4歳児の発達の特徴は?保育のポイントや接し方について解説します!【看護・遊び・運動・保育指針・人間関係】

幼稚園や保育園では、年中さんの学年にあたる4歳児。運動能力や知能、言葉が発達して、できることがかなり増える年齢ですね。基本的な社会性やコミュニケーション能力が身につくのも、この年齢だといわれています。4歳になると、急激に成長するため、周りの大人だけでなく、子供本人も戸惑うことが多くなります。ここでは、そんな4歳児の発達や成長の特徴について紹介していきますよ!

4歳児の発達の特徴は?

【身体・運動能力の発達】歩く・走るスピードをコントロールできるように

4歳になると、歩くスピードや走るスピードを自分でコントロールできるようになります。片足でジャンプするケンケンや、でんぐり返しができるようになったりする子も。そして、運動能力の発達とともに、身体も成長します。4歳児の男女ともに、身長が中央値で100㎝を超え、身体がしっかりとした印象になるでしょう。3歳児では、身長の中央値が100㎝未満なので、1年の間にかなり成長することが分かりますね。

【生活力の発達】お箸で食事や歯磨きが自分でできる

4歳児は、手先が器用になり、細かい動きなどができるようになります。そのため、自分ひとりで歯磨きができるようになったり、お箸を使ってご飯を食べられるように。それ以外にも、生活の中で、自分でできることかなり増えるので、生活力が向上します。一般的には1歳後半ごろから自我が芽生え、4歳ごろにもなると自立性も身に着きます。自分でできることが増え、自立性が身に着くので、なんでも自分ひとりでやりたがったりすることも。

【知能・理解力の発達】自分と他者との境界ができる

4歳になると、自我の形成が進み、自意識を持つようになります。そうすることによって、自分と他者との区別がつくように。4歳児という年齢は、それぞれの発達のスピードはあるものの、できることがかなり増える年齢です。自分と他者の区別がつくことによって、どうして他の子はできるのに自分はできるようにならないのかと考えたりすることも増えます。発達については、個人差があるものなので、周囲と比べて不安になる必要はありません。そのことを、周囲の大人が理解するとともに、子供本人にも伝えてあげましょう。

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4歳児ができるようになること

生活面:行動の流れや目的を理解

4歳児になると、1日の生活の流れを理解し、身の回りのことは自分でしながら生活習慣を身につけていきます。自分でお手洗いに行く、お箸をうまく使って食事をするなど、物事の必要性まで理解できるように。その中で周囲の大人が、「次は○○をしよう」と一言かけてあげると、より行動の流れや意味、必要性への理解が深まるでしょう。中々できるようにならない場合は、声掛けをしたり、一緒にやってみたりして少しサポートしてあげると良いですよ。

社会性:周囲に興味をもって行動

4歳児は、集団生活に馴染めるようになります。周囲の人やものに興味を持って関わることができるといった、社会性ある行動ができるように。具体的には、自分から友達を遊びに誘ったり、順番や公共のマナー・ルールを守ろうとするなどといった行動がみられるようになります。簡単な指示であればすぐに理解して行動に移せるようになり、褒められたことに対しては喜びや誇りを感じられるようになるでしょう。

言葉:時間軸を理解した発言

4歳児になると、言葉の発達もよく見られるようになります。語彙の数が増えるだけでなく、時間軸を理解して話したり、理由を持って自己主張できるようになります。そのため「昨日は〜して遊んだよ」と自分の経験を伝えたり、言われたことに対して理由を伝えながら反論したりすることも。言葉の意味を理解して使うだけでなく、会話ができるようになるためスムーズな意思疎通が可能です。社会性の向上とともに、コミュニケーション能力も身に着きます。

遊び:ルールの理解が深くなる

4歳児の遊びでは、ルールや決まりの理解が深くなるという特徴があります。単に遊ぶだけでなく意思を持って友達を誘ったり、さまざまな遊び・ゲームのルールを理解しなが取り組めるように。そのため、鬼ごっこやかくれんぼなどで遊ぶ姿がよく見られます。また3歳以下の保育園クラスでは個々が好きな遊びをすることが多いですが、、4歳児からは集団で遊べるようになる点も特徴です。さらに手先が器用になるため、ハサミなどを使って工作したり、絵を描いたりすることもできるようになるでしょう。

運動:長時間の散歩や細かい動きが可能に

一般的に4歳児は、身体の発達・運動能力の向上が著しい時期です。身体の発達により運動能力も向上し、長時間の散歩や細かい運動ができるようになります。1時間以上散歩したり、遊具を使って遊んだり、さらには片足ケンケンやスキップなどをする姿もみられます。室外遊びのレパートリーが増え、友達を誘って鬼ごっこなどをすることも。また、自分の体の動かし方がわかるだけでなく、遊具やボールなどをどのように使うかまで理解しながら遊べるようになるでしょう。

【4歳の壁】とは?

好ましくない言葉を使う

知能や運動能力が著しく発達し、急激な成長を遂げる4歳。その急激な成長ゆえに、周囲の大人だけでなく、子供本人が戸惑ってしまうこともあります。これは【4歳の壁】と呼ばれ、大人への反抗や泣いたり暴れたりなど情緒不安定な様子が見受けられます。4歳の壁の特徴的な行動の1つに、好ましくない言葉を使うことが挙げられます。語彙が増える4歳、聞いた言葉の理解や習得が早くなるので、好ましくない言葉を覚えてしまうこともあるでしょう。お友達や家族とのコミュニケーションの中で使ってしまい、トラブルになることもあります。

感情のコントロールができない

また、4歳の壁の特徴として、感情のコントロールができなくなってしまうことが挙げられます。自分の思い通りにならないと、怒って暴れたり泣いたりして、感情の起伏が激しくなります。すごく怒っていたと思ったら、急に甘えてきたりすることも。本人が自分の成長に戸惑っているということを理解しても、周囲の大人も振り回されてしまいますよね。度重なる反抗に嫌気がさしたり、子育てへの自信を失ったりすることもあるでしょう。

【4歳の壁】はどうやって乗り越える?

ポジティブな声掛けを意識

4歳の壁を感じたら、どのような対応をしたらよいのでしょうか?4歳の壁の主な原因は、子供が自分の成長に戸惑って、不安や葛藤を抱えてしまうこと。まず1つ目に意識するべきポイントは、子供の持つ不安を解消してあげることです。そのために、怒ったり、厳しい言葉で責めたりするのではなく、なるべくポジティブな声掛けを意識してみましょう。例えば、お出かけの準備を中々しようとしないとき、「早くしなさい」ではなく、「~時に出発だから、あと10分で支度しようね」と声をかけてみましょう。こうしてポジティブな言葉かけを意識することで、できないことよりもできること・できたことにより目が向くようになりますよ。

行動の動機に寄り添う

子供の癇癪には、必ず理由があります。4歳の壁を乗り越えるための2つ目のポイントは、子供の行動の動機に寄り添うこと。急に怒って暴れたり泣いたりしても、子供が落ち着くまで一度呼吸をおいてみましょう。また、背中をさすったり、手をつないだりして落ち着く場合は、そのように対応します。子供が落ち着いたら、まずは何が嫌だったのか、行動の原因を聞いてみてください。この時、「そうか、~が嫌だったんだね」と子供の気持ちを整理するようにして言葉をかけ、寄り添うことを意識すると良いですよ。

家庭と園との協力

4歳の壁を乗り越えるためには、家庭と保育園・幼稚園の協力が必要不可欠。日中の長い時間を保育園・幼稚園で過ごすことになるため、どんなふうに生活しているのかを家庭と園で共有しておきましょう。保育士さんたちは、日中の子供の様子を報告するだけでなく、家庭内で何か困っていることがあれば、接し方をアドバイスできると良いですね。家庭内での様子を聴いたら、園内においての接し方を少しずつ工夫し、子供一人ひとりにあった接し方ができるよう意識しましょう。

4歳児の保育で気を付けることは?

好奇心や自主性を育むこと

4歳児の保育で気を付けたいことの1つとして、好奇心や自主性を育むことが挙げられます。4歳児と接するときは、どんなふうに声をかけたりするとより好奇心を育てられるかを意識できると良いでしょう。4歳児は、自分で考えて発言・行動したり、物事に対して興味や疑問を抱くことが増える年齢。一度芽生えた好奇心を更に育てることができるように、声掛けや答え方などを工夫することがおすすめです。また、自分1人でやりたがっている時は、なるべくやらせてあげることで、自主性を育むことができますよ。

社会性を育むこと

4歳児になると、語彙が増えてコミュニケーション能力が向上し、自他の区別がつくようになります。そのため、集団生活やコミュニティの中で生活していることを意識する場面が増えるでしょう。4歳児の保育では、周囲の環境に適応して生活していける社会性を育むことを意識できると良いです。順番やルールを守るといったことだけでなく、友達や家族に対して、言ってはいけないことなどを伝えられるように意識しましょう。

様々な運動に取り組むこと

それだけでなく、4歳児の身体の発達に合わせて、様々な運動にとりくむことも大切です。自分で歩いたり走ったりするスピードをコントロールできるようになるので、遊びの中で体を全体を動かすことができるように意識しましょう。また、遊びや運動のルールを理解できるため、ボールなどの道具を使った運動遊びも積極的に取り入れられると良いですね。体全体を動かすことによって、身体の健やかな成長にもつながります。

癇癪などの理由について理解すること

先ほども紹介したように、4歳という年齢では癇癪を起す子供が少なくありません。急に暴れ出したり、怒りだしたり、泣き出したりしているように見えても、子供たちの行動には、絶対に何か理由があります。保育士さんは、子供たちの様子をしっかりと見て、子供たちの行動の理由を理解できるように努めましょう。そして、話を聞いたりしながらその理由に寄り添うことを意識して接してみてください。

子供の「なんで?」にはなるべく答えること

4歳児という年齢は、物事の理解が深まる年齢。それゆえに子供にとっての疑問が増える年齢でもあります。子供から「どうして?」「なんで?」を聞かれたら、なるべく答えるように意識しましょう。こうすることによって、物事の理由や因果関係を少しずつ理解することができるようになります。また、子供たちになにか説明するときは、理由を必ず伝えるようにしてください。これによって、子供たちも理由を考えながら話したりすることができるようになり、論理的思考を育むことができますよ。

まとめ

4歳児の発達の特徴を理解しよう!

ここまで、4歳児の発達や成長の特徴について紹介しました。走ったり歩いたりといった運動能力だけでなく、理解したり会話したりといった知能・精神面での発達がよくみられるようになる4歳。子供たちの成長の段階では、癇癪や反抗といった拒否反応が少なからず起きてしまいます。発達が著しく進むからこそ、周囲の大人が子供たちについて深く理解し、サポートしていく必要があるでしょう。

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