子どもの接し方が分からない保育士さん集合!子どもと関わる時のコツを紹介【人見知り・話を聞かない・集団行動】

保育士養成所や保育士試験を通して多くの子どもに関する知識を持つ保育士さん。しかし保育現場では知識を応用する必要があり、子どもが人見知りをする、話を聞いてくれないなど悩みを抱える保育士さんは少なくありません。子どもと接する時は子どもと同じ目線で話すことを意識しましょう。また子どもに合わせて接し方を変える必要があるので、保育士さんのお悩みに合わせて接し方を紹介します。保育士になったばかりの人や保育士を目指している人はぜひ参考にしてください。

保育士が子どもと接するときのコツ

子どもに共感する

子どもの話を聞き受け入れ共感する姿勢を見せることは重要です。保育士と子どもの信頼関係を育むために、あなたのことを理解したいという姿勢を示すことが大切ですね。子どもは自分の話を受け止め同意してくれる大人に信頼を抱きます。例えば子どもが転び痛いと泣いています。この時に痛いねとオウム返ししたり、悲しいよね、辛かったねなどと感情を代弁すると子どもはわかってくれたと安心するでしょう。他にも共感する気持ちは言葉以外にも伝えることができますよ。普段の生活や行事を通して子どもがその時感じた気持ちを共有することで、心の距離は近くなりますね。

子どもの成長を褒める

子どもは褒められたことでモチベーションが上がり、次の行動に繋がります。まずは子どもの良いところを見つけた時、すぐに褒めましょう。次に子どもの目をしっかりと見ながら具体的にどこが良かったのか褒めます。単にえらいね、すごいねだけだと褒め言葉の反対に自分のことを見ていないのではないかと子どもは不安になります。「〇〇ちゃんお友達におもちゃ貸せてえらいね!そのおもちゃ〇〇ちゃん大好きだもんね。」「〇〇ちゃんは優しいね。」などと具体的にどの点が良かったのか伝えましょう。子どもは本当はおもちゃを貸したくなかったけど友達が欲しがってたから貸してあげたのかもしれません。その行動に至るまでの気持ちを汲み取ることが大切ですね。

明るい言葉がけを行う

保育士さんは日頃から子どもたちに言葉がけを行なっているでしょう。この言葉がけを少し意識することで子どもの心に響くようになります。普段から「〇〇ちゃん大好きだよ」という愛情表現をすると子どもは自然と行動で応えようとします。また自尊心を高めるため自己形成において欠かせない言葉がけですね。一方で、走らないでって何度も言ってるでしょ!や早く片付けなさい!などの強い禁止用語は控えましょう。一時的には恐怖心から行動するため行動は止まりますが、何度も同じ行動を繰り返してしまいます。このような時は「どっちが早くお片付けできるか勝負しよう!」と遊びを交えたり「〇〇できるかな?」と問いかけることを意識すると良いですね。

保育士くらぶ

人見知りをする子どもの接し方

子どもが人見知りをする原因を知る

それでは子どもの特徴に分けて詳しく紹介しましょう。人見知りでなかなか心を開いてくれないと感じる時もあると思います。そのような子どもはなぜ大人を人見知りするのか理由を知ることが理解への第一歩です。子どもは生後6ヶ月ほどから知らない大人に対して警戒心を抱くようになります。自分の身を守るための防衛本能が強くなってきていますが、自分を守るために必要な本能であるため一概に悪いこととは言えません。反対に相手に興味を持っている子どもが多く、警戒心と近づきたい気持ちで葛藤しているのですね。人見知りの時期は個人差がありますが、2歳頃までに落ち着く傾向があるので待つことも必要ですよ。

子どもと無理に目を合わせない

人見知りをする子どもは相手の目を怖がっている時があります。人間の脳には目を見ると反射的に恐怖心を抱いてしまう仕組みがあります。大人は脳の前頭葉で相手が危険か否かを判断し、恐怖心を抑えることができます。しかし子どもは脳の機能が未発達なため恐怖心を取り除くことができません。子どもに強い警戒心を持たせないためにも、無理に目を合わせる必要はありませんね。子どもが落ち着いてきた時に目を合わせるようにする、長時間目を合わせないなど工夫をしましょう。

行動をする前に声をかける

人見知りをする子どもは、不安や警戒心から大人を信頼することが難しいです。中には繊細で刺激に敏感な子どももいますね。そのような子どもに対し、突然手を繋いだり、次の行動を説明する前に準備を進めると子どもは困惑します。行動を起こす前にこれから〇〇をするよと伝え、心の準備をしてもいましょう。話が聞こえていない場合もあるので、子どもの返事や反応を見てから行動を起こすことが大切ですね。

子どものペースを大切にする

子どもには自分のペースがあるので、今はまだ心を開けない時期なのかもしれません。早く信頼関係を構築しなくてはと焦らず、子どもが心を開いても良いと思える日まで待ちましょう。マイペースやペースが遅いと聞くと良いイメージを持たない人がいますが、決してそうではありません。考える時間が長い子どもは、自分の中で納得ができる答えを見つけられるだけではなく、他者を待ってあげられる人になります。また大人の焦りや心配な気持ちは子どもに伝わるので、時には心を軽くしながら成長を見守りましょう。

話を聞かない子どもの接し方

子どもが聞きたくなる話し方を意識する

子どもが話を聞いてくれない、注意をしても耳を傾けていないなどのお悩みはありませんか?どのようにしたら子どもが保育士さんの話を聞こうとするのか考えていきましょう。子どもは退屈だと感じたり他に興味を持っていかれると保育士さんの話を聞いていません。そのような状況を回避するために子どもが思わず聞きたくなるような話し方を習得しましょう!最も重要なポイントは、子どものワクワク感を引き出す話し方をすることです。声に抑揚をつけたり子どもの名前を呼ぶことで興味を引くことができますよ。また絵本を読むときは手遊びや歌を取り入れると何が始まるのだろうと引き込まれるので、ぜひ活用してください。

短く簡潔に話す

子どもが理解しやすいようなわかりやすい言葉で簡潔に話すことを意識しましょう。特に子どもが危険行動をしている時はまずはそれは危ないよと子どもの動きを静止します。1番重要なことを最初に伝えることが大切ですね。また子どもの年齢に合わせた言葉遣いや話す速度などを変えるとより話を聞いてくれます。年齢に合わせた接し方を表にまとめたので参考にしてください。

1~2歳前半の幼児 時間軸を理解しにくいため今の視点で伝える。
2歳後半~3歳後半の幼児わかるわからないの区別ができるため、説明をする際は何度か確認をする。
3歳後半~4歳の幼児話せる言葉の数は平均で1700語程度。言葉を羅列して伝える。
5歳前後の幼児感情表現が豊かになる時期。心に訴えかける表現を使うことができる。

子どもが集中しやすい環境整備を行う

子どもは気が散りやすく、特に室内の物が整備されていないとそちらに興味を持っていかれます。例えば子どもが使った道具が机の上に置いていたり、壁やボードに掲示物が乱雑に飾られていると気が散り余計なエネルギーを使うため疲れてしまいます。室内を整備すると子どもの視界に無駄なものが入らなるため今に集中ができますね。他にも周囲が騒がしくないか、温度の調節にも注意を向けましょう。

集団行動が苦手な子どもの接し方

子どもの普段の様子から原因を探る

保育現場では外遊びを行う際やお散歩を行く前に子どもたちに呼びかけて集合をする場面が多いです。子どもがおもちゃやお友達とのお話に集中をしてなかなか集まってくれないこともありますよね。集団行動ができることは普段はもちろん災害時にも求められます。集団行動が苦手な子どもができるようになるためには、保育士さんはどのように工夫をしたら良いのでしょうか?まずはなぜ集団行動が苦手なのか子どもの普段の様子から理由を探りましょう。人と接することや合わせることが苦手であったりこだわりが強い、落ち着きがないなどの理由が当てはまることが多いです。このように集団行動が苦手な子どもの中にも、人が苦手や特定のお友達とは仲が良いなど気質が異なるため、周囲とどう関わっているかに注目しましょう。

子どもの不安を取り除く

大人数が怖いという恐怖心を取り除く必要がありますね。子どもを無理に集団に参加させようとすることは避けましょう。子どもにどうしたいか聞き、時間を置いたり集団から少し離れた場所で見学をするのも良いですよ。その時は保育士さんや仲が良いお友達が近くにいると子どもは安心します。様子を見て問題がなさそうだったら徐々に集団との距離を詰めて人に慣れることも大切ですね。子どもは何かのきっかけで興味を持つ場合もあるため、いつでもその子どもが集団に参加できるような環境を用意しておくことも覚えておきましょう。

協同性を高める遊びを取り入れる

協同性とは厚生労働省によると

友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的 の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感を もってやり遂げるようになる。

保育所保育指針解説

と記されています。

協同性はお友達との関わりを通し、共通の目標に向かって協力し達成した暁には喜びを分かち合うことで育まれます。協同性を高めることで集団行動への苦手意識を軽減させましょう。協同性を高めるためにリトミックを行うことを推奨します。曲を流したり保育士さんがピアノを弾いたりして、音に合わせて好きなように身体を動かして遊びましょう!リトミックの教育効果ややり方について別の記事で詳しく紹介しているのでぜひ確認してください。

保育士が子どもと接するときの注意点

身だしなみを整える

保育士さんは動きやすく清潔な服装で子どもと接するようにしましょう。子どもと手を繋いだり抱っこをしたりと子どもの肌が触れる場面が多いので、衛生面から見ても服装に気を配ることが大切ですね。肌が弱い子どもやアレルギーを持っている子どもに配慮をし、アクセサリーは外し自然素材の服を選ぶと良いですよ。髪の毛が長い保育士さんは一つ結びや三つ編み、お団子などアップして束ねると清潔感が増します。お化粧はナチュラルを意識し、子どもに怖い印象を与えないように優しい色を使用します。清潔感がある服装や髪型は、子どもに安心感を与えることができるので身だしなみチェックを行いましょう。

他の園児と比べない

他の園児の成長と比較することは控えましょう。成長が早い子どもがいればゆっくりな子どもがいるように、ペースも子どもによって異なりますね。例えばお片付けを促す場面で「みんなもう片付け終わったるよ〇〇くんはまだかな?」と言うのではなく片付けをしたくなるような言葉に置き換えましょう。お友達と比較されることで、自尊心が低くなり落ち込んでしまうので気をつけてください。その子どもの良さを引き出せるような保育ができると良いですね。

感情的にならない

保育士さんは子どもに関するプロとは言え1人の人間のため、子どもの行動に困惑してしまうこともあります。特に2歳〜4歳の子どもは自己欲求が強く現れるため、思い通りにならないと癇癪を起こしたりお友達を怪我させてしまうことがあります。何度も注意をしても耳を傾けてくれずどうしようもない気持ちに陥ることも少なくありません。そのような時子どもに強い言葉を投げかけるのではなく、一旦子どもと距離を置き冷静さを取り戻しましょう。そして保育士の立場ではなく子どもの立場に立ちなぜこのような行動を取るのか考えます。それでも解決しない場合は状況を他の保育士さんに共有をして、解決策を練り対応してくださいね。保育士さんが感情的になったり、感情を抑えようとしても表情に出ていると子どもを不安にさせてしまうので、1人で抱え込まずに先輩保育士さんに相談をしましょう。

まとめ

表情に気を配りながら子どもと向き合いましょう

保育士さんが子どもの話を聞く時は、共感をする姿勢を示すことが大切です。また日々の様子から子どもの小さな成長を見落とさずに一緒に喜びを共有することで、子どもは少しずつ信頼を委ねてくれるようになります。やがて子どもは保育士さんを自分のことを認めてくれる存在だと認識すると、積極的な行動や態度で返すようになりますよ。保育士さんの子どもを理解したい気持ちは子どもにしっかりと伝わるので、穏やかな表情を心がけ接してみましょう。

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