精神保健福祉士とは?なるには?どんな仕事?【合格率・受験資格・年収】

現代の日本では、忙しい生活の中でストレスを抱えている人が増えているといわれています。いじめや対人関係のトラブルなどの問題が増加するとともに、うつ病やパニック障害等の精神障害も話題になることが多くなりましたよね。そんな精神障害を患った場合、どのような支援を受け、どのように回復していくことができるのでしょうか?【精神保健福祉士】とは、そんな問題を抱える人々を支える仕事です。さて、今回はそんな【精神保健福祉士】について解説していきます!

精神保健福祉士になるには?

国家試験に合格すること

精神保健福祉士になるためには、どのような資格や勉強が必要となるのでしょうか?精神保健福祉士になるための大前提として、まずは国家試験に合格することが挙げられます。合格し、精神保健福祉名簿に登録され資格登録証を受け取ることによって、精神保健福祉士として活動することが可能です。ただし、受験資格には様々な条件が必要。ここからは、国家試験を受験するまでのルート別に、精神保健福祉士になる方法を解説していきます。

指定科目を福祉系大学・短期大学で履修した場合

福祉系大学の4年制大学に進学し、精神保健福祉士の国家試験に必要な指定科目を履修した場合は、卒業と同時に受験資格が得られます。3年制の短期大学の場合は、まずは指定科目を履修していることが条件になります。それだけでなく、1年間の相談援助実務経験が必要に。また、2年制の短期大学の場合も、指定科目の履修が前提です。それに加え、相談援助実務経験が2年必要となるため、受験資格を得るには最短でも2年は必要となります。

指定科目を福祉系大学・短期大学で履修した場合

福祉系大学の4年制大学に進学し、精神保健福祉士の国家試験に必要な指定科目を履修した場合は、卒業と同時に受験資格が得られます。3年制の短期大学の場合は、まずは指定科目を履修していることが条件になります。それだけでなく、1年間の相談援助実務経験が必要に。また、2年制の短期大学の場合も、指定科目の履修が前提です。それに加え、相談援助実務経験が2年必要となるため、受験資格を得るには最短でも2年は必要となります。

基礎科目を福祉系大学・短期大学で履修した場合

続いて、福祉系の4年制大学に進学し、基礎科目のみを履修した場合について解説します。福祉系4年制大学で基礎科目のみ履修の場合、それに加え、卒業後に6ヶ月以上の間短期養成施設にて学ばなければいけません。この場合、受験資格を得るためには最短でも6ヶ月必要です。3年制の場合は基礎科目の履修に加え、相談援助実務が1年必要です。それに加え、短期養成施設で6ヶ月以上学ぶ必要が。2年制の短期大学の場合は、相談援助実務が2年必要となるため、最短でも受験資格を得るには2年6ヶ月かかります。

社会福祉士資格取得者の場合

社会福祉士資格取得者の場合は、短期養成施設で6ヶ月以上学ぶことによって受験資格を得ることができます。社会福祉士資格取得者の場合は、受験の際にも、試験の一部が免除されるなどメリットが多いといえるでしょう。ただし、社会福祉士の資格も、国家試験に合格する必要があります。この場合も、受験資格に細かい要件があるため、確認が必要です。社会福祉士の受験資格の要件を満たせる場合、精神保健福祉士の受験資格を満たしていることが多いです。そのため、2つの資格を取得して、幅広く仕事をしたい人にはおすすめのルートといえるでしょう。

一般大学・短期大学卒業の場合

一般の4年制大学を卒業した場合は、一般養成施設で1年以上学ぶことによって、受験資格が得られます。3年制の一般短期大学の場合は、相談援助実務を1年間経験し、一般養成施設で1年以上学ばなければならないため、最短で2年が必要になります。2年制の短期大学の場合は、3年制のルートと同じですが、相談援助実務は4年必要となるため、受験資格を得るためには最短でも4年必要です。

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精神保健福祉士の難易度は?

合格率は60%前後

精神保健福祉士試験の難易度は、合格率が60%前後となっています。2019年から合格率は上昇傾向にあり、2023年には71%となっています。国家資格の試験としては、合格率が高いといえるのではないでしょうか。試験の特徴としては、すべての分野において60%以上の正答率が必要なこと。得意分野で得点を伸ばして合格するということができないため、まんべんなく学習する必要があるでしょう。

精神保健福祉士はどんなところで活躍している?

医療機関

精神保健福祉士とは、どんなところで働いているのでしょうか?多くの場合、精神病院や総合病院の精神科、心療内科クリニックなどが主な仕事場となります。患者様の入院から退院までをサポートするのが主な業務内容です。それだけでなく、入院生活では医師やその他のスタッフと協力し、グループワークやレクリエーションなどの集団精神療法などを実施。また、退院後もその人らしい日常生活を送れるようサポートする他、社会とつながりを持てるよう支援団体との橋渡し役としても活躍。また、患者様だけでなく、そのご家族の相談に応じるのも大事な仕事となっています。

行政機関

次に、行政機関で働く場合について紹介します。地域の保健所や福祉事業所、精神保健福祉センターなどが主な勤務場所。心に問題を抱えた人を対象に、専門的な立場から相談に応じたり、相談者が安心して社会とつながりを持てるように支援します。例えば、日常生活を送れるよう就労支援や住居確保を行ったり、利用できる公的支援制度を紹介する業務に携わります。また、精神障がい者やそのご家族への偏見をなくすことを目的としたメンタルヘルスの啓発活動を行う場合もあります。

生活支援サービス事業所

相談支援事業所や地域活動支援センター、グループホームやケアホーム、救護施設、児童養護施設など、幅広い分野において仕事をすることも可能です。医療費や生活費に関するアドバイスを行ったり、対象者とその家族を支えるために、関係機関と連携し、サポート業務を行ったりすることが主な業務内容。相談支援に関わる事業所では、相談者のケアプランの作成や様々な行政手続きのサポート、地域生活に移るために必要な支援を実施します。就労継続支援事業では、就労に関するトレーニングに加え、職場定着に向けた支援などの業務にも携わります。

司法

最後に、司法の中で精神保健福祉士として仕事をする場合を解説します。2003年に制定された『心神喪失などの状態で重大な他害行為を行った精神障がい者の医療及び観察に関する法律』。この法律に基づいて、善悪の判断がつかず、重大な犯罪などを犯してしまった人の矯正や社会復帰に向けた訓練を行うのが主な仕事です。心神喪失状態にあると判断された場合は、強制入院という処置になることが多いです。そのため勤務先は、保護観察所や矯正施設などになります。

精神保健福祉士はどんな仕事?

精神障がい者の相談に対応

精神保健福祉士は、精神疾患が原因で悩みを抱える方からの相談に応じることが主な仕事内容の1つです。それぞれの精神症状にもよるものの、障害を抱えた方は日常生活を送るだけで精一杯になってしまいます。行政の給付支援制度や経済的支援などを自ら調べることが難しい場合があるでしょう。そのため、まずは面談を行い現在の生活状況を把握してから、課題を整理することが重要に。その後、利用可能なサービスの情報や経済的支援の情報提供を行います。

精神障がい者に対してアドバイスや助言を行う

精神保健福祉士は、悩みを抱えるご本人・ご家族からの話をじっくりと聞き、正しく状況把握する面談技術が必要です。一般的に精神疾患を抱える方は、自分の想いを伝えることが困難な場合が多いです。話を聞く中で、患者さんご本人が考える方向性をくみ取り、社会復帰をするための手法の提案が主な業務内容に。利用できる制度や、利用条件などの情報提供を行い、さまざまな選択肢を提案することも重要な業務の1つです。ただし、精神保健福祉士が社会復帰の方向性をすべて指定するのではなく、患者さんご自身で選択し、意思決定できるように配慮することも大切です。社会復帰をするために必要であれば、ご本人だけでなく、ご家族を巻き込んだ検討会や環境調整を行う場合もあるでしょう。

日常生活に適応するために必要な訓練を行う

精神科病院に入院する患者さんの3分の1以上が10年以上入院しているなど、精神科病院は入院が長期化する傾向があります。入院すると病院の管理下で生活するため、入院が長期化すると病院外の生活から遠ざかってしまい、社会復帰が難しくなる患者さんも。患者さんの社会復帰には、病院外で日常生活を送るために必要な生活技能を身につける「日常生活訓練」が重要です。精神保健福祉士は、患者さんが円滑に社会復帰できるようサポートします。

精神保健福祉士の1日とは?

病院勤務の場合

では、実際に精神保健福祉士として働くことになった場合、どのようなスケジュールで働くことになるのでしょうか?まず1つ目に、病院勤務の場合の1日の流れを紹介します。

8:30 出勤・ミーティング 9:30 精神科デイケア 受け入れ準備
10:00 プログラム準備・参加
12:00 昼休憩
13:00 患者さん・ご家族と面談
15:00 病棟カンファレンス
16:00 行政や自立支援サービスなどの関係機関へ連絡・調整
17:00 ミーティング・引継ぎ
17:30 退勤

面談やミーティングがあるため、時には終了時間がずれることもあるようです。しかし、1人が受け持つ患者さんの人数が複数になることが多く、面談やミーティングの時間厳守が求められます。病院勤務の場合には、スケジュールをしっかり決めておくことが必要になるでしょう。

精神保健福祉センターで働く場合

続いて、精神保健福祉センターで働く場合の、1日のスケジュールを紹介します。

8:30 出勤・ミーティング
9:30 来訪者対応・健康相談
11:00 施設訪問
12:00 昼休憩
13:00 広報活動
15:00 デスクワーク
17:30 退勤

精神保健福祉センターでは、来訪という形での面談、電話面談、自宅訪問などで相談に相談にのる機会が多くなります。また、精神保健福祉士センターでは、精神保健福祉の知識を広めたり、社会資源を知ってもらうために広報活動をすることも業務に含まれています。

精神保健福祉士の給料は?

年収300万〜500万

精神保健福祉士の平均年収は、300万円~500万円となっています。ただし、精神保健福祉士は、活動の幅が広く、資格に対する給与の幅がかなり大きいし仕事です。例えば、規模の大きい病院に勤務する場合と、福祉施設で勤務する場合とで給与はかなり異なるでしょう。それだけでなく、正社員なのか非常勤なのか、行政機関で地方公務員としては働くのかによっても給与が異なります。特に、行政機関において地方公務員として働く場合、勤続年数や年齢によって昇給が望めるでしょう。

まとめ

精神保健福祉士について知っておこう!

ここまで精神保健福祉士の紹介と解説をしました。精神保健福祉士は、精神障害を患う人々をサポートし、自立した生活を行うために支援する仕事です。勤務できる場所、精神保健福祉士が求められる場所が多いため、活躍の機会が多くなる国家資格といえますね。試験自体の合格率も高く、活躍の場が多い精神保健福祉士。ストレス社会と呼ばれる現代の日本においては、必要不可欠な仕事となっていくと考えられています。みなさんも、精神保健福祉士について知っておきましょう!

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