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こんにちは!保育士くらぶ編集部です。
保育士くらぶでは、保育現場で明日から使える最新トピックや保育士さんの転職、キャリアをサポートするコンテンツをおとどけしています。
求人情報や転職・キャリアのご相談は同グループが運営する「保育求人ガイド」をご覧ください。
早速ですがみなさん、インクルーシブ保育をご存じでしょうか?おそらく知っているようで知らない方が多いと思います。
今回はまだまだ知られていない、「インクルーシブ保育」についてまとめてご紹介したいと思います!
そもそもインクルーシブ教育とは?
インクルーシブとは
まず、インクルーシブ保育の前に「インクルーシブ教育」といった全体を見ていきましょう。
インクルーシブは日本語に訳すと、「包括的」「包み込む」といった意味になります。
インクルーシブ教育とは障害のある子もない子も共に学び、共生社会の実現に貢献するという考え方であり、「すべての子供のための教育」という意味が込められています。
つまり平等かつみんなで助け合いながら学ぶ教育を目指す指標ということです。簡単に言うと、今まで分けられていた通常クラスと障害者クラスの隔たりをなくす社会づくりの一角であると言えます。
障害の有無を問う区別自体をなくし、自然体で関わり合える社会を目指すということですね。
詳細なものは文部科学省に記載があります。
1.共生社会の実現に向けて:文部科学省
インクルーシブ保育とは何か
いよいよインクルーシブ保育とは何かについて紹介していきたいと思います。
主に小学校や中学校で取り入れられているインクルーシブ教育の対象が、「保育」である場合を指します。
障害のある子もない子も共に育ち、学んでいける保育
どんな子も排除をせず、同じ空間で同じように成長できる園の取り組みです。当然ながらこのような取り組みは全ての園で行われているわけではありません。
入園を希望する際も希望しない際も、きちんと有無を確認したうえで決断しましょう。
インクルーシブ保育のメリットとは?
ここまでインクルーシブ保育について簡単に説明をしましたが実際にどんなメリットがあるのか、園に通う子供と勤務する保育士さんに分けて紹介したいと思います。
メリット~子供編~
実際に園でインクルーシブ保育を体感する子供たち。障害がある子もない子も互いに関わり合うことになる子どもたちに入ったいどんなメリットがあるでしょうか。
小学校入学前という幼いころから障害を持った子どもとの関わりを持つことで、「当たり前」と思える環境に身を置くことになります。世の中には多種多様な人がいて、みんな特別であると身をもって体感できる空間は人間形成を築くのに大きな助けとなるはずです。大人になっても消えないような差別や偏見を持たずに成長できるのも大きなメリットです。
スムーズに作業が出来ない子、言葉が出てこない子、、、そういった子どもに手を差し伸べ助けられる習慣が自然に身に着くのも大きなメリットです。思いやりを持ち、誰とでも尊重し合える環境で育つことで精神的にも大きな成長をしていきます。
園にいる多種多様な子どもたちと関わり合うことは双方にとって大きな刺激となり、その分互いに学ぶことも多いです。
メリット~保育士編~
続いてそんな子どもたちの面倒を見る保育士さんのメリットについて紹介します。
障害のある子どもも多く通う園では保育士さん自身のスキルも磨いていかなければなりません。障害児への向き合い方・接し方、資格、ケアなど学ぶことは多くあります。幅広いスキルを身に着けることで、通常の園での勤務になっても活かせる機会が増えます。
障害の有無にかかわらず、インクルーシブ保育園に通う子どもたちは常に変化や成長が見られます。雰囲気や取り組みも通常の園との違いがあり、保護者に常時報告することが多くあります。そのため保護者との関わりもより密接になりコミュニケーションを取る中で身に着くものも増えてきます。保育士として、一人の人間としてやりがいを感じる場面も多くなってくるのも特徴です。
インクルーシブ保育のデメリットと課題とは?
上記デメリットをまとめましたがデメリットも多く存在するのがインクルーシブ保育。ここからはデメリットについて子どもと保育士さんに分けて紹介していきます。
デメリット~子ども編~
何度も示してきたインクルーシブ保育の特徴である「多種多様」な環境は、慣れるまでが大変です。一人一人の違いを認め合うことはそう簡単ではありません。また決して全員が同じスピードで慣れていくわけでもないため、個人差により発生するトラブルも考えられます。
これは障害を持つ子どもが感じやすいことです。常に障害のない子どもがいる環境において比較し劣等感を感じてしまうことも少なくありません。
障害がある子にとってサポートはなくてはならないもの。遊びや学びにおいてどれほどサポートが充実しているのかによって子どもたち同士のトラブルの頻度も変わってきます。園選びではそういった点も注意する必要がありますね。
障害のある子ども分け隔てなく一緒に学べる内容のため、障害のない子にしてみれば満足できないこともあり得る話です。時にはそれによって成長のステップアップを妨げてしまうことに繋がりかねない場合もあるため子供の気持ちに寄り添い、様子を見ながら通わせるのがベストです。
デメリット~保育士さん編~
先ほど、メリット編で紹介した「高いスキル」ですが実はデメリットにもなり得るのです。障害の子供のためにプラスアルファで学び実践できなければならないため、負担に感じる人も。通常よりも気を付ける要件も多く、神経を使い疲れを感じやすいのも確かです。また、自分の対応次第で子どもたちのトラブルの誘発や勃発が伴うため、通常以上に細心の注意は欠かせません。
日本ではまだまだ少ないどころか認知すらままならないインクルーシブ保育。そのため分からないことや参考にする事例が少ないのも事実です。熱意や向上心、ある程度のセンスや経験の有無が問われてきます。
インクルーシブ保育の課題
上記デメリット編で紹介したことが主な課題と言えるでしょう。そこで改めてまとめたいと思います。
障害の有無などの多種多様な環境に慣れるまでが大変である。
障害のある子どもたちにとっては避けられない比較・劣等感
トラブルの有無はサポート次第で変わってくる
内容に物足りなさを感じる子どももいる
【保育士さん】
高いスキルや専門知識が必要とされる
インクルーシブ保育の前例が少ない
主にインクルーシブ保育の課題はこのようになっています。
インクルーシブ保育を実践しよう
実践例
少ない、、、とは言えども積極的に取り入れている保育園or取り入れようと試みている保育園などが多くなってきています。
ここでは冒頭でも示してある「保育求人ガイド」より、インクルーシブ保育を取り入れている保育園をご紹介したいと思います。以下の保育園が気になった方は上記サイトを参考にしてください。
埼玉県にある『ふらっと保育園』は6ヵ月~5歳児を対象とした保育園です。
障害を持つインクルーシブ保育を積極的に扱うほか、年齢別保育と異年齢保育も取り入れているそうです。
こちらの保育園は、0歳~5歳までを対象の認可保育園です。様々な国の文化を取り入れアットホームな環境が特徴だそうです。
また、2021年1月には重度心身障がい児施設オープン予定とのことでインクルーシブ保育にもますます力が入りそうですね!
注意も必要
ここまでインクルーシブ保育園のメリット、デメリットを見てきました。
実際に勤める保育士さんも、我が子を預ける保護者の方も選ぶ際にはよく調べてから決める必要があります。
特に保育士さんの場合、園の体制によってはまだまだ整っていない所や、勤めている保育士のスキルやノウハウが不十分な可能性を考える必要があります。
また、保育士と保護者に共通して言えるのは、気になる園が生じたら実際に連絡をして話を聞いてみたり、見学をするなどの現場を観察することがおすすめだということです。下調べが非常に重要ですね!
最後に~まとめ~
まだまだ未知の領域のインクルーシブ保育園。
ですが、障害の有無にかかわらず、同じ教育課程で学んでいく取り組みは非常に素晴らしく、もっと認知度が上がってほしいと思います。
最後に繰り返しますが、インクルーシブ保育に関する日本での事例が非常に少ないため、十分な知識が必要です。興味がある、勤めたいと思う方は念入りに研究し知識を身につけましょう!
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