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保育要録とは?
保育士の皆さん、保育要録についてどのくらいご存じですか?まだまだ知らない方も多いのではないでしょうか。また、これから保育士になりたい方も知っておく必要があるので目指している方は要チェックです!
実は保育要録という言葉は略語で、正しくは「保育所児童保育要録」なのですね。一般的には「保育要録」と呼ばれています。
一言でいうと、保育園での子供の成長過程や様子について記録したものを指導方法として小学校に引き継ぐものです。
厚生労働省が載せている下記の資料によるとこのようになっています。
小学校に提出するものということで、年度末に整理するケースが多いのではないかと思います。しかし年度末は、毎年卒園シーズンでもあり変化が大きく保育士さんも大変ですよね。
いよいよ季節も12月に突入し年末になることもあり、一度まとめ直してみるのもいいかもしれません。
保育要録の書き方について
保育要録の基本的な記入方法
続いて、具体的に保育要録にはどんなものを書いていけばよいのか説明していきたいと思います。
厚生労働省が示している実際の形式がこちらです。
参考資料:保育所児童保育要録(入所に関する記録)
保育士さんたちは記録する際に、このような形に沿って記入していく事になります。
またその中身に必要となってくる基本的な情報は下記です。
2 保護者の氏名及び現住所
3 児童の保育期間(入所及び卒所年月日)
4 児童の就学先(小学校名)
5 保育所名及び所在地
6 施設長及び担当保育士氏名
続いて保育に関する具体的な記録です。
年度当初に設定した全体的な計画に基づき見通した目標や過程を記入することが必要です。園生活における狙いとは何か、何を目指しているのかを踏まえましょう。
1年を振り返り、保育士さん自身が子供の指導において特に重視してきた点を記入することが必要です。何に気を付け、何を意識したのか振り返ることが重要です。
※保育所児童保育要録の内容は2018年3月に改正されています
① 養護と教育に関する事項が一体化
② 参考となる資料として「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」の追加
②の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に関しては、本サイトでも以前「10の姿」についてまとめた記事があるので参考にしてみてください。
また、「入所に関する記録」「保育に関する記録」の実際の記録用紙はこちらです。


作成時のポイントについて
続いては作成時に何をポイントとして書けばよいのかを説明していきます。
最終年度の1年間の保育(年長児)における指導過程において、子供たち一人一人の発達状況を記入します。クラス内で誰が優れているという問題ではなく、一人一人の園児が何を向上させたのか、克服したのかといった視点が重要です。
これはハンディーキャップや、園児に気になることがあった場合のみの記載です。また、アレルギーや通園中に生じた病気などがあれば記載する必要があります。
抽象的かもしれませんが、この要録は小学校の先生方に引き継ぐものなので十分に意識する必要があります。子供の特性や能力、成長過程などを具体的に示すのがおすすめです。
入所した0歳の時から卒園するまでの過程を振り返る必要があります。どのような保育過程で子供がどのように成長したのかを現在の年長児の姿に重ね合わせ、示すことが重要です。
子供の姿と重ねて書く
一人一人の子供の記録が必要な保育要録。しかし子供たちはみな十人十色です。そのため、日ごとに子供を決めて観察することが大切だと思います。また実際に記入するときは、その日書く対象の子供が参加した園の行事記録や、預かっている連絡帳、写真や動画や作品などを参考にしながら子供の姿を思い浮かべて記録することがおすすめです。
ネガティブな言葉は避けよう
保育要録はあくまで小学校教育においての参考資料であり、成長の過程や状況を確認するためのものです。他の園児と比べたり、「○○が出来なかった」といったネガティブ用言は避けることをおすすめします。
また、上記でも触れた「配慮事項」に関しては引き続き小学校へ上がっても周囲が配慮をする必要のある事項を記入するものという区別を持ちましょう。
全体的に言葉は分かりやすく柔らかく
保育士の方々は、子供たちが赤ちゃんの頃から見てきているのでどんな子でどんな成長をしたのかまでわかると思います。しかし提出する先は「小学校」というそれぞれの子どもたちの背景を知らない人たちです。
そのため、いかにわかりやすく相手に伝えられるかがポイントとなってきます。難しく抽象的な表現は避け、誰が読んでもわかりやすく具体的な表現を意識して記入していきましょう。
また、保育要録は端的にまとめる「要約力」が必須となってきます。苦手な方は先輩保育士さんが過去に書いたものを参考にさせてもらったり、第三者にチェックしてもらうようにしましょう。
他者目線も忘れずに
上記でも触れていますが、第三者の目線も非常に重要なのが保育要録です。自分の主観だけでまとめてしまうと、一方の視点しかなく公平性に欠けます。その子どもと関わりのある大人からの視点や意見を積極的に取り入れるようにしましょう。様々な人の感じ方を記入することで、見た人が想像しやすくなる他、成長過程を確認しやすくなります。そのためにも他者である第三者の目線の記入を忘れないようにしましょう。
実際の記入例を見て見ましょう
それではいよいよ実践例を見ていきましょう!
記入例(部類別)
☆ 友達と関わる中で思いやりを持って接することが出来る
☆ 高学年になると、年下の子どもたちの面倒をよく見ていた
☆ しなければならないことを自覚し、最後まで自分の力でやり遂げられる
☆ 作業する際には工夫をしながらあきらめずに取り組むことが出来る
☆ 自ら積極的に体を動かし、安全な生活を心掛けることが出来る
☆ 自然の変化を通じて好奇心や探求心を持って関心を深めながら、命の大切さを学んだ
記録は日常から
保育要録は基本的に卒園シーズンに整理するものだと思います。しかし、年度の変わり目ということもあり、卒園する子供たちの作業ばかりをするのも無理があります。そんな忙しい期間に一度に多くの子供の記録をまとめることは大変です。
子どもたちと触れ合う中で、日常から気づいたことはこまめに観察し、メモを取り、いつでもまとめられるように準備しておくことが重要です。
また基本ですが誤字・脱字には十分気を付けましょう!
ポイントを押さえて保育要録を完成させよう
いかがでしたでしょうか。保育要録は子どもたち、そして小学校の先生方にとって非常に重要な存在です。その内容により今後の教育方針が変わり子どもたちの成長も変わってきます。
幼少期を見て来た保育士さんだからこそ、子供一人一人と向き合って気づけることが多くあると思います。
これから年度の変わり目に向け、保育士さんもより一層忙しくなると思いますが、なるべく早くにまとめ、子どもたちの記録を小学校につなげられるようにしましょう!
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