なぜなぜ期ってどんな時期?【いつ・こない・イライラ・対応・図鑑】

皆さんは”なぜなぜ期”という言葉を聞いたことはありますか?言葉は聞いたことが無くても、子供に「なんで?」と繰り返し聞かれて困った経験があったり、そのような場面を見たことがあったりする人は多いのではないでしょうか。この記事では、なぜなぜ期の子供に質問されたときの適切な対応やNGな対応など、なぜなぜ期について詳しく解説します。子供のなぜなぜ期に困っている保護者のみなさんや保育士さんは、ぜひ参考にしてみてください。

なぜなぜ期とは?

身近なことへの質問を多くする時期

なぜなぜ期とは、3~4歳ごろに訪れる、身近で起きた物事の疑問を両親や保育士などの大人にたくさん質問する時期です。なぜなぜ期の前段階として、物の名前を知ろうとする2歳ごろの”なになに期”もあります。なになに期を経て、物事の理由や目的、意味を知ろうと「なんで?」「どうして?」といった質問をするようになるのです。物事の名前という表面的な部分だけでなく、物事のより深い本質的な部分を知ろうとする探求心の芽生えが、なぜなぜ期。知的好奇心や探究心を大きく伸ばすことのできる、子供の成長に欠かせない大切な時期です。なぜなぜ期に当てはまる3~4歳児の発達や特徴に関しては、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

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なぜなぜ期が起きる理由は?

好奇心いっぱいな時期だから

では、なぜなぜ期は”なぜ”起きるのでしょうか。3歳ごろになると、子供の脳神経は急速に発達します。急速な発達に伴い物事への理解力が増し、好奇心の赴くままに、多くの質問を大人に投げかけるようになるのです。好奇心のままに質問しているため、場合によっては同じ質問を何度も繰り返すことも。子供の成長のためにも、周りの大人には根気強く向き合っていくことが求められていますよ。

なぜなぜ期を通して身につく力

好奇心

子供たちは、なぜなぜ期を通してさまざまな力を身に付けます。なぜなぜ期を通して身につく力の一つ目は、好奇心です。大人が自分の質問に答えてくれることで、好奇心が満たされ、より子供の好奇心が高まります。好奇心が高まると、他の物事にも意欲的に興味を持つようになるでしょう。より意欲的になることで、さまざまな物事と比較したり、自分自身で答えを考えたりする思考力も身に付きます。

探究心・学習意欲

二つ目は、探究心や学習意欲です。多くの質問をして知識を得ることで、子供たちはもっと多くのことを知りたい、もっと学びたいと思うようになるでしょう。さまざまな物へ興味関心を抱くことで、学習意欲の向上が期待できます。また、質問の答えを通じて得た知識をもとに「これはこうだけど、あれだとどうなるのかな?」など、物事のより深いところまで考えるようになります。なぜなぜ期で新たな知識を得ることは、子供たちの探究心向上にもつながっているのです。

コミュニケーション能力

三つ目は、コミュニケーション能力です。大人に質問をするという対話を通して、子供たちはコミュニケーション能力を向上させます。子供たちが何度も質問を繰り返す理由の一つとして、コミュニケーションを楽しんでいることもあげられるでしょう。質問する力だけでなく、自分がしてもらったように、質問に答える能力も身に付きます。また、子供たちからの質問にしっかり向き合うことで、信頼関係の構築にもつながるでしょう。以上のように、なぜなぜ期は子供たちが多くの力を身に付け成長する、とても大切な時期なのです。

子供に質問されたときの適切な対応

その場ですぐに答える

続いては、子供の質問に対応するときのポイントを紹介します。一つ目は、その場ですぐに答えることです。子供は質問したその瞬間に答えを知りたがっています。そのため、後から答えを話そうとしても聞く耳を持ってくれませんし、せっかく芽生えた子供の好奇心を低下させてしまうこともあります。また、大人からしても答えているのに子供が聞いてくれていないと、イライラしてしまうでしょう。子供と大人の双方のためにも、簡単な質問であれば、なるべくすぐに答えてあげられると良いですね。

子供が理解できる説明をする

二つ目は、子供が理解できる説明をすることです。物事の原理を聞かれた際、きちんと事実を伝えようとすると、子供には難しい言葉を使う必要があります。しかし、それでは子供は答えを理解できません。「なんで空は青いの?」という質問に対して、「それは光の波長が関係していて…」と答えても子供には難しいですよね。子供でも分かるような言葉を使い、子供の目線に立った答え方をしてあげましょう。

子供の疑問に寄り添う

三つ目は、子供の疑問に寄り添うことです。子供の質問に大人が答えてあげることは非常に重要ですが、常に答えを与えてばかりでは、子供は自分で答えを考える癖がつかなくなってしまいます。時には寄り添い一緒に考えながら、子供たち自身で答えを出せるよう導いてあげましょう。身近な事柄に関する質問だった場合は、実際に体験させてあげるのも良い方法です。疑問に対する答えをただ教えるのではなく、子供自身が考えるプロセスを支援することで、問題解決能力や批判的思考を育み、自信を持って自らの答えを見つける力を養うことができます。

一緒に調べる

四つ目は、一緒に調べてみることです。子供たちが聞いてくる質問の中には、大人でも簡単に答えられないような問題も多くあります。そのようなときには「わからない」と答えるのではなく、インターネットや図書館で一緒に答えを調べてみましょう。子供向けに、わかりやすく説明しているサイトを利用するのは良い方法ですが、図鑑や絵本を使うのもおすすめです。図鑑や絵本などを使うと、その周辺分野についても知ることができ、子供たちの興味関心の幅が広がるかもしれませんね。

あなたはどう思う?と質問してみる

五つ目は、「あなたはどう思う?」と質問してみることです。これも、大人でも答えがわからない質問に対して使うことのできる手段です。簡単な質問だったとしても、たまには逆質問をしてみましょう。ある程度の年齢になると、インターネットや本が使えるようになり、自分で考える前に検索してしまうようになります。子供が大人に直接質問してくれるこの時期だからこそ「あなたはどう思う?」と聞いて、子供の思考力を育てる機会としましょう。

子供に質問されたときのNG対応

後回しにする

一方で、子供に質問されたときのNG対応もいくつかあります。一つ目は、質問への回答を後回しにすることです。前述したように、子供は質問したその時に答えを欲しがっています。子供の知的好奇心を満たせるよう、質問への回答を後回しにしないようにしましょう。しかし、忙しいタイミングに質問され、どうしても対応できないこともあるでしょう。そのまま答えないということは避け、後からでも丁寧に答えることが大切です。

質問内容をバカにする

二つ目は、質問内容をバカにすることです。子供は急に突飛な質問をしてくることがあります。しかし「〇歳になってこんなこともわからないの?」「そんなこと聞くの恥ずかしいよ」など、質問してきたことを絶対にバカにしてはいけません。大人にとっては当然のことでも、数年しか生きていない子供にとっては知らないことだらけです。どんな質問に対しても真摯に対応し、子供の自尊心を傷つけることのないようにしましょう。

質問を打ち切る

三つ目は、質問を打ち切ることです。子供が質問してきたタイミングが、大人にとって忙しく回答を後にするときも、質問を途中で打ち切るのではなく質問を最後まで聞いてから、今は忙しいことを伝えましょう。質問の答えを知りたいだけでなく、大人とのコミュニケーションを求めて質問してくることもあります。そのようなときに質問を打ち切ってしまうと、コミュニケーションを拒否されたと感じてしまうでしょう。質問への回答を後回しにする際は「あとで必ず」という約束を果たすことが重要です。

先回りして答えを言う

四つ目は、先回りして答えを言うことです。まだまだ言語能力の低い子供たちは、質問内容を言葉にしようとするのに時間がかかることがあるでしょう。そのようなときに「〇〇なのはなんでってこと?それは▢▢だから」などと、子供の質問に先回りして答えを言ってはいけません。子供たちの表現力を養うために、質問内容を言語化する工程はとても大切です。子供が質問を言語化するのに困っていたら「〇〇のことを言いたいのかな?」というように、子供たちが自分で質問できるように誘導してあげましょう。

なぜなぜ期によくある困ったシーン

何度も同じ質問をされる

なぜなぜ期によく見られる困ったシーンとして、子供に何度も同じ質問をされることがあげられます。さっき答えたばかりの質問を再度されると、大人側がイライラしてしまうことがあるでしょう。しかし、そこで「うるさい!」などと遮ってしまうのはNGです。「さっきなんて答えたかな?」と質問してみると、すぐに子供から答えが返ってくることも多くあります。そのような場合は、質問の答えを求めているのではなく、大人とのコミュニケーションを求めているのでしょう。話を膨らませたり大人からも質問したりすることで、子供たちの欲求を満たしてあげられると良いですね。

答えの無い質問をされる

答えの無い質問をされることも、なぜなぜ期によくある困ったシーンです。「あのお姉さんはなんで走ってるの?」「あのおうちが白いのはなんで?」など、子供はあらゆることに興味を持ちます。そのようなときは「そんなの知らないよ」と質問を終わらせるのではなく、ジョークや滑稽な話にしてしまうと良いでしょう。「あのお姉さんは待ち合わせに間に合うように急いでるんじゃない?」「あのおうちの持ち主さんはきっと白が好きなんだよ」など、想像力を膨らませて答えてあげると、子供たちは楽しめるかもしれませんね。

なぜなぜ期が来ないときは?

質問を促すような会話をしてみる

「なぜなぜ期は子供の成長に重要な時期」「なぜなぜ期を通して多くの力を身に付ける」と聞くと、自分の子供にはなぜなぜ期が来ていないと不安になる人もいるでしょう。なぜなぜ期は全ての子供に必ず訪れるわけではなく、なぜなぜ期が来ずに大きくなった子供もたくさんいます。また、なぜなぜ期が来る時期が早かったり遅かったりと、人によってさまざまです。焦る必要はありませんが、もしなぜなぜ期が来ないことを不安に感じたときには、質問を促すような会話を取り入れると良いでしょう。「これはなんでこうなるんだろうね?」「なんで〇〇は△△なんだろうね?」と、子供の疑問を促すことで、自発的に質問してくれるようになるかもしれません。

まとめ

なぜなぜ期を通して子供の健やかな成長に繋げよう!

いかがでしたか?今回は、なぜなぜ期が起きる理由や、なぜなぜ期を通して身に付く力など、なぜなぜ期について詳しく解説しました。なぜなぜ期は、子供の健やかな成長に欠かせない大切な時期です。子供からの質問攻めに対し、時には疲れてしまうこともあるかもしれません。しかし、子供の好奇心を育み、思考力を養うためには、この時期にしっかり向き合うことが重要です。大人としても楽しみながら、この大切な時期をサポートできると良いですね。

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