療育の対象となる児童とは?支援内容も紹介!【基準・意味がない・後悔・必要ない子・費用・プログラム・種類】

皆さんは療育という言葉を聞いたことはありますか?療育とは、通常の保育とは少し異なる取り組みです。発達障害や身体障害がある子供に対して、特別な支援を行う場所とされています。とは言っても、どのような障害がある子供が療育の対象になるのかは、詳しく知らない人も多いですよね。ここでは、療育の対象について、どんな児童が対象になるのか、療育の効果や支援内容と合わせて紹介していきます。療育の利用を考えている人や、療育で働くことを考えている人はぜひ参考にしてみてください。

療育とは何か

障害のある子供の支援を行う取り組み

まず初めに、療育とは何かを説明します。療育とは、障害のある子供の支援を行う取り組みのことを指します。普通の保育とは異なり、対象となる子供が障害のある子供であると限定されていることが特徴ですね。保育の内容も異なり、それぞれの子供の発達に合わせた支援が行われています。療育に通う子が持つ障害はそれぞれ異なるので、支援内容も多岐に渡ることが多いと言えるでしょう。療育を行うことで、普通の保育園や幼稚園に通うことが難しい子でも、適切な保育を受けることができるようになります。

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療育の対象となる児童

身体的な障害を持つ児童

療育の対象となる児童として初めに挙げられるのが、身体的な障害を持つ児童です。手足が不自由だったり、目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりなど、身体的に障害がある場合、療育に通うことができます。それらの身体的な障害があると、障害がない子供と同じように遊んだり生活したりすることが難しいこともありますよね。そんなときに、療育であれば自分の障害に合わせた活動を行うことができますよ。

学習障害を持つ児童

学習障害を持つ児童も、療育の対象となります。学習障害とは知的障害の一種で、読み書きの能力や計算力に遅れがある状態を指します。従って、学習障害だとわかるのは小学校入学以降のことが多いと言えるでしょう。子供の学習進度や学習能力は人それぞれなので、学習障害があるかどうかを見分けるのは難しいとされています。子供の学習面に関して違和感を持ったら、専門機関を受診するのもおすすめです。専門家や医師の判断で学習障害だと診断されたら、療育に通うことも選択肢の1つとして考えられますよ。

自閉症の児童

自閉症の児童も療育の対象となります。療育機関にいる児童の中でも多くの子供がこの障害を持っています。自閉症の症状には様々なものがありますが、人とのコミュニケーションが苦手であったり、人に対する興味関心が極端に低かったりする場合などが考えられますね。また、自分が興味を持ったり、好きだと感じたりするものに対するこだわりが強く、特定の分野においては著しい能力を発揮することもあるでしょう。対人関係が上手く構築できないことから、一般的な保育現場では馴染めないこともあります。療育を受けることで、症状の緩和を期待することもできますよ。

多動性障害のある児童

多動性障害のある児童も、療育の対象となっています。多動性障害とは、自閉症と同じく発達障害の1つです。過度に落ち着きがなかったり、注意力が散漫であったり、などの症状が考えられるでしょう。一般的に、子供は小さいときは落ち着きがありません。誰でも忘れ物をしてしまったり、順序立てて物事を行うことができなかったりすることもあるでしょう。しかし、普通であれば年齢が上がるにつれてだんだんと注意できるようになってきます。多動性障害の場合、年齢が上がっても注意力が続かなかったり、衝動的な行動をよく起こしてしまったりすることがあります。これらの症状によって生活に支障が出ることもあるため、適切な時期に療育を受けるがおすすめですよ。

療育の効果

療育は子供の将来の自立につながる

それでは、療育を行うことにはどのような意味があるのでしょうか。療育は、障害がある子供の自立につながるとされています。一般的に、上記で説明したような障害がある子供は、普通の子供と同じように生活することが困難である場合も多いですよね。みんなと同じようにできなかったり、それによって孤立してしまったりと、様々な問題を抱える子供も少なくありません。療育ではそれぞれが持つ特性に合わせて支援を行うため、子供の自立を効果的にサポートすることができます。早い内から療育に通うことで、症状の改善がみられることもありますよ。

療育を行う2つの方法

集団療育

療育を行う方法としては主に2つの方法が考えられます。1つ目は集団療育です。集団療育とは、2人以上のグループで療育を行う方法です。療育を提供している機関の中でも、集団療育を行っているところが多いでしょう。コミュニケーションが苦手な子でも、少しずつ相手との交流の仕方を学ぶことができるようになります。人との関わり方を集団の中で学ぶことができるので、社会に出たときにもコミュニティに入りやすくなりますよ。一方で、人と関わることが極端に苦手な子供にとっては、集団療育の環境そのものがストレスになってしまうこともあるので注意が必要です。

個別療育

療育を行うもう1つの方法は個別療育と呼ばれるものです。集団療育とは異なり、基本的には1対1で療育を行います。その子供の特性にぴったりと合った方法で療育を行うことができるでしょう。支援内容も1人1人に合わせて変えることができるので、子供がストレスを感じることも少なくなりますね。一方で、他の子供と関わる機会が減ってしまうことがデメリットとして考えられます。周りの環境から良い刺激をもらえなかったり、コミュニケーション力を鍛えにくかったりするという点では注意が必要です。

療育の支援内容

生活面での支援

療育の支援内容としては、生活面での支援が行われます。療育の対象となる子供の中には、障害を理由に一般的な生活を送ることが難しい子供もいます。ご飯を上手く食べられなかったり、歯磨きや着替えが1人でできなかったりなどが考えられますね。療育ではそのような基本的な生活習慣のサポートを行います。療育を受けることによって、障害があっても、なるべく円滑に生活を送るにはどうしたら良いのかを学ぶことができますよ。

運動機能を改善する支援

療育では、運動機能を改善する支援も行います。身体的な障害がある子以外にも、運動が苦手な子供もいます。特に発達障害がある子供は、上手く走ることができなかったり、縄跳びなどのタイミングを図って行う運動が苦手だったりすることがあるでしょう。運動をしながら療育を行うことで、運動が苦手な子に対しての支援を行うことができます。また、みんなで体を動かすことでストレス発散になったり、協調性を学んだりすることもできますよ。

コミュニケーションの支援

コミュニケーションの支援も、療育における支援の1つです。療育に通っている子供の中には、人とのコミュニケーションが苦手な子も多いですよね。しかし、社会に出て自立するためにはコミュニケーション力は大切なスキルの1つです。療育では、障害がある中でもスムーズなコミュニケーションが取れるような支援を行っています。簡単なあいさつを毎日行うことを心掛けたり、相手の表情を読み取る練習をしたりすることで、将来の自立につながるコミュニケーション力が次第についてきますよ。

療育の種類

応用行動分析

療育の種類には様々なものがありますが、その一例として応用行動分析という方法が挙げられます。応用行動分析では、人の行動の原因を分析し、良くない行動を起こさないようにする取り組みを行います。自閉症の子供に向けて行われることが多い方法ですね。好ましい行動を取った後に、褒めたりご褒美をあげたりすることによって、好ましい行動を取りたいと子供自身が思えるようにします。一方、好ましくない行動を取ったときに、それが良い結果を招かないことを教えることを行います。

TEACCH

TEACCH も療育で行われる方法の 1 つと言えるでしょう。TEACCH とは Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped Children の略で、アメリカのノースカロライナ州で行われたのが始まりです。障害を障害とみるのではなく、文化として受け入れようとする考えに基づいています。親や専門家だけでなく、地域社会全体で障害のある子供を受け入れ支援するのが特徴ですよ。特に自閉症の子供に向けて行われている取り組みです。

SST

SSTも療育の取り組みの1つです。SSTとは、Social Skills Training(ソーシャルスキルトレーニング)の略で、社会で生きていくために必要なスキルを身につけるための取り組みです。社会で生きていくためには、コミュニケーション力や、学習能力、常識などが必要ですよね。療育に通う子供の中には、それらの力が足りない子も多くいます。ソーシャルスキルがなぜ必要なのかを説明したり、ロールプレイングを行ったりすることで支援を行っていきます。

認知行動療法

療育の方法としては、認知行動療法も挙げられます。通称CBTとも呼ばれるこの療法では、ストレスの原因とそれによる行動を分析します。それによって、悲観的な考えを柔らかくするのが目的だと言えるでしょう。具体的には、どのような時にストレスを感じるのか、その出来事をどのように受け取ってどのような行動を取るのかを整理します。生活習慣を見直したり、成功体験を積んだりすることによって柔軟な認知力が期待できますよ。

箱庭療法

箱庭療法も、療育の方法の1つです。箱庭療法とは、砂が入った箱の中にミニチュアを並べることで、言語化するのが難しい自分の内面を表現させる療法です。今までの療育とは少し違った取り組みですよね。療育として箱庭療法だけが行わられることはあまりなく、他の療育方法と組み合わせて行われることが多いです。言葉を使わずに自分のイメージや感情を表現できるので、言葉の発達が遅れている子や、言語化が苦手な子に効果的な方法だと言えるでしょう。

音楽療法

療育では、音楽療法もよく取られる方法です。音楽療法とは名前の通り、療育に音楽を取り入れる方法です。障害の有無に関係なく、音楽には心を癒したり、体をリラックスさせたりする効果がありますよね。音楽療法では、音楽のこのような特性を生かして療育が行われます。どのように音楽を使用するかはそれぞれですが、コミュニケーション手段の1つとして実際に音楽を演奏したりする場合もありますよ。

まとめ

対象となる児童の特徴を知って早期療育につなげよう

ここまで、療育とは何か、どのような児童が対象になるのか、療育の種類も含めて説明してきました。基本的には、療育の対象となるのは何らかの障害を持つ児童です。一方で、子供に障害があるのかどうか自分で判断するのが難しい場合もあります。おかしいなと感じたらまずは専門家に相談しましょう。早期に療育に通うことで、症状が改善することもありますよ。まずは療育の対象となる児童の特徴を知ることから始めてみてください。

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