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保育士を目指す保育学生にとって、保育実習は避けて通れない学びの場です。保育実習の中には、決まった時間に保育学生がクラスの指導を行う部分実習という実習があります。では、この部分実習とは具体的にどんな実習を行うのでしょうか。今回は部分実習の年齢別の活動内容や指導案の書き方、部分実習で気をつけることなどを詳しく紹介します。これから保育実習を迎える保育学生の皆さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
部分実習とは
保育の一部分を実習生が受け持つ実習のこと

部分実習とは、園に定められた時間の中で保育実習生が主導になり、担当クラスの指導を行うことです。部分実習では、保育実習生が導入から活動の流れまで考えなければいけません。また、必要な道具や材料に関しても自分で用意する必要があります。例えば、なぞなぞをするなら自分でなぞなぞを調べて覚えたり、メモしたり、本を用意したりします。準備は大変ですが、自分の計画で活動を進められたときには、大きな達成感を味わうことができますよ。
部分実習でおすすめの活動例【0~1歳児向け】
手遊びや歌遊び
0~1歳児にとって、手遊びや歌遊びは楽しみながら遊べる活動としてとてもおすすめ。短いフレーズや繰り返しの多い歌は乳児にも覚えやすく、保育実習生が歌いかけることで子どもとの距離がぐっと縮まります。例えば、いないいないばあやグーチョキパーでなにつくろうなどの手遊びは、子どもが真似をしやすく、保育士と一緒に行うことでやり取りの楽しさを感じられます。必要な道具は特になく、その場で簡単に始められる点も部分実習に適していますよ。
部分実習でおすすめの活動例【2~3歳児向け】
爆弾ゲームやダンス

2~3歳児には、ルールを理解しながら身体を動かす遊びがおすすめです。爆弾ゲームは子どもがボールを音楽に合わせて渡し合い、音楽が止まったときにボールを持っていた子が負けという遊びです。また、ダンスのように音楽に合わせて踊る活動は、リズム感や表現力を育てられます。さらに、身体を大きく使うことで子どもたちが開放的な気持ちになれますよ。難しい準備は不要なうえに、音楽とちょっとした工夫で子どもたちは十分楽しめるので、部分実習に取り入れやすい活動といえるでしょう。
部分実習でおすすめの活動例【4~5歳児向け】
伝言ゲームやじゃんけん列車
4~5歳児には、友達と協力しながら遊ぶ活動や簡単なルールを守る遊びが効果的です。その一例が伝言ゲームやじゃんけん列車です。伝言ゲームでは、言葉を聞く集中力や相手に伝える表現力が育ちます。また、友達と協力する必要があるため、コミュニケーション能力も育まれますよ。こうした子ども同士のやりとりの中で、クラスの一体感を感じられるでしょう。じゃんけん列車は、じゃんけんをして勝った子の後ろに負けた子がつながり、最後は長い列になる遊びです。ルールが単純でわかりやすく、体を動かしながら友達との関わりを楽しめます。
部分実習指導案の書き方
保育園の決まりや規則をチェックする

部分実習の指導案を作成する前に、まずは実習先である園の決まりや規則を確認することが大切です。園によって使用できる教材や道具、時間配分、活動場所に関するルールが異なる場合があります。あらかじめルールを把握しておかないと、実習当日に想定していた活動が行えなかったり、安全面での配慮が不十分になったりする恐れがありますよ。園の方針を理解した上で指導案を作成することで、保育士や子どもにとって安心できる活動を計画することができます。
担当クラスの子どもたちの様子をチェックする
部分実習を行う前に、まずは担当するクラスの子どもたちの様子をしっかり観察することが大切です。子ども一人ひとりの発達段階や興味関心、友達との関わり方などを把握することで、適切な活動内容を選択できます。個別の配慮が必要な子どもについても把握しておきましょう。また、普段の生活リズムや落ち着いている時間帯、活動が盛り上がりやすい場面などを知ることは、実習を円滑に進める基盤になります。
指導案を作成する
観察をもとにした情報を整理したら、指導案を作成します。指導案には活動のねらいや内容、準備物、保育者の援助の仕方などを具体的に書き込みます。特に、ねらいは子どもの発達や興味に合った内容に設定することが重要。また、園によっては月案・週案・日案に沿って作成する必要があります。外で活動したい場合は雨が降った時の計画も立てておきましょう。大まかな計画が立てられたら担当の保育士に相談してみるのもおすすめです。
修正・再考する

作成した指導案は担当保育士に提出し確認してもらいます。いただいたアドバイスをもとに修正・再考をします。日々の業務の合間に見てもらうので、遅くとも部分実習の一週間前には提出するようにしましょう。また、1回でOKをもらえることはあまりないため、何度か修正する可能性を考えて早めに提出することも大切です。指導案作成に不安がある場合は担当保育士に相談しながら進めていくと安心ですよ。
副案を作成する
部分実習では、予定通りに進まないことも多くあります。そのため、必ず副案を準備しておきましょう。例えば、子どもが集中できない場合や準備した道具がうまく使えない場合に備えて、代替の活動を考えておくと安心です。副案は本案と関連性を持たせるとスムーズに移行できますよ。また、天候や子どもの体調などの予測できない要因に柔軟に対応するためにも、副案は重要といえます。複数の選択肢を持っておくことで、実習当日に焦らず子どもたちの状況に合わせた保育を展開できるでしょう。
部分実習指導案に書く内容
ねらい

部分実習におけるねらいは、活動を通して子どもたちにどのような力や経験を身につけてもらいたいのかを示す重要な項目。ねらいは、子どもの発達段階や興味関心に基づいて具体的に設定します。例えば、友達と協力して遊ぶことを楽しむ、身体を大きく動かしながら達成感を味わうなど、活動を通じて得られる学びを明確にします。実習生自身が活動中に意識しやすくなるため、実際の子どもの姿を思い浮かべながら書くことが大切ですよ。
活動内容
活動内容には、具体的にどのような遊びや取り組みを行うかを記載します。導入・展開・まとめの流れを意識しながら、時間配分も含めて整理するとわかりやすくなります。導入では子どもが興味を持てる仕掛けを用意し、展開ではねらいに沿って活動を広げ、まとめでは活動の達成感を共有できるように工夫しますよ。内容は複雑すぎず、子どもが主体的に取り組めるようにすることがポイントです。また、準備する道具や素材も明記しておくことで、当日の進行がスムーズになります。
環境構成
環境構成では、活動を行う空間や道具の配置、安全面への配慮などを具体的に示します。例えば、体を大きく動かす活動なら十分な広さを確保し、座って取り組む活動なら机や椅子の配置を工夫するなど、活動に適した環境を整えます。また、子どもが安全に自由に動けるように危険な物を取り除いたり、必要に応じて区切りを作ったりすることも重要。環境構成は活動の成否を左右するため、子どもの年齢や人数を考慮した上で細かく計画することが求められます。
予想される子どもの姿

予想される子どもの姿には、活動中に子どもがどのような反応や行動を見せるかをあらかじめ想定して書きます。楽しそうに参加する子どももいれば、戸惑ったり興味を示さなかったりする子どももいます。様々な姿を想定することで、実習生は当日の柔軟な対応が可能になりますよ。例えば、友だちと協力して取り組む子どもがいる一方で、一人で集中する子どももいる。または、活動に参加せず見ているだけの子どももいるなど、幅広い予想を立てておくと安心です。こうした予想は、保育士として子どもの姿に寄り添う視点を養うことができます。
実習生の動き
実習生の動きでは、自分が実際にどのように行動するかを具体的に記します。導入では子どもの興味を引く声かけを工夫し、展開では活動を安全に進めるために見守りや援助を行います。困っている子どもには個別に関わり、活発すぎる子どもには落ち着いて取り組めるような声かけを意識しましょう。また、活動全体を通して子どもの様子を観察し、必要に応じて活動を調整する柔軟性も求められます。実習生自身が、どのように保育現場をリードして子どもと関わるのかを事前に具体化することで、自信を持って実習当日を迎えられるでしょう。
部分実習で気をつけること
身だしなみやマナー

まず実習に向けて気を付けることは、服装や髪型といった身だしなみです。服装に関しては、ジャージやTシャツなど、園からの指定があると思います。だらしなく見えないように着こなしましょう。髪が長ければまとめ、爪も短く切ります。また、派手なマニキュアやアクセサリーは、子どもの誤飲やケガにつながる恐れがあり危険なので避けます。メイクは最小限で清潔感のあるメイクが好ましいですよ。実習中は敬語を正しく使い、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
子どもたちとの接し方
笑顔や声の大きさは、特に周囲の子どもたちや保育士に見られています。まずは、子どもたちに元気な声と笑顔で話しかけていきましょう。また、子どもたちと目線を合わせることも大切なポイントですよ。そして時には、すぐに子どもたちの手助けをせずに、子どもたちの様子を見守るということも必要です。子どもたちが喧嘩をしてしまった際には、一方的に叱らず双方の話を聞いてあげましょう。子どもたちの接し方について気を付けるべきポイントは様々あります。今の自分にできることを精一杯取り組んでいきましょう。
質問するタイミング

初めての保育の現場なので、分からないことがあるのは当然です。分からない事を分からないまま自己判断で進めてしまうと、トラブルに発展することもあります。分からない時には、担当保育士もしくは他の保育士に必ず質問しましょう。特に、子どもの具合が突然悪くなった時やケガをした時など緊急の場合は、ためらわずにすぐ相談します。一方で、緊急性がない場合はメモに書き留めておき、業務終了後に質問するのがおすすめです。初日は特に分からないことだらけかもしれませんが、常に学ぶ姿勢を持って臨みましょう。
まとめ
準備をしっかりして部分実習に備えよう

いかがでしたか?部分実習を成功させるためには、事前の準備が欠かせません。部分実習の内容や担当する活動の流れ、使用する教材や道具をしっかり確認し、時間配分や子どもたちの反応も想定しておきましょう。また、子どもたちの年齢や発達段階に応じた関わり方を学び、柔軟に対応できるよう心構えを持つことも大切です。さらに、身だしなみや言葉遣い、マナーといった基本を整えることで、保育士や子どもたちからの信頼を得やすくなります。部分実習は、保育学生にとって学びの場であると同時に成長の機会。焦らず、丁寧な準備を重ね、自信を持って部分実習に臨みましょう。



























