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就職活動は、多くの保育学生にとって大きな節目となります。卒業を間近に控え、履歴書を書いたり面接に挑んだりと、日々忙しく過ごしている方も多いのではないでしょうか。特に4年制大学や短期大学、専門学校で保育士を目指している保育学生にとっては、自分に合った園をどう選ぶかが大切なポイントになりますよ。福祉や教育に関わる保育業界は、一般企業の就職活動とは少し違った部分もありますが、安心して働ける環境を選ぶことは共通しています。そこで今回は、正社員として保育士を目指す皆さんに向けて、就活のポイントを詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
保育学生が就活をはじめるタイミングは?
【4年制】3年の終わり頃

4年制大学で保育を学ぶ学生の就職活動は、3年生の終わり、具体的には3月ごろから本格的に始まります。この時期になると、多くの保育園やこども園、児童養護施設などで説明会や見学会、さらには保育実習も実施されます。例えば、園庭での遊びの様子を見学したり、現役の保育士と一緒に絵本の読み聞かせを体験できる機会もあるんですよ。人気の園は早めに募集を締め切る場合もあるため、履歴書の準備や模擬面接を少しずつ進め、余裕を持って挑むことが安心につながります。特に4年生の春から夏にかけて選考が集中するため、計画的に行動することが希望の園に近づく第一歩となります。
【2年制】1年生の終わり頃
短期大学や専門学校といった2年制の学校で保育を学ぶ学生の就職活動は、1年生の終わり、ちょうど年が明けた1月から3月ごろに本格的にスタートします。2年制の学びはとても濃く、2年生になると最後の保育実習や卒業研究、さらには国家試験対策で毎日が慌ただしく過ぎてしまいます。そのため、比較的時間に余裕のある1年生のうちから就職を意識して準備を始めることが大切です。例えば、合同説明会に参加して園庭の雰囲気や先生方の保育の姿を見たり、パンフレットを集めて保育理念を比べてみたりすると、自分のやりたい保育のイメージが少しずつ形になっていきます。
園の採用スケジュールに合わせる

保育学生の就職活動において大切なのは、志望する園の採用スケジュールに合わせて計画的に行動することです。園の採用スケジュールは、公立や私立、株式会社といった運営元の方針によって大きく異なります。例えば、公立園の場合は、6月〜9月頃に募集や採用試験を行うのが一般的です。一方で私立園では、6月〜11月頃に募集や採用試験がある場合が多いです。「まだ周りが就職活動を始めていないから大丈夫♪」と油断していると、気づいた時には本命の園の募集が終わっていたという事態になりかねません。園のホームページをこまめに確認したり、常に最新の情報を入手したりして、それぞれの園の選考ペースに合わせた準備を進めるようにしましょう。
新卒保育士の就活方法の流れ
①自己分析
就職活動の準備は、実習から始まるわけではありません。まず大切なのは、自分自身の考えをしっかり見つめ直すことです。
「子ども一人ひとりに寄り添える保育士になりたい」
「食育に力を入れている園で働きたい」
など、自分の思いや価値観を整理してみましょう。例えば、自分の長所として明るく元気に子どもと遊べること、短所として細かい作業が苦手なことを挙げておくと、自分に合う職場のイメージが具体的になります。こうした自己分析を進めると、少人数で家庭的な保育を行う園や、英語教育に力を入れる園など、自分の軸に合った職場を見つけやすくなりますよ。
②情報収集

自己分析を終えた後に取り組むべき大切なステップが情報収集です。自己分析によって見えてきた自分の特徴は、たくさんの求人の中から自分に合う園を探すための道しるべになります。この軸を持たないまま情報を集めると、給与や通勤時間といった条件ばかりに気を取られてしまい、本当に自分に合った職場かどうか判断しにくくなりますよ。だからこそ、園の保育理念や方針、子どもたちの1日の過ごし方をよく確認したり、見学会に参加して子どもたちと保育士の関わりを実際に見ることが大切です。
③園見学
保育の就職活動において、園見学はとても大切なステップです。 園見学は、就職先を見極める大切な機会です。最低でも3園以上を訪れると比較しやすいです。例えば、園庭が広く子どもがのびのび遊んでいるか、保育士同士が協力し合っているか、といった具体的な視点を持つと自分に合った園を探しやすくなりますよ。また、園見学をする際は、服装や髪型など清潔感のある身だしなみにも気を配ることが大切です。
・保育士の人数や雰囲気
・園内が整理整頓されているか
園見学の際は上記のポイントを観察しながら、自分が働きたいと感じられる園かどうかをしっかり見極めてみてくださいね。
④エントリーシート提出

保育士を目指す就職活動では、園見学を終えた後に進むステップがエントリーシートの提出です。エントリーシートは園に自分のことを知ってもらう大切な書類で、履歴書のような基本情報に加えて、自分の思いや考えを伝える役割もあります。例えば「学生時代にサークルで子どもと関わった経験から、子どもの成長を一緒に喜びたいと思うようになりました」など具体的な体験を書くと、読む側にも気持ちが届きやすいです。また、誤字脱字のないよう丁寧に仕上げることや提出期限を守ることは基本ですが、誠実さを感じ取ってもらえる大事なポイントでもあります。エントリーシートは、第一印象を決める大切なきっかけになるので、心を込めて準備してくださいね。
⑤面接
エントリーシートを提出したあとは、いよいよ面接へと進みます。事前に園見学で顔を覚えてもらったり丁寧な書類を準備したりすることも大切ですが、やはり就活で一番の山場は面接かもしれません。保育士の採用では人間性がとても重視されます。人手不足の業界とはいえ、自分の思いや良さをきちんと伝えられなければ内定につながりにくいです。例えば、子どもとの関わりで大切にしていることや実習で学んだエピソードを具体的に話すと、面接官にあなたらしさが伝わりますよ。緊張してしまっても、子どもと接するときと同じように笑顔を心がけて面接を乗り切りましょう。
⑥内定

園見学やエントリーシート、面接といった就職活動の流れをすべて終えて、やっと内定をいただけます。内定は園が「ぜひ一緒に働きたい」と思ってくれた証で、とても嬉しい瞬間ですよね。新卒の場合は入職前に事前研修や懇談会が設けられることが多く、ここで少しでも園の雰囲気に慣れておくことが大切です。やっとの思いで、内定が決まったからといって「これで卒業まで気楽に過ごせばいいや」と油断せず、来年度から働く職場に安心して入れるよう少しずつ心構えを整えていきましょう。
新卒保育士の情報収集の方法は?
学校で集める
就職活動を始める際に、まず大切なのが情報収集です。その1つ目の方法として学校で情報を集めることが挙げられます。大学や専門学校では、キャリアセンターや就職担当の先生が求人票を管理していたり、過去に卒業生が就職した園の情報をまとめていたりします。例えば、新人研修をしっかり行っている園や働きやすいと評判の園など、具体的な情報を知ることができる点が大きなメリットです。また、実習でお世話になった先生に相談するのも心強い方法ですよ。学校という身近な場所を活用して、信頼できる情報を集めましょう。
保育士フェアに参加する

2つ目の情報収集方法としておすすめなのが、保育士フェアに参加することです。保育士フェアでは多くの園が集まるので、複数の園の担当者と話すことができます。例えば園の保育方針など、求人票だけでは分からない詳しい情報を聞けることが保育士フェアの大きな魅力です。また、その場で園の雰囲気や担当者の人柄にも触れられるため、自分に合うかどうかを感じ取りやすいのもポイントですね。積極的に質問をして園を比較することで、自分の就活の軸を見つけやすくなりますよ。
SNSを活用する

SNSを活用することも、就活における情報収集の方法としておすすめです。最近では、多くの保育園や法人がInstagramやX(旧Twitter)などで園の様子を発信しています。例えば、園の行事の写真や保育士の取り組み、子どもたちの活動の様子などをリアルタイムで知ることができ、求人票だけでは見えない日常の雰囲気を感じられますよ。また、実際に働いている保育士の声や就活の体験談を発信しているアカウントもあるため、保育現場の生の声を参考にできるのも大きなメリットです。上手にSNSを取り入れることは、自分に合った園を見つける手助けになりますよ。
就活サイトを見る
情報収集の方法として就活サイトを見ることもおすすめです。就活サイトは全国の保育園や幼稚園の求人情報が数多く掲載されており、勤務地や勤務形態、給与条件なども検索しやすい点が特徴です。例えば、家から通いやすい園を探したい、研修制度が整っている園を知りたい、といった希望に合わせて絞り込みができるため、とても便利ですよ。また、求人はすべて同じ形式で表記されているため条件の比較がしやすいです。気になる園を見つけたら、園見学や説明会への申し込みにつなげていきましょう。
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知り合いの紹介
知り合いからの紹介も情報収集の方法としておすすめです。例えば、学校の先輩や実習で出会った保育士、親戚や友人など、保育業界に関わっている人から直接話を聞くと、求人票には載っていないリアルな情報が得られますよ。園の雰囲気や人間関係が良好かどうかなど、実際に働く人にしか分からない部分を知れるのは大きなメリットです。また、紹介がきっかけで園見学や採用につながる場合もあります。ただし、人によって受け取り方や感じ方が異なるため、紹介だけに頼らず自分の目でも確認することが大切です。信頼できる知り合いの声を参考にすることで、より安心して就職活動を進められるでしょう。
新卒の就職先の決め方
運営形態で決める
新卒の就職先を選ぶ際のポイントは、園の運営形態で決めることです。保育園には公立と私立があり、さらに社会福祉法人や株式会社など、運営主体によって働き方や特色が大きく変わります。例えば、公立保育園では地域に根差し、統一された基準のもとで一貫した保育を行うことが多いです。一方、私立保育園ではモンテッソーリ教育や自然体験を重視するなど、園ごとに独自の方針を取り入れた柔軟な保育が実践されています。また、規模の大きな法人が運営する園では研修制度が充実している場合もありますよ。自分が大切にしたい働き方や将来のキャリアを考えながら、運営形態を見極めることで、自分に合った職場を見つけやすくなります。
福利厚生の充実度を確認する

新卒の就職先を選ぶとき、2つ目のポイントは福利厚生の充実度を確認することです。保育士の仕事は体力も気力も必要とするため、安心して長く働ける環境が整っているかどうかが大切になります。例えば、住宅手当や家賃補助があると一人暮らしでも安心です。産休や育休制度が整っていると将来のライフプランを描きやすくなりますよ。また、研修制度や健康診断の有無などもチェックしておきたい項目です。福利厚生は求人票だけでは見落としがちですが、自分の生活や働き方に直結する大事な部分ですので、しっかり比較して選ぶようにしましょう。
その他
その他にも大切なのは、園の保育方針や雰囲気を自分の目で確かめることです。例えば
・保育士同士が協力し合える環境か
といった点は、長く働くうえでとても重要です。また、園庭や施設の環境や安全面への配慮も見ておきたいところです。さらに、通勤時間やアクセスの良さも毎日の生活に直結しますので、無理のない範囲かどうかを確認しておくと安心です。このようなポイントで複数の園を比較し、自分の価値観や働き方に合った職場を見つけることが、納得のいく就職につながりますよ。
まとめ
新卒保育士の就活には情報収集が必要不可欠!
いかがでしたでしょうか。今回は、新卒保育士の就職活動の流れや園選びのポイントについてお伝えしました。新卒の保育学生にとって就職活動は、これまでの学びの集大成であると同時に、社会人としての第一歩でもあります。園見学や情報収集、面接などを1つずつ丁寧に取り組むことで、自分に合った職場に出会いやすくなります。今回の内容を参考に、安心して働ける素敵な園を見つけて最高のスタートを切ってくださいね。




















