保育園でできる風邪予防とは?簡単な食育についても解説します!【おたより・保健指導・食育・給食だより】

だんだんと気温が下がり、風邪や感染症などが流行し始める季節になってきました。そこで、今回の記事では「保育園でできる風邪予防」に焦点を当て、子供たちが風邪をひくことなく楽しい冬を過ごすための情報をご紹介します。この記事を読むことで風邪予防の基本から風邪予防につながる食育、免疫力を高める食材などが詳しくわかります。子供たちが笑顔で冬を楽しむために、この記事を参考にして風邪予防について考えてみてくださいね!

子供が風邪をひきやすい理由は?

免疫力が未熟だから

子供が風邪をひきやすい最も大きな理由は、免疫力が未熟だからです。なぜ子供の免疫力が未熟なのかというと、新生児が母体からもらった抗体である「免疫グロブリン」が生後6ヶ月以降から減少していくからです。「こどもが保育園に通い始めたとたんに子供が風邪をひきやすくなった」というような話を聞いたことはありませんか?これが起こるのは保育園に通い始める時期と「免疫グロブリン」が減少し始める時期がかぶりやすくなるからなのです。このように、子供が保育園で風邪をひきやすい理由には、免疫力が未熟で抵抗力が低いという理由があげられるのです。

厚着をさせ過ぎているから

寒い季節になってきたからと言って過剰に厚着をさせ過ぎていませんか?実は、この過剰な厚着が、かえって風邪をひきやすくしている原因になってしまうのです。その理由は、過剰な厚着によって大量の汗をかき、服を脱いだ際に汗によって体を冷やしてしまうからです。子供の場合は暑いや寒いといった感覚がわからないことも多く、親御さんや保育士の判断がとても重要です。ですから、こどもが暑がっていないか、寒がっていないか、汗をかいていないかをこまめに確認し、そのうえで洋服の脱ぎ気をさせるようにしましょう。

子供同士の接触が多いから

子供同士の接触が多いのも子供が風邪をひきやすい理由の1つです。保育園は何人もの子供が一緒に遊んだり、食事をしたり、昼寝をしたりする集団生活の場です。このような子同士の接触が多ければ多いほど、風邪がうつってしまう確率も当然高くなりますよね。特に、秋や冬などの空気が乾燥している季節は風邪がはやりやすい時期なので、ほかの子供から風邪をもらいやすくなるので注意しましょう。

水分不足になってしまいがちだから

水分不足は風邪になりやすい原因の1つです。私たちの風は適切な水分を保持することが必要で、水は人体に欠かせません。十分な水分を摂らないと、呼吸器系や消化器系、免疫系の正常な機能が妨げられ、風邪ウイルスに対する抵抗力が低下するのです。さらに、水は粘膜を潤し、ウイルスや細菌が侵入するのを防ぐバリア機能をサポートします。そのため、水分不足が続くと粘膜が乾燥し、風邪をひきやすくなってしまうのです。特に風邪がはやりやすい秋や冬は空気が乾燥しやすいためこまめに水分補給するようにしましょう。

衛生状態の管理が行き届いていないから

衛生状態の管理不足は、子供が風邪にかかりやすい原因の1つです。特に保育園といった共有の場で衛生状態の管理が行き届いていない場合、風邪の感染リスクが高まります。子供たちは抵抗力がまだ発達途中で感染症に対する免疫力が成人と比べて低いため、清潔な環境を維持することが重要です。清潔な環境を維持するためには手洗いの習慣や適切な咳エチケットが必要不可欠ですよね。また、共用のおもちゃや文房具の髭右が風邪をほかの子供に移してしまう原因にもなります。このように、衛生管理が行き届かない場所では風邪ウイルスが簡単に広がりやすくなってしまうので注意しましょう。

保育士くらぶ

保育園でできる風邪予防の方法は?

手洗いうがいを徹底する

風邪予防の基本は、手洗いうがいの徹底です。子供だけでなく保育士も常日頃の手洗いうがいを意識することで、園内にウイルスを持ち込むリスクを減らせます。例えば、子供が外遊びから帰ってきたときや食べ物を食べる前、トイレに行った後などに「手洗いうがいをしてね」としっかりと声をかけるようにしましょう。毎日このような指示を子供に出していると習慣化されていき、自分から気付いて手洗いうがいをするようになります。

こまめな検温と視診を徹底する

保育園でできる風邪予防の2つめは、こまめな検温と視診です。子供たちが元気で健康な状態でいるかを確認することは、風邪や感染症の早期発見と拡散を防ぐ重要な手段です。

こまめな検温:保護者や保育士が子供たちの体温を定期的に測定しましょう。発熱がある場合は、早急に対処し、風邪の拡大を防ぎます。高い体温は風邪の兆候であることが多いため、注意が必要です。

視診:子供たちの健康状態を観察しましょう。「顔色がいつもより悪い」「いつもとは違い、家に帰りたがっている」「食事の量が少ない」これらの様子が見られる場合は体調を崩している可能性があります。

これらの作業は流れ作業になってしまいがちです。保育園では子供たちの健康と安全を確保するために検温と視診を積極的に行い、感染リスクを最小限に抑える努力を欠かさないようにしましょう。

加湿器や空気清浄機を設置する

空気清浄機や加湿器を設置することで風邪を予防することができます。なぜなら、風邪などのウイルスは乾燥していると活発になるからです。特に秋や冬などの空気が乾燥しやすい時期は、空気清浄機や加湿器を設置することをおすすめします。しかし、ただ設置して湿度をあげればよいのではありません。実は高温高湿になると、今度はダニやカビが発生してしまう可能性があります。ダニやカビへの対策で空気清浄機を設置する場合は以下の2点を意識してください。

①冬の室温20度~23度、湿度60%に設定する
②換気をこまめに行う(できれば1時間に1回程度、対角にある2つの窓を開ける)

子供にこまめに水分補給をさせる

風邪がはやりやすい秋や冬は、こまめな水分補給を行うことで風邪を予防することができます。なぜなら、空気が乾燥しやすい時期はのどが乾燥してしまいウイルスが付着しやすくなるからです。風邪予防に有効とされている水分補給の頻度は30分~1時間に1回程度に飲むようにしましょう。この時に意識してほしいことは、がぶがぶと一気飲みしてしまわないで「2,3口をこまめに飲む」ということです。水を一気飲みしてしまうと「水中毒」を引き起こす原因になってしまいます。県土の場合は頭痛や嘔吐、重度の水中毒になってしまうと意識障害の症状が出る場合があるので注意しましょう。

園内の清掃と消毒をこまめに行う

風邪がはやりやすい時期は、園内の掃除と消毒をこまめに行い衛生状態の管理を徹底しましょう。なぜなら、子供がつばや鼻水がついた手でおもちゃやドアノブなどに触れてしまうと、そこを経由してほかの子供に風邪をうつしてしまう可能性があるからです。以下のものや場所はこまめに清掃、消毒を行うようにしましょう。

①蛇口
②ドアノブや手すり
③トイレ(便座やふた、トイレットペーパーホルダー等)
④机
⑤椅子
⑥おもちゃや本

保育園で行う風邪予防になる保健指導は?

年齢ごとに合った手洗い指導をしよう

年齢別に手洗いの指導を考える際は、以下のポイントを参考にしてください。

・0歳:保育士がタオルや手拭きで手を拭いてあげることが重要です。この段階で「手が汚れたら洗ったり拭いたりする」という習慣を身に付けさせます。

・1歳:手洗いを教える際には後ろから体を支えながら指導します。水の勢いも調整が必要です。

・2歳:自分で手洗いをしたがる場合は、多少できていなくても褒めてあげることで自信をつけさせましょう。

・3歳以降:ここからは正しい手の洗い方を教えましょう。ハンドソープを使い、手を洗う練習をします。手のひら、手の甲、指の間を両手を使って5回ずつ洗う指導を行います。

風邪予防につながる食育

バランスの良い食事をとろう

必要な栄養素をバランスよく摂ることを意識しましょう。食べ物は、その働きによって3種類に分けられます。以下を参考にしてそれぞれバランスよく摂ることを意識してください。

【血や肉、骨や歯を作る】肉・魚・豆類・卵・乳製品
【エネルギー源になり、力や熱のもとになる】穀類・砂糖・油脂類・イモ類
【体の調子を整えて、病気への抵抗力がつく】野菜・果物・海藻類・キノコ

体温をあげるような食事をとろう

風邪を予防するためには、体温をあげるような食事をとるようにしましょう。なぜかというと、体が温めることで栄養を補給する力がたくさん働き、栄養を補給する力が働くことによって疲れにくい体を作ることができます。ほかにも白血球の働きが良くなるという効果もあります。白血球の働きが良くなるとウイルスや菌から体を守ってくれるのです。体を温める効果があるスープなどを食事の際に飲むようにしましょう。

【体を温める食材】
・黒糖
・ニンジン
・ショウガ
・お肉 など

腸内の環境を整える食事をとろう

腸内環境を整えることで、免疫力が上がり感染症を予防することができます。上記で紹介したバランスの良い食事をとるだけではなく、食事で腸内環境を整えることも意識しましょう。腸内環境を整えるためには以下の2つのポイントがあります。

①発酵食品を取り入れる
発酵食品を摂取することで、腸内の善玉菌を増やすことができます。
(ex.納豆・ヨーグルト・漬物・味噌)

②食物繊維を取り入れる
食物繊維は、腸内細菌のえさになります。それに加えて、便通をよくする役割もあります。
(ex.きのこ・海藻類・加熱野菜)

風邪予防になる免疫力を高める食材

鶏肉

鶏肉はビタミンAが豊富に含まれ、粘膜の健康や肌の保湿、感染症の予防に役立ちます。特に鶏レバーには多くのビタミンAが含まれ、脂質と一緒に摂取することで吸収が向上します。ほかにも鶏肉にはコラーゲンやビタミンKも含まれ、骨の健康もサポートしてくれるのです。さらに、イミダゾールジぺブチドという成分が疲労回復や脳に良い働きがあり、その効果は長時間持続します。特に鶏のムネ肉に多く含まれているため、バランスの取れた食事に組み込むことをおすすめします。

にんにく

ニンニクには免疫力を高める栄養素であるアリイン、ビタミンB1が含まれています。それぞれの栄養素には以下のような働きがあります。

・アリイン:ニンニクに含まれているアリインには強い抗酸化作用があり、この抗酸化作用が働くことによって免疫力の低下の原因である活性酸素を取り除くことができるのです。

・ビタミンB1:免疫に関係するlgA抗体というものがあり、これは体内に侵入してきたウイルスにくっつき無力化する働きがあります。ビタミンB1が不足してしまうと、このlgA抗体が作られにくくなってしまいます。

かぼちゃ

かぼちゃには、免疫にかかわる栄養素であるビタミンAやビタミンC、ビタミンEが含まれています。それぞれの栄養素には以下のような働きがあります。

・ビタミンA:ウイルスや細菌が侵入するのを防ぐ働きがあり、粘膜が乾燥するのを防ぐ効果があります。
・ビタミンC:細菌から体を守る効果がある白血球の機能を高めてくれます。
・ビタミンA、C、E:抗酸化作用があり、免疫力が低下してしまう原因の1つである活性酸素を取り除いてくれるのです。

バナナ

バナナには免疫にかかわる栄養素である、ビタミンB6、食物繊維、糖質などが含まれています。それぞれの栄養素には以下のような働きがあります。

・ビタミンB6:ビタミンB6はたんぱく質の代謝に欠かせない栄養素です。これが不足してしまうとたんぱく質をうまく体に吸収することができず、免疫力の低下につながります。

・食物繊維:食物繊維の主な効果は、腸内環境を整えて免疫細胞を活性化させることです。

・糖質:糖質は消化されることでからだのエネルギー源となる栄養素です。これが不足してしまうと免疫力の低下を起こしてしまいます。

まとめ

風邪予防を徹底して楽しい冬にしよう!

いかがでしたか?これからの時期は、保育園でも風邪予防を徹底していく必要があります。たくさんの子供が同じ場所で過ごす保育園の感染経路は1つだけではありません。そのことを意識して、手洗いと咳チケットの実践や、栄養バランスのとれた食事の提供を日々行うようにしてあげましょう。保育園での風邪の流行を抑えるためには、保護者の方との連携も必要不可欠です。子供たちが風邪をひくことなく楽しい冬を過ごせるように、風邪予防を積極的に実践しましょう!

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