また、熱中症を防ぐために水遊びの前後にはしっかり水分補給を促しましょう。

昼寝の時間を長めにとる

水遊びの後は想像よりも体力を消耗しているので、昼寝の時間をいつもより長く設定しましょう。昼寝の時間を長めにとって休ませることは、子供の体力を回復させるほかに、子供の健康観察をするときにも役立ちます。寝ている間に子供を観察して、呼吸が荒い子供はいないか、つらそうな様子の子供はいないか確認しましょう。また、昼寝の後は室内でゆったり遊ぶのも体力回復につながります。プール遊びは保育士も体力を使うので、子供たちが眠っている間に保育士も休憩し、子供たちが起きた後の活動に備えてくださいね。

年齢別水遊びのポイント

0歳児

0歳児が水遊びをするときは、小さめのビニールプールかたらいを用意し、水を浅く張ることがポイントになります。水を張ったらその中に座らせ、保育士が水をかけてあげて水に親しみましょう。少しずつ水遊びに慣れさせていくと良いですよ。また、おむつが外れていない子供が水遊びをするときは、保護者にお願いして水遊び用のおむつを用意してもらうと安心です。水遊び用のおむつが確保できない場合は、水の中に座らせるのは避け、保育士が軽く水をかける程度でよいでしょう。

1~3歳児

1~3歳児が水遊びで注意することは、プールに張る水の深さです。1~3歳児が水遊びをする場合の水深は、子供のふくらはぎのあたりになるようにしましょう。1~3歳児は0歳児よりも活発に動き回り、友達とじゃれ合ったり水の中で寝転んだりします。水深がふくらはぎより浅くても、鼻と口がふさがってしまえば呼吸ができず、溺れる可能性があり非常に危険です。子供たちの動きを常に監視して、水の中に潜っている子供がいないか特に注意しましょう。

4~5歳児

4~5歳児が水遊びをするときは、小学校での水泳授業を意識した遊びができると良いですよ。0歳児や1~3歳児が水遊びをするめあてが、水に慣れることであるのに対し、4~5歳児が水遊びをするめあては、小学校での水泳授業の対策をすることにあります。4~5歳児が使うプールには、子供のお腹ぐらいまでの水を張りましょう。また、スイミングスクールで水泳を習っている子供たちは、一人で泳ぐことができるかもしれません。そのため、水泳慣れからくる事故や怪我にも注意しましょう。

危険が少ない水遊びアイデア

さかな釣り

危険が少なく、安全に遊べる水遊びのアイデアを紹介します。まずおすすめしたいのは、魚釣りです。水を張ったプールやたらいに魚のおもちゃを入れます。そして子供たちは水の中に入らず、手作りした竿や小さい網などを使いながら魚を釣って遊びます。水に入らないことで水の事故のリスクは格段に下がりますね。また、室内で行っても、子供たちが水に入らないので床が水びたしになりにくく、後片付けに手間がかからない点も魅力です。

水鉄砲

次におすすめしたいものは、水鉄砲遊びです。水を張ったプールやたらいを用意し、子供たちが水鉄砲を使ってお互いに水をかけあう遊びです。的になるものを子供たちと一緒に作り園庭に設置して、射的のようにその的に向かって水を飛ばすのも楽しいですね。使用するのは市販の水鉄砲でもいいですが、ペットボトルを使って簡単に作る方法もあるので、子供たちがそれぞれ自分で作った水鉄砲で遊ぶことができますよ。

まとめ

万全の準備を整えて保育園で水遊びを楽しもう

水遊びは事前準備がとても大切になります。ルールを決めたり水質や使用器具の確認をしたり、やるべきことはたくさんありますね。また、年齢別の子供たちの行動の特徴を踏まえた、水遊び中の監視や水遊び後の子供たちの健康観察など、水遊びは最初から最後まで気が抜けません。水遊びを楽しみにしている子供たちのためにも、万全の準備を行いましょう。ぜひ、子供たちと一緒に楽しい夏の思い出を作ってみてくださいね!

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