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保育士さんには女性が多く,結婚・出産を経験する保育士さんも多くいらっしゃいます。
出産を経て育児に専念したい場合に活用したいのが「育休」です。
保育士さんは育休を取りにくいという声を聞くこともありますが,育休を取ることは実際に可能なのでしょうか。
今回は,そんな保育士さんの育休事情をリサーチしました。
育休の取り方,取るための条件,育休中の給料、育休の延長はできるのか,期間はどれくらいなのかなどについて紹介していきます。
そもそも「育児休業」とは?
「育児休業」とは,子育てのために取得する休業のことです。
出産前後に取得するお休みには育休の他に産休があります。
産休は出産した女性が回復するための休業で男性は取得できませんが、育休は男女問わず育児をする人のための休業制度です。
産休は基本、出産予定日の6週間前から出産後8週間後まで取得することができます。
育児・介護休業法とは?
育休は正式には「育児休業」と言う名称で、現在は育児・介護休業法と言う法律に定められた制度です。
この育児・介護休業法は、“子育てや介護など家庭の状況から時間的制約を抱えている時期の労働者について仕事と家庭の両立支援を進めていく”ことを目的に制定された法律です。
育休の期間はいつからいつまで?
育児休業の期間は、基本子どもが1歳の誕生日を迎えるまでですが、預ける保育園が見つからないなどの事情がある場合には、1歳6か月まで延長が可能です。
さらに2017年の改正で、2歳になるまで延長することが可能になりました。
(※詳細は後述)
育休の取得要件は?
正規雇用の保育士さんなら問題ありませんが、パートや契約社員、派遣社員で期間が定められている保育士さんは取得のための要件を満たす必要があります。
1. 過去1年以上継続し雇用されていること
2. 子どもが1歳6か月になるまでの間に雇用契約が無くなることが明らかでないこと
3. 1週間に3日以上勤務していること
育休はどのように申請すればいい?
では,育休を申請するにはどのような手順を踏めばいいのでしょうか?
保育園に相談
まずは保育園に相談してみましょう。
現場が忙しかったりして,雰囲気的になかなか言い出せないということもあるかもしれませんが,手続きに時間がかかってしまう場合があるため,勇気を出してなるべく早めに育休を取りたい旨を伝えましょう。
その際には,産前休暇の有無,出産予定日,復帰の時期についても伝え,復帰後の働き方についても相談しておくとよいでしょう。
育休に関する諸々の手続き
育休に関する手続きとしては,主に以下のようなものがあります。
・育児休業手当金の申請手続
・育児休暇中の社会保険料の免除手続
申請の手続きに関しては,勤務先の担当者に確認しておくようにしましょう。
基本的に書類関係の手続きに関しては,書類の用意や各機関への提出も含めて保育園側の担当者が行ってくれます。
ただし,申請書そのものについては自分で書く必要がありますので,必要な書類は事前にもらっておきましょう。
なお,育児休業給付金については受給が始まってから2か月ごとに追加申請が必要となりますので,その申請に関しても保育園がやってくれるのか自分でやるのか確認しておくといいでしょう。
育休中のお給料は?どれくらいもらえるの?
続いては、気になる育休中のお給料について紹介します。
産休と同じように、育休中も勤務先からお給料はもらえません。
その代わりに、国からの手当や給付金を受け取ることできます。
育児休業給付金
育児休業中に支給されるのが「育児休業給付金」です。
その支給額は育児休業開始時の賃金の67%(手取り給与のおよそ8割)で、育児休業開始時から6か月間支給されます。
その後、育児休業が終了するまでは育休開始時の賃金の50%が支給されます。
児童手当
中学校卒業までの児童を養育している場合に支給されるのが児童手当です。
3歳までの幼児は年間180,000円を受け取ることができます。
保育士さんの育休事情。育休は取りやすいの?
厚生労働省の「令和元年度雇用均等基本調査」によると、女性労働者の育児休業取得率はここ10年横ば令和元年の取得率は83.0%でした。
このデータは、全国約6000の事業所を対象にした調査で、8割の女性労働者が育児休業を取得しているという結果になっています。
上記のデータから,近年は保育士さんに関しても例に漏れず,育休を取りやすくなってきているということができるでしょう。
しかしその一方で,保育士さんの育児休業取得率を示す詳細なデータはないものの、一般企業などに勤務する女性と比べると、その取得率はやや低くなっているのではないかと思われます。
保育士という職業は、産休や育休を取りにくいと感じている保育士さんは半数以上にも上るというアンケ―ト調査もあります。
その原因として、保育士不足や担任制が挙げられます。
また、職場の雰囲気が育休を取得することを暗に拒否していると感じる保育士さんも存在するようです。
育休取得の前例が無い、あるいは極端に少ないという保育園では、中々育児休暇を取得しますとは言えないのではないでしょうか?
そのため、出産を機に退職してしまう人や、産休は取得するけれど育休は取らずに復帰するという保育士さんも少なからずいるそうです。
育休から職場復帰したいけどなかなか難しい。そんな時は…
育児休業は子どもが1歳になるまで取得することができます。
育児休業をすることができるのは、原則として子が出生した日から子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で労働者が申し出た期間です。
出典:厚生労働省・育児・介護休業法のあらまし
しかし、その時点で子どもを見てくれる人がいない、預ける保育園が見つからないという場合には1歳6か月まで育児休暇の期間を延長することができます。
子が1歳に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳に達する日の翌日から子が1歳6か月に達する日までの期間について、事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができます。
- 育児休業に係る子が1歳に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている場合
- 保育所に入所できない等、1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合
そこからさらに2歳まで再延長することも可能です。
パパ休暇・パパ・ママ育休プラス
出産後8週間以内の産後休業期間内に、父親が育児休業を取得した場合は、特別な事情が無くても父親が再度育児休業を取ることができるという「パパ休暇」という制度があります。
また、両親が同時に育児休業を取得すれ際には、子どもが1歳までの育児休業期間が1歳2か月まで延長される「パパ・ママ育休プラス」という制度もあります。
期間をうまく調整することで育児休業給付金が、1歳2か月まで67%の支給を受けられます。
まずは職場の保育園と相談しましょう
お勤めの保育園の産休・育休事情をまず確認しましょう。
就業規則に記載があればそれに従うのはもちろんですが、明文化されていない場合には園長や主任など上司に確認しておきましょう。
先輩保育士にそれとなく尋ねてみるのもひとつの手です。
直前で後悔することのないように、それ以前にしっかり把握しておきましょう。
※時短勤務や産休に関する記事も参考にしてみて下さい。
産休・育休の取りやすい保育園を探すには?
正社員として一つの保育園で長く働きたい女性にとっては,産休育休の取りやすい職場を選ぶことは十手の重要なことです。
では,そのような職場はどのように探せばいいのでしょうか?
方法の一つとしては,保育士専門の求人サイトや転職サイトに登録して探すというものがあります。
このサイトの運営元である株式会社アスカでも,「保育求人ガイド」というサイトで保育士さん向けに様々なお仕事を紹介しています。
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まとめ
今回は,保育士さんの育休に関して紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
そもそも育休とは何なのかと言うことの他に,育休の取り方,取るための条件,育休中の給料、育休の延長はできるのか,期間はどれくらいなのかなどについて大まかに理解していただけたら幸いです。
育休は,条件を満たせば誰でも利用することのできる制度なので,その仕組みを理解したうえで積極的に利用して子育てに専念できる環境を整えましょう!