3歳児の特徴とは?【身体・心・言葉・遊び・発達障害】

3歳児は成長による変化が顕著に表れる時期です。身体の発達だけでなく、知能の発達も見られるため、自分で出来ることが増えます。その反面、具体的に何が出来るようになったのかが分かりにくく、成長段階が測りづらいのが特徴です。この記事では、そんな3歳児の特徴を詳しく説明すると同時に、3歳児の特徴に適した遊びも紹介していきます。また、3歳児に見られる特徴に当てはまらない場合に懸念されることもあわせて紹介するので、是非参考にしてくださいね。

3歳児に見られる発達の特徴

身体の発達

3歳児は男女共に1年間で身長が急激に伸びることが特徴です。平均すると3cm以上伸び、体重も1kg程度増えるのが一般的と言われています。厚生労働省によると、3歳から4歳までの成長は以下の通りです。

男の子
身長:95.1cm~98.7cm
体重:14.1kg~15.0kg

女の子
身長:93.9cm~97.5cm
体重:13.5kg~14.6kg

ただし、個人差があるので3歳のときに成長が遅くても、遅れて大きく成長する時期がやってくる場合もあります。他の子供と比べて身長の伸びが遅い子供がいても焦らず、そのまま成長を見守ってあげましょう。

心の発達

3歳児は、2歳頃から芽生え始めていた自我が急速に発達するのが特徴です。自分のしたいことを自分で理解できるようになり、「あれはしたい」「これはしたくない」とはっきり言えるようになります。少しわがままな部分が出てきますが、それは成長している証拠ですよ。また、相手の気持ちを汲み取ることも出来るようになります。譲り合ったり、おままごとで役目を交替したり、他のお友達を仲間に入れたりと、他者との交流を通した遊びをします。子供達はそこから、我慢することや主張すること、ルールを守ることなどを覚えて社会性を身につけていくんですね。

知能の発達

3歳児は周囲の物事に対して、好奇心や探究心が旺盛になります。そこで子供自身が考えをめぐらせることで、知能の発達につながります。小さな数を数えられるようになったり、大きさを比べられたり、絵本の内容を理解して記憶したりと日常生活の中でどんどん学習していきます。いつの間にか出来ることが増えているので、いつからそんなこと出来るようになったの?と、驚かされるかも知れませんね。

運動能力の発達

運動能力は、単に身体の成長だけでなく脳の成長によっても発達します。脳で身体の動きを理解しながら運動することが出来るようになることで、より複雑な動きも可能に。また、体力の増加や筋肉の成長により使える遊具が増えて、遊びの幅も広がってきます。3歳児は、身体を動かすことに喜びを覚える時期です。そのため、危険な行動かどうかの判断が難しく、怪我をしやすいので保育士さんが注意深く見守ってあげましょう。

言葉の発達

3歳になる子供は、語彙が増えて話すことが多くなると共に、人の話を聞くようになることも特徴です。自分の意思を伝えられたり、元気な挨拶ができたり、絵本の内容を集中して聞いたりします。会話のキャッチボールも徐々に出来るようになるので、積極的に3歳児に話しかけて会話の機会を作るように心がけてみましょう。これまで、一方的に話しかけていたのが3歳児では返答がきたりと、保育士さんとしても楽しいコミュニケーションの機会が増えますね。

遊びの発達

3歳になると、手先が器用になり、多くの細かい作業を簡単に行うようになります。そのためブロックや積み木などを使って思い通りの形に積み上げたり、ハサミを使って工作したり綺麗な図形を書いたりと、遊びの発達が見られます。手先の器用さは、ブロック遊びや折り紙、塗り絵などといった遊びでどんどん発達していくので、子供が興味を持った遊びがあれば積極的に取り組ませてみましょう。

コミュニケーションの発達

3歳児はコミュニケーションの発達が見られることも特徴です。心の発達の特徴で先述した通り、3歳児はわがままな一面が目立つ反面、相手の気持ちを汲み取ることも出来るようになります。他のお友達とコミュニケーションを取ることで、共感や思いやりといった感情が芽生え始め、コミュニケーションの楽しさを知るようになるでしょう。適度に絵本の読み聞かせを行うことは、感性が育ち語彙が増えることに繋がります。さらにコミュニケーションが密になることが期待されるので、おすすめですよ。

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3歳児が出来るようになること

身の回りのことを1人で出来るようになる

では具体的に、3歳児になって出来るようになることとは何でしょうか。少し、上の内容と重なる部分がありますが、ここでは大きく2つに分けて説明していきます。1つ目は、身の回りのことを1人で出来るようになるということです。具体的には以下の通りです。
・1人で着替えることが出来る
・1人でトイレに行くことが出来る
・食事を1人で食べることが出来る

今まで、保育士さんがお手伝いしていたことがほぼ1人で出来るようになります。これからは全て手伝ってあげるのではなく、1人でやってみることを促して、そっと見守ってあげましょう。

ルールを守れるようになる

2つ目は、ルールや決まり事を守れるようになるということです。3歳頃からルールを守ることに関心を持ち始め、シンプルなルールや約束事を理解して、周りのお友達と遊びを楽しめるようになります。また、あいさつをすることや電車の中では静かにするなどといった社会的なマナーもこの時期に身につけていきます。保育士さんは、普段から子供達のお手本となるように意識して過ごしていきましょう。

3歳児の特徴に適した遊び

じゃんけん列車

ここからは、3歳児の特徴に適した遊びをいくつか紹介していきます。どれもルールがシンプルで分かりやすく、楽しい遊びなので是非参考にしてくださいね。

お友達とじゃんけんをして長い列車を作っていくのが楽しい『じゃんけん列車』。

〈遊び方〉①音楽に合わせて最初は自由に歩き回る
②音楽が止まったら、その場に止まり近くにいるお友達とじゃんけんをする
③じゃんけんに負けた子が、勝った子の肩につかまって列車のように繋がる
④もう一度音楽が鳴ったら、列車になったまま自由に歩き回る
⑤音楽が止まったらその場に止まり、再び近くにいるお友達とじゃんけんをする
⑥じゃんけんに負けた子が、勝った子の後ろに繋がり、これを最後の1人が決まるまで繰り返す
⑦最後の1人となった子が優勝!

もうじゅうがり

大きな声で掛け声を言うのが楽しい『もうじゅうがり』。

〈遊び方〉①保育士さんが膝を叩きながら「もうじゅうがりにいこうよ♪」といい、子供達もそれに続いて繰り返す
②保育士さんが「もうじゅうなんてこわくない♪」と言いながら片手を顔の前で振り、子供達もそれに続いて繰り返す
③保育士さんが「だーっててっぽうもってるもん♪」と言いながら鉄砲を打つポーズをし、子供達もそれに続いて繰り返す
④保育士さんが「やりだってもってるもん♪」といいながら槍をもっているポーズをし、子供達もそれに続いて繰り返す
⑤保育士さんが「あ!」といいながら何かを見つけたように遠くの方を指さし、子どもたちもそれを真似する(これを2回繰り返す)
⑥保育士さんが「クジラ!」などと大きな声で動物の名前を言い、子どもたちは、言われた動物の文字数と同じ人数のお友達とグループになり、その場にしゃがむ
⑦1番早くグループになれた子供達が優勝!

たんていゲーム

探偵になりきって遊ぶのが楽しい『たんていゲーム』。

〈遊び方〉①子供達は円になって座り、保育士さんが真ん中に立つ
②保育士さんが、「今から探偵ゲームをします。順番にヒントを出すので、どの子のことを言っているのか当ててね。」とルール説明をして、保育士さんはそこに座っているどの子の特徴を挙げていくのか、心の中で1人決めておく
③「その人は、この中にいます」から始め、保育士さんは「その人は靴を履いています」「その人は男の子です」など、答えが分かりにくいヒントから挙げていく
④ヒントを言い終わったら、子供達は「せーの!」で答えを言う
⑤正解出来たらクリア!

だるまさんがころんだ

お部屋の中でも外でも楽しめる『だるまさんがころんだ』。

〈遊び方〉①保育士さんがオニ役となり、壁や木の方を向いて立つ
②地面にスタートラインを引き、子供達はそれに沿って1列に並ぶ
③オニは子どもたちに背を向けて、大きな声で「だるまさんがころんだ!」と言い、子供達はその間にオニ近づく
④オニは「ころんだ」の、だのタイミングで勢いよく振り返り、子供達はオニに動いているところを見られないようにオニが振り返ったらピタッとその場に止まる
⑤それを繰り返して、オニにタッチすることが出来た子供が勝利!

こおりおに

鬼ごっこの定番アレンジ『こおりおに』。

〈遊び方〉①オニ役を決める
②オニは10秒数え、その間に他の子供達は決められた範囲内で逃げる
③10秒数え終わったら、オニは逃げている子を追いかけてタッチする
④タッチされた子は、氷のようにその場に静止する
⑤まだ氷になっていない子が氷になった子をタッチすると、氷がとけて動けるようになる
⑥時間内にオニが全員を凍らせることが出来たらオニの勝ち、逃げ切れることが出来たらオニ以外の勝ち!

3歳児に見られる発達の特徴に当てはまらない場合

発達障害の可能性がある

ここまで、3歳児に見られる発達の特徴を説明してきましたが、普段から子供達を見ていて「これらの特徴に当てはまらない子がいるかもしれない」と気になった保育士さんもいるかもしれません。前提として、全ての子供は発達途上にあります。成長するにつれて解決する場合がほとんどですが、稀に発達障害である可能性も。以下では発達障害について説明しているので、気になった子供と照らし合わせてみてください。

発達障害の例

自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症とは、人とのコミュニケーションが苦手で物事に強いこだわりを持つといった特徴のある発達障害です。自閉スペクトラム症が疑われる3歳児あたりの特徴は、周りのことに関心が無く1人遊びに没頭していたり、遊びや物へのこだわりが強く何度も同じ遊びを繰り返すなどが挙げられます。また、会話が出来ず視線が合わないといった特徴も。しかし、これはあくまでも特徴という目安の1つなので、これらに当てはまる子供が必ずしも自閉スペクトラム症であるとは限りません。安易に判断せず、一旦他の保育士や保護者の方に相談してみましょう。

ADHD

ADHDとは、発達に比べて注意力が足りなかったり、衝動的で落ち着きがないなどといった特性があるために生活に支障をきたす、発達障害のことです。一般的には7歳よりも前に見られ始め、大人になってからもこの症状が続く可能性が高いです。幼児期に現れるADHDの特徴は、落ち着きがなく動き回ることで身体のあちこちに擦り傷があったり、急にお友達を突き飛ばすなどが挙げられます。また、順番やルールが守れず指示が通らないことも。こちらもあくまで目安であるので、これらを踏まえて気になる子供がいたら他の保育士や保護者の方に相談してみましょう。

まとめ

3歳児の特徴に合わせた指導と遊びを心がけよう!

3歳になった子供は、様々な面で成長が顕著に現れます。その成長に驚かされるかもしれませんが、一緒に出来ることが増えたり、コミュニケーションがスムーズに取れたりと、保育士さんにとっても楽しい場面が増えてきますよ。また、3歳児は出来ることが増える反面、思わぬ危険な行動を取る場合があります。目を離さず、見守ってあげましょう。紹介した遊びを取り入れて、3歳児の特徴に合わせた指導を心がけてみてくださいね!

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