健常児とは?障害児との違いやセルフチェックの方法を紹介!【言い換え・生まれる確率・羨ましい・クレーン現象・くるくる回る・エコラリア】

皆さんは健常児という言葉を聞いたことがありますか?一般的に、健常児とは障害児の対になる言葉で、心身ともに異常がない子供のことを指します。よく耳にする健康とは少し異なることがわかりますね。ここでは、健常児について、障害児との違いや発達障害の種類と共に説明していきます。自分の子供が健常児かどうか悩んでいる人はもちろん、これから妊娠・出産の予定がある人もぜひ参考にしてみてください。

健常とは

心身が普通で異常がないこと

そもそも、健常とはどのような状態を指すのでしょうか。辞書では、健常は次のように定義されています。

健常:体や心に異常がないこと

(参考:国語辞典online)

つまり、健常児とは体や心に異常がない子供のことを指すということがわかりますね。中には、身体的な障害以外にも、心や知能に障害を持って生まれてくる子がいます。発達障害やダウン症などがその例ですね。それらの障害を持たず、心身共に異常がない状態である子供を健常児と呼びます。

療育の場では定型発達と言い換えられることも

健常児という言葉は、障害児の対となる言葉として使われることが一般的です。一方で、療育の現場では健常児の代わりに定型発達という言葉が使われることもありますよ。意味としては健常児とほとんど同じです。身体的な障害がないというよりも、発達障害がないという意味で使われることが多いようです。健常児よりも専門的な言葉ではありますが、同じ意味の言葉として知っておくと良いかもしれません。

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健常児と障害児の違いとは

身体・知能・精神のいずれかに障害があるかないか

それでは、健常児と障害児の違いにはどのようなものがあるでしょうか。健常児が心身共に異常が無い子供を指すことは説明しました。反対に、障害児とは身体、知能、精神のいずれかに普通とは異なる障害がある子供のことを指します。耳が聞こえにくかったり、手足に欠損や変形があったりする場合が身体障害にあたりますね。一方、多動症や自閉症は知能や精神の障害であるとされています。これらの障害は、生まれつき持っている先天性のこともありますが、成長過程で発症することもあるとされていますよ。

健常児が生まれる確率

先天性の障害を持たずに生まれる子供が9割以上

平均して、健常児が生まれる割合は9割以上だとされています。ここでの健常児とは、生まれながらの先天的な障害を持たずに生まれてくる子供を指しています。反対に、先天性の障害を持って生まれてくる子供は3%前後だとされていますよ。先天性の障害には様々なものがあり、先天奇形や先天異常などが挙げられます。先天性の障害については、妊娠時の年齢や、妊娠した後の妊婦の行動が原因であると言われることがありますよね。しかし実際には妊婦の年齢や行動が原因となる例はわずかです。ほとんどは染色体や遺伝子の変化によって起きる障害だとされています。

健常児に見えても発達障害のことがある

2~3歳から発達障害のサインが出ることが多い

実は、生まれたときは健常児に見えても、後に発達障害を発症することがあります。先程は、生まれつき障害を持って生まれる先天性疾患についての説明をしましたよね。生まれ持った障害が身体的なものである場合、生まれた時点で異常がわかることもあります。一方で、発達障害などの脳や精神に異常がある場合、生まれてからすぎには気が付かないこともあるのです。一般的に、発達障害のサインが出始めるのは2歳~3歳頃だと言われています。一方で、発達障害の種類や障害の程度によっても、気づくタイミングは異なると言えるでしょう。

発達障害の種類

自閉症

ここからは発達障害の種類について説明していきますよ。まず初めに説明するのが、自閉症についてです。発達障害の中でも、自閉症の児童は多くいます。自閉症とは、自閉スペクトラム症の略であり、ASDと呼ばれることもありますよ。一般的な症状としては、他人に対する興味が極端に低く、周囲とのコミュニケーションが苦手であることなどが挙げられます。一方で、自分が興味のあることに対してはこだわりが強く、臨機応変な行動が苦手なこともあるでしょう。子供が小さいときには、言葉の遅れが目立つこともあるかもしれません。

ADHD

次に説明するのはADHDについてです。ADHDとは、注意欠如・多動症のことで、多動症と呼ばれることも多いですね。自閉症と同様、発達障害の中でも症状がある児童の割合が高い障害です。注意力が著しく低かったり、集中力を持続させることができなかったりといった症状が挙げられます。それによって、日常生活に問題が生じることもあるでしょう。ある程度の年齢に達しても落ち着いて行動することができなかったりすることもあります。順序だてて物事を考えること苦手なのも特徴です。

学習障害

学習障害も、発達障害の一種です。知的な障害はないものの、読み書きの能力や計算力、思考力の発達が普通よりも遅れている状態を指します。知的障害は無いという面から、自閉症や多動症とは少し異なる発達障害と言えますね。また、学習障害に関しては、発見が遅れやすいということも特徴の1つです。小学校入学前の段階では、読み書きや計算を行う機会も少ないですよね。従って、小学校に入学して学習機会が増えるようになってから気が付く例も多いようです。

健常児かどうか確認する方法

つま先歩きをするかどうか

発達障害に関しては、身体的な障害とは違って、気が付くのに時間がかかる場合があります。ここでは、子供が健常児かどうかを確認する方法を紹介していきますよ。まず初めに紹介するのは、つま先歩きをするかどうかです。自閉症である子供は、つま先歩きをすることが多いとされていますよ。これは、自閉症の子供が普通の子供では感じない足裏の不快感を持つことがあるからです。また反対に、つま先への刺激を求めている場合もあります。それによって、脳を刺激しようとしているなどの理由が考えられますよ。

くるくる回るかどうか

また、子供が自閉症や多動症である場合、くるくる回る行動をすることもあります。くるくる回るといっても、それが短時間であったり、頻度が高くなかったりすれば問題ありません。そもそも子供は、回転することによってバランス能力や運動能力を鍛えることができます。従って健常児かそうでないかに関わらず、子供がくるくる回ることはよくある行動です。一方で、長い時間回り続けていたり、注意しても止めようとしなかったりする場合は注意が必要ですよ。発達障害がある場合、同じ刺激を受け続けようとくるくる回り続けることが考えられるからです。

言葉に遅れがあるかどうか

言葉の遅れも発達障害の子供に見られる症状の1つです健常児である場合、一般的に生後数か月ごろから言葉を発するようになります。1歳半~2歳半ごろには意味のある言葉を話すようになり、3歳頃には簡単な会話ができるようになるとされていますよ。一方で、発達障害がる子供の場合、2歳~3歳になっても、ほとんど言葉を発しないことがあります。周りの子に比べて言葉の理解が遅かったり、自分から話す機会が著しく少なかったりする場合は注意してみてもいいかもしれません。

クレーン現象が見られるかどうか

クレーン現象も、発達障害がある児童に見られる症状の1つですよ。クレーン現象とは、自閉症の子供によく見られる現象です。親などの他人の体を使って物を取ろうとする行動のことを言います。普通であれば、子供が何か物を欲しいときは言葉で発したり、指で指したり、自分から手を伸ばして取ろうとしたりしますよね。一方、発達障害がある子供の場合は親の手頸を持って物を取ろうとしたりすることがありますよ。これは言葉に遅れがある場合や、自分の手を使うことが苦手な子にも当てはまる症状です。

オウム返しをする(エコラリアがある)かどうか

発達障害の子は、オウム返しをすることもあります。オウム返しはエコラリアと呼ばれることもあります。相手が言った言葉をそのまま繰り返す現象のことを指しますよ。言葉がまだ上手く出てこない1歳~2歳の子供に見られる現象で、健常児でも行うことがあるでしょう。エコラリアには即時エコラリアと遅延エコラリアの2種類があるとされています。即時エコラリアとは、相手の質問など対して、答えを言うのではなくそのまま疑問文として繰り返してしまうことです。質問以外にも、「○○して」という言葉に対して「○○して」とそのまま返してしまうこともありますよ。一方遅延エコラリアとは、どこかで聞いたセリフをある程度の時間が経ってから繰り返す現象のことを指します。3歳~4歳になってもオウム返しが続くようであれば、子供の発達障害に注意してみるのもいいかもしれません。

健常児かどうかの自己判断は難しいことも

気になる症状があっても健常児である場合もある

ここまで、健常児かどうかを確認する方法を5つ紹介してきました。しかし、子供が健常児そうでないかを自己判断するのは難しいとされています。特に発達障害の場合は、ある程度の年齢になるまで行動や見た目に変化が現れないこともあります。上記で挙げた行動に当てはまっても、すぐに健常児でないと判断するのは控えましょう。上記で挙げた行動は全て健常児にもあてはまる行動です。年齢が上がるにつれて行動が改善されることもありますよ。

健常児かどうかの判断に迷ったら

専門家に相談する

健常児かどうかの判断に迷ったら専門家に相談することをおすすめします。発達障害に関しては、健常児かそうでないかの判断は難しいと説明しました。自分で判断するよりも、専門家に見てもらった方が安心できますよね。専門家を受診すれば、子供の行動をより詳しく見てもらうことができますよ。場合によっては、子供と直接会話したりして判断することもあるようです。注意したいのは、専門家であっても判断が難しいことがあるということです。その場合は、結果を一旦受け入れ、子供の様子をしばらく注意して見てみるのが良いでしょう。

療育に通うことを考える

健常児かどうか悩んでいる場合は、療育に通わせることもおすすめです。療育に通うためには、医師からの診断書や療育手帳などがあると確実だとされています。一方で、療育の施設によってはそれらの書類がなくても子供を受け入れてくれるところもありますよ。はっきりと発達障害かどうかはわからないけど、気になる行動が多い場合は、一度療育施設などに相談してみるのもおすすめです。早期に療育に通い始めることで、子供の気になる症状が改善することも考えられます。

障害の有無を問題としないインクルーシブ保育

自分の子供が健常児かどうかわからない場合、インクルーシブ保育を行う施設に通うのもおすすめです。インクルーシブ保育とは、障害の有無を問題としない保育のことを指します。一般的に、療育という言葉があるように、障害がある児童とそうでない児童では保育現場が分けられていることが多いですよね。しかし、インクルーシブ保育では、障害がある子もない子も一緒に保育を受けることができます。それによって、障害がある子もない子もお互いの理解を深めたりすることができますね。健常児かどうか悩んでいる場合に、1つの選択肢として考えてみて下さい。

まとめ

健常児かそうでないかの判断は慎重に

ここまで、健常児について、発達障害の説明を含めて紹介してきました。健常児の子供が生まれる確率は9割以上であるものの、何等かの障害を持って生まれる子も一定数います。特に発達障害の場合は見た目ではわかりにくいため、悩むことも多いですよね。ここでは健常児かどうかを判断する方法を紹介しましたが、あくまでも一部の例です。それらの行動にあてはまるからと言って必ずしも障害があるとは限りませんし、逆もまた然りですよ。この記事を参考に子供の様子を見守り、必要に応じては専門機関を受診するようにしてください。

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